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ソクラテスの生と死は、今でも強烈な個性をもって私たちに迫ってくる。しかし、彼は特別な人間ではない。ただ、真に人間であった。彼が示したのは、「知を愛し求める」あり方、つまり哲学者(フィロソフォス)であることが、人間として生きることだ、ということであった。(「訳者あとがき」より)。ソクラテスの裁判とは何だったのか?プラトン対話篇の最高傑作、ついに新訳で登場!
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Posted by ブクログ
プラトンの『ソクラテスの弁明』にはいくつもの翻訳がある。評者が最初に読んだのは中公クラシックス版の田中美知太郎訳であったが、クリトンとゴルギアスとともに強烈な印象を残したのを覚えている。ただ、いま読み返してみると手放しに誰にでも勧めることができるわけではないなと思う部分が多少ある。すでに他の著作で...続きを読む哲学に対する関心が呼び起こされた読者にとってはどうしても読みたくなる本であろうから、その心配は杞憂であるかもしれない。しかし、光文社古典新訳文庫の納富信留訳の『ソクラテスの弁明』は哲学入門として誰にでも勧めたくなる一冊である。 哲学の始まりは『ソクラテスの弁明』にあるといわれる。哲学という営みを決定づけたのが、プラトンにとってのソクラテスの死という出来事にあるという意味でのことである。そのまさにソクラテスの死という出来事をプラトンがどのように受け留めたのかをありありと感じさせてくれるのが納富訳なのである。納富訳は、しつこく吟味をして、時に挑発さえするソクラテスの姿を生き生きと再現してくれる。それは500人の聴衆を前に饒舌に語り、空しくも虚空に響きわたるソクラテスの弁明を、そしてそれを聞いていたメレトスが押し黙っているその沈黙をも響かせるものである。 本書には古典新訳文庫ではお馴染みの訳注が付されている。とはいえアリストテレスの翻訳のように言葉のニュアンスや語義の説明というよりも、本文には述べられていない背景についてのものであり、疑問の余地のない明瞭な訳文と相まって弁明という作品そのものに没頭させてくれるものである。訳注の内容は、最新の研究や解釈の広さを示すもので、巻末の解説とともにプラトン研究の現在を知らせてくれるものである。本文の分量に匹敵する解説は「ソクラテスの弁明」の内容を丁寧に紐解き、議論の要所を明示し、ソクラテスとプラトンにとって哲学が如何なるものであるかを明らかにしている。そして最後に付されたプラトン著作の執筆年代と梗概はプラトンに初めて触れる人にとっても、そうでない人にとっても、頼りになる見取り図を与えてくれるものである。 プラトンがなぜ「ソクラテスの弁明」を書いたのかをも伺わせる本書は、哲学入門としても、手堅いプラトン入門としても、広く勧めたい一冊である。
「息のつづく限り、可能な限り、私は知を愛し求めることをやめません」 「毎日議論をすること、これはまさに人間にとって最大の善きことなのです。」 最後のところはソクラテスの呪詛のように感じた。今も我々がソクラテスの呪い、哲学の中にいるように。 でもある意味、ソクラテスがあそこで死刑となったからこそ我々が...続きを読む今も哲学しているとも言える。終わらなかったからこそ。 ソクラテスの子らよ。
初めはこのような裁判形式の話だと思わず、斬新で何より語り口調だったのは読みやすいと感じる大きな点だった。語り口調だとはいえ内容や語彙は難しく、新しく学ぶことができた。無知を知っているのではなく無知であることを分かっているというのが正しいニュアンスだったことは驚いた。哲学書は初めてだったので他の本も読...続きを読むみたいと感じた。
ソクラテスが語る「無知」とは、単に知らないことではなく、私益や欲にとらわれ、自ら進んで見ようとしない態度。 人は欲望や立場に飲み込まれると、あえて真実から目をそらし、無知を選んでしまう。だからこそソクラテスは「自分が無知であることを自覚する」ことの重要性を説いたのだと思う。 現代でも、自分の利益...続きを読むや欲ばかりを優先する場面は多い。その中で「知らないことを知らない」と認める姿勢を持つことが、人として誠実に生きるために大切だと感じつつ、バカを演じる方が得をするのは現代でも同じだなと感じた。
ソクラテスが「不敬神」の罪で裁判にかけられ、弁明をしていく。非常に読みやすく解説も丁寧なので古典という感覚を感じることなくスラスラ読めた。 「アテナイの皆さん、今まで述べてきたことが真実であり、皆さんにすこしも隠し立てせず、ためらうことなくお話ししています。しかしながら私は、まさにこのこと、つまり...続きを読む、真実を話すということで憎まれているのだということを、よく知っています。そして私が憎まれているのというまさにそのことが、私が真実を語っていることの証拠でもあり、そして、私への中傷とはまはにこういうもので、これが告発の原因であるという証拠でもあるのです。」p24 この一文が私は特に印象深い。 真実を語ることは自らを危険に晒すことにつながる。真実を語る「勇気」と言われるが、なんだそれは。そんな勇気を賞賛する世の中ではなく、当たり前になったらそれはそれでどうなんだろうと考えてしまった。
自分の死(死刑判決)をもって自らの哲学を体現するという哲学者としての生き方がまさに「徳」と感じた。この作品から感じること、考えることを発信することは野暮な気はするが、言葉一つでここまで心を動かせることに感銘を受けた。 同世代の友達はこれを読んで何を思うだろうか。
死についてや、「無知」について考えることができた。 自分がはっきり「知らない」という自覚を持つ場合にだけ、その知らない対象を「知ろう」とする動きが始まる。 「知らないこと」を自覚していない状態こそが、最悪の恥ずべきあり方であった。
ソクラテスだよと思ってたらソクラテスについてプラトンが書いたなんと創作物みたいなやつだった!だからこれは実質プラトンかも!!! 濡れ衣着せられたソクラテスですが結局死刑になっちまったよ〜な話 書いてるのは弟子のプラトンね。ソクラテスを陥れた奴は結局何かを得れたのかな。 自分はそんなことしてないけ...続きを読むど、あれこれ言い訳すんのもアレだし、己を貫き通して死にすら殉じるぜ!みたいなのよくこの界隈で見る気がする。己の矜持や誇りがすごくて、かっこいい生き様ってこういうのを言うんだろうな〜と思ったりした。私もこうなりたい! あとびっくりしたんだけどプラトンとソクラテスってめちゃ歳が離れてるんだね。 プラトンが20代の時にソクラテスは70歳で死刑になっちゃうし。でもプラトンが12歳の時にソクラテスと知り合ったらしいから、そこから素晴らし教えや影響を受けていたのかな〜と思う。 私も色々読んで哲学を味方につけたいなと思う。
この本を読んでいるあいだ、私はまるで紀元前のアテナイにいて、法廷の片隅からソクラテスの言葉を傍聴しているような気持ちになった。論理や言葉の力で彼が人々に語りかける姿に引き込まれ、ページをめくる手が止まらなかった。 解説を読みながらでなければ理解できない部分もあったが、それでも彼の思想の核は強く響い...続きを読むてきた。とくに印象に残ったのは、「知らないことを恐れる必要があるのか?」という問い。人は死を恐れるが、それは“死”を知らないからであって、本当に恐れるべきことなのか? もしかしたら、死は良きものかもしれない――そんな風に、未知を恐れずに、自らの信念に従って生き抜く姿勢に心を揺さぶられた。 ただの哲学者の言葉というよりも、「命を賭けて真理を語る人間」の言葉を目の前で聞いたような、そんな読書体験だった。
有名すぎる本作、ようやく手に取って読破。 無知と不知の違いについては目から鱗だった。日常において、知らないことを知らないと自覚する事は、実は現代人の私たちも大多数が出来ていないように感じる。 インターネットが普及し簡単に事物を調べられるからこそ、この本の価値が増しているように思う。
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