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「人間の徳(アレテー)は、教えられるものなのか?」「ソフィストとは、そもそも何者か?」。若くて血気盛んなソクラテスは、アテネを訪問中の老獪なソフィスト、プロタゴラスのもとにおもむき、徳をめぐる対話を始める。しかし、議論は二転三転。次第に哲学的色彩を強めながら、やがて意外な結末を迎えることになる。躍動感あふれる新訳で甦る、ギリシャ哲学の傑作!
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Posted by ブクログ
2011年5月23日(月)に阪大生協書籍部豊中店にて科研費で購入。同日読み始め、25日(水)に読み終える。 訳文も読みやすいし解説もすばらしい。これは訳者というよりも光文社翻訳編集部に対する意見だが、たしかに訳者もあとがきで書いているようにプラトンの『プロタゴラス』は藤沢令夫訳が出てからすでに...続きを読む50年以上経っており、「光文社古典新訳文庫」が謳う「いま、息をしている言葉」ではなくなってきているのかもしれない。だとしても、誰でも手軽に読める文庫で新訳を出すのなら、『ニコマコス倫理学』とかもっと優先度が高いものがほかにもあるような気がする。 今度から藤沢訳と交互に読みたい。
[高橋一生が演じているかのような生き生きとした鼻持ちならないアリストテレス] ソクラテスの対話編を読むのははじめて。それ以上に古代ギリシャ哲学について書かれた本を読むのもはじめて。 しかし神業のような翻訳によって、まるで脚本 宮藤官九郎、ソクラテス 高橋一生というようなイメージで一気に読んだ。 ...続きを読むいきなり冒頭から、最近自分が入れあげている美少年についてのろけるソクラテス(35歳)に大笑いする。 とにかくうざい高橋一生版ソクラテス。 ・揚げ足とり ・はい、論破ー 新進気鋭のネット番長、ソクラテス35歳が著名作家プロタゴラス(60歳)に粘着リプライを繰り返す話。 物語のコアは、人間の徳(プラトー)は教育によって教える事が出来るのか?という点。 これって、今の学校教育でも言える。 多くの大衆は思う。「学校で教わる事など人生で役に立たない。知識、知恵を活かすよりも、人は小隊不明の非論理的衝動にかられて行動してしまう」 衝動とはなにか? 衝動と徳(アレトー)は異なるものなのか? 徳(アレトー)は教えられるものなのか? これは哲学問答なので、答えは提示されない。 でも、これこそが今の学校教育に不足している事なのかもしれない。 教えるのではなくて、問う事。 そして、いい加減、高橋一生が「夕べの美少年良かったわぁ」としたり顔をする幻覚から肺胞されたい。
・哲学者プラトンが書いた初期対話篇です。 この書を読めば、如何にソクラテスが「知」というものを重視し、また自分は何を分かっており、何を分かっていないのかの線引きをハッキリさせる事に真剣だったかが理解出来ます。 新訳なのでスラスラ読めました。おすすめです。
おもしろかったなあ これが紀元前の作品だなんて…今読んでも色褪せないし、対話形式だから私たちの疑問も拾いながら連れて行ってもらってる感覚になる 考えることについて、その方法を物語形式で教えてくれている 中高生ぐらいのときに出会えていたらなあと思わずにはいられない ソクラテスが処刑で死んだ理由は何と...続きを読むなく分かるような気がする…これは本当にうまくやらないと、色んな人の反感を買いそう…
難しかったけど、読めなくはなかった。 対話形式でアレテーについて深めていく内容で、ソクラテスの論理的な思考が物凄いなと思った。仮説を立てて証明を行なっていく様がとても面白かったし、物事を深く考えるのって楽しいんだなと思った。
徳(アレテー)について。ソフィストのプロタゴラスとの対話。アレテーとは何か。アレテーは人に教えることができるのか。哲学とは、生きるとは対話(ディアレクティーク)。プラトンに貫かれている真理だと思う。 17.12.17
ソクラテスは、知者として高名なプロタゴラスに対して最大限の敬意を払い、持ち上げると見せて、彼の演説の中の、一見些細なことにも思える問題点を指摘する。はじめは余裕で応じていたプロタゴラスも、ソクラテスから次々と繰り出される質問に次第に追い詰められ、最後は自分の発言の誤りを認めざるを得なくなる。そんな...続きを読むプロタゴラスの様子と、ソクラテスの鮮やかなやり口に、昔見た米国のテレビドラマ「刑事コロンボ」が想い起こされた。プラトンの著作の中でも、読み物としての面白さが特に際立つ作品となっている。 「徳は生まれつき備わっているものではなく、教えられて身につくものである」というプロタゴラスの主張には、納得できる部分もあるように思う。だが「徳は知識である」というソクラテスの主張についてはどうか。作中のプロタゴラス同様、違和感を抱かざるをえない。だが知識でないなら、なぜ教えることができるのだろうか。 一方、プロタゴラスの主張に反対していたソクラテスも、プロタゴラスとの問答の末に、徳は知識であり、したがって教えられるものであることを証明する結果となってしまう。二人とも自己矛盾に陥った格好だ。 ソクラテスが言うように、議論のどこかに誤りがあるのか。あるとしたら、それはどこなのか。答えは読者に委ねられる。哲学するきっかけを読者に与えるという点でも、本書は優れた哲学入門書といえる。
ソクラテスがプロタゴラスに徳をテーマに論戦を挑み三段論法炸裂によるカタルシスは痛快というか、物語性がある。 古典新訳文庫は本当に読みやすい。
若き日のソクラテスが、当代最強のソフィストであるプロタゴラスとの間でスリリングな論争を繰り広げる。 苦戦を強いられるソクラテス。 果たして戦いの行方は!? カジュアルな訳文で、心地よく読み進めていくことができる。また、いわゆるソクラテス・メソッドの実践本としても読むことができる良書。
「人間は万物の尺度である」という言葉で知られる高名なソフィストであるところのプロタゴラスとソクラテスの徳に関する対話篇。ソクラテスというのは、本当に人を喰ったようなたぬきオヤジだなとつくづく思った(笑)。そして抜群に頭がいい。対話の主導権を握る方法の最も最古のものはソクラテスなのではないかと思って...続きを読むしまうほどに。
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