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ソクラテスと三人の人物との対話は、弁論術が立身栄達の術とされている現実や若い人の実利主義的道徳意識などを次々と明るみに出す。プラトンは本編によって、個人の道徳と同時に政治の問題を追求し、アテナイの現実の政治に痛烈な批判を投げかけた。後に『国家』において発展させられた哲人政治の思想の第一歩である。
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Posted by ブクログ
2023/10/23朝日カルチャーセンター横浜の講義終了 通して「弁論術」そして「ソフィスト」とは何か(『ソフィストとは誰か?』納富.2015.ちくま学芸文庫を併読)の考察が深められたように思う。 対話相手の3者(ゴルギアスとそれに師事する二人)で、三様の結末と前者を受けての対話が連続する様、様...続きを読む々なテーマが折り重なりながらも「弁論術」の真偽を見極めんとし、政治、哲学、生き方を問いかける様が印象に残った。 結論的部分では、政治に密接にかかわる弁論術が、哲学的に意義のあるもの(良い弁論術!?)として立ち現れてくる可能性(『ポリテイア』等へ引き継がれるテーマ)が語られいた。 その場合、弁論術が想定する聞き手=大衆・民衆(デモス)との関係は、弁論術そのものの性質を左右する本質的なものではないだろうか? また一方で、ソクラテス的対話(「不知」の地点に立つソクラテスの問いかけ)の対象である市民一人一人も、同時に大衆・民衆(デモス)でもありうるのではないか、その対話を「ありそうな(エイコス)」言説を用いずに遂行は可能なのだろうか、という考えも浮かんできた。
この本が2000年以上前に書かれた書籍であるにも関わらず、その内容が示しているところは今の時代でも全く変わらず、むしろSNSの登場のせいでより増幅させてしまっているのではないかと思うほどである。 プラトンが現実の政治に対してある種の諦念や距離を置く姿勢を見せながらも、実際にどう生きるべきかということ...続きを読むを3人の相手(ゴルギアス、ポロス、カリクレス)との対話を通して鮮明になっていく様が大変印象的だった。また思った以上に読みやすいのでオススメの一冊
声のうるさくなったこの現在が煩わしくて、時にことばにすることが億劫でもう説明することが心底どうでもよいと思うことがある。 そんな中にあって、もう遠く離れた場所の時間も違う人間だというのに、おなじような感覚に出会うと、一周回って、あぁ、人間の歩みはこうも遅く進んでいくものなんだと思えてくる。ほんとうに...続きを読む生まれたての子どものように、少しずつ試し、失敗して反省しながら滅びまでの道を歩いていくことしかできない。それはどこか悲しく、どうにもならならい痛みを抱えて生きていくことだけど、この命の明滅を繰り返してひとつの線になっていくのだと思うと、それはそれで自分の魂の不滅というものが実感できる。自分の居場所が空けば、この席をまたきっと同じような人間が埋めてくれる。そうして魂は明滅を繰り返して続いていく。 一体そのとき魂が何をみて、何を感じ、何を考えるか、そのとき自分はもう死んでこの世からいなくなってるからわからない。だからこそ、今の人生がたまらなく愛おしく、そして同時に今の人生の端にある死を狂おしく願う。命が尽きるその時まで自分の魂を善いものにしたい。命が続く限り考えていたい。 ソクラテスにとっての生死とはそれくらい重要で、同じくらい無頓着などうでもいいことばだったと毒杯をあおいだ彼の迷いのなさが今ならはっきりわかる。またこの自分も同じところにたどり着ける。魂はまた生まれ変わる。
プラトン一冊目。思ったより堅苦しいものではなく、所々盛り込まれいるユーモアにはクスッと笑ってしまう。 僕は頭が良くないので、読みながら一々頭で論理を整理する必要があったため読むのにかなり時間を要した。 早速僕の気づきをいくつか挙げてみる。 ①現代社会での我々の会話はソクラテス(というよりはプラ...続きを読むトン?)に注意されかねない。例えば、Aを質問されているのに、あたかもAが非難されていると認識してBの回答をしてしまうことは想像に難くないだろう。本質を捉えて簡潔に答えればOK。 ②国家社会の政治のあり方について。 本来「政治にたずさわる人間のなすべき唯一の仕事は、市民一人ひとりができるだけすぐれた者となるようにすること」(善)である。 それに反して、ソフィストは国民の善を目指さず、快楽を目指した腐敗した存在であり、それが国家の実情そのものである。彼らは世俗的成功こそが人生の目的だという実利主義者であり、それをプラトンは批判している。 「正しさ」や「幸福」とは何か 快楽のために不正を侵しても罪を逃れることか? これは現代の資本主義社会についても当てはまることだと思う。人に対して善にならないことで金稼ぎすることは正しいことであり、また幸福なのか? 道徳が備わっていない人間ほど、これに当てはまることを侵しているのだろう。 ③プラトンはこのように哲人が政治を行うことを理想としたが、後のローマ帝国の五賢帝マルクス・アウレリウスはそれに該当するのかな?
プラトン初期の作品『ゴルギアス』 初期の中でも後期にあたるこの作品の特徴は、 それ以前の作品では、もっぱら「無知の知」で対話が終了していくのとは打って変わって、問いに対する結論が出てくるようになってくることだ。 結局のところ何も私達はわからないというところで終始していたソクラテス的スタンスに、 ...続きを読むイデア論をはじめとしたプラトン思想といえるようなものが出てくるようになる。 それは、 プラトンがシチリアへ赴いた時に、当時の数学の権威であったピュタゴラス派と交流をもったことをきっかけにしている。 プラトンの思想体系に変化が起こり、それ以降の作品にも変化が起こることを示している。 プラトン40歳頃のその時期からすぐ、 世界でも最も長く続いた学校の一つである学園「アカデメイア」という学園が創設される。 約700年続いた学校で、 アカデミーという語源はここからくる。 この『ゴルギアス』では、 数あるプラトンの作品対話篇の中でも 最も激烈に議論が火花を散らしてなされる。 ソクラテスの対話相手として出てくる三人の人物。 ゴルギアス、ポロス、そして最も苛烈なカリクレス。 最後のカリクレスは、 プラトンの中にあった自身の哲学思想への批判全てを背負って、プラトンの思想を共にする本の中に出てくるソクラテスに対して対峙しているように感じる。 このやり取りは、 その流れをくむこと自体が、 ただ結論を知ることよりも、 非常に価値あるものとなる。 プラトンやソクラテスが意図したように この対話の中にこそ、「真実」がある。 結論ではなく、 問いを通じて探究を続けるそのスタンスこそが なによりも大事なことではないか。 それを伝えたいがために、 プラトンは対話篇で全て著書を書き起こした。 いや、対話篇でなければならなかった。 その理由はそこにあるのではないか。
饗宴を買いに行ったのになかったので、こっちを買う。結果的にはその順序で良かったか。これが最後というのもあまりよくなかっただろう。 対話篇としては、国家を先に読んでると、最後の方はダレてくるが、それでも、抜群に面白い。270ページを1日半で読み終えた。 哲学なんて子供のやるもんだ、大人は嗜む程度でい...続きを読むい、というようなことを、プラトン が書いているんだと思うとやはり驚く。 現実でそう言われたことがあってそれへの反論でもあるのかもしれないが、そのときに、もしかしたら本当にそうなのでは、と逡巡したということもあり得るだろう。 ソクラテスの弁明やクリトンを細かく吟味しなおす様子は、当時のソフィスト、弁論家からの反応への回答という部分があったのだろうし、そこから、国家へと続くような思想の萌芽をみせているのは、やはりソフィストや弁論術と戦うなかで、こいつらではなく、哲学こそが政治をすべき、統治すべきだ、でないと、また次のソクラテスが殺されるだけだ、という考えをプラトンが持ったのだろうと想像される。 ソクラテスの小乗から、プラトンの大乗へ、と言えるかもしれない。もちろん、ソクラテスも、自分だけ、と考えたわけではないが、あくまで、常に、対話の相手と自分、というなかで善を追求し、死後の自分をよくすることを考えていたのに対し、哲人統治によって国家を善のもとにおこうと考えたプラトンなのだろう。 また、死後に救われることを期待して善に励む、というのは、やはりそれは、より大きな快(死後の快)を目指して小さな快(現世の快)を我慢する、ということでは?ということへの疑問(を僕は感じるのだが)を少なくともプラトンはもったのではないか、と思う。 プラトンやソクラテスの語る言葉のなかに、どうしても後にキリストを待望する時代の精神を感じてしまうし、そこから、国家ではなく教会というシステムを築き上げる精神への相似なんかを、そのへんの事情はよくわからんのに感じてみたりする。 ちょっと勉強してみたいけども、どうするかなぁ、、、。 次こそ饗宴。
対話を通して様々なことを考える。特に弁論術に関しての話。プラトンの描くソクラテスをどう思うかいろんなことを考えた。至善を尽くそうとすることの難しさを理解するのにもいい気がする。読むことで何かが息づく。そういう感触のあるテキストだった。
・今回のソクラテス先生は、ゴルギアス、ポロス、カリクレスの3人を相手にして、弁論、徳、善悪、正不正といったプラトン哲学を語るうえで欠かせない重要な論点について対話を繰り広げる。 ・まず「弁論術とは説得をつくり出すものだ」と主張するゴルギアスを、続いて「不正を行うよりも不正を受けることのほうが害悪で...続きを読むある」と持論を展開するポロスを、ソクラテスはそれぞれ論破して、本書最大の見どころであるカリクレスとの論戦に入る。 ・カリクレスは「正義とは、強者が弱者を支配し、そして弱者よりも多くを持つことである」(p136)という身も蓋もない思想の持主。それだけにこの論戦も非常に興味深いのだが、カリクレスが「正しく生きようとする者は、自分自身の欲望を抑えるようなことはしないで、欲望はできるだけ大きくなるままに放置しておくべきだ」(p162)と言ってしまったばっかりに、ソクラテスから執拗な追及を受けて、途中から半ばスネ気味。本書解説によると、ニーチェはこのカリクレスに多大なる関心を寄せていたらしい。なればこそ、ソクラテスvsニーチェの代理戦争という観点からも、カリクレスにはもう少し食い下がっていただきたかった…と思うのは、ないものねだりだろうか。 ・ところで、ソクラテスとカリクレスは、思想的には対極にあるにもかかわらず、ソクラテスはカリクレスを(ゴルギアスやポロスよりも)高く評価しているところも興味深い。思想と純学問的実力とを区別しているということか、それとも…。 ・あとどれくらいの時間を生きながらえることができるかを考えるよりも、「これから生きるはずの時間を、どうしたなら最もよく生きることができるか」(p235)を考えよ、とソクラテスは言う。論敵に対するソクラテスの吟味は、そのままわれわれに対する吟味でもあるだろう。
弁論術についてのソクラテスとゴルギアスの対話篇。 話は魂を良く生かすこと、正と不正、幸福について…といった話に変わっていく。 で、カリクレス曰く、 「いい歳になってもまだ哲学をしていて、それから抜け出ようとしない者を見たりするときは、ソクラテスよ、そんな男はもう、ぶん殴ってやらなければいけないと僕...続きを読むは思うのだ」 哲学ってそういうものとして一般の人から見られているのは古代から現代まで変わらないのね
7, 8年ぶりに読み返した。カッリクレースはツボ。何度も腹を抱えた。もう、価値観の問題。彼を説得するには真理をもってしては不可能で、ソークラテースこそ、その使命を果たすためにゴルギアースから弁論術を学べばよかったんじゃないかな。キケローの言う「学識ある弁論家」となって。彼が本当にアテーナイ人の教育を...続きを読む志したのであればね。ところが彼にはプラトーンという弟子があった。そのために、時代を越えて、海を越えて、彼は私に教育を施した。今読み返して、本篇に限らずだが、プラトーンの対話篇が私の人格に与えた影響の大きさを知った。
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