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ソクラテスは国家の名において処刑された。それを契機としてプラトンは、師が説きつづけた正義の徳の実現には人間の魂の在り方だけでなく、国家そのものを原理的に問わねばならぬと考えるに至る。この課題の追求の末に提示されるのが、本書の中心テーゼをなすあの哲人統治の思想に他ならなかった。プラトン対話篇中の最高峰。
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Posted by ブクログ
プラトンの本に対する書評などおこがましいので、書評ではなく純粋な読書感想を思いつくままに述べたいと思います。本書は1000年後も読み継がれている名著だと思います。 *日本語訳が読みやすいです。難しく、かつ微妙なニュアンスの表現をうまく日本語にされていて、本当に読みやすかったです。また巻末の解説が極...続きを読むめて有用でした。あの解説がなかったら理解度はかなり低くなっていたと思います。 *本書は「国家」という題名ですが、まず正義とは何かという命題からはいります。そしてそれを深掘りする過程において、理想の国家像を描き始めるということですが、テーマはかなり広く感じられます。ただ読み終わって改めて思い返すと、すべてが関連していたのだなということがうっすらわかってくるという感じでしょうか。本書は全編通じて対話形式になっていて、私自身ソクラテスの言っていることがよくわからないな、と思う個所があると、ちょうど対話の相手が「よくわかりませんが」と受け答えをしてくれて、ソクラテスが具体的な事例で説明してくれる(例:動物に当てはめたり具体的な職業で説明したり)というケースが何度もありました。 *上巻の最後では美を事例に、美の実在(イデア)と美をまとっているものの違いを理解できるかどうかが哲学者(愛知者)とそうでないものの違いである、と指摘されていますが、美に限らずあらゆる場面において本質は何かを理解できる力がいかに重要であるか、改めて痛感しました。 *最近読み始めた禅の思想とはまっこうから対立している面もあります。たとえば本書では「同一のものが同時に静止しまた動いているということはありえない」と述べられていますが、禅の思想では「ありうる」となります(「禅と日本文化」鈴木大拙、などを参照のこと)。ただしそもそも対立していると感じること自体がプラトン的であり、禅の思想では対立していないとみなされるのかもしれません。いずれにせよ、どちらが正しいということではなく、比較するのはおもしろいと思います。
なぜ今まで読まなかったんだろう。 タイミングなのか。 とても分かりやすく書いてある。とはいえ、対話についていくことができるということで、それを「知った」とは言えないだろうけども。 この訳は現代的に思える(苦労しない日本語)けども、1979年が初版なんて、驚いた。
「国家はどうあるべきか」のような明らかに答えが無い高レベルな問いに対して,つぎつぎと答えがつけられていく様は爽快.根拠は無いが指針を示してくれるものを見てスッキリしたい方にはおすすめ.
ソクラテス先生の僕が考えた最強の国家の巻。 プラトン哲学の集大成の呼び声も高い本書。 正義とは何か?という導入部から始まっており、 理想の国についての議論に移っていくという流れだが、 扱うテーマは職務や結婚、戦争など多岐に渡っており、 男性も女性も分け隔てなく向いている職務に着き、 幸福を皆で共有...続きを読むし、それを実現するために支配者は 真理を追究する哲学者であるべきと結論を出している。 個人的に印象に残ったのは以下の二点。 一つ目は、神々の不道徳な逸話を問題視している点。 ギリシア神話の神々のやることがひどいというのは、 「図解雑学ギリシア神話」の感想に書いたが、 神々を人々の道徳の規範とすべきという点において、 プラトンも問題視していたということが分かる。 彼らの後継者であるローマ帝国の支配者が、 絶対的に正しいキリスト教の神を選択したのは、 当然の成り行きだったのかも知れない。 二つ目は、早くも男女平等を説いている点。 この時代英雄と言えば戦争で活躍した者だったが、 その権利を女性にも平等に与えようとしており、 女性が戦争の訓練をすることを滑稽だとしつつも、 スパルタの訓練法も最初は馬鹿にされていたが、 今では誰も笑わなくなったと言う論に舌を巻く。 ただ、ギリシア人のみで結束することを説き、 異民族は奴隷要員としているのは残念。 下巻ではどんな議論がなされるのか楽しみ。
【政治学の参考文献】 古代ギリシャの哲学者・プラトン(前427~前347)の代表作。 理想国家について論及した世界最古の政治学の書と呼ばれるもので、後の西洋哲学に絶大な影響を与えたらしい。 真の政治は哲学(学問)に裏付けられていなければならず、政治的権力と哲学的精神とが一体化され、多くの人々の...続きを読む素質がこの二つのどちらかの方向へ別々に進むのを強制的に禁止しない限り、国々にとって人類にとって不幸の止む時はないという。
人間に正義はないが、国家は、みんなが分業して暮らしているので、利害調整のために正義が必要だ。正義は人間のためにあるのではなく、国家のためにある。政治は私利私欲のない、暇な人が、善意でやるべきで、そういう人じゃないと正義の守護者になれない。正義にみられるのではなく、正義であることが国家の正義の本質だ。...続きを読むだから政治家は音楽や文芸に親しむ感受性の強い人が良い。そういう人は権力に敏感だから、仮に他国と戦争になっても、第三国を巻き込んで同盟工作をかける知性を発揮するはずなので、大丈夫だ。などとソクラテスが語りまくる。
この時代に、ここまで考察している事に驚きを感じます。 これは紛れもなく、良書です。 今の政治家全員に精読していただきたい本ですね。
・「熱でふくれあがった国家」(p141)を「理想国」に浄化するための方法を考察することが本書の中心テーマ。 ・良い国家を作るためには良い教育が必要で、教育に悪影響を及ぼすものは徹底的に排除されなければならない。さらに、病弱な者は治療せずに死んでいくに任せ子孫も残してはならない一方で、有能な男女間に...続きを読むは可能な限り多くの子種が作られるべきだ。そして、国家は有能な少数の者が支配するべきであり、国民全員が国家のために苦楽を共有すべきである。 ・言論統制と優生思想と少数支配と滅私奉公とに基づいたこの「理想国」は、プラトンの死から幾千年後の20世紀になってようやく実現した。「もしそのような国制が実現したとすれば、その当の国家にとってすべてがうまく行くだろう」(p399)というプラトンの夢想は果たしてどうであったか。 ・個人的には第2巻のグラウゴンの問いかけが本書最大の山場であるように思う(プラトンの中に既に社会契約説の萌芽があったことには驚いた)。「不正がバレなければ、正義よりも得ではないか」と冷厳たる事実を突きつけられたソクラテスは、真正面からこれに反論することはできず、倫理的見地から反駁せざるを得なかったという点も興味深い。
プラトンの「国家」。 政治に関心のある僕としてはずっと読みたいと思っていた本で、周囲からは「難しい」と言われていたのでなかなか踏み出せなかったが、勇気を出してその扉を開いた。 構成は上下巻2冊で、さらにその中で大きな話を1巻(章)ごとに区切っている。 プラトンの理想国家について考察をソクラテス...続きを読むと周囲の人物の対話を中心に描写しており、ソクラテスの問答法がいかなるものかが分かる。 国家を統治するものはいかなるべき者がふさわしいか。 そういった人物をどう教育していくか。 そのようなことを議論しながら理想国家への道を模索している。 プラトンの考えは国家の守護者(統治者)は優れた哲学者がなるか、あるいは哲学者が守護者になるべきだとしている。 靴磨きが靴磨き以外の仕事をすることでその能力を発揮されないように、人には能力に合った相応しい役割があるという。 そしてそれぞれの民がそれぞれに相応しい役割を果たすことで国家に正義が成されるという。 では女性はどうか? 女性と男性は身体的な差異がある。しかし男性の中にも女性に近い人物や女性の中にも男性に近い能力を持った者もいる。よって女性も国防にあたってはその相応しき役割に準ずるべきだとする。 商人は節制を、軍人は勇気を、政治家は知恵を、それぞれ発揮することによって国家は正義を成すのである。 それではそのような優れた統治者をいかに育てうるのか? まず第一に、生まれたときから触れる文学に気をつけさせるべきである。 神が悪魔に化けるとか、世の中が暗黒であるとか、そういった内容は避けるべきであって、勇気や正義に憧れを抱くようなものに触れさせるべきである。 では統治者は不幸ではないのか。 というものに関しては、利益の焦点はある一定の階層にあてるべきではなく、国家全体の利益に基づいて考えるべきであり、また優れた統治者は自身が国家の守護者としての行い自体が幸であると知るものである。 難解な論理展開と多様な例によってこの書をなかなかそのままにまとめることができなかったのは残念だ。 しかし現代の政治と比較してみたときに、「国家」から学べることは多分にあるはずだ。 マスメディアに踊らされ、国民は政治家の政策よりもスキャンダルばかりに関心を向け、政治家は政治家で政策以前に、政治家自身が国民の代表としての品位と道徳に欠けるのである。 「国家」のみならず古典は、現代の様々な問題について解決のヒントを与えてくれると思う。
プラトンがソクラテスに仮託して語る国家の理想像、正義の本質。その議論は古代から今日に至るまで多くの人々に影響を与えてきた。今日の、建前上民主主義国家のなかで生きている我々にとっては、議論の前提となっている支配者/被支配者の二分法は非常に違和感があるが、この点を乗り越えていくことに『国家』の議論を批判...続きを読む的に継承していく鍵があるのではないか、と思う。
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