死刑囚最後の日

死刑囚最後の日

小説・文芸
1,012円 (税込)

5pt

3.6

「死刑囚! いつもひとりでこの想念に耐え、それが消えないせいでいつも凍え、その重みにいつも打ちひしがれている!」刻々と迫るギロチン刑の時。独房での日々から断頭台に上がる直前まで、主人公は自らの胸の内を赤裸々に告白する。死刑制度廃止を訴え、若い情熱で書きあげたユゴー27歳の作品。主題の重み、技法の革新性、社会的影響の点で刮目すべき作品であり、ユゴーの代表作のひとつと見なされる画期的小説。

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死刑囚最後の日 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    死刑囚である語り手は、残りの一週間の生で重ねた思考を独房内で綴っていく。

    「死刑囚の思考を細かく示したこのノートには、死刑判決を下す連中に対する教訓が含まれている。思考する頭、人間の頭を司法の天秤に乗せるとき、今よりは慎重になるはず。死刑という手っ取り早い制度に苦悩は傲慢に続いていく」

    「今わたしがこうして書を綴っているが、今の自分の命を救うことなど出来はしない。自分が登った後の死刑台を壊すのは何の意味があるのか。自然も自由も何もかも、わたしのモノではなく、未来の同じ立場になるはずだった人間のモノ」

    「自分が罰せられるのは当然だが、自分か居なくなることによって寡婦となる母や妻や娘は何をしたというのか」

    死刑囚という立場が確定する前、彼は言った。終身強制労働の徒刑囚になるのなら、百回死刑にされた方がまし。この言葉は、この考えは、彼の限りある生の中で変化する。首が宙を舞うまでの間、彼は死刑制度というモノのおぞましさ、愚かさを幾度も胸に抱き、言葉へと変換していくが、その根源にあるモノは自身の命を奪われたくないこと。再び自由を手にしたいこと。人より限りのある生を人並みに戻したいこと。どこまで行っても彼は、自身を最も大切にしている。
    本書は死刑制度への疑念をテーマに描かれている。しかしながら、ユーモアも忘れちゃ居ない。現在を忘れるために、輝きを放っていた過去を思い返した後、この記憶は一生涯忘れないだろう。と綴り、繰り返すように、一生涯! と書いた。
    死刑制度というのは語り手が語ったように、最も手っ取り早い形式だろう。命を奪ってしまえば、そこに当てられるはずだった人員をほかの事象に割り当てられる。遺族の気持ちを第一に考えています的な印象を与えられる。それでも、加害者にとって一番堪えるのは無期限の懲役であったり終身徒刑であろう。そんな単純な話ではないだろうが、そうしてほしいな。

    あなたは死刑です、そう判決された暁には、本書の語り手のように死への恐怖が最大になるだろう。その時死刑囚は、この際無期限の懲役や徒刑でも構わないから殺さないでくれと望む。その瞬間を見計らって、やっぱりきみは終身徒刑で、と告げる。喜ぶ元死刑囚は、限りある生をすべて労働(強制)に当てる。そして、その時はまた、わたしを殺してくれと願うのではないかな。
    そんなことを思ったりもした。

    0
    2026年07月04日

    Posted by ブクログ

    平野啓一郎氏の「死刑について」にて取り上げられていた本。読んだ後ずっしりと気持ちが重くなる感覚。日本では存続している死刑制度だが、その存在について改めて考えさせられる一冊だった。
    またこの作品をユゴーが20代のうちに書いたといのには驚いた(出版時26歳だという)。本当に死刑囚の手記を元に書いたのかと思うほどに責苦に溢れた主人公の心情を細かく表現し、読んでいると心が苦しむ場面も多くあった。
    死刑囚も一人の人間であり人権がある。これとどう向き合っていくのか、自分なりに考えたい。

    0
    2023年12月06日

    Posted by ブクログ

    レミゼラブルの作者ということで読んでみました。

    こう言った場で感想書くのも初めてなので文才はないと思います苦笑

    ある囚人の死刑執行までの物語。
    古典ならではの独特の表現に?となりながらも言わんとしてることはわかる!

    何より驚かされるのは作者が体験したかのような細かい情景の描写。
    実際に取材したのであろうか?

    特に執行までの生に対する放棄や執着がコロコロと変わる描写は死刑囚の精神的な不安定さを感じる。

    刑場まで溢れんばかりの群衆!群衆!
    当時の民衆にとっては娯楽であったのだろう。
    王政に対する不満の捌け口か?
    そのための公開処刑か?または見せしめか?

    この主人子はどんな名前で何をして死刑となるのかの描写が一切なく、執行までの流れや心情にフォーカスした作品。
    うーん。重い。。。

    0
    2025年03月25日

    Posted by ブクログ

    ワタクシの第二の故郷フランスを代表する作家ヴィクトル・ユゴーの『死刑囚最後の日』です

    ある死刑囚の死刑執行に至るまでの苦しみを克明に描き、死刑制度廃止を訴えた作品

    ユゴーと言えば皆さんご存知『レ・ミゼラブル』ですが、こちらもやはりジャン・バルジャンと言う盗っ人野郎の贖罪の物語と言えなくもない
    ユゴーは罪人に甘いのー

    馬鹿たれ!そんな単純な話ではないわ!(# ゚Д゚)

    まぁジャン・バルジャンは飢えを凌ぐための犯罪なので、むしろ社会が悪い!がユゴーの主張なんだがそれはとりあえず今置いておきます

    『死刑囚…』な

    うーん

    まぁ、皆さんご存知の通りすでにフランスでは死刑制度は廃止されてるわけだが
    どうなのよ?死刑制度?
    日本にはあるわけだが、どうなのよ?

    うーん

    わいは正直、制度自体はあっていいと思うんよな
    たぶん日本人の多くはそう思っていて、だからこそ制度として残っているわけだが

    ただ、やはりね世界的には超少数な死刑制度を持つ国の国民だからこそ、こういう本なんかを積極的に読んで自分の考えをしっかり持つべきだと思うんよね

    と言いつつふわふわしてますが

    0
    2024年10月13日

    Posted by ブクログ

    或る死刑囚の死刑台に登るまでの苦悩、戦慄を描き、死刑制度反対を唱えた作品。解説と訳者あとがきが厚く、時代背景、同時代の識者の考え方がよくわかった。日本ではまだ死刑は続いており、社会的排除や見せしめではなく、被害者の気持ちを慮っての意味合いが近いのであろうが、被害者の復讐の代行という意味であればおこがましい。キリスト教国との風土が異なるのだろうが、死刑制度にメリットは無く反対である。2022.10.8

    0
    2022年10月10日

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