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些細な嘘をついたために不良に強請られていたエーミール。だが転校してきたデーミアンと仲良くなるや、不良は近づきもしなくなる。デーミアンの謎めいた人柄と思想に影響されたエーミールは、やがて真の自己を求めて深く苦悩するようになる。少年の魂の遍歴と成長を見事に描き、世界中で“悩める若者たち”に読み継がれる青春小説。
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Posted by ブクログ
主人公の少年がデミアンという不思議な少年との出会いを通じて精神的な成長を遂げるまでを描いた物語。 子ども時代の両親に守られた『明るい世界』から自分の世界へと繰り出そうともがいたり、理想の自分とのギャップに苛まれる主人公に過去の自分を重ねてしんみりとしてしまった。 ラストのデミアンの言葉には号泣した...続きを読む。 自分を見つめ直したいときにまた読みたい本である。 この本は作者のヘッセがユング系のセラピーを受けた後に書いた話らしく、 読んでいると登場人物や主人公の心の動きがユングの理論を下敷きにしていることがわかる。 またキリスト教的価値観をわかっているとなお深い考察ができると思う。 (知らなくても十分楽しめるが)
真の自分になるために己の道を歩く 試行錯誤して己の道を行くことが人生 でも真の自分になれた人はいない 人類皆兄弟だから分かち合うことはできる、でも自分を解き明かせるのは自分しかいない 序章のこの考えが面白くて何度も読み返したくなる アブラクサスやカインとアベルの話で宗教を学ぶことの面白さを見出した ...続きを読むうまく言語化できないけど、この本で苦境を乗り越えるヒントのようなものを掴んだ気がした ニーチェやユングの心理学も併せて読んでみようと思う 世界を卵に例えて雛が殻を突き破ると言う表現が少女革命ウテナにもあったような気がしてこのアニメももう一回見直したいなと思いました
これは自己実現の過程を赤裸々に語った貴重な物語。ユングの心理学について知っていればかなり面白いと思う。 全て物語としても読めるけど、無意識の領域やアニマ、グレートマザー、影とかそういうものと登場人物を読み替えていく楽しさ…村上春樹も凄いと思ったけど、こんな風に無意識そのものをテーマに自己との対決から...続きを読む逃れず書き切ったのはすごすぎる。 ヘッセ自身の名前で最初は出さなかったのも頷ける、相当恥ずかしかったと思う…内容がどうあれ、自分の内面世界をここまでさらけ出すのは身を削ってると思う。ほんとにすごい。
50年ぶりに読んだ。全く忘れている。少年向けの簡略本だったのかもしれない。ドイツの作家だとは思っていなかったのかもしれない。ドイツでもこの本のことは全く頭に浮かばなかった。光文社版は文字が大きくて読みやすい!新聞で青年期に読む本だと書いてあった。
インド哲学や東洋哲学に最近心を奪われており、尊敬するヨガの先生がヘッセとくにデミアンを勧められており読みました。善悪が同居する神が出てきたりと、対となる二つのもの(善と悪、光と闇のように)を平等にとらえるインド哲学の考え方が根底に流れる物語でした。デミアンをはじめ、デミアンの母エヴァ夫人、ピストーリ...続きを読むウスなどこの哲学に関連する登場人物たちとの関係を通して主人公のシンクレアが自身の哲学を深めていく。大好きな一生大切に読んでいきたい一冊になりました。
この本を通して読むのは初めてのことではありません。 大昔にふとしたきっかけで手に取って、私にとって最も大切なもののひとつになった本です。 文章そのものに漠然とした大きな時間が内包されていて、本を読んでいる間に時間が過ぎるという当たり前のようなことの中にそれ以上の時間、人生といっていいようなものを感じ...続きを読む、その荒波にひと息に流されるという貴重な経験をすることのできる一冊です。 私が個人的に尊敬していて、心から好きだと思っている人を彷彿とさせる節があり、最近ちょっと読むのを苦しく思っていましたが、昨日なんとなく手に取れるような気がして、また読み返してしまいました。 面白い本とか、考えさせられる本というより、この本を読んでいる時、読者をデミアンの庭に置かれているように感じさせる、もっと広がりのある何かだと思っています。 なんかまとまりのない感想になりましたけどとりあえずおすすめです!みんな読もう!ついでにちょっと迷子になろう!
私は、自分を壊してまで自らの心を覗き込んで、向き合って、探究する必要はないと思っているけれど、たとえ苦くて辛くても自分と向き合う時間はかけがえのないものだなって、改めて思わせてくれた小説。 ぱっぱと読んじゃうのには勿体なくて、少しずつ少しずつ読んでいくのがいいかなって、個人的には思った。 ...続きを読む自分の思想と合うか合わないかは別として、人が普段鍵をかけて奥底に沈めている部分に揺さぶりかけてくる、素晴らしい本だと思う。無視しようとしても、なんとなく無視できない、鮮烈な印象を残す本。ただ書くのが上手いとか、ストーリーが面白いとかっていうんじゃなくて、魂を削って、全部曝け出して、痛みを強さに変えている本。節々のエピソードや心情の描写もめちゃめちゃ心に刺さる。 特に子供時代のエピソードは、なんともいえないあの感覚が巧みに表現されていて、感嘆した。状況や経緯にリアリティがあって自然だし、シンクレアの心情も臨場感たっぷりに的確に表現されていた。 美しい夢のような第一の世界と、臭気を放つ第二の世界の話は、すっと腑に落ちた。二つの世界があってその間をフラフラする感覚。第二の世界について考えれば考えるほど無視できないことに気づく。でも、美しい夢を捨てて、輝く色彩の世界を放棄して、そのことに折り合いをつけるのに慣れてしまっても、世界の輝きを見て感動することはできる。この部分にもすごく共感した。全部灰色に見えてしまう時があっても、ちゃんと鮮やかに見える瞬間がまた訪れるって、心に刻んでおきたい。
日々様々な雑念に惑わされ、本も自分が読みたいものから、世の中で話題になっているもの、仕事で読んだ方が良いもの、と常時10冊以上読むべき本を抱えている。で、「これは本当に読んで良かった」と思えるものは10冊に1冊くらいである。 で、この『デーミアン』を読んで、古典的名作というものはハズレない、読む価...続きを読む値が必ずある、ということを改めて知った。 若い頃『車輪の下』は読んでいたのだが、当時から読みたい本、読むべき本を抱えていて、他の作品も読んでみたいと思ってから幾星霜。 これも若い時に読みたかったと思ったが、今読んでも十分刺激的で、考えさせられるものだった。 10代の普遍的な悩み苦しみが描かれているだけでなく、精神的導き手であるデーミアンをいつも心に置きながら、素直に認められず、なかなか実際には会えなかったり、会わずにいたりするのは、恋のようでもあり、物語として大変惹かれる。 読みながら、「これ、萩尾望都が漫画にしたらピッタリだなあ」と何度も思ったが、あとがきで、なんと訳者の酒寄さんも同じ匂いを嗅ぎとっていたようで(いや、酒寄さんが嗅ぎとっていたからこそ共鳴したのかもしれない)感激した。 先日コルドンの『ベルリン1919 』を読んだので、戦争へ向かうシーンは、ブルジョワのおぼっちゃまだからこんな風に感じたのかな(庶民は暮らしがかかっており、こんなに観念的に考えないだろうな、と。)と思ったが、解説で、第一次世界大戦が化学兵器などを使ってえげつなくなる前で意識的に終わらせていると書かれており、納得した。 この作品についての分析などは研究者がたくさん書いているからおいとくけど、まあとにかく、名言の数々にうっとり。詩人でもあったヘッセの言葉づかいの巧みさと酒寄さんの名訳が一体化した宝石みたいなもので、これを味わえるだけでも至福のひととき。 若者とかつて若者であった人は、ぜひ読んで欲しい。
WEBで無料公開されていたので再読。高校時代に読んでから何十年もたつのにやっぱりヘッセは好きと再確認。
正直言って難しく、どういうこと?と思いながら読み進めました。 最後に解説を読んで、なるほどな〜、と少し腑に落ちたという感じです。 ユング心理学についても、その頃の文学の流行についても知らないことばかりで、もう少し教養があれば理解できることも多かったのではないかと思いました。 しかし、これにめげずにヘ...続きを読むッセの他の作品も読んでみたいと思いました。
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