イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

649円 (税込)

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19世紀ロシアの一裁判官が、「死」と向かい合う過程で味わう心理的葛藤を鋭く描いた「イワン・イリイチの死」。社会的地位のある地主貴族の主人公が、嫉妬がもとで妻を刺し殺す――作者の性と愛をめぐる長い葛藤が反映された「クロイツェル・ソナタ」。トルストイの文体が持っている「音とリズム」を日本語に移しかえ、近代小説への懐疑をくぐり抜けた後の新しい作風を端正な文体で再現したトルストイ後期中編2作。

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イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年01月27日

    トルストイ後期の中編2作を収録。普遍的なテーマ「死」「性と愛」をめぐる葛藤を鋭く描き、共感と議論を呼んだ。

    【イワン・イリイチの死】
    冒頭でいきなり死亡が告げられるイワン・イリイチ。45歳で死んだ彼の生涯は、果たしてどのようなものだったのか、死の間際に何を思ったのか、をたどるのが概要。

    外聞をは...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年08月20日

    イワン・イリイチの死に際しての内的変動と思考傾向から感じるものは、強迫観念に刈られている人から感じる印象とよく似ている。
    一言でいうところの生きたがり、死を避けようとする強い意思、そのくせどこへ向かいたいのかはっきりしない。生きてどうしたいのかが見えてこない。生きてる間に何をなしたいのかの不明瞭さ。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年07月04日

    文学の凄まじさ。どちらの作品も、強烈激烈な、恐怖にも似た感動に震える。
    ある人にとってはとても危険な本である。とにかくトルストイの恐ろしさと素晴らしさに敬服!
    ベートーヴェンとトルストイ、2人の天才が生み出した芸術に、人間としての喜びを感じた数日だった。

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    Posted by ブクログ 2021年04月10日

    嫉妬は古今東西普遍的なテーマですよね。

    トルストイの結婚制度、愛について描写。
    キリスト教的価値観との間に生まれる矛盾の描写は非常に印象に残った。

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    Posted by ブクログ 2017年12月04日

    ●「イワン・イリイチの死」

    トルストイが死んだのは1910年。20世紀に入ってからである。

    シェイクスピアが活躍したのが1600年代で、日本でいえば江戸時代にあたる。にもかかわらず登場人物の言葉や行動が今のわれわれに強く訴えかけてくるのは驚くべきことで、ハムレットなどは、主人公が現代人であっても...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2014年01月09日

    和訳ですらこれだけの迫力.面白い.
    クロイツェル・ソナタでの独白もなぜか妙に説得力を感じる.音楽の力をネガティブに書きつつ高く評価しているようなところには,なるほどと思った.

    0

    Posted by ブクログ 2013年08月31日

    本当にこの人の本は本を読んだという
    思いを私たちにさせてくれます。
    ロシア文学は難しいなんて
    言われますが、そうではないと思います。

    どちらも「死」がテーマとなる作品です。
    特に後者は妻殺しをした男の
    告白となります。
    だけれども、そこまで至る経緯は
    ここまで極端ではないものの
    誰しもが抱いたこと...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年02月02日

    私の読んだ文庫は『イワン・イリイチの死』と『クロイツェル・ソナタ』の二篇が入っているが、どちらともトルストイ後期の重要な中篇小説。
    『イワン・イリノチの死』は、実在の裁判官メーチニコフの死を知って着想を得たもの。
    トルストイは、イワン・イリイチが、はっきりした死に向かうために生きている数ヶ月を驚くほ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年01月22日

    ここに至るまでの葛藤の軌跡をもっと知りたい。
    「イワン・イリイチの死」は本当にすごい小説だと思った。

    死に至るまっすぐな道のりと感情、死の瞬間、開放。

    「クロイツェル・ソナタ」は愛についてと罰について。

    およそ小説家が書くべきことがこの2編に収まっているという感じを受けました。

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    Posted by ブクログ 2011年09月02日

    一人の高級官僚が些細な怪我をきっかけに死ぬことになっていくまでの心の描写です。トルストイのスゴイと感じるとこるは、死んでいくまでの間の心の描写を、自分が経験したかのように描いたこと。この作品から感じたが、この世のチープな出世、僅かな金銭、そんなもののために、命を削り家族との触れ合いを犠牲にして生きて...続きを読む

    0

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