ユーザーレビュー 狭き門 ジッド / 中条省平 / 中条志穂 ヒロインの言動の理由が最後明らかになったとき、とても胸をしめつけられました。清純な信仰を最期まで貫いた姿勢はとても印象に残りました。 Posted by ブクログ 狭き門 ジッド / 中条省平 / 中条志穂 すごかった。 とにかくオモシロかったけど、なにがなんだけ全然わからない。 いや、分かるんだけど、納得はいかない。 でもとにかく、おもしれえ。 若い男女がいて、プラトニックに愛し合っていて、 両思いなんだけど、なぜだか女の方が現実的にいろいろな意味で愛を受け入れない。 「それだめなの。許されない」 ...続きを読むみたいな。それがなんでだか、主人公の男も分からないけど、こっちも皆目分からない。 分からないんだけど、「それがなぜか」という方向ではなくて、 「で、ふたりはどうなっていくか」ということのみに爆走していく物語。 雑に楽しんで読んでいく分には、そのあたりが「狭き門」なのか、 実は愚者たる自分には明確にピントが合った形では分からない(笑)。 でも、なんだかその、経済的に言うと全く合理性の無い不幸みたいなものが、 狭き門だとすれば、いやあ、かなり狭い門です。入りようが無いのでは(笑)。 そして瞠目すべきは、それでいて無茶苦茶オモシロイということ。 ちょっと三島っぽい、ヤバイおもしろさ。 Posted by ブクログ 狭き門 ジッド / 中条省平 / 中条志穂 十数年前に読んだときには、信仰心ゆえに恋へ踏み出さないアリサのお話しだと思っていたが、解説にある本当は信仰心など特になかったのではないか、という点を意識してみるとまた違った読み方ができた。 また、以前読んだときはジェロームとの結婚を恐れていることをアリサの臆病さや自己肯定感の低さと捉えてしまってい...続きを読むたが、もっとストレートに読んでもいいのかなとも。"アセクシュアル"的な(知識が雑なのでここにそれが当てはまるかはわからない)そういう意味で。 Posted by ブクログ 狭き門 ジッド / 中条省平 / 中条志穂 フランスのノーベル賞作家アンドレ・ジッドによる小説。愛と信仰の相剋を描く、美しく悲痛なラブストーリー。 愛も信仰も純粋すぎて、混ざり合うことができなかったというべきか。神に至る道は狭き門ゆえに二人では入れないということか。相思相愛なのに結ばれないもどかしさ。身を引いていくアリサの心情がつかめず、最...続きを読む後の日記まで、見えない真相にやきもきする。美しく終わったようにも見えるアリサの人生と信仰をどうとらえるか。アリサが求めた至高の愛とジュリエットがつかんだ現実的な幸福、どちらが正しいのか。。独身を貫くジェロームの姿は美しくも悲痛だ。非常に後を引く、心に残り、かつ考えさせられる名作。 Posted by ブクログ 狭き門 ジッド / 中条省平 / 中条志穂 愛と信仰の間で激しく葛藤する悲劇の物語。 ヒロイン、アリサのジェロームへの愛の深さ故に距離を置くに至る心理は、自分が身を引くほうがジェロームの為になるという考えからだが、かなり曖昧な理由であり、やはり本質は信仰心ゆえの、あえて困難な道「狭き門」を選ぶことがその理由と思われる。それにしても死の床にあっ...続きを読むたアリサがジェロームに読まれることを承知で手記を残すことはジェロームを深く後悔させることになると考えるのが普通であり、そこはやはり自分のの愛の深さをジェロームにどうしても伝えたい欲求からくるものか。そう考えると愛故に身を引く慎ましさよりも自身の信仰心を貫くヒロインの身勝手さが周りを巻き込む悲劇に発展したとも言えます。時に信仰心はこの上ない狂鬼を産むものなのか、それも含めて人間の業とも言えるものなのかと考えさせられます。 三角関係と死別、死後に披露される真実を語る日記。これはまんま夏目漱石の「こころ」ですね。 本作も解説がかなり充実しており、本作と作者の実生活との関係を考察しており読み応えがあります。 訳者あとがきで題名に拘ったことを記していますが、題名が「狭い戸口」とならなくてよかったです。 Posted by ブクログ 中条志穂のレビューをもっと見る