中条志穂のレビュー一覧

  • 狭き門
    ヒロインの言動の理由が最後明らかになったとき、とても胸をしめつけられました。清純な信仰を最期まで貫いた姿勢はとても印象に残りました。
  • 狭き門
    すごかった。
    とにかくオモシロかったけど、なにがなんだけ全然わからない。
    いや、分かるんだけど、納得はいかない。
    でもとにかく、おもしれえ。

    若い男女がいて、プラトニックに愛し合っていて、
    両思いなんだけど、なぜだか女の方が現実的にいろいろな意味で愛を受け入れない。
    「それだめなの。許されない」
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  • 狭き門
    十数年前に読んだときには、信仰心ゆえに恋へ踏み出さないアリサのお話しだと思っていたが、解説にある本当は信仰心など特になかったのではないか、という点を意識してみるとまた違った読み方ができた。

    また、以前読んだときはジェロームとの結婚を恐れていることをアリサの臆病さや自己肯定感の低さと捉えてしまってい...続きを読む
  • 狭き門
    フランスのノーベル賞作家アンドレ・ジッドによる小説。愛と信仰の相剋を描く、美しく悲痛なラブストーリー。

    愛も信仰も純粋すぎて、混ざり合うことができなかったというべきか。神に至る道は狭き門ゆえに二人では入れないということか。相思相愛なのに結ばれないもどかしさ。身を引いていくアリサの心情がつかめず、最...続きを読む
  • 狭き門
    愛と信仰の間で激しく葛藤する悲劇の物語。
    ヒロイン、アリサのジェロームへの愛の深さ故に距離を置くに至る心理は、自分が身を引くほうがジェロームの為になるという考えからだが、かなり曖昧な理由であり、やはり本質は信仰心ゆえの、あえて困難な道「狭き門」を選ぶことがその理由と思われる。それにしても死の床にあっ...続きを読む
  • 狭き門
    愛する二人、ジェロームとアリサ
    しかし、妹に遠慮したり、遠距離になったりで
    結局恋が実らず、、

    手紙のやりとりで話が進んでいく構成
    アリサの信仰心がゆえに、自分の内心の美徳を重視し、二人が一緒になれなかったということなのかと思えたけど、
    もしかしたら、ただ単純に好機を逸したということかもしれない
    ...続きを読む
  • 狭き門
    信仰と幸福の対立の物語。本当に徹底して信仰を実践すると救われるものも救われなくなってしまう、だから歴代の宗教は愛や慈悲というものを超越的なものに対置したのだ、というような説明を聞いたことがあるが、まんまそれを描いたようなストーリー。真の信仰と比べたら、幸福は彼岸のものではなく地上のものであるというこ...続きを読む
  • 狭き門
    主人公ジェローム。親戚のアリスのことが昔から気に入っており、結婚を希望している。しかし女の方は人間同士の恋愛結婚は、天国への扉を妨げると思い込んでいて、のらりくらり。本当にそう思っているのなら、外国にでも行き姿を消し、きっぱり連絡を取るな。建前は拒絶しておきながら、押しまくればいけるんじゃね?的な匂...続きを読む
  • 狭き門
    神が主体ではなく、あくまでも愛のありかたを語る。
    妹がいなければ、妹が愛さなければ、物語はなかっただろうな。
  • 狭き門
    ストイックな在家信者のキリスト教徒女子と、神学校に通う男子の、みずみずしくも儚い恋物語。

    キリスト教圏で敬虔な信者の方々には響く話かもしれないが、信仰心がない、せわしい現代人からすると、なんともまどろっこしくて歯がゆい恋。

    プラトニックな初恋を懐かしむにはいいかもしれないが、一言で締めくくると童...続きを読む
  • 狭き門
    彼女「を」愛そうとしたジェロームと、彼「と」愛そうとしたアリサ。あーこりゃ叶わんわ。悲恋だわ。同じものを見ているようで方向が正反対だった愛のおはなし。解説が秀逸。


    にしても、こんな小説を書けちゃうジッドって何者……?
  • 狭き門
    キリスト教の教えは私には馴染みがなくてほんとのところは理解できないけど、純愛とは、魂の至高の実現とはなんだろうと考えさせられる。悲しいけれど、美しい。