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ウォール街の法律事務所で雇った寡黙な男は、決まった仕事以外の用を言いつけると「そうしない方がいいと思います」と言って一切を拒絶するのだった。男の不可解な振る舞いを通して社会の闇を抉る「書記バートルビー」。アメリカのアザラシ猟船の船長デラーノは、遭難同然のスペインの奴隷運搬船を発見する。嫌な予感を抱きつつ支援を申し出るが……劇的な展開が待ち受ける傑作「漂流船」。アメリカ最大の文豪の代表的中篇2篇。
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Posted by ブクログ
バートルビーだけ読んだ。 「そうしない方がいいと思います」 バートルビーは一般社会の人間からするととてもおかしな人に見えるけど、本当にそうなのかなあと考えたり、雇い主である語り手のバートルビーに対する態度が複雑で、でも分かる気がする感じがしたり。届かなかった手紙を処分する郵便配達人だった過去も意味...続きを読む深。喜劇要素が絶妙で、どんどん読めてしまう。
雇い主の弁護士の善意も常識もまったく通じないバートルビー。こんな人物が現実に現れたら、私も翻弄され、ただ腹を立てるだろう。人間社会のルールに従わないと、生きる権利を失う世の中。説明可能な言動以外は許されない。人間が常日頃、いかに四角四面の生き方を強いられているかを実感した。
これは面白かった。バートルビーのおよそ理解できない行為。バートルビーを許すどころか助けようとする雇用主。同僚たちの奇行。謎解きのように語られる過去。それでも理解は進まない。こんな不可解な話なのに先を読まずにいられない。 漂流船は実話にもとずく作品だが、巧妙に仕掛けられた作者の罠によって、疑心暗鬼を深...続きを読むめる。そして最後のどんでん返し。やられました。 原題:BARTLEBY,THE SCRIVENER/BENITO CERENO 書記バートルビーーウオール街の物語 漂流船ーべニート・セラーノ 著者:ハーマン・メルヴィル(Melville, Herman, 1819-1891、アメリカ・ニューヨーク、小説家) 訳者:牧野有通(1943-、アメリカ文学)
両作品ともミステリー仕立てのように読んでみると面白いと思う。特に書記バートルビー。不条理の世界に生きているかのように描かれるバートルビーだが、実はこの世の中そのものが不条理であったのだという真実が明かされるのが鮮やかだと感じた。
メルヴィルと言えば白鯨。書記バートルビーは初読。 仕事はできるのに、一切を拒絶するバートルビー。生きることさえ拒絶し餓死する。不条理がおもしろい。
こんな人いたら嫌だ。でも結構近しい人って仕事してると見かけるし、自分も他人からするとそうかもしれない。 バートルビーは結局何を求めていたんだろう??
ブンガク かかった時間 たぶん180分かそれ以上 さいきん、『文学こそ最高の教養である』という新書を読んでいる。光文社古典新訳文庫の編集者が、各作品の翻訳者と行った対談を書籍化したものだ。 せっかくなので、その中からいくつか気になるものを買って読んでみることにした。そのひとつが本作品。 メルヴ...続きを読むィル、知らなかったけど、ものすごく謎が多くて、ホラー?サスペンス?だ。あ、ミステリーか?(違いがわからん) 書記バートルビーは、表面的には今でいうコミュ障の話として読むこともできるが、翻訳者の力で「それだけではない」感が残る。語り手の弁護士自体もそうだが、全体的に奇妙。そして、「お分かりにならないのですか」のくだりはやっぱりゾッとした。 不思議なチカラは覗くことで効力を失う、というモチーフも印象的だ。あと壁ってなに?先のない資本主義?(適当) …みたいに、再読すると解釈がまだできそう。 漂流船は、まじでミステリー。キングオブ「信頼できない語り手」が語り手となって話が進むが、それが功を奏しているとか、それでも「奇妙さ」を全部キャッチしてるのはすごくないか、とか、あとがきに書いていたけどベニートはほんとうに「被害者」なのか、とか、これもいろいろ考えられそう。 ちょっとこれ、次は「白鯨」ですかね… (※追記 「白鯨」は長かったので購入を延期…笑)
バートルビーは、主人公の心の広さや葛藤が細やかに描かれており、感情移入ができます。結果のところバートルビーがなぜ頑なのかはわからないままではあるが、読み手の感情を揺さぶる人物であることは間違いなく、作者の意図にまんまとかかってしまいます。 漂流船は、なんだか方向感がない展開でめんどくさくなって読み飛...続きを読むばしました。ミステリーだったんですね。展開次第ではもっと魅力的な作品になりそうな題材ですが話の筋に関係ない部分が多く注意散漫になってしまいました。
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書記バートルビー/漂流船
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