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巨大な白い鯨〈モービィ・ディック〉をめぐって繰り広げられる、アメリカの作家メルヴィル(1819―1891)の最高傑作。本書は海洋冒険小説の枠組みに納まりきらない、法外なスケールとスタイルを誇る、象徴性に満ちあふれた「知的ごった煮」であり、およそ鯨に関することは何もかも盛り込んだ「鯨の百科全書」でもある。新訳(全3冊)
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Posted by ブクログ
とてもボリュームのある作品。あらすじは比較的単純だが、哲学的思想が散りばめられていて考えさせられる。聖書やギリシア神話からの引用が多い(岩波文庫版は、注が物凄く詳しい)上、くじらに関する専門的な記述も多い。池澤夏樹は、『白鯨』は、データベースであると言っているが、それはあくまでもくじらに関してだけ。...続きを読むこの作品の魅力はそんなデータベースにある訳ではない。くじらが好きなので、そのくじらのデータベースも魅力的なのだが。 1851年にアメリカで書かれた文学作品が、現代政治を読み解く装置としても働いている。不思議で奥深い作品だ。サマセット・モームが世界の「十大小説」に選んだことだけのことはある。1851年から2025年まで読み込める世界感である。
現在手に入れることができるのは、講談・新潮・角川・岩波になる。 訳・挿絵・注釈・図解どれをとっても岩波が秀でている。 値段を見ると新潮・角川に流れたくもなるが、ぜひ岩波版を手に取ってみて欲しい。
壮大で長大で長大(大切なことなので2回言う)な物語の序章。この物語を読むときには栞を2本用意しよう!本編用と注釈用の2本だ!油断していくとメルヴィルの鯨油のように滑らかな蘊蓄に呑み込まれるぜ!
再読。ちまちま読んでたら3ヶ月もかかったが、この規格外のスケール感を味わうにはそれくらい必要かもしれない。 捕鯨船船長エイハブが宿敵である白鯨を仕留めるため航海に出る、という一応の筋はあるものの、そこに収まることなく脱線に脱線を重ねる。本筋は一向に進まず脱線が主役になるが、その脱線こそが作品の面白...続きを読むさでもある。 鯨の分類に一章を費やし、捕鯨道具の説明が延々と続く。鯨に関わることなら全てを書き記す勢いで、言ってみれば鯨を中心にした、あるいは鯨を通した世界の記述。ここでは世界の中心は鯨であり、鯨を中心に世界は動く。 この世界観の大きさがとにかく尋常でない。物語はともかく、膨大な蘊蓄と雑学と逸話で彩られた鯨中心の世界にどっぷり浸かる快楽は、ほかに似たもののない唯一無二の作品だと思う。
ついに学生時代から読みたいと思ってずっと手付かずだった白鯨を読んだ。まだ上巻。ところどころ聖書になぞらえた人物が出てきて、この後の壮大な物語を予感させる。早く中巻を読みたい。
児童用の簡易訳は読んだ。グレゴリー・ペックの映画も観た。「スナック モビー・ディック」と「スターバックスコーヒー」が向かいに建っていてどっちが勝つんだとか思ったこともある。(「モビー・ディック」が先に閉店した) しかし今まで手を出せなかったのは、 この作品は小説でなくて捕鯨の論文だとか、 いや小...続きを読む説や論文といったジャンルですらなく「白鯨」というジャンルだ、とか、 キリスト教の隠喩が多いとか、 難解だ~、 などという噂ばかりを聞いてちょっと手を出しづらくて。 しかしいつまでも恐れていてもしょうがない、今こそついにと手を出してみた。 冒頭は主要人物紹介で誰がどうやって死ぬとかネタバレ状態、その次は航路や捕鯨船の船体説明、本編が始まったら鯨についての多くの資料からの引用集。 これは確かに特殊な小説形式だと思っていましたが話が始まってみたら、私が比喩隠喩論文を理解していないだけかもしれませんが、小説部分はごく普通に楽しめる、そんなに身構えずに素直に読書体験を楽しめる一品でした。 なお本文中では鯨を旧約聖書に登場する悪魔的な海の怪物”レヴィヤタン(Leviathan)”と訳されていることが多い。 これは英語の”WHALE”で感じるようなただ大きな海の生物というだけでなく、もっと強い力を感じる生物として人間がどのように捉えてきたか…という象徴でもあるのか。 === 私を「イシュメール」と呼んでもらおう。 語り手は、陸の生活が嫌になると海に出る生活を送るという若者。数年前に捕鯨船に乗った時の体験を語る。読んでゆくうちにイシュメールの乗った捕鯨船は、彼以外の乗組員と共に沈んだのだと分かる。 イシュメールは海に出る前に、南太平洋の”人喰い人種”クイークェグと知り合った。 クイークェグは南海の島(ポリネシア?)の大酋長の息子で世界を見るためにキリスト教徒の国で暮らしている。イシュメールは、全身の入れ墨を施し、干し首を売って歩き、先祖代々祀ってきた神に祈りを捧げるこの異教徒の中に、高貴なる野蛮人の姿を見出し好意を持つ。そして彼らは真の友情を誓い合う。 …えーーーっとね、船乗りにとってはよくある友情表現なんなのかどうなのか、このイシュメールとクイークェグとの友情表記が 「額をくっつけ合って『これで私達は夫婦だ』と儀式を行った。夫婦と言っても心の友という意味であり、必要とも有らば相手のために喜んで死ぬという関係」 「同じベットで和み愛し合うペアーとして心の蜜月を過ごした」 「ベッドの中ほど心を打ち解けて話せる場所はない」 「クイークェグは彼の足を私の足に絡ませたり…」 「白人(イシュメール)と野蛮人(クィークエグ)が並んで仲良く歩くのは珍しがられたが私は気にしなかった」 「クイークェグの勇敢な姿を見た私は、フジツボのように彼から離れなかった。…彼が海に沈むまで」 などという記述が続くんですが、これは死と隣り合わせの船員なら当たり前の友情の示し方なのか…(--?) この実に濃い友情表現のため、私が読む前に勝手に敬遠していたこの作品へのハードルは一気に下がった(笑) さて、彼らが乗ることにした船は、エイハブ船長の指揮するピークオッド号。乗船前に浮浪者といった態のエライジャという男が現れて不吉な予言をよこす。 船長のエイハブは片足を義足として船板の孔に固定して命令を下すような初老の男。エイハブの片足を奪ったのは、捕鯨船の船員たちにとっても象徴的な存在であり”モビー・ディック”という固有名(洗礼名)を付けられた巨大な白い鯨だった。話が進むにつれ、エイハブが白鯨モビー・ディックに寄せる偏狭的な復讐心が明かされてゆく。 巻末の解説によると、そもそも旧約聖書における「イシュメール」という名前は、歯向かう者、追放者などの意味があり、純粋なキリスト教徒に名付けられたり自ら名乗ったりする名前ではない…ということ。 また「エイハブ船長」などの人名や「ピークオッド号」という名称は聖書やアメリカの歴史からつけられたもので、不吉な名前であったり何かを引喩していたりするとのこと。 そんな不吉さを纏って捕鯨船ピークオッド号は出港し、船乗りたちそれぞれの想いが語られる。 一等航海士のスターバックは、家族も捕鯨船員で敬虔なクエーカー教徒。真面目で冷静な部分もあるが狂信的で向こう見ずな面も持つ。彼を生き延びさせたのは鯨を恐れる気持ちがあるからであり、それは正しい恐れ方だった。 二等航海士は陽気なスタッブ。いつも手放さないパイプは最早体の一部だ。 三等航海士のフラスクは小柄で頑丈で現実的。 彼ら航海士達が指揮を取る鯨獲りのボートには、それぞれ銛打ちと船員たちが乗る。 スターバックの船の銛打ちはクイークェグで、となると当然語り手イシュメールもこの船に乗っかっている。 スタッブの銛打ちは、インディアンのタシュテーゴ。 フラスクの銛打ちは、アフリカ人のダグー。(巨大なダグーと小柄なフラスクの取り合わせ) ピークオッド号が航海中に起きたことの小説としての書き方がなかなか面白い。 船員たちが甲板で陽気にそれぞれの仕事を行う様子はミュージカル調に書かれ、 船長室に閉じこもり思いを巡らすエイハブ船長と、エイハブの狂気に対するスターバックの憂いは演劇調に描かれる。 ”わたし”という一人称で語られる割には目線は実に自由奔放。 さらにピークオッド号の”物語”と同時に語られるのは膨大な鯨薀蓄と鯨考察。捕鯨の歴史、鯨の習性、鯨の種別など。 この「白鯨」では鯨の種別は大きさで分けていて、イルカは一番小さな鯨としている。そして鯨は魚に分類されています。鯨とはなんぞや、とは、作者メルヴィルの時代にもかなり論争されていたようですね。 そして捕鯨者たちには有名な白い凶暴な鯨、”モビー・ディック”について語られて、上巻は終わる。 === 「白鯨」の話は二つの流れが混じりあいます。 ①イシュメールの乗った捕鯨船ピークオッド号の物語。 ⇒巨大な白鯨モビー・ディック、エイハブ船長の妄執、乗組員たち、航海中に出会った他の捕鯨船の話。 一人称”わたし”で基本的にイシュメール目線だが、イシュメールがいない場面も書かれる。 ②鯨談義 ⇒鯨と人間についての色々。 一人称”わたし”だが、作者のメルヴィル自身がイシュメールに交じってるような状態。(「ピークオッド号から数年後のイシュメール」という可能性もあるが) ①の物語は、登場人物たちがそれぞれ個性的で楽しく、 ②の論文のほうは学術的に正しいのかどうかは全く不明ですが、論文とも小説とも言い切れず、「話の面白い人に、その人が拘っていることをひたすらしゃべらせた」みたいな感じで理解はできていないが文章として面白い。 後書の解説はかなり丁寧。後書と言うか調査研究。 聖書などの隠喩、捕鯨に対する歴史解説、出てきた名前の意味、作者のメルヴィルの状況などなど。 このピークオッド号が沈むことはイシュメールの語りや不吉な予言や隠喩により示唆されているが、 作者は語り手を通して「人間は醜い面や弱い面を見せることもあるけれど、本来は高貴な面も持っている。だから自分はその高貴な面を語りたい」と書いている。そのためか散々不吉不吉~と仄めかしてる割には流れは決して暗くはない。 本格的に捕鯨が始まるであろう中巻に続く~~。
この巻は丸々導入部。主要人物の説明と目的と目標が語られる。 ボーの影響とシェイクスピアの影響がある。唾棄すべきとか名状し難いなどはラヴクラフトを読んでるよう。主人公と高貴なる野蛮人クゥイークェグの関係はファーマーのリバーワールドにおけるクレメンズとカズのようだ。
個人的にクイークェグが大好き。自分でも何故かわからない・・・。 白鯨という人間の手では捕らえきれないものをこの本で感じることができました。
・鯨骨の義足をがつがつならして白鯨モービーに気持ち悪いまでの執念を燃やす船長とそんな船長に内心ドン引きしながらもなんとなく逆らえない仲間たちの話。・STARBUCKSCOFEEのスターバックスはこの作中の登場人物、コーヒーだいすき一等航海士スターバック副船長にちなまれている(スタバのマークのモチーフ...続きを読むは、船の舳先についているセイレーン像。店内も航海モチーフ)・数ある白鯨の日本語版では、このカバーが雰囲気でてる、すき
アッシャー家。旧家。陰鬱な森にある不気味な屋敷。代々、遺伝病。家の娘が不治の病で死亡、死体を地下室に安置。1週間後、嵐の夜、地下室から不気味な物音。見てみると、娘は生きていて、血まみれで立っていた。赤い満月の下、屋敷は崩れ去り、深い沼の中に消えていく。エドガー・アラン・ポーPoe『アッシャー家の崩壊...続きを読む』1839 〇ロデリック。アッシャー家の当主。 〇マデリン。ロデリックの妹。 「私」。黒猫を飼っている。ある日、酒に酔った勢いで、黒猫の片目をえぐりとる。また別の日、黒猫を縛り首にして、木にぶらさげる。その夜、家が火事になり、焼け跡の壁に猫の形の印影が残っていた。しばらくして、別の黒猫を飼い始める。猫の毛並みが「刑具」に見えはじめ、恐怖にかられて斧で猫を殺そうとする。しかし妻に止められたため、発作的に妻を斧で殺す。妻の死体を地下室の壁の中に隠す。警察が殺人捜査に来る。壁の中から不気味な鳴き声がする。警察が壁を壊すと、白骨化した妻の死体の上に黒猫が座っていた。エドガー・アラン・ポーPoe『黒猫』1843 ヘスター・プリン。女。夫以外の男と不倫をして、私生児を生む。女は姦通罪でさらし台に立たされる。付き添いの若い牧師ディムズデールの横で、女は赤ちゃんを抱き、胸にAの文字がついた服を着せられている。AはAdultery(姦通)を意味。その後、ヘスターの不倫相手が判明。不倫相手の男は牧師ディムズデールだった。牧師はさらし台に登り、自らの罪を告白し、死亡。胸にAの文字がついた服を着ていた。ナサニエル・ホーソンHawthorne『緋文字ひもんじ』1850 〇チリングワース。へスターの夫。学者。老齢。正体を隠して妻の不倫相手を探す。 エイハブ。捕鯨船(ピークオッド号)の船長。58歳。昔、ある白鯨(通称モービィ・ディック)に足を食いちぎられ、片足を失う。義足。復讐のため、その白鯨を執念深く追い続けている。ある日、エイハブ船長はついに白鯨を見つけるが、死闘の末、船と共に海のもくずと消える。ハーマン・メルヴィルMelville『白鯨』1851 〇クイークェグ。捕鯨船の船員。経験豊富。ポリネシア人。全身に入れ墨。食人種。船上で熱病にかかり、棺桶を作ってほしいと依頼。白鯨との死闘で海に沈む。 〇スターバック。一等航海士。真面目。冷静沈着。船長エイハブに白鯨の追跡を中止するよう進言。クェーカー教徒(プロテスタント)。※スターバックスの由来。 〇フェダラー。船員。パーシー教徒。ゾロアスター教徒の末裔。予言。 〇イシュメール。船員。語り手。初めて捕鯨船に乗る。白鯨との死闘で海に投げ出されるが、クイークェグの棺桶につかまって生還。※聖書、パレスチナの砂漠を彷徨い続けたイシュマイル(アブラハムの子)から。 ※潮吹き亭。宿屋。イシュメールとクイークェグが出会う。宿屋の主人はコフィン(棺桶)。 バートルビー。男。文書をそのまま書き写す仕事。ウォール街の弁護士事務所で雇われている。書写以外の仕事はやろうとしない。事務所に住み着き、休日も外に出ない。次第に書写もしなくなり解雇。牢獄に入れられ、食べることさえやめてしまい、壁を見つめながら、生きることをやめる。ハーマン・メルヴィルMelville『書写人バートルビー』1853 四人姉妹の少女の成長物語。父は南北戦争への従軍で不在。ルイーザ・メイ・オルコット『若草物語/Little Women』1869 マーク・トウェインTwain『トム・ソーヤの冒険』1876 〇トム・ソーヤ。少年。やんちゃ。好奇心旺盛、知恵と勇気。母を亡くし、叔母のポリーと暮らしている。 〇ハックルベリー・フィン。少年。浮浪児。ボロボロの服。自由奔放。大人は「ハックと一緒に遊ぶな」と言う。 〇ベッキー。トムが好き。おさげ髪。 〇マフ・ポッター。老人。酔っ払い。殺人の罪を擦り付けられる。 ●インジャン・ジョー。夜の墓場で人を殺し、ポッターに罪をなすりつける。悪事をはたらき、大金を洞窟に隠している。耳が聞こえない。 ハックルベリー・フィン。浮浪児。才知。良心。同情心。黒人奴隷ジムと共に、自由を求めてミシシッピ川をいかだで北上、カナダを目指す。黒人奴隷を助けるのは罪になるが、ジムとの友情を優先。ジムマーク・トウェインTwain『ハックルベリー・フィンの冒険』1885 それは穏やかで平安に満ちた夏の風景だった。夢のように美しく、日曜日のようにもの寂しくひっそりとしていた。マーク・トウェインTwain『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』1889 「私」。若い女。ある屋敷で家庭教師として雇われる。子供は兄マイルズと妹フローラ。純粋無垢な天使のような兄妹。しかし、屋敷で亡霊「おぞましい何か」を見るようになり、兄妹に悪魔的な影を感じるようになる。ヘンリー・ジェイムズJames『ねじの回転』1898 ※英に移住、帰化 ジョンジー。女。肺炎にかかり、寝込んでいる。病室の窓から外を見ると、レンガの壁、ツタの葉がはっている。この葉がすべて散ったら、わたしの命も尽きるのだ。生きる気力を失っている。これを聞いた隣人の老画家ベアマンは、こっそり壁にツタの葉をリアルに描く。どんな激しい風雨にも堪える最後の葉(の絵)を見て、ジョンジーは気力を取り戻し、肺炎は快方に向かう。老画家ベアマンは葉の絵を描き終えた2日後、息を引き取る。オー・ヘンリーO. Henry『最後の一葉(ひとは)』1907 ジュディ。少女。孤児。成績優秀。大学進学のお金がない。そこに謎のお金持ちの男「あしながおじさん」が金を工面してくれることに。その後、ジュディは友人の叔父ペンドルトンと知り合い、恋仲に。その人こそが「あしながおじさん」だった。ジーン・ウェブスター『あしながおじさん』1912 ジェイ・ギャツビー。男。18歳の頃、デイジーという恋人がいた。デイジーは、ギャツビーが戦争で出兵した後、別の男(金持ち)に言い寄られ結婚するがギャツビーが忘れられない。数年後、戦争から帰ってきたギャツビーとデイジーは再会、二人はお互いの愛を確認。「すべてを昔のままに戻してみせるさ」▼ある日、デイジーは車を運転中、急に飛び出してきた女をひき殺してしまう。その女はデイジーの夫の愛人で、デイジーの夫はギャツビーが自分の愛人を殺したと思い込む。デイジーの夫は自分の愛人の夫に「あなたの奥さんを車でひき殺したのはギャツビー」だと告げる。車でひき殺された女の夫は怒り狂い、ギャツビーを射殺する。スコット・フィッツジェラルドFitzgerald『グレイト・ギャツビー』1925 〇トム。デイジーの夫。好戦的。金持ち。 〇マートル。トムの不倫相手の女。 〇ジョージ・ウィルソン。マートルの夫。ギャツビーを射殺し、自殺。 〇ニック。普通のサラリーマン。証券会社。ギャツビーの隣人。物語の語り手。 +++++++ フレデリック。アメリカ人青年。第1次大戦でイタリア軍に従軍。戦場でイギリス人看護師キャサリンに出会い、恋仲になる。キャサリンは不吉な予言をする「わたしとあなた、どちらかが雨の中で死んでいる姿が見える」。その後、戦況が悪化し、フレデリックは軍から脱走。キャサリンと共にスイスで幸せに暮らし始め、キャサリンは妊娠。しかし、赤ん坊は出産時に死亡、キャサリンも多量出血で死んでしまう。フレデリックが病院の外に出ると、雨が降っていた。アーネスト・ヘミングウェイHemingway『武器よさらば』1929 ・2人で一緒にいる時、ぼくらは孤独を感じなかった。恐ろしくなかった。ぼくは夜と昼が同じでないことを知っていた ・年寄りになって賢くなるのではない。用心深くなるのだ。 ロバート。アメリカ人青年。スペイン内戦で政府軍を従軍。戦場でスペイン人の娘マリアに出会い、恋仲になる▼誰かの死は私を小さくする。なぜなら、私は人類に関わっているからだ。だから人の死を悼(いた)んで打ちならす鐘(弔鐘)が誰のために鳴るのか尋ねてはならない。鐘はあなたのために鳴っているのだ。アーネスト・ヘミングウェイHemingway『誰(た)がために鐘が鳴る』1940 サンチャゴ。老人。キューバの漁師。アーネスト・ヘミングウェイHemingway『老人と海』1952 だれかを信頼できるかを試すのに一番いい方法は、彼らを信頼してみることだ▼あちこち旅をしてまわっても、自分から逃げることはできない。ヘミングウェイ +++++++ ワン・ルン。貧農。中国の安徽省。1930年代。動乱に乗じて、大地主にのし上がる。パール・バックBuck『大地』1931 ++++++++++++++++ アメリカ南部。コンプソン家の没落。ウィリアム・フォークナーFaulkner『響きと怒り』1929 〇クウェンティン。長男。インテリ。妹キャディに近親相姦の妄想。精神を病み、入水自殺。 〇キャディ。長女。性に奔放。 〇ジェイソン。次男。人種差別主義者。貪欲。冷酷。 〇ベンジャミン。末っ子。知的障碍。 〇ディルシー。黒人のお手伝いさん。美徳。 見た目は白人だが、黒人の血が流れる男。白人を避けて、黒人たちと寝食を共にする。「体内に黒い臭気を、黒人の暗くて不可解な思想や存在を吸い込もうと努め、同時に吐く息ごとに体内から白い血や白い思想と存在を追い出そうとした」。ウィリアム・フォークナーFaulkner『八月の光』1932 ウィリアム・フォークナーFaulkner『アブサロム、アブサロム!』1936 ※アブサロム。ダビデ王の三男。父ダビデに反乱を起こすも殺害される。息子の死を聞いた父ダビデ「アブサロム、アブサロム、私がお前に代わって死ねばよかった」(旧約聖書サムエル記) 〇トマス・サトペン。前妻との子チャールズが、現在の妻との子ヘンリーによって殺される。 〇チャールズ・ボン。トマスの前妻との子。男。ジュディスに恋。 〇ヘンリー・サトペン。トマスの長男。妹ジュディスとチャールズの恋を応援していたが、チャールズに黒人の血が入っていることを知り、チャールズを殺害。 〇ジュディス・サトペン。トマスの長女。 ウィリアム・フォークナーFaulkner『野生の棕櫚』1939 ++++++++++++++++ スカーレット・オハラ。大農園主の娘。16歳。美人ではない。勝ち気。プライドが高い。頑固。傲慢。自惚れが強い。常に男たちの注目の的でいたい。ある日、幼馴染のアシュリー・ウィルクスに求婚するが断られる。アシュリーはメラニーと結婚。スカーレットはアシュリーへの当てつけに、メラニーの兄(チャールズ)と結婚。夫(チャールズ)が戦死し、スカーレットは金目当てで別の男(フランク)と再婚。スカーレットは夫の製材所の従業員にアシュレイを雇う。夫(フランク)の死後、スカーレットはレットと再婚(3度目)。夫レットは、スカーレットを溺愛するが、スカーレットはアシュリーの幻影を追ってばかり。ある日、スカーレットはレットこそ愛すべき夫だと気づくが、レットはすでに報われない愛に切りをつけようと別れを決意していた。レット「スカーレット、きみはきみを愛している人間にとても残酷だった、その人たちの愛を取り上げて、まるで鞭のようにそれをその人たちの頭上に振りかざす、ぼくは壊れた破片を忍耐強く拾い集めて膠(にかわ)でくっつけ、くっつけてしまえば新品同様と思うような人間ではない」。マーガレット・ミッチェルMitchel『風と共に去りぬ』1936 〇アシュレイ・ウィルクス。男。文学青年。教養。スカーレットからの求婚を拒否。メラニーと結婚。 ●チャールズ。1人目の夫。メラニーの兄。南北戦争(1861)で戦死。 ●フランク。2人目の夫。材木商。金持ち。KKKの活動中、襲撃を受けて死亡。 ●レット・バトラー。3人目の夫。金持ち。スカーレットを溺愛するが、スカーレットはレットに愛情を抱いていない。ある日、スカーレットは夫の愛を知るが、夫はすでに報われない愛に切りをつけようと別れを決意していた。 ●ボニー。レットとの娘。落馬し4歳で死亡。 「私」。男。社会の束縛(古い自我)から自由になり、真の自己・個性を手に入れたい。死にうち克ちたいという盲目的な衝動から生まれる生への欲求は、それ自体、死の種子をまく手段にほかならない。ヘンリー・ミラー『南回帰線』1938 ジム・ケイシー。男。説教師。迫害されている労働者たちのストライキを指導。しかし、ジムは自警団員に撲殺されてしまう。ジムの意志は、友人トム・ジョードに引き継がれ、トムは労働者の指導者となる。ジョン・スタインベックSteinbeck『怒りの葡萄』1939 〇トム・ジョード。貧農。酒を飲んで喧嘩相手を殺し服役。仮釈放中。 〇ローザシャーン。トムの妹。 ※世界恐慌(1929) ※飢えた人々の目の中には、次第にわき上がる激怒の色がある。人々の魂の中には「怒りの葡萄」が次第に満ちて夥(おびただ)しく実っていく▼圧制は被圧制者の力を強め、結合させるのみである ※アメリカ中西部。地主と小作人の対立。地主は小作人から農地を取り上げ、大農場経営に切り替えたい。小作人は自分たちの土地を守りたい▼人間は自分の創り出すものを超えて成長し、自分の考えの階段を踏みのぼり、自分のなしとげたものの彼方に立ちあらわれる ささやかな幸福を夢見る母子家庭の姿。テネシー・ウィリアムズ『ガラスの動物園』1944 ブランチ・デュボア。大農園主の娘。家は没落しており貧しい。家の過去の栄光と現実の惨めな生活から、心に穴が空いている。心の穴を充たすため、次から次へと男を乗り換えている。次第に、ブランチの精神は蝕まれてゆく。ある日、妹の夫にレイプされ、発狂、精神病院に送られる。テネシー・ウィリアムズ『欲望という名の電車』1947 〇ステラ。ブランチの妹。 ●スタンリー・コワルスキー。妹の夫。ブランチと対立。 南海の孤島。日米の激突。極限状態の兵士たち。ノーマン・メイラー『裸者と死者』1948 ※メルヴィル「白鯨」からの影響。 トルーマン・ガルシア・カポーティCapote『遠い声、遠い部屋』1948 ホリー・ゴライトリー。20歳。女。自由奔放。ブラジル人外交官から言い寄られている。いつか華やかな暮らしをしたい。しかし、服役中のギャング幹部に外の情報を伝えて週100ドルの報酬を得ていることや、マリファナ常習していることがバレる。ブラジル外交官を頼りにブラジルに渡るが、妻子がいることが判明。ホリーは放浪の旅を続ける。トルーマン・ガルシア・カポーティCapote『ティファニーで朝食を』1958 トルーマン・ガルシア・カポーティCapote『冷血』1966 ホールデン・コールフィールド。16歳。大人の偽善・虚飾が大きらい。厭世。純粋無垢なものを希求。ある日、成績不振で高校を退学。寮に帰り、1ドルで買った赤いハンチングをかぶって読書▼エドモント・ホテル。変装する白髪の男。酒をかけあっている男女。アーニーのピアノ。売春▼女友達サリーと芝居を観る。アイススケート場。駆け落ちしようと持ちかけるが「まだ子どもだから無理」と言われ、喧嘩別れ▼妹フィービーと動物園に。妹は回転木馬に乗り、こちらに手を振っている。雨が降る中、無性に幸せな気持ちになる▼ホールデン「ライ麦畑で遊ぶのに夢中で崖から落ちそうな子供たちをつかまえる人に、ぼくはなりたい」。ジェローム・サリンジャーSalinger『キャッチャー・イン・ザ・ライ』1951 ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』1959 ※SF 〇チャーリイ。 〇アルジャーノン。ハツカネズミ 夫ジョージと妻マーサ。客の前でも口論。互いに相手の欠点を指摘し合う。架空の息子。エドワード・オールビーAlbee『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』1962 ジョナサン・リヴィングストン。かもめ。さまざまな飛行方法を会得し、ついには時間・空間を越えて、望む場所に飛んでいけるように。リチャード・バックBach『かもめのジョナサン』1970 ※ヒッピー文化、禅・密教 セリー。黒人の娘。アメリカ南部。人種差別と性差別からの解放。神の存在。アリス・ウォーカー『カラーパープル』1982 ※黒人女性 毎日どこかへ仕事をするために通い、そして戻ってくる。単純なことの繰り返し。人はそうしたことに耐え抜くためだけに生まれ落ち、死んでいくのか。それなら皿洗いにでもなって、ちっぽけな部屋に帰ってきて、1人で酔っぱらって眠りにつくほうがいい。チャールズ・ブコウスキーBukowski『Ham on Rye/くそったれ! 少年時代』1982 ポール・オースターAuster『ムーン・パレス』1989 〇トマス・エフィング。老人。 〇フォッグ。学生。
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