白鯨 上

白鯨 上

小説・文芸
1,364円 (税込)

6pt

開催中のキャンペーン

巨大な白い鯨〈モービィ・ディック〉をめぐって繰り広げられる、アメリカの作家メルヴィル(1819―1891)の最高傑作。本書は海洋冒険小説の枠組みに納まりきらない、法外なスケールとスタイルを誇る、象徴性に満ちあふれた「知的ごった煮」であり、およそ鯨に関することは何もかも盛り込んだ「鯨の百科全書」でもある。新訳(全3冊)

詳しい情報を見る

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    :
    岩波書店
  • 掲載誌・レーベル
    :
    岩波文庫
  • タイトル
    :
    白鯨
  • タイトルID
    :
    191801
  • ページ数
    :
    494ページ
  • 電子版発売日
    :
    2012年11月22日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    4MB

閲覧環境

注意事項あり
  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア
  • 【閲覧できない環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

白鯨 の一覧

1~3巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~3件目 / 3件
  • 白鯨 上
    1,364円 (税込)
    巨大な白い鯨〈モービィ・ディック〉をめぐって繰り広げられる、アメリカの作家メルヴィル(1819―1891)の最高傑作。本書は海洋冒険小説の枠組みに納まりきらない、法外なスケールとスタイルを誇る、象徴性に満ちあふれた「知的ごった煮」であり、およそ鯨に関することは何もかも盛り込んだ「鯨の百科全書」でもある。新訳(全3冊)
  • 白鯨 中
    1,364円 (税込)
    <モービィ・ディック>との遭遇をまえにして、さまざまな国籍の多岐にわたる人種をのせた、アメリカを象徴するような捕鯨船<ピークオッド号>の航海はつづく。ほかの船との<出あい>を織りまぜながら、鯨と捕鯨に関する<百科全書的>な博識が、倦むことなく、衒学的なまでに次から次へと開陳されていく。新訳。(全3冊)
  • 白鯨 下
    1,276円 (税込)
    「モービィ・ディックだ!」――エイハブ船長の高揚した叫び声がとどろきわたった。復讐の念に燃え、執拗に追い続けてきたあの巨大な白い鯨が、ついに姿を現わしたのだ。おそるべき海獣との三日間にわたる壮絶な〈死闘劇〉の幕が、いよいよ切って落とされる。アメリカ文学が誇る〈叙事詩的巨編〉、堂々の完結。(全3冊)

※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません

白鯨 上 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    『白鯨』(上巻)を読み終えました。

    捕鯨小説というより、旧約聖書や神話、哲学など、さまざまな知が「鯨」という一つのモチーフに集約された巨大な文学作品だと感じました。

    私は事前に『ヨブ記』『ヨナ書』を読み、『METAL GEAR SOLID V』もプレイしていたため、エイハブやイシュメール、復讐という構図が後世の作品へ受け継がれていることを実感できました。「これが源流だったのか」と気づく瞬間が何度もあります。

    そして何より圧倒されたのは、メルヴィルの執念です。インターネットもAIもない時代に、膨大な文献を調べ上げ、それらを一つの作品へ統合した調査力と構成力には驚かされました。

    読み進めるうちに、白鯨を追うエイハブ船長と、「白鯨」という作品を書き上げようとしたメルヴィル自身の姿が重なって見えました。

    中巻では、この壮大な物語がどのように展開していくのか楽しみです。

    0
    2026年07月12日

    Posted by ブクログ

    ビンラディンがワールドトレードセンターを破壊した頃に読んだ。150年前の小説を読んでいるはずなのに、テレビに映る瓦礫と同じ「アフガニスタン戦争」の文字に目を疑う。その瞬間に私は、エイハブ船長はいまも白鯨を追いかけているのだと、完璧に理解した。

    0
    2026年02月15日

    Posted by ブクログ

    一人称でのイシュメールの独白が続くだけのところは退屈に思えた。しかし、神の視点のような俯瞰、鯨についての衒学的な解説、ほかの乗組員の独白、そして演劇の台本のような会話文体と、イシュメールの独白が自由に入れ替わっていくにつれ、おもしろくなってきた。中巻以降が楽しみだ。

    0
    2026年02月03日

    Posted by ブクログ

    エイハブ。男。捕鯨船(ピークオッド号)の船長。58歳。昔、ある白鯨(通称モービィ・ディック)に足を食いちぎられ、片足を失う。義足。復讐のため、その白鯨を執念深く追い続けている。船員スターバック「もの言わぬ獣に復讐してどうなるのですか」、エイハブ「この世界は理が通わない。しかし見ている世界は仮面にすぎない。その仮面の奥には理が通った何かが潜んでいる。白鯨はその仮面だ。仮面の向こうには何もないかもしれない。が、それでも構わない」。ある日、エイハブ船長は探し求めていた白鯨をついに見つけ、死闘の末、船と共に海のもくずと消える。「白一色の大雪原は意味に溢れている。しかしそれはもの言わぬただの空白である」。ハーマン・メルヴィルMelville『Moby-Dick(白鯨)』1851
    〇スターバック。一等航海士。真面目。冷静沈着。白鯨の追跡を中止するようエイハブ船長に進言。クェーカー教徒(プロテスタント)。※Starbucksコーヒーの由来。
    〇スタッブ。二等航海士。楽観的。飄々としている。タバコ(パイプ)好き。
    〇フラスク。三等航海士。好戦的。
    ●フェダラー。船員。ペルシア(またはインド)出身。黒装束。白ターバン。ゾロアスター教徒の末裔(パールシー教徒)。予言。エイハブ船長の側近。
    〇クイークェグ。捕鯨船の船員。経験豊富。ポリネシア人。王族。高潔。全身に入れ墨。食人種。片言。船上で熱病にかかり、棺桶を作ってほしいと依頼。白鯨との死闘で海に沈む。
    〇イシュメール。語り手。船員。初めて捕鯨船に乗る。白鯨との死闘で海に投げ出されるが、クイークェグの棺桶につかまって生還。※パレスチナの砂漠を彷徨い続けたイシュマイル(アブラハムの子)から。
    ※潮噴き亭。宿屋。イシュメールとクイークェグが出会う。宿屋の主人の名前は「コフィン(棺桶)」

    *********

    バートルビー。男。書写人。文書をそのまま書き写す仕事。ウォール街の弁護士事務所で雇われている。書写以外の仕事はやろうとしない。仕事を頼まれても「やらないほうがいいと思います (I would prefer not to)」。事務所に住み着き、休日も外に出ない。次第に書写もしなくなり解雇。牢獄に入れられ、食べることさえやめてしまい、壁を見つめながら、生きることをやめる。ハーマン・メルヴィルMelville『書写人バートルビー』1853
    ※配達不能郵便=神の言葉(福音)が届かない世界?

    ++++++++++

    ヘスター・プリン。女。夫以外の男と不倫をして、私生児を生む。女は姦通罪でさらし台に立たされる。付き添いの若い牧師ディムズデールの横で、女は赤ちゃんを抱き、胸にAの文字がついた服を着せられている。AはAdultery(姦通)を意味。その後、ヘスターの不倫相手が判明。不倫相手の男は牧師ディムズデールだった。牧師はさらし台に登り、自らの罪を告白し、死亡。胸にAの文字がついた服を着ていた。ナサニエル・ホーソンHawthorne『緋文字ひもんじ』1850
    〇チリングワース。へスターの夫。学者。老齢。正体を隠して妻の不倫相手を探す。

    アッシャー家。旧家。陰鬱な森にある不気味な屋敷。代々、遺伝病の家系。男ロデリックと双子の妹マドライン。ロデリックは光や音に過敏で精神が不安定。ある日、ロデリックは妹マデリンが不治の病で死亡したと、妹を地下室に安置する。1週間後、嵐の夜、地下室から不気味な物音。見てみると、娘は生きていて、血まみれで立っていた。ロデリックは恐怖でショック死、妹マドラインもその場で死亡。赤い満月の下、屋敷の中央に亀裂が入り、屋敷は深い沼の中に消えていく。エドガー・アラン・ポーPoe『アッシャー家の崩壊』1839★
    *“排除したもの”から逃げられない
    *建物そのものに特性があって精神に影響を及ぼす。cf. デュ・モーリア「レベッカ」

    「私」。黒猫を飼っている。ある日、酒に酔った勢いで、黒猫の片目をえぐりとる。また別の日、黒猫を縛り首にして、木にぶらさげる。その夜、家が火事になり、焼け跡の壁に猫の形の印影が残っていた。しばらくして、別の黒猫を飼い始める。猫の毛並みが「刑具」に見えはじめ、恐怖にかられて斧で猫を殺そうとする。しかし妻に止められたため、発作的に妻を斧で殺す。妻の死体を地下室の壁の中に隠す。警察が殺人捜査に来ると、壁の中から不気味な鳴き声。警察が壁を壊すと、白骨化した妻の死体の上に黒猫が座っていた。エドガー・アラン・ポーPoe『黒猫』1843★
    *“排除したもの”から逃げられない

    ************

    四人姉妹の少女の成長物語。父は南北戦争への従軍で不在。ルイーザ・メイ・オルコット『若草物語/Little Women』1869

    「私」。若い女。ある屋敷で家庭教師として雇われる。子供は兄マイルズと妹フローラ。純粋無垢な天使のような兄妹。しかし、屋敷で亡霊「おぞましい何か」を見るようになり、兄妹に悪魔的な影を感じるようになる。ヘンリー・ジェイムズJames『ねじの回転』1898 ※英に移住、帰化

    ジョンジー。女。肺炎にかかり、寝込んでいる。病室の窓から外を見ると、レンガの壁、ツタの葉がはっている。この葉がすべて散ったら、わたしの命も尽きるのだ。生きる気力を失っている。これを聞いた隣人の老画家ベアマンは、こっそり壁にツタの葉をリアルに描く。どんな激しい風雨にも堪える最後の葉(の絵)を見て、ジョンジーは気力を取り戻し、肺炎は快方に向かう。老画家ベアマンは葉の絵を描き終えた2日後、息を引き取る。オー・ヘンリーO. Henry『最後の一葉(ひとは)』1907

    ジュディ。少女。孤児。成績優秀。大学進学のお金がない。そこに謎のお金持ちの男「あしながおじさん」が金を工面してくれることに。その後、ジュディは友人の叔父ペンドルトンと知り合い、恋仲に。その人こそが「あしながおじさん」だった。ジーン・ウェブスター『あしながおじさん』1912

    ワン・ルン。貧農。中国の安徽省。1930年代。動乱に乗じて、大地主にのし上がる。パール・バックBuck『大地』1931

    スカーレット・オハラ。大農園主の娘。16歳。美人ではない。勝ち気。プライドが高い。頑固。傲慢。自惚れが強い。常に男たちの注目の的でいたい。ある日、幼馴染のアシュリー・ウィルクスに求婚するが断られる。アシュリーはメラニーと結婚。スカーレットはアシュリーへの当てつけに、メラニーの兄(チャールズ)と結婚。夫(チャールズ)が戦死し、スカーレットは金目当てで別の男(フランク)と再婚。スカーレットは夫の製材所の従業員にアシュリーを雇う。夫(フランク)の死後、スカーレットはレットと再婚(3度目)。夫レットは、スカーレットを溺愛するが、スカーレットはアシュリーの幻影を追ってばかり。ある日、スカーレットはレットこそ愛すべき夫だと気づくが、レットはすでに報われない愛に切りをつけようと別れを決意していた。レット「スカーレット、きみはきみを愛している人間にとても残酷だった、その人たちの愛を取り上げて、まるで鞭のようにそれをその人たちの頭上に振りかざす、ぼくは壊れた破片を忍耐強く拾い集めて膠(にかわ)でくっつけ、くっつけてしまえば新品同様と思うような人間ではない」。マーガレット・ミッチェルMitchel『風と共に去りぬ』1936
    〇アシュレイ・ウィルクス。男。文学青年。教養。スカーレットからの求婚を拒否。メラニーと結婚。
    ●チャールズ。1人目の夫。メラニーの兄。南北戦争(1861)で戦死。
    ●フランク。2人目の夫。材木商。金持ち。KKKの活動中、襲撃を受けて死亡。
    ●レット・バトラー。3人目の夫。金持ち。スカーレットを溺愛するが、スカーレットはレットに愛情を抱いていない。ある日、スカーレットは夫の愛を知るが、夫はすでに報われない愛に切りをつけようと別れを決意していた。
    ●ボニー。レットとの娘。落馬し4歳で死亡。

    「私」。男。社会の束縛(古い自我)から自由になり、真の自己・個性を手に入れたい。死にうち克ちたいという盲目的な衝動から生まれる生への欲求は、それ自体、死の種子をまく手段にほかならない。ヘンリー・ミラー『南回帰線』1938

    ジム・ケイシー。男。説教師。迫害されている労働者たちのストライキを指導。しかし、ジムは自警団員に撲殺されてしまう。ジムの意志は、友人トム・ジョードに引き継がれ、トムは労働者の指導者となる。ジョン・スタインベックSteinbeck『怒りの葡萄』1939
    〇トム・ジョード。貧農。酒を飲んで喧嘩相手を殺し服役。仮釈放中。
    〇ローザシャーン。トムの妹。
    ※世界恐慌(1929)
    ※飢えた人々の目の中には、次第にわき上がる激怒の色がある。人々の魂の中には「怒りの葡萄」が次第に満ちて夥(おびただ)しく実っていく▼圧制は被圧制者の力を強め、結合させるのみである
    ※アメリカ中西部。地主と小作人の対立。地主は小作人から農地を取り上げ、大農場経営に切り替えたい。小作人は自分たちの土地を守りたい▼人間は自分の創り出すものを超えて成長し、自分の考えの階段を踏みのぼり、自分のなしとげたものの彼方に立ちあらわれる

    ささやかな幸福を夢見る母子家庭の姿。テネシー・ウィリアムズ『ガラスの動物園』1944

    ブランチ・デュボア。大農園主の娘。家は没落しており貧しい。家の過去の栄光と現実の惨めな生活から、心に穴が空いている。心の穴を充たすため、次から次へと男を乗り換えている。次第に、ブランチの精神は蝕まれてゆく。ある日、妹の夫にレイプされ、発狂、精神病院に送られる。テネシー・ウィリアムズ『欲望という名の電車』1947
    〇ステラ。ブランチの妹。
    ●スタンリー・コワルスキー。妹の夫。ブランチと対立。

    南海の孤島。日米の激突。極限状態の兵士たち。ノーマン・メイラー『裸者と死者』1948 ※メルヴィル「白鯨」からの影響。

    トルーマン・ガルシア・カポーティCapote『遠い声、遠い部屋』1948

    ホリー・ゴライトリー。20歳。女。自由奔放。ブラジル人外交官から言い寄られている。いつか華やかな暮らしをしたい。しかし、服役中のギャング幹部に外の情報を伝えて週100ドルの報酬を得ていることや、マリファナ常習していることがバレる。ブラジル外交官を頼りにブラジルに渡るが、妻子がいることが判明。ホリーは放浪の旅を続ける。トルーマン・ガルシア・カポーティCapote『ティファニーで朝食を』1958

    ペリー・スミス。男。両親は離婚。家庭崩壊。幼少期に施設へ送られる。修道院系施設で虐待を受ける。愛情に乏しい環境で育つ。感受性が高い一方、衝動的暴力的な側面。若い頃から犯罪を繰り返し、刑務所生活を経験。ある一家の金庫に大金があると聞きつけ強盗。口封じに一家4人を殺害。逮捕。人間(犯人)は理解できるが、暴力そのものは理解しきれない。トルーマン・ガルシア・カポーティCapote『冷血』1966

    ホールデン・コールフィールド。16歳。大人の偽善・虚飾が大きらい。厭世。純粋無垢なものを希求。ある日、成績不振で高校を退学。寮に帰り、1ドルで買った赤いハンチングをかぶって読書▼エドモント・ホテル。変装する白髪の男。酒をかけあっている男女。アーニーのピアノ。売春▼女友達サリーと芝居を観る。アイススケート場。駆け落ちしようと持ちかけるが「まだ子どもだから無理」と言われ、喧嘩別れ▼妹フィービーと動物園に。妹は回転木馬に乗り、こちらに手を振っている。雨が降る中、無性に幸せな気持ちになる▼ホールデン「ライ麦畑で遊ぶのに夢中で崖から落ちそうな子供たちをつかまえる人に、ぼくはなりたい(純粋さを守りたい)」。ホールデンは精神的に限界を迎え、療養施設に入る。ジェローム・サリンジャーSalinger『キャッチャー・イン・ザ・ライ』1951
    *純粋さへの執着、世界への違和感、内面の崩壊。cf. クインティン(フォークナー響きと怒り)。

    夫ジョージと妻マーサ。客の前でも口論。互いに相手の欠点を指摘し合う。架空の息子。エドワード・オールビーAlbee『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』1962

    ジョナサン・リヴィングストン。かもめ。さまざまな飛行方法を会得し、ついには時間・空間を越えて、望む場所に飛んでいけるように。リチャード・バックBach『かもめのジョナサン』1970 ※ヒッピー文化、禅・密教

    セリー。黒人の娘。アメリカ南部。人種差別と性差別からの解放。神の存在。アリス・ウォーカー『カラーパープル』1982 ※黒人女性

    毎日どこかへ仕事をするために通い、そして戻ってくる。単純なことの繰り返し。人はそうしたことに耐え抜くためだけに生まれ落ち、死んでいくのか。それなら皿洗いにでもなって、ちっぽけな部屋に帰ってきて、1人で酔っぱらって眠りにつくほうがいい。チャールズ・ブコウスキーBukowski『Ham on Rye/くそったれ! 少年時代』1982

    ポール・オースターAuster『ムーン・パレス』1989
    〇トマス・エフィング。老人。
    〇フォッグ。学生。

    0
    2025年11月20日

    Posted by ブクログ

    とてもボリュームのある作品。あらすじは比較的単純だが、哲学的思想が散りばめられていて考えさせられる。聖書やギリシア神話からの引用が多い(岩波文庫版は、注が物凄く詳しい)上、クジラに関する専門的な記述も多い。池澤夏樹は、『白鯨』は、データベースであると言っているが、それはあくまでもクジラに関してだけ。この作品の魅力はそんなデータベースにある訳ではない。クジラが好きなので、そのクジラのデータベースも魅力的なのだが。

    1851年にアメリカで書かれた文学作品が、現代政治を読み解く装置としても働いている。不思議で奥深い作品だ。サマセット・モームが世界の「十大小説」に選んだことだけのことはある。1851年から2025年まで読み込める世界感である。

    0
    2025年02月24日

    Posted by ブクログ

    現在手に入れることができるのは、講談・新潮・角川・岩波になる。
    訳・挿絵・注釈・図解どれをとっても岩波が秀でている。
    値段を見ると新潮・角川に流れたくもなるが、ぜひ岩波版を手に取ってみて欲しい。

    0
    2023年08月08日

    Posted by ブクログ

    壮大で長大で長大(大切なことなので2回言う)な物語の序章。この物語を読むときには栞を2本用意しよう!本編用と注釈用の2本だ!油断していくとメルヴィルの鯨油のように滑らかな蘊蓄に呑み込まれるぜ!

    0
    2022年07月30日

    Posted by ブクログ

    再読。ちまちま読んでたら3ヶ月もかかったが、この規格外のスケール感を味わうにはそれくらい必要かもしれない。

    捕鯨船船長エイハブが宿敵である白鯨を仕留めるため航海に出る、という一応の筋はあるものの、そこに収まることなく脱線に脱線を重ねる。本筋は一向に進まず脱線が主役になるが、その脱線こそが作品の面白さでもある。
    鯨の分類に一章を費やし、捕鯨道具の説明が延々と続く。鯨に関わることなら全てを書き記す勢いで、言ってみれば鯨を中心にした、あるいは鯨を通した世界の記述。ここでは世界の中心は鯨であり、鯨を中心に世界は動く。
    この世界観の大きさがとにかく尋常でない。物語はともかく、膨大な蘊蓄と雑学と逸話で彩られた鯨中心の世界にどっぷり浸かる快楽は、ほかに似たもののない唯一無二の作品だと思う。

    0
    2022年01月10日

    Posted by ブクログ

    ついに学生時代から読みたいと思ってずっと手付かずだった白鯨を読んだ。まだ上巻。ところどころ聖書になぞらえた人物が出てきて、この後の壮大な物語を予感させる。早く中巻を読みたい。

    0
    2021年12月20日

    Posted by ブクログ

    児童用の簡易訳は読んだ。グレゴリー・ペックの映画も観た。「スナック モビー・ディック」と「スターバックスコーヒー」が向かいに建っていてどっちが勝つんだとか思ったこともある。(「モビー・ディック」が先に閉店した)
    しかし今まで手を出せなかったのは、
     この作品は小説でなくて捕鯨の論文だとか、
     いや小説や論文といったジャンルですらなく「白鯨」というジャンルだ、とか、
     キリスト教の隠喩が多いとか、
     難解だ~、
    などという噂ばかりを聞いてちょっと手を出しづらくて。
    しかしいつまでも恐れていてもしょうがない、今こそついにと手を出してみた。

    冒頭は主要人物紹介で誰がどうやって死ぬとかネタバレ状態、その次は航路や捕鯨船の船体説明、本編が始まったら鯨についての多くの資料からの引用集。
    これは確かに特殊な小説形式だと思っていましたが話が始まってみたら、私が比喩隠喩論文を理解していないだけかもしれませんが、小説部分はごく普通に楽しめる、そんなに身構えずに素直に読書体験を楽しめる一品でした。

    なお本文中では鯨を旧約聖書に登場する悪魔的な海の怪物”レヴィヤタン(Leviathan)”と訳されていることが多い。
    これは英語の”WHALE”で感じるようなただ大きな海の生物というだけでなく、もっと強い力を感じる生物として人間がどのように捉えてきたか…という象徴でもあるのか。

    ===
    私を「イシュメール」と呼んでもらおう。

    語り手は、陸の生活が嫌になると海に出る生活を送るという若者。数年前に捕鯨船に乗った時の体験を語る。読んでゆくうちにイシュメールの乗った捕鯨船は、彼以外の乗組員と共に沈んだのだと分かる。

    イシュメールは海に出る前に、南太平洋の”人喰い人種”クイークェグと知り合った。
    クイークェグは南海の島(ポリネシア?)の大酋長の息子で世界を見るためにキリスト教徒の国で暮らしている。イシュメールは、全身の入れ墨を施し、干し首を売って歩き、先祖代々祀ってきた神に祈りを捧げるこの異教徒の中に、高貴なる野蛮人の姿を見出し好意を持つ。そして彼らは真の友情を誓い合う。

     …えーーーっとね、船乗りにとってはよくある友情表現なんなのかどうなのか、このイシュメールとクイークェグとの友情表記が
      「額をくっつけ合って『これで私達は夫婦だ』と儀式を行った。夫婦と言っても心の友という意味であり、必要とも有らば相手のために喜んで死ぬという関係」
      「同じベットで和み愛し合うペアーとして心の蜜月を過ごした」
      「ベッドの中ほど心を打ち解けて話せる場所はない」
      「クイークェグは彼の足を私の足に絡ませたり…」
      「白人(イシュメール)と野蛮人(クィークエグ)が並んで仲良く歩くのは珍しがられたが私は気にしなかった」
      「クイークェグの勇敢な姿を見た私は、フジツボのように彼から離れなかった。…彼が海に沈むまで」
    などという記述が続くんですが、これは死と隣り合わせの船員なら当たり前の友情の示し方なのか…(--?)
    この実に濃い友情表現のため、私が読む前に勝手に敬遠していたこの作品へのハードルは一気に下がった(笑)

    さて、彼らが乗ることにした船は、エイハブ船長の指揮するピークオッド号。乗船前に浮浪者といった態のエライジャという男が現れて不吉な予言をよこす。
    船長のエイハブは片足を義足として船板の孔に固定して命令を下すような初老の男。エイハブの片足を奪ったのは、捕鯨船の船員たちにとっても象徴的な存在であり”モビー・ディック”という固有名(洗礼名)を付けられた巨大な白い鯨だった。話が進むにつれ、エイハブが白鯨モビー・ディックに寄せる偏狭的な復讐心が明かされてゆく。

    巻末の解説によると、そもそも旧約聖書における「イシュメール」という名前は、歯向かう者、追放者などの意味があり、純粋なキリスト教徒に名付けられたり自ら名乗ったりする名前ではない…ということ。
    また「エイハブ船長」などの人名や「ピークオッド号」という名称は聖書やアメリカの歴史からつけられたもので、不吉な名前であったり何かを引喩していたりするとのこと。

    そんな不吉さを纏って捕鯨船ピークオッド号は出港し、船乗りたちそれぞれの想いが語られる。
      一等航海士のスターバックは、家族も捕鯨船員で敬虔なクエーカー教徒。真面目で冷静な部分もあるが狂信的で向こう見ずな面も持つ。彼を生き延びさせたのは鯨を恐れる気持ちがあるからであり、それは正しい恐れ方だった。
      二等航海士は陽気なスタッブ。いつも手放さないパイプは最早体の一部だ。
      三等航海士のフラスクは小柄で頑丈で現実的。
    彼ら航海士達が指揮を取る鯨獲りのボートには、それぞれ銛打ちと船員たちが乗る。
      スターバックの船の銛打ちはクイークェグで、となると当然語り手イシュメールもこの船に乗っかっている。
      スタッブの銛打ちは、インディアンのタシュテーゴ。
      フラスクの銛打ちは、アフリカ人のダグー。(巨大なダグーと小柄なフラスクの取り合わせ)

    ピークオッド号が航海中に起きたことの小説としての書き方がなかなか面白い。
     船員たちが甲板で陽気にそれぞれの仕事を行う様子はミュージカル調に書かれ、
     船長室に閉じこもり思いを巡らすエイハブ船長と、エイハブの狂気に対するスターバックの憂いは演劇調に描かれる。
    ”わたし”という一人称で語られる割には目線は実に自由奔放。

    さらにピークオッド号の”物語”と同時に語られるのは膨大な鯨薀蓄と鯨考察。捕鯨の歴史、鯨の習性、鯨の種別など。
    この「白鯨」では鯨の種別は大きさで分けていて、イルカは一番小さな鯨としている。そして鯨は魚に分類されています。鯨とはなんぞや、とは、作者メルヴィルの時代にもかなり論争されていたようですね。

    そして捕鯨者たちには有名な白い凶暴な鯨、”モビー・ディック”について語られて、上巻は終わる。

    ===

    「白鯨」の話は二つの流れが混じりあいます。
    ①イシュメールの乗った捕鯨船ピークオッド号の物語。
     ⇒巨大な白鯨モビー・ディック、エイハブ船長の妄執、乗組員たち、航海中に出会った他の捕鯨船の話。
     一人称”わたし”で基本的にイシュメール目線だが、イシュメールがいない場面も書かれる。
    ②鯨談義
     ⇒鯨と人間についての色々。
     一人称”わたし”だが、作者のメルヴィル自身がイシュメールに交じってるような状態。(「ピークオッド号から数年後のイシュメール」という可能性もあるが)

    ①の物語は、登場人物たちがそれぞれ個性的で楽しく、
    ②の論文のほうは学術的に正しいのかどうかは全く不明ですが、論文とも小説とも言い切れず、「話の面白い人に、その人が拘っていることをひたすらしゃべらせた」みたいな感じで理解はできていないが文章として面白い。

    後書の解説はかなり丁寧。後書と言うか調査研究。
    聖書などの隠喩、捕鯨に対する歴史解説、出てきた名前の意味、作者のメルヴィルの状況などなど。

    このピークオッド号が沈むことはイシュメールの語りや不吉な予言や隠喩により示唆されているが、
    作者は語り手を通して「人間は醜い面や弱い面を見せることもあるけれど、本来は高貴な面も持っている。だから自分はその高貴な面を語りたい」と書いている。そのためか散々不吉不吉~と仄めかしてる割には流れは決して暗くはない。

    本格的に捕鯨が始まるであろう中巻に続く~~。

    0
    2021年01月17日

白鯨 上 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    :
    岩波書店
  • 掲載誌・レーベル
    :
    岩波文庫
  • タイトル
    :
    白鯨
  • タイトルID
    :
    191801
  • ページ数
    :
    494ページ
  • 電子版発売日
    :
    2012年11月22日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    4MB

閲覧環境

注意事項あり
  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア
  • 【閲覧できない環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

岩波文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

作者のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す