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「モービィ・ディックだ!」――エイハブ船長の高揚した叫び声がとどろきわたった。復讐の念に燃え、執拗に追い続けてきたあの巨大な白い鯨が、ついに姿を現わしたのだ。おそるべき海獣との三日間にわたる壮絶な〈死闘劇〉の幕が、いよいよ切って落とされる。アメリカ文学が誇る〈叙事詩的巨編〉、堂々の完結。(全3冊)
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Posted by ブクログ
有名な古典なので展開は分かっていましたが、人物紹介で滅茶苦茶ネタバレしてるのは驚きました。しかし、途中で捕鯨や鯨に関する解説が高頻度で入るので(なんならそっちの方が分量多いのではないかと思うほどです)、むしろ先の展開を知っていたほうがストレスなく読める作品だとは思います。
ここまでついてきた読者へのご褒美のような面白さ。恐怖も興奮も無常感も全部載せ。そして相も変わらず怒涛のボリュームでお送りされる鯨の知識知識!読者がエピローグを読み終える度に新たな鯨博士が誕生するのだ。夏休みにおすすめ!爽やかさとは程遠い閉塞感のある海の旅を楽しめる。「閉塞感」と表現してしまったが、『...続きを読む87章、無敵艦隊』のような心温まる章もあるよ!!
ついに読み終えた。旧約聖書をなぞらえつつ、白鯨と狂気に満ちた船長エイハブとの闘いを描く壮大な物語。実際の闘いのシーンはごく僅かだが、そこに至るまでの過程、逸話、そして捕鯨にかかる数々の話が散りばめられている。何度か読まないと真に味わえ尽くせないであろう古典。
岩波文庫中巻、登場人物紹介の欄におもいっきり結末のネタバレ書いてあってワロタ。 週間少年「」のインタビューで藤子不二雄Aさんが絶賛していたので、あの人を作った本だと思うと感慨深かった。
下巻 そろそろモービィ・ディックを追いかけないと最終巻だよ!…などという読者の思いはどこへ吹く風、相変わらずの鯨語り(笑)。 上中巻でさんざん鯨語りしたから下巻では物語が進むかと思ったら、まだまだ作者は語り足りなかったらしいく、もっと語るぞ!という決意表明?までしている。 「わたしは鯨に関する研究に...続きを読む労を惜しまない人間だ。わたしは鯨のもっと深い所を読者にお目に掛けよう。ところでイシュメールよ、一介のボート漕ぎにすぎないお前がそんなことができるのかね?」などと自問自答しているし、「鯨の血液内の細胞さえ見逃さないぞ!」「壮大な本を書くためには壮大な主題を選ばねばならない、それが鯨だ!」「鯨を考古学化石学地学的に考えるんだ!その思想が及ぶあまりの広範囲無限性に気が遠くなりそうだ」などと目標が大きすぎるんだかやり過ぎなんだかよく分からなくなってきている(笑) 多様される比喩隠喩などは後書の解説を頼りながら読み進める。この解説がかなり詳しい。本文でメルヴィルが鯨をあらゆる角度から鯨を調べて読者に語ろうとしているように、解説者は「白鯨」という作品自体を分析して読者に示そうとしている。 この解説によると、「白鯨」はメルヴィルが書いては出版社に送り、すぐ印刷に掛け、売り出さらた、ということ。 ということはあの鯨語りはほぼ推敲無しの書き下ろしか、すごいな。たまに辻褄が合わなかったり、結末がはっきりしないことがあるも、推敲無しならしょうがあるまい。 ピークォド号は日本近海にも来たらしい。「閉ざされた国日本」となんだそうだ。このころ日本は鎖国中なんだからしょーがないじゃん。アメリカはこの後油を取るための捕鯨船の補給場所として日本に開国を迫るわけですね。 なお、日本列島のことが「ニホン・マツマイ・シコケ」と記載されていた。解説だと「本州・北海道・四国」のことだそうだ。ということは「マツマイ」って松前藩か!そして九州は地図に無いのか?! ピークオッド号は相変わらず白鯨モービィ・ディックに執念を燃やすエイハブ船長とそれに従わざるを得ない船員達。 第一航海士で良識派のスターバックはたまりかねてエイハブ船長殺害を目論んだりする。しかしスターバックは引き金を弾けない。 スターバックにはエイハブに「私にではなく、あなた自身に気を付けなさい」などと警告を送る。 エイハブはその言葉を噛み締め、自分には白鯨を追う以外の人生もあるのかと迷ったりもする。そんなエイハブをさらに人間の情で説得しようとするスターバック。 しかしエイハブをエイハブたらしめているのはやはりモービィ・ディックへの執念であった。 ピークオッド号と行き会う船として、他の船の話も出てくる。 ユングフラフ号は、鯨が取れずに自船の灯油さえ全くなくなり、ピークオッド号に無心に来る。この船の船長は俗物として書かれている。 サミュエル・エンダビー号の船長は、白鯨のせいで腕を失くし、鯨の骨で義手を作っている。義足のエイハブとは、義手と義足で握手を交わした。ただしエイハブ船長とは違い、白鯨モビー・ディック個体への復讐心は全くない。 レイチェル号との出逢いは印象的。エイハブが「白鯨を見たか?」と問うと「見た。そちらは漂流中の捕鯨ボートを見たか?」と問い返してくる。モービィ・ディックを拿捕しようとして行方不明となったその救命ボートには船長の息子が乗っているという。協力を求めるレイチェル号に対してエイハブは冷たく言い放つ。「わたしはモービィ・ディックを追うことが目的だ。今こうしていることすら時間を無駄にしている」 ついにピークオッド号は白鯨モービィ・ディックに追いつき、3日間に渡る死闘が行われる。 エイハブ船長は、最後まで自分を説得しようとするスターバックの心の気高さを認めて「自分と心中することはない」とピークオッド号に残し、自分はボートに乗りこむ。エイハブが持つのは、3人の異国人銛打ち達の血を浸したという特別作りの銛。 年老いて人間たちに銛を打たれ続けてさすがに衰えを見せるモービィ・ディックは、鯨でありながらもピークオッド号に攻撃の意思をもって迫ってくる。 引き裂かれるボート、折られる船の柱、打ち破られる船首。 銛に付けられた紐がエイハブ船長を海へと引きずり込み、スターバックたちの乗るピークオッド号本船も… …原作はあんがいあっさりしている。昔見たグレゴリー・ペックの映画では、白鯨から船員たちを死に向かい手招きするエイハブ船長の姿、主要人物の最期の描写などかなり劇的だったんだけどな。 劇は終わりぬ。では何故にここに登場する者がいるのか?-ただひとり難を逃れて生還せし者がいたが故なり。 ピークオッド号と白鯨モービィ・ディックの闘いの一部始終を見て、それが終わった後にこうして語っているイシュメールが助かったのは、かつて熱病を発した”心の友、高貴なる野蛮人”クイークエグが死期を悟って作らせた棺桶をボート代わりにして海を漂い、二日後に漂流者として助けられたからであった。
2ヶ月かかった。この本に出会わなければ、私が鯨や捕鯨船に興味をもつことはまずなかっただろう。メルヴィルの描写の力強さ。白鯨を追ったエイハブ船長、スターバック、スタッブといった航海士、クイークェグの生き方から、私は何を感じるべきなのか。今はまだ圧倒されるばかりで。死をも恐れずに突き進み、生ききった男エ...続きを読むイハブ。こんな肯定的な見方をすべきではないのだろうけど、それも1つの生き方だ。私は何にこの命を捧げよう。何に対してなら、豪雨にも消せない燃え上がる情熱を生み出すことができるだろう。 白鯨には、聖書の引用や世界中の名称が数多く登場する。私はまだまだ世界を知らなすぎる。自分の目で、耳で、肌で感じたい。そしてもう一度この物語を読んでみたい。
エイハブは異教の神々を崇拝し、神を冒涜した罪で、また拝火教の神官により生贄として滅ぼされた。様々な人種の異教徒たち、狂った黒人の少年、不気味な拝火教徒、狡猾で悪魔的な白鯨はダゴンや深き者どもを彷彿とさせる。 モービィ・ディックはレビヤンタンを狩る人間への神の罰でもあるのだろう。運命の輪が回されエイハ...続きを読むブと船は終末に向けて突き進んでいく。最期の場面で海上にハンマーを握りしめた突き出した手がトウゾクカモメをマストに打ちつけるのが印象的だった。
モービイ・デックが哀れだ。 何故こんなに漁師達の目の敵にされて、追いかけ回され銛を投げ付けられなければならないのか。 読み終えて、底なしの虚無感に襲われる。 激闘が終わって船長エイハブは死に、白鯨モービイ・デックは多くの銛や絡まる綱を引き摺りながら全身に傷を受け、満身創痍で広い大洋のなかを彷徨う。 ...続きを読む怒るモーデイ・ビックの反撃で、エイハブは帰りを待つ若い妻と娘を残してボートと共に海の藻屑と消える。すべてを見届けて語り部となるイシュメール以外、乗組員は皆因縁の死闘に巻き込まれて、それぞれの人生を強制的に遮断される。 ピークオッド号はナンターケットから半年かけて大西洋やインド洋を通り日本沖で漁を重ね、大量の鯨油を積んで赤道直下の決戦場に到着する。 鍛冶屋は銛を研ぎ、エイハブの義足を作り直し、大工は水葬用の棺桶修理もして決戦に備える。途中同じナンターケットのレイチェル号が寄ってきて、船長から白鯨との戦いで行方不明になった息子二人の共同捜索を必死に懇願されるが、エイハブは断り、モーデイ・ビックの追撃を続ける。先を暗示する現象や乗組員の不気味な行動が続くうち、とうとう「仇敵を大洋の囲いに追い込む」。 下巻は95章から135章まで、細切れの短い章建てでキレよく書き連ね、前半の悠長な解説と細部にわたる分析を経て、後半は動的な緊迫感で読者を巻き込み、ともに闘う高揚感を盛り上げる。 最後には荒波のなか白鯨モーデイ・ビックが怒りの形相で読者をも水浸しにする勢いで、真っ逆様に迫って来る。海の総力戦は二人の決闘で天井を打つ。白鯨だけが生き残り、棺桶を浮輪にしたイシュメールを残して船員は皆滅び、船の残骸がどこまでも続く静かな海にたゆたう。 読者を引き込む凄まじい表現力だ。 すべての叙述がリアルで、この死闘に収束すべく構成されている。 マッコウ鯨漁の壮大な叙事詩であり 名作古典の名に恥じない圧倒的な長編大作である。
自らの教養の無さ・理解力の欠如に起因するこの豊饒な作品への理解不足によって★を一つ下げただけで、この作品には★を幾つ付けても足りない。 単にストーリーを語って読ませる今時の小説ではなく、ヨーロッパ文化が多面的に発現した学術書として真摯に対峙すべきだと思う。 物語を紡いでいる気は作者自身も毛頭ないだろ...続きを読むうことは、唐突かつ延々と続く「鯨学」の披露でも明らか。 鯨を人間の業の象徴と見立てた様々な角度からの「文明」考察と見るのが正解だろう。 しかしこの作品がヨーロッパではないヨーロッパ系の国アメリカから生み出されたことは奇跡なんだろうな。
傑作、というよりは力作、大作の部類。 直すべき点がどこにもない完璧な作品ではなく、そんな点は数え切れないほどあるがそんなことはどうでもよくなる作品。
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