【感想・ネタバレ】白鯨 下のレビュー

あらすじ

「モービィ・ディックだ!」――エイハブ船長の高揚した叫び声がとどろきわたった。復讐の念に燃え、執拗に追い続けてきたあの巨大な白い鯨が、ついに姿を現わしたのだ。おそるべき海獣との三日間にわたる壮絶な〈死闘劇〉の幕が、いよいよ切って落とされる。アメリカ文学が誇る〈叙事詩的巨編〉、堂々の完結。(全3冊)

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Posted by ブクログ

有名な古典なので展開は分かっていましたが、人物紹介で滅茶苦茶ネタバレしてるのは驚きました。しかし、途中で捕鯨や鯨に関する解説が高頻度で入るので(なんならそっちの方が分量多いのではないかと思うほどです)、むしろ先の展開を知っていたほうがストレスなく読める作品だとは思います。

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2025年09月16日

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ネタバレ

面白かった。
船に乗るまでは語り部として明確にこちらに物語を伝えていたイシュメールの存在(自我というべきか)がいつのまにか消えほとんど三人称の小説のようになっているのに時折思い出したように「わたし」が戻ってくるところなどそれこそまさに浮き上がっては沈む鯨のようで、おそらくはそのような広い意味でも鯨が主人公の小説なのだろうな、と感じた。
序盤の陸上での物語の中のイシュメールとクィークェグの友情(というには描写が濃すぎないかと思ったが、実際同性愛関係として見られている向きもあるらしい)、エイハブの己の狂気を自覚してなお止まらぬ狂気的な復讐心、そしてそれらを全て押し流すように、いとも簡単に何もかもを海に沈めてしまう圧倒的な白い鯨。
いかんせん有名な古典なので事前にオチだけは知ってしまっていた状態で読んだのだが、知っている分余計にそこに向かって行かざるを得なくなるエイハブの恐ろしさやある種強さ、まっすぐさとも言える何かに圧倒されてぞっとしたし、途中の脱線もとい鯨についての数多の考察も含めて最初から決まっている終わりに向かうものとして見ても楽しかった。
とにかく、読む前にこの小説に求めていたものである「圧倒的な力になす術のない人間、その無常感」は得られたので大変満足しています。
最初に求めた以上の様々な発見や楽しみがある、これだから本を買い漁るのがやめられないんだな……自分は……

あとめちゃくちゃ注釈が多くて最初はちょっと引いたのですが、キリスト教や当時の時代背景への知識が薄い人間なので全体への理解にかなり助かりました。挿絵も含め、岩波文庫版、オススメです。

頻出するト書きや大仰な長台詞が個人的にとても良かったので、今の時代に演劇として観られる機会が来るといいな。

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2025年04月13日

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ネタバレ

片脚を奪った白鯨への私怨に駆られ狂信者の如く振る舞う船長エイハブと航海士スターバックの対立を始め物語は俄に動き出しやがて読者の脳内演出力を試す圧巻の山場へ突入。その時小生が乗る通勤列車は荒波に呑まれる捕鯨船と化した

様々な人種で構成されるピークオッド号はアメリカ合衆国の象徴と考えられるが白鯨は一体何を表しているのか。個人的にはまるで万物の長でもあるかのように驕り高ぶる人間に対しての神の怒りではないかと思ったのだが果たしてどうだろう

首にロープが巻きつき海へ引きずられて絶命するエイハブの最期が印象深い。或る意味彼らしい死に様と云える

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2025年02月17日

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ここまでついてきた読者へのご褒美のような面白さ。恐怖も興奮も無常感も全部載せ。そして相も変わらず怒涛のボリュームでお送りされる鯨の知識知識!読者がエピローグを読み終える度に新たな鯨博士が誕生するのだ。夏休みにおすすめ!爽やかさとは程遠い閉塞感のある海の旅を楽しめる。「閉塞感」と表現してしまったが、『87章、無敵艦隊』のような心温まる章もあるよ!!

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2022年07月30日

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ついに読み終えた。旧約聖書をなぞらえつつ、白鯨と狂気に満ちた船長エイハブとの闘いを描く壮大な物語。実際の闘いのシーンはごく僅かだが、そこに至るまでの過程、逸話、そして捕鯨にかかる数々の話が散りばめられている。何度か読まないと真に味わえ尽くせないであろう古典。

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2022年01月30日

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岩波文庫中巻、登場人物紹介の欄におもいっきり結末のネタバレ書いてあってワロタ。
週間少年「」のインタビューで藤子不二雄Aさんが絶賛していたので、あの人を作った本だと思うと感慨深かった。

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2021年09月02日

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下巻
そろそろモービィ・ディックを追いかけないと最終巻だよ!…などという読者の思いはどこへ吹く風、相変わらずの鯨語り(笑)。
上中巻でさんざん鯨語りしたから下巻では物語が進むかと思ったら、まだまだ作者は語り足りなかったらしいく、もっと語るぞ!という決意表明?までしている。
「わたしは鯨に関する研究に労を惜しまない人間だ。わたしは鯨のもっと深い所を読者にお目に掛けよう。ところでイシュメールよ、一介のボート漕ぎにすぎないお前がそんなことができるのかね?」などと自問自答しているし、「鯨の血液内の細胞さえ見逃さないぞ!」「壮大な本を書くためには壮大な主題を選ばねばならない、それが鯨だ!」「鯨を考古学化石学地学的に考えるんだ!その思想が及ぶあまりの広範囲無限性に気が遠くなりそうだ」などと目標が大きすぎるんだかやり過ぎなんだかよく分からなくなってきている(笑)


多様される比喩隠喩などは後書の解説を頼りながら読み進める。この解説がかなり詳しい。本文でメルヴィルが鯨をあらゆる角度から鯨を調べて読者に語ろうとしているように、解説者は「白鯨」という作品自体を分析して読者に示そうとしている。
この解説によると、「白鯨」はメルヴィルが書いては出版社に送り、すぐ印刷に掛け、売り出さらた、ということ。
ということはあの鯨語りはほぼ推敲無しの書き下ろしか、すごいな。たまに辻褄が合わなかったり、結末がはっきりしないことがあるも、推敲無しならしょうがあるまい。

ピークォド号は日本近海にも来たらしい。「閉ざされた国日本」となんだそうだ。このころ日本は鎖国中なんだからしょーがないじゃん。アメリカはこの後油を取るための捕鯨船の補給場所として日本に開国を迫るわけですね。
なお、日本列島のことが「ニホン・マツマイ・シコケ」と記載されていた。解説だと「本州・北海道・四国」のことだそうだ。ということは「マツマイ」って松前藩か!そして九州は地図に無いのか?!

ピークオッド号は相変わらず白鯨モービィ・ディックに執念を燃やすエイハブ船長とそれに従わざるを得ない船員達。
第一航海士で良識派のスターバックはたまりかねてエイハブ船長殺害を目論んだりする。しかしスターバックは引き金を弾けない。
スターバックにはエイハブに「私にではなく、あなた自身に気を付けなさい」などと警告を送る。
エイハブはその言葉を噛み締め、自分には白鯨を追う以外の人生もあるのかと迷ったりもする。そんなエイハブをさらに人間の情で説得しようとするスターバック。
しかしエイハブをエイハブたらしめているのはやはりモービィ・ディックへの執念であった。

ピークオッド号と行き会う船として、他の船の話も出てくる。
ユングフラフ号は、鯨が取れずに自船の灯油さえ全くなくなり、ピークオッド号に無心に来る。この船の船長は俗物として書かれている。
サミュエル・エンダビー号の船長は、白鯨のせいで腕を失くし、鯨の骨で義手を作っている。義足のエイハブとは、義手と義足で握手を交わした。ただしエイハブ船長とは違い、白鯨モビー・ディック個体への復讐心は全くない。
レイチェル号との出逢いは印象的。エイハブが「白鯨を見たか?」と問うと「見た。そちらは漂流中の捕鯨ボートを見たか?」と問い返してくる。モービィ・ディックを拿捕しようとして行方不明となったその救命ボートには船長の息子が乗っているという。協力を求めるレイチェル号に対してエイハブは冷たく言い放つ。「わたしはモービィ・ディックを追うことが目的だ。今こうしていることすら時間を無駄にしている」

ついにピークオッド号は白鯨モービィ・ディックに追いつき、3日間に渡る死闘が行われる。
エイハブ船長は、最後まで自分を説得しようとするスターバックの心の気高さを認めて「自分と心中することはない」とピークオッド号に残し、自分はボートに乗りこむ。エイハブが持つのは、3人の異国人銛打ち達の血を浸したという特別作りの銛。
年老いて人間たちに銛を打たれ続けてさすがに衰えを見せるモービィ・ディックは、鯨でありながらもピークオッド号に攻撃の意思をもって迫ってくる。
引き裂かれるボート、折られる船の柱、打ち破られる船首。
銛に付けられた紐がエイハブ船長を海へと引きずり込み、スターバックたちの乗るピークオッド号本船も…
…原作はあんがいあっさりしている。昔見たグレゴリー・ペックの映画では、白鯨から船員たちを死に向かい手招きするエイハブ船長の姿、主要人物の最期の描写などかなり劇的だったんだけどな。

劇は終わりぬ。では何故にここに登場する者がいるのか?-ただひとり難を逃れて生還せし者がいたが故なり。

ピークオッド号と白鯨モービィ・ディックの闘いの一部始終を見て、それが終わった後にこうして語っているイシュメールが助かったのは、かつて熱病を発した”心の友、高貴なる野蛮人”クイークエグが死期を悟って作らせた棺桶をボート代わりにして海を漂い、二日後に漂流者として助けられたからであった。

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2023年06月05日

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2ヶ月かかった。この本に出会わなければ、私が鯨や捕鯨船に興味をもつことはまずなかっただろう。メルヴィルの描写の力強さ。白鯨を追ったエイハブ船長、スターバック、スタッブといった航海士、クイークェグの生き方から、私は何を感じるべきなのか。今はまだ圧倒されるばかりで。死をも恐れずに突き進み、生ききった男エイハブ。こんな肯定的な見方をすべきではないのだろうけど、それも1つの生き方だ。私は何にこの命を捧げよう。何に対してなら、豪雨にも消せない燃え上がる情熱を生み出すことができるだろう。
白鯨には、聖書の引用や世界中の名称が数多く登場する。私はまだまだ世界を知らなすぎる。自分の目で、耳で、肌で感じたい。そしてもう一度この物語を読んでみたい。

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2019年04月11日

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ネタバレ

ラストシーンで思い出したのはジョジョの一部のラスト、あのシーンも棺桶で生かされるというメタファーがとても印象に残っていたのですが、この白鯨もそのような暗喩がありました。
しかもその棺桶は主人公の親友のクイークェグのもの。
分厚い三冊の上中下の冒険の物語は、終盤突然白鯨とぶつかり、あっさりと終わってしまいました。
粗削りな男が書いた男の物語なんだけど、どこかねちっこい感じが離れないなあ、と思っていたのですが、解説でイギリスではエピローグがない白鯨が発売されたと書いてあり、あの二ページのエピローグがなかった場合の事を考えた。
エイハブの怨念、鯨学、不吉な予兆、水夫たちのやりとり、重みを感じる長いページの末に船が沈没したところで終えるのも男らしくていいのかもしれない。滲み出る女々しさを払しょくしてくれる潔さがあるように思える。

三冊読み終えて、あの鯨の雑学やページ数を考えると、とてもすらすらと読めたように思えます。
偏に目標がしっかりと定まっていたからだと思います。
エイハブの怨念、そして白鯨への憎悪。これがこの物語の全てと言ってもいいと思うくらい。

エピローグ。棺桶で漂流したイシュメールはレイチェル号の息子への女々しい希望によって助けられた。
男らしい物語だと今まで思っていたのですが、実際は違うのかなと読み終えて感じました。

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2013年09月21日

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エイハブは異教の神々を崇拝し、神を冒涜した罪で、また拝火教の神官により生贄として滅ぼされた。様々な人種の異教徒たち、狂った黒人の少年、不気味な拝火教徒、狡猾で悪魔的な白鯨はダゴンや深き者どもを彷彿とさせる。
モービィ・ディックはレビヤンタンを狩る人間への神の罰でもあるのだろう。運命の輪が回されエイハブと船は終末に向けて突き進んでいく。最期の場面で海上にハンマーを握りしめた突き出した手がトウゾクカモメをマストに打ちつけるのが印象的だった。

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2011年04月21日

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モービイ・デックが哀れだ。
何故こんなに漁師達の目の敵にされて、追いかけ回され銛を投げ付けられなければならないのか。
読み終えて、底なしの虚無感に襲われる。
激闘が終わって船長エイハブは死に、白鯨モービイ・デックは多くの銛や絡まる綱を引き摺りながら全身に傷を受け、満身創痍で広い大洋のなかを彷徨う。
怒るモーデイ・ビックの反撃で、エイハブは帰りを待つ若い妻と娘を残してボートと共に海の藻屑と消える。すべてを見届けて語り部となるイシュメール以外、乗組員は皆因縁の死闘に巻き込まれて、それぞれの人生を強制的に遮断される。
ピークオッド号はナンターケットから半年かけて大西洋やインド洋を通り日本沖で漁を重ね、大量の鯨油を積んで赤道直下の決戦場に到着する。
鍛冶屋は銛を研ぎ、エイハブの義足を作り直し、大工は水葬用の棺桶修理もして決戦に備える。途中同じナンターケットのレイチェル号が寄ってきて、船長から白鯨との戦いで行方不明になった息子二人の共同捜索を必死に懇願されるが、エイハブは断り、モーデイ・ビックの追撃を続ける。先を暗示する現象や乗組員の不気味な行動が続くうち、とうとう「仇敵を大洋の囲いに追い込む」。
下巻は95章から135章まで、細切れの短い章建てでキレよく書き連ね、前半の悠長な解説と細部にわたる分析を経て、後半は動的な緊迫感で読者を巻き込み、ともに闘う高揚感を盛り上げる。
最後には荒波のなか白鯨モーデイ・ビックが怒りの形相で読者をも水浸しにする勢いで、真っ逆様に迫って来る。海の総力戦は二人の決闘で天井を打つ。白鯨だけが生き残り、棺桶を浮輪にしたイシュメールを残して船員は皆滅び、船の残骸がどこまでも続く静かな海にたゆたう。
読者を引き込む凄まじい表現力だ。
すべての叙述がリアルで、この死闘に収束すべく構成されている。
マッコウ鯨漁の壮大な叙事詩であり
名作古典の名に恥じない圧倒的な長編大作である。

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2023年09月26日

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自らの教養の無さ・理解力の欠如に起因するこの豊饒な作品への理解不足によって★を一つ下げただけで、この作品には★を幾つ付けても足りない。
単にストーリーを語って読ませる今時の小説ではなく、ヨーロッパ文化が多面的に発現した学術書として真摯に対峙すべきだと思う。
物語を紡いでいる気は作者自身も毛頭ないだろうことは、唐突かつ延々と続く「鯨学」の披露でも明らか。
鯨を人間の業の象徴と見立てた様々な角度からの「文明」考察と見るのが正解だろう。
しかしこの作品がヨーロッパではないヨーロッパ系の国アメリカから生み出されたことは奇跡なんだろうな。

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2013年02月01日

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傑作、というよりは力作、大作の部類。
直すべき点がどこにもない完璧な作品ではなく、そんな点は数え切れないほどあるがそんなことはどうでもよくなる作品。

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2011年11月05日

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解説を読んでから、また読み直したくなった。
モービィ・ディックとは何だったのか、それは白人の魂そのものである。普段は大きな姿で悠々と泳ぐ鯨が、一度攻撃されると狡猾で凄まじい反撃に出る…
物語のキーアイテムが実は輪廻の輪の中で繋がっていて、第一章に戻るというのも面白い。思わずポイントの文章を見返してしまう…アクロイド殺し以来の動きをしてしまった。

この小説の良さが分かりきらなかったのか、
モームの『世界十大小説』でも読んで再勉強してこようと思う

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2025年03月15日

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鯨のことを知ることはできた。
その他には人種や宗教に関する尊重というのか受け入れというのか。
しかし全体としてこの小説と言えばいいのか語りと言うのかをどう捉えたらいいものか分かりかねている。

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2020年11月21日

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ようやく読み終わりました。いやー、長かった…
…というか、これ、名作なんですかね??正直よく分かりません。もちろん、背景には宗教的な含意があったり、また、白鯨はまさに「白人」の集合的象徴であり、船の乗組員たちは「アメリカ合衆国」の縮図的象徴である等、色々な解釈があり得、深読みができるようですが、体裁的にはまさに大作の「奇書」。何なんでしょうね、これは…

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2019年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クジラが好きになるような方向性はないとは思うけど、クジラの柄のついた手ぬぐいとか見たら、買おうかしらと思ってしまう。

クジラ、船、捕鯨の知識、幾人かの登場人物についてピックアップしたエピソード。
話があっちこっち飛んで、「このトークいる〜?」っていうのも多かったけど、全体的には楽しめた。

エイハブvsモービィ・ディック。ひたすら白鯨を追う。
ボートに乗って銛で突いてって、大きな鯨にそれでいいの?って。命がけ。
戦いの時は壮大な迫力ある映像が浮かぶ。



最後に悲惨な生き残りの戦いはなく(捕鯨において、生き残った者同士が食べる事件が実際にあった)最後は語り手一人イシュメールのみだったから丸く収まったというか。

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2018年06月15日

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白鯨が姿を現し、エイハブ船長以下乗組員と壮絶な格闘シーンがこれでもかと言うほど続くものと期待していた私にとっては正直物足りないクライマックスでした。前置きが長すぎて、肩透かしにあった感じ。巻末の解説の物語学的構造にはびっくり。テキストとしてそれ程の魅力を内包しているのだろうか、私にはこのような読解はまったく大げさ過ぎるような気がしました。

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2015年01月31日

Posted by ブクログ

ずっと敬遠してきた本ですが、ブラッドベリの『緑の影、白い鯨』を読んだのを機に、チャレンジしてみることに。
あまりに分厚いので読み通せるか心配になったけど、なかなか読めない理由はそこじゃなかった。話の途中で、とつぜん鯨に関する記述が延々と始ったり、真面目に読もうとすると根気が続かない。そういうところは読み飛ばし、本筋だけを追っていくという邪道な読み方になってしまいましたが、おかげでなんとか、息詰まるラストまでたどり着くことができました。
最初から不吉な予感につきまとわれた死の船に君臨するエイハブ船長のキャラクターがとにかく圧倒的。そのすさまじい死にざまは、まるで映画を見るように目に浮かびます。そして初めて、スターバックスの店名が不運な航海長に由来していることを知ったよ・・・でもなんでそんな名前を店に?

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2014年09月07日

Posted by ブクログ

重厚で壮大な長編小説が読みたいと思って,白鯨に挑戦してみた。

1巻の表紙をめくって,ピークオット号の航路と主要人物紹介を見たところ,航海の顛末がすべて明らかにされてしまっているではないかっ!若干ゲンナリしつつも,気合いで読み進める。

個性的な登場人物の長ゼリフ(たいがい意味不明),鯨の生態に関する解説(古すぎて学術的価値が不明),捕鯨活動の詳細な描写(情景を思い描くことは困難)で埋め尽くされた3冊。これを31歳で書き上げた著者は凄いと思うけど,いかんせん読むのは苦痛。

そのくせ,ラスボスとの戦いは,それまでの1000ページを軽く超す前振りに比べると,けっこうあっさり敗北し,唐突に物語終了。なんだかなあ…。でも,読後の達成感は半端なかったので星3つ。

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2011年09月17日

Posted by ブクログ

先日の海底二万里もそうだったが、150年前(明治維新前!)の小説ということで、見事に古びてしまっている小説。
いまさら鯨について語られても新味はないし、開陳される知識も古びているし、こうなりゃ物語としての面白さを味わうしかないのだが、特に波乱万丈の物語というわけでもない。
子供向けにリライトされて短い物語にしてくれたものの方がよほど出来がいいように思えるのだが、どうだろう。

ただ、今回、読み通してみて驚いたことが一つ。
私の記憶では、エイハブ船長は自ら白鯨に放った銛につながった縄に絡まり、モービィ・ディックに磔になったまま溺れ死んでしまう。そしてモービィ・ディックが海上に姿を現すと、まるで生き残ったものを誘うかのように手だけが揺れている。というものだと思っていたのだが、全然違っていた。
モービィ・ディックに絡めとられるのはエイハブ船長に従う得体の知れない男であり、そいつは手をブラブラさせることもなく、海に没した後、何の記述もない。
エイハブ船長は捕鯨ボートの他の乗組員が知らない間に縄が首に絡まったまま海に引きずり込まれて退場し、これまた再登場することなく、その後に何の記述もない。

このあっけなさは何?まるでアメリカン・ニューシネマ状態ですが...。
それともディレーニィみたいに、印象的なラストを書くと中身が目立たなくなるから、わざとあっけなくした?
良く分かりません。

とりあえず、日本人なら誰でも知っているけど、ちゃんと読んだことのない作品の一つは、海底二万里に続いて制覇した。

しかし、150年前はマッコウ鯨って死ぬほど憎まれていたのがよく分かりました。

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2009年10月04日

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