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Posted by ブクログ
最近失恋したので再読。今年の9月くらいに買ったのにもう読むのは3度目だ。この本を自分への処方箋にしているところがあるかもしれない。
最後に主人公が自殺する話を読んで、自分が自殺を考えないかと自分で心配するところがないわけではない。実際、この本が出版された当時、ウェルテルに共感した若者の自殺が相次ぐということもあったそうだ。しかし、本を読むことの良さは自分ではなかなかできない体験を本を通じて理解するということにもあると思う。自分の言語化できない心情を言葉にしてくれる本を通じて、自分の心情をかき分けていくということができる。やっぱり読んでよかった。僕とウェルテルがどれだけ重なっているところがあるかわからないが。
ところで、最も印象に残っている箇所はウェルテルの自殺直前のロッテに宛てた手紙の箇所だ。愛しい人に向けた最後のメッセージということで、なかなか心が揺さぶられた。
この本のなかでロッテとの出会いからウェルテルの死まで描かれているが、ウェルテルがロッテと出会いたての頃から、ロッテとの交流を通じてさらに惹かれていく様子はまさに激情の波というべきで、ウェルテルの気持ちが痛いほど伝わってきた。ウェルテルは最後に死を選ぶわけだが、ウェルテルはアルベルトとロッテの幸福も考えた上でそうしているのだから、自分にはとてもできない芸当だと思う。自分だったら絶望するのは同じでも、いつまでも自分の殻に閉じこもって、妄想に浸って昔のことを回顧するだけでなにも前進しない。ウェルテルはよくできた人物で、ゲーテは偉大な作家だと思う。
Posted by ブクログ
絶望名言のゲーテを思い出し、新刊?に並んでいたこちらを読んだ。当時流行したとかあらすじは知っていたが、改めて読むと、手紙(しかも一方的)の内容でウェルテルの激化する気持ちが語られる様が面白い。これがもう少し時代が進むとブリジャートン的に不倫などの話になるんだろうが(いや不倫の話は出てこなかったか)、当時定められた婚姻に囚われてこの話に共感した人が多かったということか。
主人公さておき、大勢の幼い妹弟を残して早逝した母の代わりに母親役を全うしようとするロッテの健気なことよ。国を問わず寿命の短かった時代にはこういう状況が多かったのだろうが、家族を守るという遺言、そこにはアルベルトと結婚することも含まれていたわけだが、母の言葉に絡め取られたロッテという当時の女性の立場の弱さを思わずにいられない。
Posted by ブクログ
この作品を最初に読んだのは高校1年の夏、何十年も前だ。当時の感想は記憶にほとんど残っていないが、あまり読みやすい訳ではなかったことだけは覚えている。
ほんらい、シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)文学の嚆矢とされるこの作品、煩悶するウェルテルの暑苦しさが伝わってこないと面白くはならないのだ。その点ではこの新訳は大変な成功である。
しかし、と20世紀を通過した読者の私は思う。
書簡体という、18世紀末に流行したこのスタイルは、テクストがヴェルターその人からは一歩引いているように読めてしまう。ウェルテルはその胸の内を、友人ヴィルヘルム宛にしたためる。ヴィルヘルムの返信は作中に登場しない(ここは通常の書簡体と異にする点で、その分ウェルテルの語りの独白っぽさが強調される)。さらに読み進めると、書簡の編纂者は手紙の受取人のヴィルヘルムでもない何者かであることが判明する。読者は、いくつかの枠を通して彼の熱情こもる手紙を読んでいるのだ。このメタな感覚は、ゲーテが執筆当時に意図したものではなかっただろう。時代が移り、読み手は変わった。だがウェルテルの叫びは今なお響くものがある。
Posted by ブクログ
主人公ウェルテルが、友人ヴィルヘルムに宛てた書簡形式で構成された作品。ロッテという女性への熱烈な恋心が吐露されています。彼女には婚約者(アルベルト)がいます。にもかかわらず、ウェルテルにも心惹かれている。いわゆる三角関係です。ウェルテルには恋の悩みの他に、職業が定まらないという辛い現実があります。
最初の方の手紙は、ロッテへの好き好きオーラ出まくりですが、後半は悩み深くとても重苦しい内容です。恋は盲目、恋の病という言葉が想起され、ウェルテルの心が、どんどん病んでいくのが読み取れました。
読み進める中で、自分の経験が思い出されてきました。
学生時代、恋愛がうまくいかず、入院するまでになってしまった友人がいました。治療を経て自分自身を取り戻すことができて良かったのですが、ウェルテルは違います。破滅に向かっていってしまうのです。
私は、人生において恋愛は必要だと思うのですが、一歩間違えると恐ろしいこともあるというのも現実です。一対一の恋愛でも色々ありますが、三角関係となるとさらに難しい。ウェルテルはロッテの婚約者を、敬愛しているところが複雑です。
私は20代の頃に、結婚を前提として付き合っていた人と別れることになった経験があり、とても辛かったです。共通の知人を通じてその理由を知り、“理由を言わないことも優しさなのか”と自分なりに納得し、時間をかけて立ち直っていった、苦い思い出があります。でも、“辛い気持ちを1人で抱え込まずに言ってほしかった”と今も思います。
ウェルテルの場合は、自分の気持ちを全て手紙に書き残しており、分かりやすいといえばそうなのですが、残されたロッテはどんな風に自分の気持ちを整理したのだろうと考えてしまいました。
ウェルテルの最期は、衝撃的で悲し過ぎました。生きることの悩みは人それぞれであり、その重さも違います。それでも私たち人間は自然の中の一部であり、“生かされている”ということを決して忘れていけないと思います。(自分に言い聞かせています。)
最近、自死が扱われている作品、『杉森くんを殺すには』『こころ』(夏目漱石)を読みました。自死を選ぶに至った当事者の気持ちも辛いのですが、残された人も深い傷をおうということ、再認識しました。
『杉森くんを殺すには』の作品のメッセージ、“自立とは依存先を増やすこと”が思い出されます。究極になったときに、助けを求める勇気があれば、死ではなく生きる方に、気持ちのベクトルが向いていくのではないか。そんなことを感じました。
本書の解説には、初版と改訂版との違いが説明されており、勉強になりました。
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