光文社古典新訳文庫の検索結果

  • 種の起源(上)
    4.2
    進化の研究を科学にし、進化が起こるメカニズムとして自然淘汰説を提唱――『種の起源』の登場は、史上最大のパラダイム・シフトだった! 本書は専門家向けの学術書ではなく、一般読者向けに発表された本である。名のみ知られるばかりで、その内容については多くを語られることのなかったこの歴史的な書を、画期的に分かりやすい新訳で贈る。これを読まずして生命は語れない。
  • 好色五人女
    -
    駆け落ち、心中、不義密通……。“お夏清十郎”や“八百屋お七”など、当時起こった実際の事件をもとに西鶴が創り上げた極上のエンターテインメント小説五作品。鋭い人間観察が可能にした性愛と「義」をめぐる物語から、はかない今を恋に賭ける五人の女たちのリアルが浮かび上がる。噺家の語りを駆使した、臨場感あふれる迫力満載の新訳。恋の悲劇と喜劇が交錯する度肝を抜く面白さです。
  • 田舎医者/断食芸人/流刑地で
    3.6
    光文社古典新訳文庫では『変身/掟の前で 他2編』、『訴訟』につづく3冊目となるカフカの傑作短編集です。今回収録したのは、カフカが生前に自信をもって世に送り出した短編など8作。いわば、“カフカ本人のお墨付き”ともいえる作品です。ユニークかつ不思議な、じつにカフカらしい作品ばかり。表題の3作のほかに、「ボイラーマン」(既訳では「火夫」)、問題作「歌姫ヨゼフィーネ、またはハツカネズミ族」も収録しました。
  • コモン・センス
    3.6
    イギリスと植民地アメリカの関係が悪化するなか、王政、世襲制の非合理性を暴き、国家を冷静な眼差しで捉えたペイン。独立以外の道はなしと喝破した小冊子「コモン・センス」は世論を独立へと決定づけ、アメリカの歴史を、ひいては世界の歴史を動かした。ほかペインの筆の力が冴える「アメリカの危機」「厳粛な思い」「対談」も収録。
  • いまこそ、希望を
    3.8
    1980年、サルトルの死と時を同じくして「朝日ジャーナル」に掲載され大反響を呼んだ対談の新訳。対談相手のレヴィは、鋭い批判でサルトル最晩年の思想に立ち向かう。生涯にわたる文学、哲学、政治行動などをふりかえりつつ、サルトルは率直に、あたたかく、誠実に、自らの全軌跡を語る。人生を歩んでいくなかで、社会や世界を見つめるなかで、立ち止まって考えるとき、確実な対談相手となりうるのがサルトルだ。
  • 傾城(けいじょう)の恋/封鎖
    3.6
    離婚後、没落した実家に戻っていた白流蘇(パイリウスー)。異母妹の見合いに同行したところ英国育ちの青年実業家に見初められてしまう「傾城の恋」。封鎖中の路面電車のなかでの男女の行きずりの恋を描いた「封鎖」。占領下の香港と上海が舞台の恋物語と自伝的エッセー「戦場の香港」ほかを収録。
  • 君主論
    4.4
    傭兵ではなく自前の軍隊をもち、人民を味方につけ、時には道徳的な悪をもためらわない。フィレンツェ共和国の官僚で外交軍事の実務を担ったマキャヴェッリが、君主に必要な力量(徳)を示し、キリスト教的モラルから脱却した新しい君主像を提言した主著。マキャヴェッリのいうリアリズムとは現状追随ではなく、理想を実現するためにリアリストに徹するということである。近代政治学における最重要古典。
  • 二十世紀の怪物 帝国主義
    4.0
    ホブソン、レーニンに先駆けて書かれた「帝国主義論」の嚆矢。仏訳もされ、基本文献として高く評価されている。師・中江兆民の思想を踏まえ、徹底した「平和主義」を主張する「反戦の書」。大逆事件による刑死直前に書かれた遺稿「死刑の前」を収録。
  • 虫めづる姫君~堤中納言物語~
    3.5
    風流な貴公子の失敗談、「花を手折る人(花桜折る中将)」。年ごろなのに夢中になるのは虫ばかりの姫、「あたしは虫が好き(虫めづる姫君)」。一人の男をめぐる二人の女の明暗をあぶり出す「黒い眉墨(はいずみ)」……。無類の面白さと意外性に富む11編が、躍動するみずみずしい訳文で蘇ります。平安朝後期の物語文学に潜む普遍性――恋、ユーモア、悩み、人々の感情の行方――を、訳者による書き下ろしエッセイとともに!
  • 母アンナの子連れ従軍記
    4.0
    あの“肝っ玉おっ母”が新訳で生まれ変わった! 十七世紀、三十年戦争下のドイツ。父親の違う三人の子供を抱えながら、軍隊に従って幌車を引き、戦場で抜け目なく生計を立てる女商人アンナ。度胸と愛嬌で戦争を生きぬく母の賢さ、強さ、そして愚かさを生き生きと描いた、劇作家ブレヒトの代表作を待望の新訳で贈る。キャリアウーマンでシングルマザーで女盛り、母アンナはこんなにも魅力的だった!
  • 椿説弓張月3
    値引きあり
    5.0
    平清盛を討とうと九州から上洛中の海上で、為朝親子と主従は暴風雨に遭い遭難してしまう……。そして舞台は琉球に代わる続編。尚寧王に男子の世継ぎがいないことから王位継承争いが勃発。王妃と結託して国政を乗っ取ろうとする高官、利勇と、寧王女を盾に国を守ろうとする忠臣、毛国鼎。妖術使いの曚雲国師と詫女の阿公、毛国鼎の子ども鶴亀兄弟と忠義を尽くす真鶴など。深い因縁も絡んだ壮絶な争いを描く「琉球編」。
  • ロビンソン・クルーソー
    値引きあり
    4.4
    船に乗るたびに災難に見舞われるロビンソン。無人島漂着でさすがに悪運尽きたかに思えたが、住居建設、家畜の飼育、麦の栽培、パン焼きなど、試行錯誤しながらも限られた資源を活用して28年も暮らすことになる……創意工夫と不屈の精神で生き抜いた男の波瀾の人生を描いた傑作。
  • ご遺体
    3.5
    英国出身でペット葬儀社勤務のデニスは、友人の葬儀の手配のためハリウッドでも評判の葬儀社〈囁きの園〉を訪れ、そこのコスメ係と恋に落ちる。だが彼女の上司である腕利き遺体処理師もまた、奇怪な方法で彼女の気を引いていたのだった……容赦ないブラック・ユーモアが光る中編佳作。
  • コサック~1852年のコーカサス物語~
    3.8
    モスクワでの無気力な生活に疲れた青年貴族オレーニンは、チェチェン人と対峙するコーカサス辺境での軍隊勤務を志願する。その地はコサックの自由な精神に溢れていた。そして美しい少女マリヤーナとの恋が彼の内面を変えてゆく――トルストイ青春期の生き生きとした描写が、みずみずしい新訳で甦る! 作家の従来のイメージを一新するような輝かしき青春小説。
  • 桜の園/プロポーズ/熊
    3.5
    美しく咲いた桜の園に5年ぶりに当主ラネフスカヤ夫人が帰ってきた。彼女を喜び迎える屋敷の人々。しかし広大な領地はまもなく競売にかけられることになっていた(「桜の園」)。滑稽で支離滅裂ぶりが笑いを誘うボードビル2篇を併せて収録。登場人物が際立つ絶妙のセリフまわしでチェーホフ喜劇の神髄を味わう、翻訳史に残る会心の新訳!
  • あなたと原爆~オーウェル評論集~
    4.5
    原爆投下のわずかふた月後、その後の核をめぐる米ソの対立を予見し「冷戦」と名付けた表題作「あなたと原爆」、名エッセイ「象を撃つ」「絞首刑」など16篇を収録。ファクトとフェイク、国家と個人、ナショナリズムとパトリオティズムなど、『1984年』に繋がる先見性に富む評論集。
  • 勇気の赤い勲章
    4.0
    戦場での英雄的活躍に憧れ、北軍に志願したヘンリー。進軍の停滞でじらされた末に戦いが始まり、興奮のうちに射撃し続けた彼だったが、執念深く襲いかかる敵軍の包囲に遭うや、高揚はたやすく恐慌へと変わるのであった。南北戦争を舞台に色彩豊かに描かれるアメリカ戦争文学の傑作。
  • チャンドス卿の手紙/アンドレアス
    3.0
    なぜ、若き文豪は筆を折ることにしたのか? 言葉はウソをつくから当てにならない、と気づいたチャンドス卿が、もう書かないという決心を流麗な言葉で伝える「チャンドス卿の手紙」。世間知らずのうぶな青年の成長物語「アンドレアス」(未完)。世紀末ウィーンの神童ホーフマンスタールの代表作を含む散文5編を収録。
  • 戦う操縦士
    4.2
    ドイツ軍の電撃的侵攻の前に敗走を重ね、機能不全に陥ったフランス軍。危険だがもはや無益に等しい偵察飛行任務を命じられた「私」は、路上に溢れる避難民を眼下に目撃し、高空での肉体的苦痛や対空砲火に晒されるうち、人間と文明への《信条》を抱くに至る。著者の戦争体験に基づく小説。
  • ボートの三人男~もちろん犬も~
    3.6
    ありとあらゆる病気に罹っていると判断した僕は、休養と変化を求めて、友人ハリスとジョージ、そして犬のモンモランシーとともに、ボートに荷物を積み込み(歯ブラシは入れた?)、テムズ河を遡上する旅に出る。景勝地を巡ってゆっくりするはずが、トラブルとハプニングの連続で……。読んでいて思わず笑いがもれる英国ユーモア小説の傑作!
  • ヒューマン・コメディ
    4.2
    第二次世界大戦中、カリフォルニア州イサカのマコーリー家では、父が死に、長兄も出征し、14歳のホーマーが学校に通いながら電報配達をして家計を助けている。彼は訃報を届ける役回りに戸惑いを覚えつつも、町の人々との触れあいの中で成長していく……。大人たちと子供たちの悲喜交々を笑いと涙で描き、懐かしさと温かさに包まれる長篇。
  • 幸福な王子/柘榴の家
    4.1
    町の中心部に高く聳え立ち、自らの宝石や体を覆っている金箔を貧しい人々に差し出す王子像とそれを運ぶ燕。王子のひたむきな愛と思いやりを描く「幸福な王子」ほか、恋する学生に身を捧げる「小夜啼き鳥と薔薇」、わがままな男と子どもたちとの交流を描く「身勝手な大男」、愛の行きつく果てを示す「漁師とその魂」など全9篇収録。大人のために訳したビターな味わいのワイルド童話集。
  • アッシャー家の崩壊/黄金虫
    3.8
    陰鬱な屋敷に旧友を訪ねた私。神経を病み衰弱した友と過ごすうち恐るべき事件が起こる……ホラーの傑作「アッシャー家の崩壊」「ライジーア」、催眠術が奇怪な現象を引き起こす「ヴァルデマー氏の死の真相」、自然の驚異を臨場感豊かに描く「大渦巻への下降」、文学的テイスト溢れる「群衆の人」、名探偵デュパンの推理が冴える「盗まれた手紙」、暗号解読と宝探しが楽しい「黄金虫」、詩「大鴉」「アナベル・リー」を収録。
  • 白夜/おかしな人間の夢
    3.7
    ペテルブルグの夜を舞台に、内気で空想家の青年と少女の出会いを描いた初期の傑作「白夜」。自殺を決意した男が夢から覚めた後、真理を発見し自殺をとりやめる幻想的な短篇「おかしな人間の夢」。作者本人のお気に入り「キリストの樅の木祭りに召された少年」とロシアの民衆への暖かい眼差しが心を打つ「百姓のマレイ」。どれも切ないながらも、そこはかとなく明るさが感じられる4作と資料的価値のある「1864年のメモ」を収録。
  • 論理哲学論考
    4.4
    20世紀を代表する哲学書であり、最も難解といわれる『論理哲学論考』は、シンプルなドイツ語で書かれた美しい作品だ。今回の新訳では、その微妙なスタンス、ニュアンスを、細やかな目配りで忠実に再現した。いつでも、どこでも、肩の力を抜いて読める、まったく新しい『論考』をここにお届けする。■野家啓一さんの解説「高校生のための『論考』出前講義」を収録
  • 天使の蝶
    4.1
    先史時代の鳥類のような奇怪な骨を見つけたのは、廃墟と化した大戦後のベルリンのアパートの一室だった……化学者でもあったプリーモ・レーヴィの世界観が凝縮された表題作「天使の蝶」をはじめ、傑作「ケンタウロス論」、「転換剤」「完全雇用」など15篇。アウシュビッツ体験を核に問題作を書き続け、ついに自死に至った作家の、本邦初訳を多数収録した傑作短編集。
  • 饗宴
    3.8
    なぜ男は女を求め、女は男を求めるのか? 愛の神エロスとは何なのか? 悲劇詩人アガトンの優勝を祝う飲み会に集まったソクラテスほか6人の才人たちが、即席でエロスを賛美する演説を披瀝しあう。プラトン哲学の神髄ともいうべきイデア論の思想が論じられる対話篇の最高傑作。(『ΣΥΜΠΟΣΙΟΝ』改題)
  • 砂男/クレスペル顧問官
    3.9
    サイコ・ホラーの元祖と呼ばれる、恐怖と戦慄に満ちた傑作「砂男」。芸術の圧倒的な力とそれゆえの悲劇を幻想的に綴った「クレスペル顧問官」。魔的な美女に魅入られ、鏡像を失う男を描く「大晦日の夜の冒険」。E・A・ポー、バルザック、ボードレール、ドストエフスキーなど後世の作家に幅広い影響を与えたホフマン。怪奇と幻想、そして諧謔に満ちた作品群は、200年の時を超え、いまなお読者を魅了してやまない。
  • アドルフ
    4.0
    将来を嘱望された青年アドルフは、P伯爵の愛人エレノールに執拗に言い寄り、ついに彼女の心を勝ち取る。が、裕福な生活や子供たちを捨ててまでも一緒に暮らしたいと願うエレノールがだんだんと重荷になり、アドルフは自由を得ようと画策するが……。もはや愛していない女から離れられない男、人生のすべてをなげうって男を束縛する女。自らも人妻たちとの不倫で浮名を流した作家コンスタンのみが書きえたフランス恋愛小説の傑作。
  • 秘密の花園
    4.4
    インドで両親を亡くしたメアリは、英国ヨークシャーの大きな屋敷に住む叔父に引きとられ、そこで病弱な従兄弟のコリン、動物と話ができるディコンに出会う。3人は長いあいだ誰も足を踏み入れたことのなかった「秘密の庭」を見つけ、その再生に熱中していくのだった。『小公女』の作者が、淡々としかし力強く綴った、大人が読んでこそ胸に響くアメリカ児童文学の傑作。
  • プークが丘の妖精パック
    4.0
    ダンとユーナの兄妹は、丘の上で遊んでいるうちに偶然、妖精のパックを呼び起こしてしまう。パックは魔法で子供たちの前に歴史上の人物を呼び出し、真の物語を語らせる。伝説の剣、騎士たちの冒険、ローマの百人隊長……。兄妹は知らず知らず古き歴史の深遠に触れるのだった。ノーベル賞作家キプリングが、イギリスの歴史の情景を生き生きと描き、大人の心にも歴史の芳醇な香りを残す、児童文学の代表作。
  • 椿説弓張月5
    値引きあり
    5.0
    絶体絶命の危機を脱出した為朝と寧王女は巴麻島へと渡り、神仙の導きで舜天丸と家来の紀平治と再会する。また鶴と亀は因縁の敵である託女、阿公を天孫廟で討ちとる。こうして為朝と舜天丸はふたたび首里を攻めて曚雲と雌雄を決する。その後為朝は八頭山にのぼって神仙と出会い、また残った舜天丸はついに琉球王となる。登場人物それぞれの因縁、生前と死後のことなどがすべて明かされる最終巻。全5巻完結!
  • カメラ・オブスクーラ
    4.3
    裕福で育ちの良い美術評論家クレッチマーは、たまたま出会った美少女マグダに夢中になるのだが、そこにマグダの昔の愛人が偶然姿をあらわす。ひそかに縒りを戻したマグダに裏切られているとは知らず、クレッチマーは妻と別居し愛娘をも失い、奈落の底に落ちていく……。あの『ロリータ』の原型であるナボコフ初期の傑作。英語版と大きく異なるロシア語原典の独特の雰囲気を活かし、細部の緻密な面白さを際立たせた野心的な新訳。
  • 仔鹿物語(上)
    5.0
    19世紀後半のフロリダ。人里での摩擦を避け、矮樹林が広がる土地で厳しい開墾生活を送るバクスター一家。ある日、父ペニーがとっさに撃ち殺した雌ジカの傍らに、母を失った仔ジカが立ち尽くしていた。息子ジョディは仔ジカに魅了され育てたいと両親に懇願する……。美しくも苛酷な自然と、逞しく生きる人々の営みを描いたアメリカ文学不朽の名作!(『鹿と少年』改題)
  • ブレシアの飛行機/バケツの騎士
    -
    カフカの5作目となる本作に収録したのは、38編のうち24編が、「カフカがカフカになった」と言われる傑作『判決』以前の小品、初期の習作です。カフカで一般的にイメージされる深刻さ、不条理といった色眼鏡を外せば、若書き特有のぎこちなさの奥にある原石の輝きが味わえます。「長編の助走かな」、「ん? これ、カフカ?」と思うような“青いカフカ”も垣間見えて、「カフカは一日にして成らず(?)」を実感できるでしょう。
  • シッダールタ
    4.5
    バラモンの息子シッダールタは、早くから精神修養の修業を積んでいたが、心の渇きは癒されず、身分を捨てて親友ゴーヴィンダとともに苦行の旅に出る。托鉢生活では、すでに悟りを開いていたゴータマ・ブッダに出会い、彼の説法を聞くものの、シッダールタは満足しない。むしろブッダや親友から離れ、俗世で遊女カマラーとの快楽に溺れ、そのための金を商売で稼ぐようになるが……。自己の解放と世界の真理を求めた青年の魂の旅路。
  • 血の涙
    3.7
    「朝鮮最初の小説家」と称される著者による、日清戦争で離れ離れになった家族が運命に翻弄される様を描く代表作。七歳の少女オンリョンは戦場となった平壌で父母と離散。情に厚い日本人軍医に引き取られ、新しい人生を歩む。故郷から離れた土地では、思いがけない出会いもあり……。古典文学と近代文学をつなぐ「新小説」というジャンルに属し、かつそのジャンルを創造した、韓国文学史上の有名作品。
  • 転落
    4.2
    アムステルダムの場末のバーでなれなれしく話しかけてきた男。彼はクラマンスという名のフランス人で、元は順風満帆な人生を送る弁護士だったが、いまでは「告解者にして裁判官」として働いているという。五日にわたる自分語りの末に明かされる、彼がこちらに話しかけてきた目的とは? 『異邦人』『ペスト』に並ぶ第3の小説、待望の新訳。
  • ミミズによる腐植土の形成
    3.3
    自宅の裏庭につづく牧草地の一角に石灰をまき、家族の協力を得ながら土を掘り返しての観察と実験を重ねること40年。ミミズの働きと習性について生涯をかけて研究したダーウィン最後の著作。『種の起源』で提唱したみずからの理論を下支えする存在、それがミミズだった。ミミズはすごい。でも、ダーウィンはもっとすごい。
  • 三つの物語
    3.6
    無学な召使いの人生を、寄り添うように描いた「素朴なひと」、城主の息子で、血に飢えた狩りの名手ジュリアンの数奇な運命を綴った「聖ジュリアン伝」、サロメの伝説を下敷きに、ユダヤの王宮で繰り広げられる騒動を描く「ヘロディアス」。透徹した文体からイメージが湧き立つような短篇集。
  • 人生の短さについて 他2篇
    4.1
    人生は浪費すれば短いが、過ごし方しだいで長くなると説く表題作。逆境にある息子の不運を嘆き悲しむ母親を、みずからなぐさめ励ます「母ヘルウィアへのなぐさめ」。仕事や友人、財産との付き合い方をアドヴァイスする「心の安定について」。2000年読み継がれてきた古代ローマの哲学者セネカの“人生の処方箋”。
  • 三文オペラ
    3.5
    舞台は19世紀ロンドン。貧民街の顔役、メッキースは街で偶然出会ったポリーを見初め、その日のうちに結婚式を挙げる。ところが彼女はロンドンの乞食の元締めの一人娘だった……。痛烈な皮肉と下ネタが炸裂。猥雑なエネルギーに満ちた、20世紀最大の劇作家ブレヒトの代表作!!
  • ポールとヴィルジニー
    3.8
    インド洋に浮かぶ絶海の孤島で、美しい自然と慈母たちに囲まれ心優しく育った幼なじみのポールとヴィルジニー。思春期を迎え、互いに愛の感情が芽生えた矢先、二人は無情にも引き離され……。19世紀フランスで一世を風靡し、かのナポレオンも愛読した幼なじみの悲恋の物語。
  • 人口論
    4.0
    人口から世界が見える! 「人口は等比級数的に増加するが、食糧は等差級数的にしか増えない。そして、人の性欲はなくならない。」シンプルな命題を提起し、人口と食糧のアンバランスが生む問題に切り込んで、19世紀の進歩思想に大きな影響を与えた書。のちに大経済学者となるマルサスの意気盛んなメッセージを、クリアな訳文で。「大胆にして修辞的であり、華麗な言い回しと情緒に富んでいる」(ケインズ)
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~
    3.7
    「人間の徳(アレテー)は、教えられるものなのか?」「ソフィストとは、そもそも何者か?」。若くて血気盛んなソクラテスは、アテネを訪問中の老獪なソフィスト、プロタゴラスのもとにおもむき、徳をめぐる対話を始める。しかし、議論は二転三転。次第に哲学的色彩を強めながら、やがて意外な結末を迎えることになる。躍動感あふれる新訳で甦る、ギリシャ哲学の傑作!
  • ソクラテスの弁明
    3.9
    ソクラテスの生と死は、今でも強烈な個性をもって私たちに迫ってくる。しかし、彼は特別な人間ではない。ただ、真に人間であった。彼が示したのは、「知を愛し求める」あり方、つまり哲学者(フィロソフォス)であることが、人間として生きることだ、ということであった。(「訳者あとがき」より)。ソクラテスの裁判とは何だったのか?プラトン対話篇の最高傑作、ついに新訳で登場!
  • 若者はみな悲しい
    3.6
    理想の女性を追いつづける男の哀しみを描く「冬の夢」。わがままな妻が大人へと成長する「調停人」。親たちの見栄と自尊心が交錯する「子どもパーティ」など、本邦初訳4篇を含む9篇を収録。アメリカが最も輝いていた1920年代を代表する作家フィッツジェラルドが、若者と、かつて若者だった大人たちを鮮やかに描きだした珠玉の自選短編集。
  • 地下室の手記
    3.9
    世間から軽蔑され虫けらのように扱われた男は、自分を笑った世界を笑い返すため、自意識という「地下室」に潜る。世の中を怒り、憎み、攻撃し、そして後悔の念からもがき苦しむ、中年の元小官吏のモノローグ。終わりのない絶望と戦う人間の姿が、ここにある。後の5大長編へとつながる重要作品であり、著者の思想が反映された主人公の苦悩をリアルに描いた決定訳!
  • マクベス
    3.7
    「ヘエエエイ、マクベース!」荒野で三人の魔女から呼びかけられた闘将マクベス。やがては王になるとの予言どおり、ひたすら血塗られた裏切りと栄達への道を突き進む。王の座を手中におさめたマクベスの勝利はゆるがぬはずだった、バーナムの森が動かないかぎりは……。シェイクスピアの不滅の四大悲劇の一つであり、「舞台で生きる言葉」にこだわり練り上げた演劇の人・安西徹雄、最後の訳業。
  • 純粋理性批判 1
    4.3
    もう入門書はいらない! カントは従来の形而上学が陥った独断的なやり方を批判し、人間のもつ理性の可能性とその限界をみさだめる。空間とは何か、時間とは何か、認識はどのようにして成り立つのかを明らかにする。古代以来の哲学の難問を解決しようとした意欲的な試みを再現する! 難解とされる多くの用語を、ごく一般的な用語に置き換えて分かりやすさを徹底した画期的な新訳(全7巻)。詳細な解説つき。
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉
    4.1
    父親フョードル・カラマーゾフは、圧倒的に粗野で精力的、好色きわまりない男だ。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟が家に戻り、その父親とともに妖艶な美人をめぐって繰り広げる葛藤。アリョーシャは、慈愛あふれるゾシマ長老に救いを求めるが……。【光文社古典新訳文庫】
  • 芸術の体系
    3.8
    美とはなにか、芸術とはなにか。行進、曲芸、ダンスから絵画、音楽、建築、散文まで――。人間が人間として日々を生きるということと、芸術活動や芸術作品のありかたを常に結びつけて考えた思想家アラン。第一次世界大戦に従軍し、戦火の合い間に熱意と愛情をこめて芸術を考察し、のびのびと書き綴った芸術論。著者の「折り目正しい考え方」を丹念に追い、テンポよく、わかりやすく訳しおろした最高の芸術ガイド。
  • うたかたの日々
    4.0
    青年コランは美しいクロエと恋に落ち、結婚する。しかしクロエは肺の中に睡蓮が生長する奇妙な病気にかかってしまう……。愉快な青春の季節の果てに訪れる、荒廃と喪失の光景を前にして立ち尽くす者の姿を、このうえなく悲痛に、美しく描き切ったラブストーリー。ヴィアンの代表作であり、20世紀フランス文学の「伝説の作品」が、鮮烈な新訳で甦る! 映画『ムード・インディゴ~うたかたの日々~』原作。
  • 消えた心臓/マグヌス伯爵
    3.4
    異教信仰の研究者が自らの計画のために歳の離れた従兄弟の少年を引き取る「消えた心臓」。スウェーデンのある地方で発見した古文書のなかに記された“黒の巡礼”から戻った人物の来歴を探る「マグヌス伯爵」など、『好古家の怪談集』の8篇に「私が書こうと思った話」を収録。
  • 大尉の娘
    3.4
    心ならずも地方連隊勤務となった青年グリニョーフは、要塞の司令官の娘マリヤと出会い、やがて相思相愛になる。しかし実父には反対され、プガチョーフの反乱が起こり、マリヤも囚われ、グリニョーフも捕虜になってしまう……。実直な老従僕、憎き恋敵、謹厳な“義父”とおおらかで勇敢な“義母”、情に厚い反乱の首謀者プガチョーフらを配し、最後に劇的な結末が訪れる歴史ロマンス。みずみずしい新訳で甦るプーシキン晩年の傑作。
  • 死刑囚最後の日
    3.3
    「死刑囚! いつもひとりでこの想念に耐え、それが消えないせいでいつも凍え、その重みにいつも打ちひしがれている!」刻々と迫るギロチン刑の時。独房での日々から断頭台に上がる直前まで、主人公は自らの胸の内を赤裸々に告白する。死刑制度廃止を訴え、若い情熱で書きあげたユゴー27歳の作品。主題の重み、技法の革新性、社会的影響の点で刮目すべき作品であり、ユゴーの代表作のひとつと見なされる画期的小説。
  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~
    4.1
    プロイセン軍を避けて街を出た馬車で、“脂肪の塊”という愛称の娼婦と乗りあわせたブルジョワ、貴族修道女たち。人間のもつ醜いエゴイズム、好色さを痛烈に描いた代表作「脂肪の塊」と、イタリア旅行で出会った娘との思い出を綴った「ロンドリ姉妹」。短い作家生活のなかで、300を超える中・短篇小説を書き残したモーパッサンの初期作品から、緊密な構成をもち、完成度の高い中篇2作とヴァラエティに富む短篇8作を収録。
  • 赤い橋の殺人
    3.5
    19世紀中葉のパリ。急に金回りがよくなり、かつての貧しい生活から一転して、社交界の中心人物となったクレマン。無神論者としての信条を捨てたかのように、著名人との交友を楽しんでいた。だが、ある過去の殺人事件の真相が自宅のサロンで語られると、異様な動揺を示し始める。
  • ピグマリオン
    4.0
    強烈なロンドン訛りを持つ花売り娘イライザに、たった6ヵ月で上流階級のお嬢様のような話し方を身につけさせることは可能なのだろうか。言語学者のヒギンズと盟友ピカリング大佐の試みは成功を収めるものの……。英国随一の劇作家ショーのユーモアと辛辣な皮肉がきいた傑作喜劇。(『PYGMALION』改題)
  • ビリー・バッド
    3.4
    18世紀末、商船から英国軍艦ベリポテント号に強制徴用された若きビリー・バッド。新米水兵ながら誰からも愛される存在だった彼を待ち受けていたのは、あたかも邪悪な謀略のような「運命の罠」だった……。緊張感みなぎるストーリー展開と哲学的な考察につらぬかれた現代性。アメリカ最大の作家メルヴィル(『白鯨』)の遺作にして最大の問題作が、いま鮮烈な新訳で甦る。
  • そばかすの少年
    4.0
    片手を失い、自分の本名すら知らない孤児の少年「そばかす」は、「リンバロストの森」で木材泥棒から森を守る番人として働くことになる。大人でさえ恐怖をいだく森と沼地。孤独と恐怖、雄大で厳しい自然と闘いながら、人の愛情に包まれて、「そばかす」は逞しく成長していく……。ナチュラリストでもある作家ポーターの自伝的作品であり、20世紀初頭のアメリカで200万部を超えた伝説のベストセラー、待望の新訳!
  • 菊と刀
    4.0
    恥、義理、恩、礼節――日本人が忘れてしまったものはなにか? そして依然として日本人を突き動かしているものはなにか? 第二次世界大戦中、米国戦時情報局の依頼を受け、日本人の気質や行動を研究した文化人類学者ベネディクト。日系人や滞日経験のある米国人たちの協力を得て、日本人の心理を考察し、その矛盾した行動を鋭く分析した。ロングセラーの画期的新訳。
  • 地底旅行
    値引きあり
    4.3
    謎の暗号文を苦心のすえ解読したリーデンブロック教授と甥の助手アクセル。二人は寡黙なガイド、ハンスとともに地球の中心へと旅に出た。そしてそこで三人が目にしたものは……。地底世界を驚異的な想像力で自在に活写し、常識的な感覚を揺さぶる究極のSF小説を圧倒的な臨場感あふれる新訳で贈る。(『VOYAGE AU CENTRE DE LA TERRE』改題)
  • オペラ座の怪人
    値引きあり
    3.8
    怪人の噂が囁かれるパリ・オペラ座で死体が見つかり、美しき歌姫は演目中に姿を消す。怪人が歌姫に抱く狂おしいほどの愛はさらなる惨劇を招き、オペラ座は死の迷宮と化す――ノンフィクション風の小説手法に、ミステリー、怪奇、ユーモア、ロマンスを織り込み、容貌も能力も人間離れした異形の怪人エリックの人間的な悲劇を描く傑作小説を待望の新訳で!
  • 人間和声
    4.0
    「私の音色は薄緑なの」ヴァイオリンのような甘美な声で娘は言った……。〈勇気と想像力ある秘書求む。当方は隠退した聖職者。テノールの声とヘブライ語の多少の知識が必須〉。謎の求人に応募した主人公が訪ねたのは、人里離れた屋敷だった。そしてそこには美しい娘がいて……。
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~
    3.8
    夜中の3時、正装した紳士が自分の部屋に立っていたら……。古典的幽霊譚である「空家」、「約束」、吸血鬼と千里眼がモチーフの「転移」、美しくも奇妙な妖精話「小鬼のコレクション」、詩的幻想の結晶「野火」ほか、名高い主人公ジム・ショートハウス物を全篇収める。芥川龍之介、江戸川乱歩が絶賛したイギリスを代表する怪奇小説作家の傑作短篇集。「恐怖の王道」ここに降臨す!
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ
    3.8
    美しい金緑色の蛇に恋した大学生アンゼルムスは非現実の世界に足を踏み入れていくが……代表的メールヘン「黄金の壺」。17世紀のパリで、天才的な職人が手がけた宝石を所有する貴族たちがつぎつぎと襲われる事件。ようやく逮捕された犯人は意外な人物だった。推理小説の嚆矢ともいえる「マドモワゼル・ド・スキュデリ」。画家で音楽家でもある鬼才ホフマンの多面的な魅力が味わえる4篇を収録。
  • ニーチェからスターリンへ~トロツキー人物論集【1900-1939】~
    3.0
    若きトロツキーがはじめて書いた人物論である「ニーチェ」から、「トルストイ」、「マヤコフスキー」、「ヒトラー」、そして暗殺される一年前に書いた「ヨシフ・スターリン」まで。彼が残した200近い人物論の中から、本邦初訳の5編を含む16編をすべてロシア語原典から訳出。本書を読むことで、登場する人々の重要な一面を知ることになるだけでなく、その時代的状況やトロツキーその人についても知ることができる。
  • ぼくのことをたくさん話そう
    3.0
    眠れぬ夜の寝床に霊が現れ、ぼくの手を取って飛び上がり、地獄から煉獄、天国まで、「あの世」への旅にいざなう……。『自転車泥棒』『ひまわり』など20世紀イタリアを代表する映画の脚本家が、ユーモラスで味わい深い物語を連作掌編とでもいうべき手法で紡いでいく小説。
  • オズの魔法使い
    3.6
    竜巻に飛ばされたドロシーと犬のトトが下り立ったのは、美しい魔法の国だった。だが故郷カンザスに帰るには、エメラルドの都に住む偉大なる魔法使いオズの力を借りる必要があるという。道すがら、脳みそのないかかし、心臓のないブリキの木こり、臆病なライオンを旅のお供にするが……。いまも世界中で愛される、アメリカン・ファンタジーの金字塔。W・W・デンスロウの原書イラストも20点以上収録。
  • 毛皮を着たヴィーナス
    4.0
    保養地で出会った美しい寡婦ヴァンダと「理想の男女関係」を築こうとする夢見がちな青年ゼヴェリン。女王と奴隷の支配関係を望み、毛皮を着たヴァンダを崇めてその残酷な扱いに身をゆだねていくが、嗜虐行為はエスカレートしていき……。かの「マゾヒズム」の語源となった著者の代表作。
  • 賢者ナータン
    4.0
    十字軍の停戦協定が成立したエルサレム。キリスト教徒のテンプル騎士に養女を助けられたユダヤの商人ナータンが、イスラムの最高権力者から「3つの宗教のうち本物はどれか」と問われる。18世紀、カントとならんで、啓蒙の世紀をリードした思想家レッシングの代表作であり、「寛容と人間愛」を説いた思想劇。付録に〈指輪の寓話〉(『デカメロン』)、〈寓話〉(レッシング)。
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~
    4.0
    やりくり上手の妻に先立たれ、失意の日々を過ごしていたランタン氏。妻が遺したイミテーションの宝石類を店に持って行ったところ、じつは……(「宝石」)。叔母の莫大な遺産相続の条件である子どもになかなか恵まれず焦る親子と夫婦を描く「遺産」。妻がじつは自分の友人と結婚直後から愛人関係にあり、溺愛する一人息子の出生にまで疑念を抱かせるという仕打ちに衝撃をうける「パラン氏」ほか3編を収録。
  • 暦物語
    3.8
    ブレヒトといえば社会的な問題を扱った作品の多い劇作家、挑発的な異化作用を連想する人が多いでしょう。でもこの『暦物語』はひと味違います。そもそも農民や職人むけのおもしろくてためになる、実用志向の読み物だった「暦物語」。本作品は、老子やソクラテスやカエサルなどの有名な人物から無名の兵士、子どもまでが登場する、“下から目線”のちょっといい話が満載のミリオンセラー短編集。ブレヒトの魅力を再発見する新訳!!
  • クレーヴの奥方
    3.9
    フランス宮廷に完璧な美を備えた女性が現れた。彼女は恋を知らぬままクレーヴ公の求婚に応じ人妻となるが、舞踏会で出会った輝くばかりの貴公子ヌムール公に心ときめく。夫への敬愛と初めて知った恋心。葛藤の日々に耐えられなくなった夫人は、あろうことかその恋心を夫に告白してしまうのだった……。あえて貞淑であり続けようとした女性心理を描いた、フランス心理小説の嚆矢を清新な新訳で贈る。
  • 薔薇とハナムグリ~シュルレアリスム・風刺短篇集~
    3.7
    官能的な寓話「薔薇とハナムグリ」、眠り続けるモグラの怪物の夢に操られる島民の混乱を描く「夢に生きる島」。ほかに「部屋に生えた木」「ワニ」「疫病」「蛸の言い分」など、シュルで風刺のきいた世界が堪能できる20世紀を代表する作家モラヴィアの傑作短篇15作。「読まねば恥辱」級の面白さ!
  • 社会契約論/ジュネーヴ草稿
    4.1
    「ぼくたちはルソーの語る意味での主権者なのだろうか、それともルソーが嘲笑したように、選挙のあいだだけ自由になり、そのあとは唯々諾々として鎖につながれている奴隷のような国民なのだろうか」(訳者あとがき)。自由とは、平等とは、そして民主主義ってなんだろう? フランス革命を導き、世界史を動かした歴史的著作の画期的新訳。本邦初訳の「ジュネーヴ草稿」も収録。
  • ねじの回転
    3.8
    両親を亡くし、英国エセックスの伯父の屋敷に身を寄せる美しい兄妹。奇妙な条件のもと、その家庭教師として雇われた「わたし」は、邪悪な亡霊を目撃する。子供たちを守るべく勇気を振り絞ってその正体を探ろうとするが――登場人物の複雑な心理描写、巧緻きわまる構造から紡ぎ出される戦慄の物語。ラストの怖さに息を呑む、文学史上もっとも恐ろしい小説、新訳で登場。
  • ノーサンガー・アビー
    値引きあり
    4.0
    ゴシック小説に夢中な十七歳のキャサリンは、逗留先のバースで社交界デビューを果たす。舞踏会で知り合ったヘンリー・ティルニーに惹かれ、彼の妹とも懇意になる。親友の兄ジョン・ソープの身勝手な妨害のために、関係が危うくなりもしたが、ついにティルニー家の自宅に招かれることに。そこは小説の舞台さながらの古い元僧院だと聞き、キャサリンの期待はいやがうえにも高まるが……。夢見がちな女子の成長と恋愛を描く。
  • モンテ=クリスト伯1
    値引きあり
    -
    将来を嘱望された若き船乗りエドモン・ダンテスは、嫉妬した同僚に陥れられて、海に浮かぶおぞましい監獄で14年もの獄中生活を送ることに。絶望の中、他の囚人が壁を削る音に気づいた彼は……。息をつかせぬ展開と冒険、劇画風で情感豊かな描写。フランスの文豪デュマの心躍る代表作を、鮮烈な新訳で。各巻には作家や作品の周辺情報などを紹介する「読書ガイド」を収録。(全6巻)
  • 世間胸算用
    -
    一年の収支決算日である大晦日その日の事件を軸に、貧乏に追われる庶民の悲喜劇を描いた「連作短編小説」。六軒の裏長屋住人のその日暮らし、正月飾りのことで息子を叱る隠居婆、亭主の入れ替わりで借金取りから逃れようとするもの、絶望にたえる貧者とその女房の夫婦愛など。落語のようなオチを交え、無名の人々の滑稽さや可笑しさを、愛情にみちたまなざしで掬い取った傑作をリアルにストレートに伝える関西弁での現代語訳。
  • 未成年1
    4.0
    複雑な出生で父と母とは無縁に人生を切り開いてきた二十歳の青年アルカージー・ドルゴルーキー。誇大妄想的な夢の実現に邁進する彼の目の前に、ある日、謎だらけの父親がとつぜん現れる。いったい何者なのか。父親も許せないが、自分も許せない。そう、心は揺れ、憎悪しつつも惹かれる日々。主人公を取り巻く魅力的な「女性」と「悪人」たちが暗躍する。ドストエフスキー後期の傑作。
  • オルラ/オリーヴ園~モーパッサン傑作選~
    4.2
    部屋の中に目に見えない何かがいる……。妄想と狂気に呑み込まれていく男の日記「オルラ」。若き日の苦い思い出を浄化し、穏やかに過ごす老司祭のもとに、ある日、みすぼらしい身なりの若者が訪ねて来る。人生を揺さぶる直視し難い過去との対峙を描く「オリーヴ園」など、病魔に冒され、寡作になりつつある後期の作品のなかから8篇をセレクト。素材・テーマともに厳選されたからこそ顕出したモーパッサンの真髄がここにある。
  • すべては消えゆく~マンディアルグ最後の傑作集~
    3.5
    パリの地下鉄、隣の席で化粧を始めた女の姿態に目を奪われたユゴーは、慎みとは無縁な彼女の手に思わず接吻してしまうが……。芳醇な性の悦楽が思わぬ展開を見せる表題作、美少女との甘い邂逅から一気に死の淵へと投げ出される「クラッシュフー」など、シュルレアリスム最後の小説家独自の世界観きわだつ3篇。
  • 哲学書簡
    5.0
    イギリスにおける信教の自由や議会政治を賛美し、ロックの思想、ニュートンの科学、シェイクスピア演劇など文化、科学の分野における考察を、書簡形式で綴ったヴォルテールの初期の代表作。絶対王政下のフランス社会の遅れを痛烈に批判し、発禁処分にされたことで大ベストセラーとなった。のちの啓蒙思想家たちに大きな影響を与えた、ヴォルテールの思想の原点ともいえる著作。
  • 笑い
    3.8
    「笑い」を引き起こす「おかしさ」はどこから生まれるのだろうか。ベルクソンは形や動きのおかしさから、情況や言葉、そして性格のおかしさへと、喜劇のさまざまな場面や台詞を引きながら考察を進める。ベルクソンの主要著作群のなかで異彩を放つ、「ベルクソン哲学の可能性が最も豊饒に秘められた」、独創性あふれる思考の営み。ベルクソンの著作のなかでもっとも版を重ねたロングセラーを分かりやすい訳文と詳細な解説で読み解く
  • シラノ・ド・ベルジュラック
    4.2
    ガスコンの青年隊シラノは詩人で軍人、豪快にして心優しい剣士だが、二枚目とは言えない大鼻の持ち主。秘かに思いを寄せる従妹ロクサーヌに恋した美男の同僚クリスチャンのために尽くすのだが……。30歳でレジオン・ドヌール勲章を叙勲し、33歳でアカデミー・フランセーズに選出された天才ロスタンの代表作。1世紀を経た今も世界的に上演される、最も人気の高いフランスの傑作戯曲をキレのいい新訳で。
  • カンタヴィルの幽霊/スフィンクス
    3.6
    結婚を控え、手相占いに翻弄される「アーサー・サヴィル卿の犯罪」。生真面目で頑張り屋の幽霊が棲みつくお屋敷をアメリカ公使一家が買って一騒動の「カンタヴィルの幽霊」。知る人ぞ知るあの長詩「スフィンクス」ほかワイルドの短篇4作に、出獄したワイルドを迎えた親友の女性作家が当時のワイルドの様子を綴る「回想」を含む佳作を収録。ワイルドのことがますます、好きになる短篇集。
  • カンディード
    4.3
    楽園のような美しい故郷を追放されてしまった、まっすぐな心と純朴な気質をもつ“純真な”若者カンディード。恩師パングロスの説く「最善説」の教えを胸に、大地震、戦乱、盗賊や海賊の襲撃など、度重なる災難に立ち向かい、そして最後の最後、ついに一つの真実を見つけるのだが……。18世紀啓蒙思想家ヴォルテールの代表作。「リスボン大震災に寄せる詩」を本邦初の完全訳で収録。
  • 人間の大地
    4.2
    国際郵便機のパイロットとしても長いキャリアを持つサン=テグジュペリが、勇敢な僚友たちの思い出、技術の進歩、また『ちいさな王子』や『夜間飛行』の物語の土台となった南米やアフリカでの極限状態など、自身の体験に基づいて時に臨場感豊かに、時に哲学的に綴ったエッセイ。本当の勇気とは何か、人間の使命とは何かを熱く問いかける傑作。
  • 狭き門
    3.8
    美しい従姉アリサに心惹かれるジェローム。二人が相思相愛であることは周りも認めていたが、当のアリサの態度は煮え切らない。そんなとき、アリサの妹ジュリエットから衝撃的な事実を聞かされる……。愛し合う二人の恋はなぜ悲劇的な結末を迎えねばならなかったのか? なぜかくも人間の存在は不可解なのか? 時代を超えて強烈に問いかけるフランス文学の名作、みずみずしい新訳で登場!
  • 白い牙
    4.4
    犬の血を4分の1引いて、北米の原野に生まれた狼「ホワイト・ファング(白い牙)」。親や兄弟が次々と死んでいく“自然”のなかで、強く、狡く生きていく。だが、あるとき人間に飼われることになり、人間の残虐さや愛情に触れることで、心のなかにさまざまな葛藤が生まれるのだった。野性の血を研ぎ澄ます孤独な灰色狼の目を通して人間と文明社会を描いた、ジャック・ロンドンの代表作。
  • 嵐が丘(上)
    3.9
    ヨークシャの荒野に建つ屋敷〈嵐が丘〉。その主人が連れ帰ったヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに恋をする。しかしキャサリンは隣家の息子と結婚、ヒースクリフは失意のなか失踪する。数年後、彼は莫大な財産を手に戻ってきた。自分を虐げた者への復讐の念に燃えて……。時を超えて読み継がれてきた壮大な愛憎劇。陰鬱で荒々しい英国の自然を活写することで、その真の魅力に迫る決定訳!
  • ドストエフスキーと父親殺し/不気味なもの
    4.2
    『カラマーゾフの兄弟』の父親殺しをテーマに、ドストエフスキーの性格と作品を分析した論文と、ホフマンの「砂男」の分析を中心に考察をすすめる「不気味なもの」。ほかにも、シェイクスピア、イプセン、ゲーテといった名だたる文豪たちの「無意識」がフロイトによって暴かれる! みずからの理論を発展させ、鋭い精神分析的考察で文学を読み解き、以降の文学論に大きな影響を与えた重要論文6編。
  • 善悪の彼岸
    4.3
    考える自我から出発したデカルトに始まり、カント、シェリング、ヘーゲル、ショーペンハウアーにいたる西洋の近代哲学。本書はその遺産の上に立ちながらも、哲学そのものがキリスト教の伝統にいかに制約されているか、独断論に終始しているかを示し、新しい哲学の営みの道を拓く試みである。アフォリズムで書かれたニーチェの思考の記録を、音楽のように響き、肉声が聞こえるような新訳で!
  • トム・ソーヤーの冒険
    4.1
    トムは悪さと遊びの天才だ。言いつけの塀塗りをみんながうらやむ仕事に変えたり、退屈な教会の説教をクワガタ一匹で忍び笑いの場にしたり、家出して親友のハックたちと海賊になってみたり。だがある時、偶然に殺人現場を目撃してしまい……。わんぱく少年トムを通じて描かれる、自由を求める心と冒険への憧れ、そして世界を見る無垢な目。アメリカで最も愛される作家の半自伝的小説を、少年たちの声が聞こえてくる新訳で。
  • 孤独な散歩者の夢想
    3.7
    晩年、孤独を強いられたルソーが、日々の散歩のなかで浮かび上がる想念や印象をもとに、自らの生涯を省みながら自己との対話を綴った10の“哲学エッセイ”。ここにはあの“偉人ルソー”はいない。迫害妄想に悩まされたのち訪れた平穏のなかで書かれた、ルソー最後の省察。「思索」ではなく、「夢想」に身をゆだねたその真意は? 他作品との繋がりにも言及した中山元氏による詳細な解説が付く。
  • 城
    値引きあり

    4.0
    ある冬の夜ふけ、測量士Kは深い雪のなかに横たわる村に到着する。城から依頼された仕事だったが、城に近づこうにもいっこうにたどり着けず、役所の対応に振りまわされてしまう……。絶望せず、へこたれない測量士Kの奇妙な、喜劇的ともいえる日常のリアルを描いたカフカ最後の未完の長編。最新の史的批判版にもとづく解像度の高い決定訳で贈るカフカの最高傑作。
  • 試合/獰猛なる野生児~ボクシング小説集~
    -
    結婚のため引退する若いボクサーの最後の試合を描いた「試合」。運に恵まれなかったボクサーの父親に人里離れた山の中で育てられ、訓練を受けた息子が主人公の「獰猛なる野生児」。表題2作を含む全4編を収録。各ボクサーの覚悟と悲哀、その心情を細やかに描いた傑作ボクシング小説集。抜群のストーリー展開と緊迫感ある打ち合いのシーンが読みどころの本作を、ボクシング経験者によるリアルすぎる新訳で贈る。
  • オブローモフの夢
    3.6
    役所勤めもやめ、怠惰な日々を日々を送る青年貴族オブローモフ。朝、目覚めても起き上がる気力も湧かない彼が微睡むうちに見る夢を綴った「オブローモフの夢」。長編『オブローモフ』完成の十年前に発表され、作品全体の土台となったこの一章を独立させて文庫化した。全編の抄訳付き。行動力ゼロ、気力なし、決断力ゼロ。それでも(だからこそ)ロシアン文学史上ナンバーワンの「愛されキャラ」であるオブローモフとは何者か?

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