椿説弓張月4

椿説弓張月4

小説・文芸
1,100円 (税込)

5pt

5.0

王位継承をめぐる争いから内乱の様相を呈し始めた琉球王国。曚雲国師の妖術に惑わされた暗愚な尚寧王のもと、廉夫人、忠臣毛国鼎らは命を落とした。寧王女の絶体絶命の危機を救った為朝は、曚雲を討つべく南風原へと赴き利勇と対面する。そして生き延びた毛国鼎の子、鶴と亀は因縁の敵である阿公と対決。曚雲、利勇、為朝、知略と謀略がぶつかり合う三つ巴の戦いを描く。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     はて?しばらく見ないうちに、白縫が大変なことに。人物紹介いってみよう。

     海路で遭難した際、為朝たちの命を救うため犠牲となって海に身を投げた。

    えええええ!なんでいつの間にか弟橘媛みたいなことになってんの。

     鶴と亀 国王の忠臣、毛国鼎の子供。長男が鶴、次男が亀。

    なんだその単にめでたいものとりあえずつけとけ感は。忠臣の息子といったら高位の子なのに、ひと文字か。為朝と白縫の息子舜天丸(すてまる)は三文字で、丸ついてる丸。丸、だいじ。なになにの助とか、だいじ。

     そんなこんなで元長刀ガールの妻白縫を失った為朝の前に、なんと!彼女の魂が憑いた寧王女が現れる。寧王女は、琉球王尚寧王の第一王女だ。曚雲国師の妖術に惑わされた暗愚な尚寧王のもと、寧王女の母・廉夫人、忠臣毛国鼎らは命を落とした。彼女の婿は、王位を狙える。王位継承をめぐる争いが、当然起こる。王女を乗っ取った白縫が語ることには
    「恥ずかしながら、姿こそ三十歳ながら、まだ男の肌を知らない王女ですけれど、操は誰が知らないことがありましょうか」

    と、マージナルな立場を利用して自己?紹介。しかしその情報開示は、果たして、本当の寧王女にとってはOKなのか。更に続ける白縫。
    「幾晩も寝覚めを共に慰めた私白縫との契りをお忘れになっていなければ、夫婦としてともに我が子のゆくえを見定め、乱れたこの世を平定してください。」

    いい事いっているようにも見えるが、よく考えたらホラーでは。そうなのか馬琴。ゴーストラブを書きたいのか。どうする為朝。
    「お前は王女に憑いたとしても、いま見る姿は白縫ではない。それを私に妻と呼び、夫と呼ばれたならば、淫奔野合との謗りを免れることができない。ことが成就して夫婦と呼ばれることもあろう。無情なこととうらむのではないぞ。寝床はともにはするまい」

    よく言った為朝。英雄はそうでなくちゃ。

     為朝は、曚雲を討つべく南風原へと赴き、琉球国の高官で、曚雲打倒に燃える利勇と対面。しかしなにぶんにも身一つできたものだから、社会的信用度ゼロ。利勇が為朝にミッション・インポッシブルを課す。三つのタスクを三日で終えたら雇うけど、一つでも仕損じたら、城に来るな!

     現代社会においても、結果をまず出して、雇うかどうかはそれから、というのは、当然。利勇、まともだ。為朝どう倍返す。

     毛国鼎の子、鶴と亀は、タイムリーな2025年の今年の漢字でもある熊と鷲のバトルに遭遇しつつも、因縁の敵である阿公と対決。曚雲、利勇、為朝、三つ巴の戦いの結果や、いかに。そして、知りたいのか、知りたくないのか、微妙ながら、為朝と寧王女(魂は白縫)の、トライアングル・ゴースト・ラブの行方や、いかに。

    0
    2026年01月10日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    琉球での三つ巴の戦いとあるが、実質的には利勇との勝負の巻で、相当盛り上がる。いかにも利雄は悪者っぽくて、ここぞとばかりの描写が続くし、ここにきて物語が勧善懲悪的に進んでいくので、この巻は楽しく、あっという間に読めた。馬琴の創造の筆は素晴らしく、北斎の絵と併せて何度読んでも味わい深く、娯楽のほとんど無かった当時の市民の熱狂ぶりが想像できる。次はとうとう最終巻。大団円に至るまでとても楽しみ。この調子で八犬伝も読んでいけたらと思う。

    0
    2026年02月16日

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