人間の大地

人間の大地

小説・文芸
1,078円 (税込)

5pt

国際郵便機のパイロットとしても長いキャリアを持つサン=テグジュペリが、勇敢な僚友たちの思い出、技術の進歩、また『ちいさな王子』や『夜間飛行』の物語の土台となった南米やアフリカでの極限状態など、自身の体験に基づいて時に臨場感豊かに、時に哲学的に綴ったエッセイ。本当の勇気とは何か、人間の使命とは何かを熱く問いかける傑作。

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人間の大地 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    堀口大学訳の新潮文庫版、ロングセラーの地位はいまも不動。私もずっとこの詩的な堀口訳に慣れ親しんできたが、引っかかる訳語がいくつもあった。
    今回、渋谷豊訳の光文社古典新訳文庫版では、それがすっかり解消されている。たとえば、サンテクスの最初の職業フライトの場面。午前3時半、雨のなか、彼が乗り込むのは飛行場行きの「マイクロバス」なのか、「路面電車」なのか。渋谷訳は「路面電車」。タイトルも、堀口訳は「土地」だったが、渋谷訳は「大地」だ。
    どちらの訳で読んでも、サンテクスが初仕事に向かうその緊張感と高揚感の描写はたまらない。そして彼とプレヴォがリビア砂漠の真ん中にクラッシュしたエピソードも。3日間飲まず食わずで、蜃気楼、錯覚と幻覚に悩まされながら生き延び、奇跡的にベドウィンの遊牧民に助けられる。何度読んでも、感動的だ。

    0
    2025年05月03日

    Posted by ブクログ

    サン=テグジュペリの最高傑作。

    若い人に読んで欲しいとあとがきにあったが、読んでも理解するのはずっと後になるだろう。人生における普遍的な真実をあの若さで書くことができたのは、死と隣り合わせの職業だったからではないか。読んでいて、極限状態に追い込まれないと真実には辿り着けないのではないかと感じた。
    近しい身内を亡くした人間は、高次の意識に近づくと感じるけど、すぐまた元に戻ってしまう。
    極限状態に居続けることは考えるだけでもしんどい。でも主人公は心が安らぐという。死ぬ瞬間には理解できるのだろうか。
    いつもは考えない人間の根幹とか普遍的な何かとかを考える読書だった。浮かんでは消えていく感じだけど、サン=テグジュペリが伝えたいことの片鱗は誰の中にもあるのではないか。

    0
    2024年09月16日

    Posted by ブクログ

    新潮の堀口大學訳は何度か読んでいたが、ふと他の訳も読んでみようと思い手に取った。
    かなり新しい訳なので上記のものよりも読みやすく、だからといって軽い文というわけではなく荘厳な世界観を崩さない程度に留められていて良かった。
    内容に関しては何度読んでもハッとさせられる。
    特にギヨメの話と砂漠での話は人間の強さと小ささが感じられて好き。

    0
    2023年10月23日

    Posted by ブクログ

    「ぼくたちは何世紀もの間道に騙され続けてきた」
    「自分の中のモーツァルトを虐殺しない」など、美しく簡潔ではっとさせられる文章と、サン=テグジュペリのパイロットとしての経験などを基にしたルポルタージュやエッセイを寄せ集めた作品。

    0
    2021年12月31日

    Posted by ブクログ

    人間の気高さとは何かについて書かれた本。

    p76の下記の一節は僕の座右の銘の一つになっている。

    「人間であること、それはとりもなおさず責任を持つということだ。自分のせいではないと思えていた貧困を前に赤面すること、僚友が勝ち取った栄冠を誇りに思うこと、自分に見合った石を積むことで世界の建設に貢献していると感じることだ。」

    0
    2016年06月04日

    Posted by ブクログ

    本文中の至るところに散りばめられた詩的イメージがいい。
    物語としては、「砂漠の中心で」が白眉であろう。自分も喉の渇きを感じながら夢中で読んだ。
    サン=テグジュペリの他の作品も読んでみたくなった。

    0
    2015年09月16日

    Posted by ブクログ

    郵便飛行士だったサン・テグジュペリが、自身や僚友たちの飛行体験を通して、「人間とは何か」「使命とは何か」「愛とは何か」を問いかける一冊のように思いました。

    サン・テグジュペリやギヨメの遭難のくだりを読み、思い出したのがフランクルの『夜と霧』でした。フランクルは、収容所で生き延びたのは愛する人と再会したい、成し遂げたいことがあると思い描いた人だと書いています。
    サン・テグジュペリも僚友のギヨメも同じで、極限状況で人を支えるのは体力だけでなく、愛する人への思いや使命感なのだと感じました。何かが起きてからではなく、人との関わりや使命感を日頃から大切にすること。その積み重ねが人を支える力になるのだと思います。

    「愛するとは互いに見つめあうことではなく、一緒に同じ方向を見つめることだ」という一節も、心に残りました。

    ラストの「一人一人の中にいる虐殺されたモーツアルト」という表現の意味がすぐには分からなかったのですが、モーツアルトを人間本来の可能性や魂の輝きの象徴と捉えると、貧困や戦争、不平等によってそれが奪われることへの苛立ちなのだと腑に落ちました。
    それに続くラストの「精神の風が粘土の上を吹き渡るとき、初めて人間は創造される」という一文からは、旧約聖書の創世記の、神が土のちりから人を形づくり命の息を吹き込む場面が自然と重なりました。

    「精神の風」とは、愛すること、真理を求めること、責任を引き受けること。そうした風が吹き込まれて、人は人間たらしめられるのだと思います。
    『人間の大地』は、「人間とは何か」を問い続ける一冊でもあると思います。

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    2026年07月20日

    Posted by ブクログ

    郵便物を運ぶ小型飛行機のパイロットの思い出話、かなり実話。初期の飛行がどんなに危険で、命がけだったか良くわかる。しかし、暖かい。登山家や探検家とは違う。

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    2025年12月08日

    Posted by ブクログ

    郵便飛行機のパイロットとして、アフリカの砂漠や南米の山岳地帯でのエピソードを連作にした。砂漠で不時着し極限状態。僚友との絆。学生の部活動で同じ目標に向かう一体感に似たものを感じた。最終章での人間と自然との関わり、偉大さ、平和への願いにも気づきがある。2022.1.29

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    2022年01月29日

    Posted by ブクログ

    サンテグジュペリのエッセイ。これまで読んできた本は飛行機から見た風景や人間関係が主だったが、今作は様々な人々にスポットを当てた人間観察のエッセイ。

    少々小難しいが、上品で知的な表現が心地よい。大体の作品で解説は飛ばすけど、今作は解説もしっかり読んだ。貴族出身で飛行士で、詩的な作家ときたら、モテないわけがない。著者のことをもっと知りたい。

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    0
    2021年01月26日

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