三つの物語

三つの物語

無学な召使いの人生を、寄り添うように描いた「素朴なひと」、城主の息子で、血に飢えた狩りの名手ジュリアンの数奇な運命を綴った「聖ジュリアン伝」、サロメの伝説を下敷きに、ユダヤの王宮で繰り広げられる騒動を描く「ヘロディアス」。透徹した文体からイメージが湧き立つような短篇集。

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三つの物語 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    書き手の存在が極限までに削ぎ落とされた結果生まれた、素朴でスマートな写実力が魅力のフローベール文体。個人的にはそこまで惹かれないが、公平性、主人公と作者の距離の絶妙な取り方という点に関して、とても勉強になる。
    書き手の感情はもちろんのこと、描かれた人物の内面をこと細かに書き連ねることはせず、分かりや

    0
    2023年06月11日

    Posted by ブクログ

     原著1877年刊。
     未完の長編『プヴァールとペキュシェ』を除けば、フローベール最後の作品とのこと。
     非常に趣の異なる短編が3つ入っているが、私としては、『ボヴァリー夫人』みたいな写実的な現代物の、巻頭にある「素朴なひと」が一番好きだった。
     この作品は「暖かな眼差し」を感じさせるような人間的ぬ

    0
    2025年03月06日

    Posted by ブクログ

    光文社古典新訳文庫のフランス文学は、衝撃の『目玉の話』以来。
    3作ともキリスト教にまつわる話。
    「聖ジュリアン伝」は、トルストイの民話のような味わい。
    「ヘロディアス」は、半ばくらいで『サロメの話?』と気付いた。だが、洗礼者ヨハネの首を欲っしたのが、サロメではなく、母親のヘロディアスだった、という設

    0
    2022年11月16日

    Posted by ブクログ

    いずれも端麗で細緻な文体でありながら、3つそれぞれが違う雰囲気:
    「素朴なひと」は淡い色合いの水彩で描いた風景画、青く広い空と小さな家の周りの木立…。
    「聖ジュリアン伝」は重厚で暗く濃い色のタペストリー、緑の色合いが鬱蒼とした感じの。もとはステンドグラスに発想を得たみたいだけど。
    「ヘロディアス」は

    0
    2021年05月27日

    Posted by ブクログ

    「素朴なひと」ジョルジュサンドに「冷徹」と思われていて「あたしだってやるのよ」ということを見せつけるために書いた作品。ある女性の一生。カナダの映画監督アトムエゴヤンの作品を思い出した。「聖ジュリアン伝」フローベールの生地ルーアン大聖堂の34枚のステンドグラスに描かれた彼の一生。「ヘロディアス」エルサ

    0
    2019年06月08日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一個目に収録されている短編の、
    最後の行が凄まじく好きであった。

    私はこの本を売りに出すことはないと思われる、なぜなら最後の行があるからだ。。
    ってくらい!

    つまり翻訳もナイス!

    0
    2025年09月13日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    小説についての本で紹介された。3つが順々ではなく別々の小説であった。最後のヘロディアスについてはユダヤの物語よりキリストの物語であろう。解説が50ページあり、最初に小説を読んでからネタバレである解説を読むようにと書いてあったが、解説を先に読んでもどうということもないと思われる。

    0
    2025年09月01日

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