ユーザーレビュー 野性の呼び声 ロンドン / 深町眞理子 力強い文章で惹きつけられる。一気読みしてしまう。 血生臭い描写が多く、犬好き、動物好きにはちょっとしんどいが、野生の厳しさの美しさ、そして使役する人間の持つ身勝手さとその中にほんの少しある高潔さが伝わると思うので最後まで読んでみるのがおすすめ。 Posted by ブクログ 野性の呼び声 ロンドン / 深町眞理子 やはり、ジャックロンドンの描く凍てつく大地、野生を剥き出しにして生きる動物の物語はいい。 何不自由なく暮らしていた大型犬が盗まれ、さまざまな飼い主の間をさまよいながら秘めていた野性を開放してゆく。 息をもつかせぬ展開で一気読み。 Posted by ブクログ 野性の呼び声 ロンドン / 深町眞理子 英語学習者向けとして読んだ物語の日本語訳版に触れてみた。この訳者の用いる日本語が最適なのか,原文の力強さがそのまま反映されているのかはよくわからないが,細かなシーンにぴったりの言葉の並びに感銘を受けた。野性味溢れた荒々しさとともに共存する美しさが純粋に表現されているのに加え,主人公の犬が擬人化されす...続きを読むぎていない。人間のような感性を動物に当てはめるのではなく,動物が持つ本能的な「悟り」が描かれており,主人公が動物のわりには,ただの動物好きが書いたり読んだりする小説ではないところが素晴らしいと思う。 【ここからネタバレ注意】 それに加えて,この物語は人間に対する危惧の意味も含まれていると感じる。動物をモノ扱いし金儲けに使う人々,人間の純粋な力では勝てない動物に対して文明が生み出した道具で制圧を加える人々… 物語の後半に登場する,愛犬に対する愛情に満ちた飼い主は,バックの以前の飼い主たちと相反していることによって,人間の愚かさを強調する役割を担っている。 また,著者の経歴をたどってみると,彼の経験が少なからずこの物語に含まれているのだろうと読み取ることができる。自らの心に疼いた好奇心や野心とともに旅に出たが,帰宅すると大切なものを失っていた,というのは深く心に刺さるし考えさせられる。 ひとつ,欲を言うならば,訳者のあとがきにあった「差別的な表現に対する配慮」について。私個人は,原文に人種差別や男性中心思想を含んでいたとしても,そのままに表現して欲しかったと思う。この物語が描かれた時代を克明に示す証拠になりうるだろうから。ますます原文を読んでみたくなった。 Posted by ブクログ 野性の呼び声 ロンドン / 深町眞理子 まわりの声が聞こえなくなるくらい夢中になった。 犬の野性について描かれているけど、 これは人間にもあてはまると思った。 自分の人生を超えた、血の流れ。 Posted by ブクログ 白い牙 ロンドン / 深町眞理子 昔から大好きな小説でしたが、新訳という事で新たに読んでみました。 確かに、昔の訳より格段にとっつきやすくなっています。 所々以前と違う訳がありますが、どちらが正しいかは原文を読まないと解らないですね(笑) 動物描写は確かに凄いのですが、人間描写になると作者の人種差別や階級差別が感じられてしまいます。...続きを読むが、作者の時代だと仕方ないのかも…と割り切って読みました。1番目の飼主と3番目の飼主の設定が逆転していたら、もっと素直に読めた気がします。 しかし、それを差し引いても、ホワイトファングがかわいくてかわいくてかわいくてかわいくて仕方ないです。モフモフしたい!確実に噛み裂かれますが。 Posted by ブクログ ロンドンのレビューをもっと見る