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Posted by ブクログ
アメリカ人と仕事をすることが多く、自分の行動原理や観念的な素地がそもそも米国人と違うことを日々感じていた。
ただそれを言語化できず認知できていなかった今の自分に必要な本だった。
本稿の中でベネディクトの示す「恩の貸借」の概念はとても納得感があった。
また「日本人の特性を子育てから見る」くだりも、なるほど全く同じではなくとも伝統的に親から受ける教育には戦前戦後共通項があり、それが日本人らしさに還元されているという考えは私たち20代にも共感できる部分があったと思う。
方法論的にもコロンビアのフランツ・ボアズから受け継いだ比較論がとても興味深かった。
国外に向けて仕事をする人は、まず日本をよく知るべきだと思いここ数年は「日本」について考えることが多かったが日本人としての自分の視座は「当たり前」の範疇を客観的に特性として認識できなかった。
だから、ベネディクトの米国人からみた日本人という客観性は非常に有益だと感じた。
訳者があとがきで述べる『アメリカで借金の返済に向けて強制力が作用しているのと同様に、日本では恩返し(義理を果たすこと)を促す力が働いている。その強制力とは「恥」である。義理を果たさないと、恥を知らない人間として世間の嘲笑を買う。だから、日本人は義理を尽くす─』という要約は、端的かつベネディクトの意を簡易的に汲むにはすばらしい要約。
Posted by ブクログ
日本人が相対的価値観にとらわれる理由
この本は日本人が相対的価値観(世間の目、人からの評判、身分、貧富の差等)に囚われがちであり、だからこそ相対的価値観とは逆の絶対的価値観(自分の軸で生きる)を説いている自己啓発本が人気が出る理由が分かった。
気付き
・恩と愛の違い
恩は返さなければならない、または返したい
愛は見返りを求めない
日本人は恩のほうが強い。これは義務感的な役割も持つ。
・恥の文化
日本人は自分が馬鹿にされたり、けなされたり、恥をかくことを気にする。
これは道徳心が自分の中にあるか、外にあるかが大きな要因。
キリスト教ならば、自分は常に神に見られているので自分の中に道徳を置く
日本は神の教えがないため、世間の目が道徳となる。だから空気を読むとか、同調圧力が一層強い。
評価の基準を外に置くことが多い理由が分かった。
このように本で書かれてしまうと、国民性なので仕方ないとも思える。
ならば、なおさら相対的価値観を持つのではなく、自分の軸で生きていく絶対的価値観で生きていくことの重要性が理解できた。
Posted by ブクログ
面白かったー
訳も読みやすかった。
特に第12章の子育てと第13章(終章)の戦後日本についてがいい。
第12章では西洋人から見れば矛盾している日本人の態度の豹変ぶり(戦時中の愛国精神から戦後の占領統治に従い得ないと予想されていたが、的外れに終わったなど。他にも多々ある。)の謎が解ける。
第13章は戦後日本の平和主義への方向転換に矛盾はないことを本書を通したまとめとして書く。よい。
個人的に、先日まで試験に合格するかしないかでかなり気を揉んでいたのだが、これが日本人的な思考だと論じられて、世界には同じ局面に対峙してもこんなに精神をやられないんだなと、自分が小さく見えたし、気持ちが軽くなった。
Posted by ブクログ
500P超えの大著。
アメリカの文化人類学者ベネディクトによる『菊と刀』
アメリカとの第二次世界大戦中に、
敵国日本の情報収集の意を担ったこの研究は、
表層的な日本の軍事行動ではなく、
日本人の行動原理を深層から理解するために、日本人の文化発祥から当時に至るまでの歴史的観点で、日本人ならではの文化特性を鋭く考察した著書だ。
この本は1996年の時点で日本語版だけで230万部を売る、1946年からのロングセラーとなっている。
1945年第二次世界大戦終結の翌年に出版されている。
日本人をアメリカ人の社会文化構造の価値観の中から判断するのではなく、
日本人の社会文化構造の根底からの理解に努め、その流れや枠組みを汲み取り対象を見ようとしており、だからこそのアメリカとの違い、日本人であるからこその様々な特徴が浮き彫りになって見えてくる。
日本人とはこうゆうものなのか、逆に日本人が日本人を理解するような、非常に腑に落ちる感覚になる。
秩序と階層的な上下関係を重んじる日本人。
自由と平等を重んじるアメリカ人。
ジョン・ロックの『市民政府論』などに見える「自由」、「平等」の自由主義や民主主義的なバックボーンをもつアメリカとは、日本は背景が違うのだ。
戦後70年以上たつ今観るからこそ、
アメリカナイズされた日本、だがアメリカナイズしきらない日本、どこに日本人本来の特性があるか。その一点が眼前に観えてくる。
時を経ても「忠臣蔵」に対する義理を重んじる姿に感銘を受けずにはいられない。
今もまだ日本人には「義理」の心が息づいている。
こういった日本とアメリカの本質的な違い
ということをテーマにおかれた主題
アメリカ人にとっては理解不能な、一見矛盾しているように見える日本人の行動原理には、日本人には矛盾ではなくそこに秩序があり
そういったようなことを真に理解していくには
物事の表層的なことだけを捉えても理解は浅く、
歴史、宗教、政治、経済などのあらゆる全人間的知識を総動員して読み抜く必要がある。
そういった気概で向き合う価値のある骨太な良書である。
本質を見抜くには、多角的視点は不可欠だ。
Posted by ブクログ
この本は一つの文書でまとめることができる。
「日本は恥の文化でアメリカは罪の文化である」
これはつまり人々の善悪の判断基準がどこにあるのかということである。
日本の文化では周囲の人々からの評価によって生じる「恥」が道徳基準となる。
アメリカの文化ではキリスト教をベースとした唯一神への罪悪感「罪」道徳基準となる。
こうした違いが生まれたのは拠り所とする宗教観の違いである。日本は長らく儒教をベースとした家ごとの社会を形成し、その中で父親が権力を持つという構造になっていた。その父親の面子を立てること、家名に恥じることをしないことこれが行動の指針となってる。恥というのは周りの評価があることによって生じるものである。
一方でキリスト教には唯一絶対の神という存在を基礎として、神の教えが唯一の正しい基準であるとする。そして神との誓いを破った時に生じる罪の意識が人々の行動指針となる。罪悪感とは周囲に人がいなくても生じるものである。それは自分との問題であり、神との対話の中で生じる両親の呵責なのだ。
この著作のすごいところは、上記の主張が豊富な事例をもとにして補強されていることである。しかも著者はこの本をまとめるために、約3ヶ月間の急ピッチで情報を集めているという点である。
印象的だったのは、義理の論理を御恩と奉公だけでなく、不当なことをやられっぱなしにさせないという考え方に発展させている点で、日本人の恥や名誉に対する意識の高さが窺えた。
Posted by ブクログ
日本という国を見渡す力をつける読書。
第二次世界大戦時下、アメリカの文化人類学者であるベネディクトが戦時情報局の命により書き上げた敵国日本人についての考察本。
①”菊”の盆栽における美的感覚
②”刀”をあがめ武士をうやうやしく扱う風習
どちらも日本人だ矛盾するものでないと本書を通じて説明していく。
執筆から時代が流れ、現在では欧米文化に浸った私にとってアメリカ人はこんな気質(罪の文化)で、日本人はこんな気質(恥の文化)のような画一的分類には少し違和感を感じた。
しかしながら、さすが読み継がれる古典だけあって、「応分の場を占めること」や「子どもは学ぶ」の章は日本人の本質を捉えていた。
「応分の場を占めること」日本人は(封建社会)上下関係の中での役割を厳格に定めることに慣れており、安心と平穏を保てる。洗脳教育により”すばらしい新世界”に生きる人々が頭に浮かんだ(汗
何が凄いかって、本書は日本に来たことないベネディクトが、「源氏物語」や「忠犬ハチ公」、「坊ちゃん」、「思い出の記」などの書物から日本人をこんな人だと軍事統治資料レベルまで書き上げたことだと思う。
恥を知れ!恥を
「子どもは学ぶ」協調性や場の空気を読む力が高い理由は子ども時代に育てられた教育により「恥」を恐れるようになるから。
この感覚は日本人だからこその感覚らしい?
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