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Posted by ブクログ
植民地アメリカの人々を独立戦争へと駆り立てた冊子の新訳。
我々からすると、アメリカとは超大国であり、独立戦争は歴史のなかで当然の通過点と思ってしまうが、当時のアメリカ住民からすればまだまだ発展途上の不安定な土地だったのだろう。この本を読むと、そうした感覚が伝わってくる。
著者トマス・ペインは、そんな彼らを力強く鼓舞し、宗主国のイギリス王室をかなりこき下ろす。ちょっと、彼の身の安全が心配になるレベルで、口汚く断罪している。
だがしかし、独立を促す説得力はある。独立の必要性、しなかった場合のリスク、なぜそれが今すべきなのか、をしっかり説明している。特に、著者も触れているがイギリスがまさに課税や軍事力行使で抑圧してきた直後にこれが世に出たというタイミングがよかったのだろう。抑圧が実感されているからこそ、従属するデメリットのリアリティが伴ったのだ。また、子孫たちにツケを回す、とも繰り返し触れられている。これも作用したと思われる。
コンパクトながらも、アメリカ、そして世界史を動かした一冊。
Posted by ブクログ
世界を変えた一冊として、歴史教科書でも取り上げられることのある、言わば檄文の書。
第一章、第二章では、国家の役割の一般論から始まりイギリスの統治形態について、そして旧約聖書を引き合いに、君主制、世襲制の理不尽さを糾弾する。
「以下、私が示すのは単純な事実と平明な主張、そして常識である」として、著者は論を進めていく。
第三章では、イギリスとアメリカの関係に考察を進め、アメリカに対するイギリスの強圧的姿勢を批判するとともに、一時的な妥協ができたとしても、アメリカはイギリスの政治体制においては従属的な客体にすぎないと、その関係性を喝破する。
また、本章では、独立に当たっての見取り図として、大陸会議の招集や大陸憲章の制定等についても論述している。
いよいよ第四章では、今が独立の絶好の機会であることをアジる。
全体を読んで印象に残ったこと。
第三章冒頭のパラグラフでも、「現在のことにとどまらず未来にも視野を大きく広げてもらいたい」と言っているが、「自分たちの子孫に対する責任を引き受け、観測点を何年も先に設定して世の中をのぞくべきである」(64頁)と、著者の後代の人間に対する責任意識、歴史に対する思いというものを感じさせられた。
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