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イギリスと植民地アメリカの関係が悪化するなか、王政、世襲制の非合理性を暴き、国家を冷静な眼差しで捉えたペイン。独立以外の道はなしと喝破した小冊子「コモン・センス」は世論を独立へと決定づけ、アメリカの歴史を、ひいては世界の歴史を動かした。ほかペインの筆の力が冴える「アメリカの危機」「厳粛な思い」「対談」も収録。
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Posted by ブクログ
イギリス生まれ、コルセット職人の子の労働者階級出身の知識人のトマス・ペインがアメリカ独立戦争蹶起を促した檄文の出版である。彼自身特別なわけではないものの、当時のムードがよく言語化されているらしい。 訳者があとがきで提起している「今の日本もそうなっていないか」という問題意識は、その国債発行が1. ...続きを読む土建国家時代の「誰も住んでいない限界集落にぴかぴかの国道が通っている」過剰なインフラ投資、2. 民主党-安倍政権時代の「死体に赤ん坊を食わせる」医療福祉補助金等、純然たる無駄・詐欺に繋がっているならば全くそのとおりである。 【引用】 - アメリカの大義は大部分、全人類の大義でもある。 (p. 11). - 国家の由来や起源は以上の事情に求められる。一言で要約するなら国家というものは、道徳心に頼ったのでは世を治めることができないからこそ必要とされる制度なのである。(p. 17). - 野獣ですら、自分の仔をむさぼり食いはしない。(p. 43). - イギリス国王は悪意をもってあらゆる倫理上、人道上の戒めを破り、情けと良心を踏みにじり、習い性となった尊大かつ酷薄な態度により、世の憎悪を招いてきたのである。(p. 85). - アメリカが欲していたのは(今もそうだが)力ではなく、力を正しく行使することである。(p. 105). - 生き残っているのが希望と勇気だけとなった冬のさなかに、一つの共通の危難に気づいて覚醒した市民、国民が、反撃、撃退のために躍り出てきたと、後世に語り継がれてほしい。(p. 107). - 私自身の議論の筋道は、私自身にとって光線と同じようにまっすぐで明らかである。少なくとも自分の確信する限りにおいては、世界中のすべての富をやると言われても私は、攻撃的な戦争を支持する気にはならなかったであろう。なぜなら、それは殺人だと思うからだ。しかし強盗に入られて、家財を焼かれ、たたきこわされたとしよう。そして、私や家族、使用人が命を取られるか、あるいは「命を取るぞ」と脅されたとしよう。また、強盗の絶対的な意志にいかなる場合でも従わせると脅されたとしよう。そのような事態になっても私は耐え忍ばなければならないのだろうか。 (p. 108). - 諸君がイギリス国王に対する服従を続けてきたのは奇跡である。諸君の自由はこれまで、首の皮一枚で命脈を保ってきた。諸君のイギリスとの結びつきは不自然かつ不必要である。(p. 124). - 私の知るところでは、この国は神の計らいにより、地球上のあらゆる方面から邪魔者扱いされた勇気ある人々を受け入れるよう宿命づけられている。 (対談(一七七六年)p. 121). - わが国のこのような事態を知ったらペインはどのように反応するであろうか。きっと、「イギリス国王は植民地人に対して酷薄だったが、君たち日本人は自分の子孫に対して、それ以上に酷薄である」と、厳しい叱責の言葉を投げかけてくるのではないか。 (訳者あとがき、p. 140).
アメリカ独立に向けた根拠、考え、思想が迸っている。イギリスのこき下ろし加減が容赦ない。 数世代後の世代までの責任を考えた上でのアメリカ独立の機。 翻って、今のアメリカ政治・大統領や取り巻き、外交を、このコモンセンスとはかけ離れているのか、それか極端に行ったのかと、想像しながら読み進める。 そしても...続きを読むちろん、日本の、将来への負債を増すばかりの政治のことも。 当時の思いと、そこから今を考え込んでしまう本。
植民地アメリカの人々を独立戦争へと駆り立てた冊子の新訳。 我々からすると、アメリカとは超大国であり、独立戦争は歴史のなかで当然の通過点と思ってしまうが、当時のアメリカ住民からすればまだまだ発展途上の不安定な土地だったのだろう。この本を読むと、そうした感覚が伝わってくる。 著者トマス・ペインは、そん...続きを読むな彼らを力強く鼓舞し、宗主国のイギリス王室をかなりこき下ろす。ちょっと、彼の身の安全が心配になるレベルで、口汚く断罪している。 だがしかし、独立を促す説得力はある。独立の必要性、しなかった場合のリスク、なぜそれが今すべきなのか、をしっかり説明している。特に、著者も触れているがイギリスがまさに課税や軍事力行使で抑圧してきた直後にこれが世に出たというタイミングがよかったのだろう。抑圧が実感されているからこそ、従属するデメリットのリアリティが伴ったのだ。また、子孫たちにツケを回す、とも繰り返し触れられている。これも作用したと思われる。 コンパクトながらも、アメリカ、そして世界史を動かした一冊。
聖書ネタを用いながらアメリカ独立の必要性を訴えたパンフレットで,簡潔で明快な文章だと思う。短いながらも,ジョン・ロック等のの思想の実践としていい手本になっている。
世界を変えた一冊として、歴史教科書でも取り上げられることのある、言わば檄文の書。 第一章、第二章では、国家の役割の一般論から始まりイギリスの統治形態について、そして旧約聖書を引き合いに、君主制、世襲制の理不尽さを糾弾する。 「以下、私が示すのは単純な事実と平明な主張、そして常識である」...続きを読むとして、著者は論を進めていく。 第三章では、イギリスとアメリカの関係に考察を進め、アメリカに対するイギリスの強圧的姿勢を批判するとともに、一時的な妥協ができたとしても、アメリカはイギリスの政治体制においては従属的な客体にすぎないと、その関係性を喝破する。 また、本章では、独立に当たっての見取り図として、大陸会議の招集や大陸憲章の制定等についても論述している。 いよいよ第四章では、今が独立の絶好の機会であることをアジる。 全体を読んで印象に残ったこと。 第三章冒頭のパラグラフでも、「現在のことにとどまらず未来にも視野を大きく広げてもらいたい」と言っているが、「自分たちの子孫に対する責任を引き受け、観測点を何年も先に設定して世の中をのぞくべきである」(64頁)と、著者の後代の人間に対する責任意識、歴史に対する思いというものを感じさせられた。
ネイティブな人々から暴力で土地を奪取しておいて、イギリスからの独立は無理やり正当化しようとする宣伝書。アメリカ人の傲慢さの発芽がここにある。結局は白人クリスチャン中心思想による狂った”正義感”でしかないことがよくわかる。
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