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バラモンの息子シッダールタは、早くから精神修養の修業を積んでいたが、心の渇きは癒されず、身分を捨てて親友ゴーヴィンダとともに苦行の旅に出る。托鉢生活では、すでに悟りを開いていたゴータマ・ブッダに出会い、彼の説法を聞くものの、シッダールタは満足しない。むしろブッダや親友から離れ、俗世で遊女カマラーとの快楽に溺れ、そのための金を商売で稼ぐようになるが……。自己の解放と世界の真理を求めた青年の魂の旅路。
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Posted by ブクログ
ヘルマン・ヘッセ、高校時代以来か? シッダールタといえば、ゴータマ・シッダールタ、お釈迦様ですが、これとは別人のシッダールタという名の青年が主人公。ただし、本当のブッダも登場します。 読み終わったあと、訳者あとがきを読んで、そこで紹介されていたBGMを流しながら、訳出のこだわりを踏まえて、もう一度最...続きを読む初から読み始めました。 ヘッセ自体や原始仏教への深い理解による新訳、きめ細かい注釈、とてもよいです。お話もとても味わい深かったです。おすすめ。
シッダールタという主人公の青年が、ブッダに会い彼の教えを聞いたのち、敢えてその教えに従うことを避け、自分で考え自分で歩いていくことを決意する場面を読んだ。 それは、決して反発心ではなく、むしろブッダに対する尊敬の念がさせるものであった。そこに至る思索についての表現は美しく、心を清々しくさせる。
自我からの解脱を目標に、苦しみを乗り越えて道を切り開いていくシッダールタの姿に、引き込まれました。 宗教的内容であることを予想し、読み始めは身構えましたが、その心配は無用でした。 苦行を3年間一緒に積んだシッダールタと友人ゴーヴィンダは、違う道を進みます。ゴーヴィンダはブッダの弟子となります。 ...続きを読む 苦行で身につけたもの(断食、待つ、考える)を遊女のカマラー、商人との出会いの中で手離すことになったシッダールタ。そのかわりに得たものは、官能の喜び、快適な暮らし、富(とみ)でした。しかし、シッダールタの心は満たされず、その後、彼に大きな影響を与える人物との出会いがあり、彼は変わります。 後半は、一人の人間の覚醒だけでなく、親子のあり方を考えさせられる場面もありました。“可愛い子には旅をさせよ”“若い頃の苦労は買ってでもしろ”という、ことわざが思い出され自分自身の経験と照らし合わせて、納得のいくものでした。 世の中の真理を、川から学びとっていくシッダールタ。『戦争と平和』の登場人物の一人であるアンドレイの心の変容をも思い出されました。 シッダールタに共感でき、ここまで自分が生かされて本書に出会えたこと、本当に良かったと思います。心揺さぶられる、芸術的感性を刺激される読書体験でした。現時点の私にとって傑作中の傑作です。観念のみで至った境地が書かれているのでないからです。苦しみ抜いた者だけがその先に見ることができる、辿り着ける境地を描ききっています。今年最高の一冊の本になる予感です。 以下、余談ですが、 舞台『シッダールタ』の公演があること、本書を読み始めたときに知りました。 東京公演(2025.11.15〜12.27) 兵庫公演(2026.1.10〜1.18) 草彅剛主演ということで、同じ中学校出身なので(ただそれだけの理由で、お友達でもないのですが)頑張ってほしいと思っています。
ドイツの作家による、初期仏教の時代をモチーフにした、仏教とは直接的には関係ない創作小説 インド哲学だけでなく禅などの大乗的な感じも含んでおり、覚めた視点の鋭い考察もあり、人間の内面的なことや世界の記述に挑戦している興味深い内容
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シッダールタ
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ヘッセ
酒寄進一
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