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ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
等差級数的にしか増加しない食糧に対して、等比級数に増加する人口。登場人物のネズミたちには、本国イギリスのお株を奪う痛烈な皮肉が込められている。「人口論」は決して、増え続ける人類を救済する方法論などではない。「人口論」においては、救貧院のような慈善活動や救貧法は明確に否定され、ただただ自然が淘汰するに任せることが最善策であると説かれるのみである。マルサスと同じ時代を生きた人々は、目を背けたくなるような絶望に打ちのめされていたことだろう。現代の価値観では非情に見える「人口論」であるが、本書では「ネズミの国で起こった物語」としてあたかもフィクションであるかのようにサクサクと読み進めることができるため
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Posted by ブクログ
ネタバレマルサスや人口論は学校で習ったので、ざっとは知っていたが、深くは知らなかった。
漫画なのでわかりやすい。
理屈は、かなり難解だ。
たぶん、僕は、ほとんど理解してなかったように思える。
結論を言うと、とても残酷だった。
なるほどと納得はできるが、なかなか受け入れがたい。
人口が、鼠算式に増え、それに対して、食料は足し算で増える。
故に、貧困は生じる。
悪や悲惨によって、その人口増加は抑制されるというのが基本的な骨子だ。
怖いところは、平等の精神による格差ゼロの社会は、平等に全人類を貧しくさせるというところだ。
この考え方は、今でも新しく。やはり、怖い。
漫画だから、リアルに実感を伴って伝わるのだ -
Posted by ブクログ
1789年にイギリスで刊行されたマルサスが著した古典『人口論』
人間の人口と食糧の関係性を法則として明確に提示した書物だ。
「人口は等比級数的に増え、食糧は等差級数的に増える」とマルサスは論ずる。
つまり人口はかけ算で増え、食糧は足し算的にしか増えないということ。
その前提にあるのは、
1つは、食糧は人間の生存にとって不可欠であること。
2つ目は、男女間の性欲は必然であり、ほぼ現状のまま将来も存続すること。
そして
こう結論づける。
人口の増加は食糧によって必然的に制限される。
食糧が増加すれば、人口は必ず増加する。
そして、人口増加の大きな力を抑制し、実際の人口を食糧と同じレベ