たまたま入った中古書店で安く売られていたので、購入して読むことにした。
本作を読む前に、ハムレットとマクベスを読んでいたのである程度は作者の傾向というものは理解していたが、本作はこの理解を上回っていた。
シャイクスピアの作品の中では一番好きかもしれないと思っている。
あらすじはあまりにも有名すぎる
...続きを読むが、一応簡潔に述べると、絶対に結ばれる環境にない男女の恋の行方を描いた作品だ。
そして、数々の苦難の先に、悲劇的な結末を迎えてしまう。
この結末を迎えるにあたり、まず思うのがここまで人を愛した事があっただろうかということだ。今の常識で考えると、相手に何か瑕疵があったりすると、結婚は無理ですね、という事になりそうだ。しかし、ロミオとジューリエットはどんな障害があっても諦めることはない。このメンタルの強さは見習いたいと思った。
ロレンス神父が何かとこの二人の恋の仲をもっていたのだが、最後の一か八かの賭けのような提案はもっと用意周到に行うべきであり、結果的に二人を死なせてしまう罪は重く、怒られるでは済まされない気がした。
まあ、細かいところを指摘したところで、本作の理解に何か重大な影響が出るわけではなく、全く無意味なのだが一応記載しておく。
全体として、運命への抵抗ということを強く感じた作品だった。生きていく上で、どうしても自分の置かれた環境や、境遇に生き方や考え方を支配されがちになる。しかし、それでも何とかその運命に抵抗していく事により、本当の自分の幸せや人生の目的が見つかるのではないか。こう思った作品だった。