あらすじ
ドン・ペドロは友人クローディオが持つヒアローへの恋心を知り、策を練って二人を婚約させるのに成功した。続けて独身至上主義のベネディックとビアトリスもくっつけようとするが、思わぬ横やりが入ってしまう……。
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原文特有の韻やリズム感を体感可
シェイクスピアの作品は韻やリズムも含めて評価されているが、翻訳だとなかなか味わうことができない。それは仕方ないことなので不満に思ってはいなかったが、この本では可能な限り韻を再現してくれており、また注で親切に解説してくれる。その分読み終わるのに時間はかかるかもしれないが、作品を当時の背景などを踏まえて深く理解できるはず。
Posted by ブクログ
リア王の悲劇の後は、軽い喜劇で心を中和。
序盤のビアトリスとベネディックの心を探り合うような辛辣且つ軽妙な掛け合いが楽しい。フェイクと姦計に振り回され一度は諦めながらもクローディオはヒアローを、ヒアローと侍女の作り話を聞かされたビアトリスはベネディックを愛することになる。二つの恋が悪意と善意のなかで撹拌されながら、やがて不純物が取り除かれ実を結ぶ。
「友情は不変といってよいが、色と恋が絡めば話は別になる。」”Friendship is constant in all other things,
Save in the office and affairs of love.”
Posted by ブクログ
原題 Much ado about nothing
(往年のTV番組「恋のから騒ぎ」は Much ado about love が副題だった。)
アラゴン大公のおかしな動機と、付人の聞き間違いと、大公への嫉妬に基づくドン・ジョンの悪意と、ベネディックとベアトリスの意地の張り合いと、いろんなものが相互に影響しあって、訳の分からないドタバタ劇となるも、最後は大団円、という喜劇のお手本の様な内容。
注釈を読む限り、細かいところでは、いろいろと辻褄が合っていないところが多いようで、大御所作家が年月を掛けて書き上げた名作というよりは、当時の売れっ子脚本家(宮藤官九郎のような)が短い時間で書き殴った即興作品、といった感じだろうか。