作品一覧

  • 溺れるものと救われるもの
    4.5
    1巻1,100円 (税込)
    アウシュヴィッツ体験を描いた名著『これが人間か』から約40年、記憶の風化を恐れたレーヴィは、改めて体験を極限まで考え抜き、本書を書いた。だが刊行の1年後、彼は自死する。生還以来、罪の意識と戦い、証言し続けた彼は何を思い、生きたのか?
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    4.6
    1巻1,600円 (税込)
    第2次世界大戦時の強制収容所から生還した著者が、その体験を人間の極限状態として克明に、静かに描き出す。35言語に翻訳され、世界中で読み継がれてきた古典的名著。旧版『アウシュヴィッツは終わらない』を改題し、増補、完全版としておくる。
  • 天使の蝶
    4.1
    1巻968円 (税込)
    先史時代の鳥類のような奇怪な骨を見つけたのは、廃墟と化した大戦後のベルリンのアパートの一室だった……化学者でもあったプリーモ・レーヴィの世界観が凝縮された表題作「天使の蝶」をはじめ、傑作「ケンタウロス論」、「転換剤」「完全雇用」など15篇。アウシュビッツ体験を核に問題作を書き続け、ついに自死に至った作家の、本邦初訳を多数収録した傑作短編集。

ユーザーレビュー

  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か

    Posted by ブクログ

    「これが人間か 」と問われたら、その通り人間である、としか言いようがない。例えば今のガザを見ても、そういう思いが強くなる。「被害者だと思っていたら加害者にもなってしまった」。アウシュヴィッツで非業の死を遂げた人たちの意味が薄められてしまったようで残念だ。まことに、「アウシュヴィッツは終わらない」。
    「人間の極限状態」などと大げさに構える必要はない。日常生活の場においても、「被害者だと思っていたら加害者にもなってしまった」という話はたくさんあるようだ。
    それほど、どんな人間でも抱えている闇(正と邪を合わせ持つこと)は底なしに深い。

    若干話が逸れるが、ハンナ・アレントによると、アウシュヴィッツの

    0
    2025年10月01日
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か

    Posted by ブクログ

    事実は小説より奇なりというが、想像を絶する体験談
    証言として自分が見聞きしたものしか記述せず、そこに意見もほとんど載せなていない、淡々とした灰色の文章 終わりという名の希望にさえ光が見えなかった

    1973年、改訂版に収録された若い読者に答えるはラーゲルから28年後、収容所は世界各地にあった
    2024年 まだある

    0
    2024年07月02日
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か

    Posted by ブクログ

    かれらは人間ではない。

    そこには一日に何万も
    の人間を焼く焼却炉が
    あった。

    三才の少女エミーリア
    が、

    好奇心に溢れ朗らかで
    見えっぱりで頭のよい
    少女が、

    一顧だにされずガス室
    に送られて、

    呆気なく殺されていく。

    活発な少女の姿が幼き
    日の娘の面影と重なり、
    胸が塞がりました。

    体験した者にしか綴れ
    ない貴重な記録書です。

    戦争がもたらす悲劇を
    心に深く留めて・・・。

    1
    2023年06月10日
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か

    Posted by ブクログ

    アウシュビッツの記録として「夜と霧」という映画があり、それを観た後で呼んだので、内容が勝手に脳内で映像化されて、メンタルにきつかった。気軽が気持ちで読んじゃダメなやつだった。著者の方が自殺されたことを知って、さらに追い打ち…

    1
    2023年01月10日
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人間の生死を他人が勝手に決めて殺していく状況に心の底からおぞましさを感じた。「選別」によって死を決定された者の描写があまりにも苦しかった。
    ろくに栄養もなく、体力がなく、ものを正常に考えられない状況で、自分の死を宣告される。著者は、あまりにも疲れ切っていて、絶望などという感情も感じなくなったと記述している。
    著者の言うように、彼らは逃げようとか、最後に反乱を起こして逃亡のチャンスをつくるだとか、そんな力はもうどこにも残っていなかったのだろう。
    自分の身近な者の生死が不明、またはすでに死んでしまっている人が多い状況で、生きようとする本能は極限まで弱まっていたに違いない。

    何らかの思想・信仰をも

    0
    2022年11月21日

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