ねじの回転

ねじの回転

小説・文芸
1,056円 (税込)

5pt

両親を亡くし、英国エセックスの伯父の屋敷に身を寄せる美しい兄妹。奇妙な条件のもと、その家庭教師として雇われた「わたし」は、邪悪な亡霊を目撃する。子供たちを守るべく勇気を振り絞ってその正体を探ろうとするが――登場人物の複雑な心理描写、巧緻きわまる構造から紡ぎ出される戦慄の物語。ラストの怖さに息を呑む、文学史上もっとも恐ろしい小説、新訳で登場。

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ねじの回転 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    幽霊は本当にいるのか…?
    子どもたちは本当に無垢なのか…?
    一体、誰が本当のことを言っているのか…

    疑い深い私には、登場人物が全員怪しく見えてくる。
    ずっと読みたかった作品。
    新訳のおかげでとても読みやすかった。

    何が正しいのか。
    そもそも、正解なんてあるのかな…。

    まるで『料理の鉄人』のように、極上の食材も、道具も、火力もすべて揃えられていて、「さあ、あとはご自由に」と差し出されたような、妄想好きにはたまらない作品だった。

    どんな説を考えても、いや、それはさすがに無理では?とならない。
    そんなどんな説でも成立してしまうような謎の残し方が本当にすごい。
    不正解はないんじゃないかとまで思えてくる。

    最近、妄想ネタばかり書いている気がする。
    でも、こういう作品を読むと妄想が止まらなくなるんだから仕方ない。

    ※ここからは、ネタバレと勝手な妄想です。
    頭の中を整理するつもりで、私の妄想した説を書きました。

    ※妄想ですが、ネタバレも含まれているので、未読の方はご注意ください。









    実は誰も死んでいないのでは……。
    亡くなった2人とマイルズは本当は生きているのでは…。

    ミステリ好きとしては、これがいちばん面白い。

    使用人の男と前の家庭教師が関係を持っていたことが叔父にバレた。
    さらに、使用人の男がマイルズ(兄10歳)に悪さをしていたことも知った。
    叔父は、このことを表沙汰にしたくない。
    そこで2人を解雇し、世間には〈死んだこと〉にした。
    だから2人が現れても、子どもたちと家政婦は見えないふりをする。けれど、夜中にこっそり会っていた。
    それを見た家庭教師(私)は、〈死んだはずの2人が自分にだけ見えている〉と思い込む。

    マイルズは死んでしまったのか…?
    〈邪悪な心〉が死んだという比喩で、〈元の無垢〉な子どもに戻ったということなのでは……?

    はじめにこの物語を朗読しているダグラスという男はマイルズ?
    ダグラス=マイルズ、妹の家庭教師=「私」と考えると、年齢がぴったり合う。
    そう考えると、マイルズが生きているという説にも辻褄が合う。

    そもそも私は幽霊を信じてないので、こんな妄想になってしまったのかもしれない。
    他にもいろんな説が妄想できるような謎がたくさん隠されている。

    0
    2026年08月11日

    Posted by ブクログ

    まずは自画自賛から

    いやー面白かった
    そしてこの物語を面白いと感じられる自分、なかなかの読書人ではなかろうか

    非常に読む側の技量を試される物語だと思いました
    読む側の技量って何か知らんけども

    多くのことを読み手の想像力に委ねてくるんです
    それでいて空白が少ないんですね
    非常に緻密に計算しつくした上で必要最小限のことしか語ってないんですが、とてもたくさんのことが込められていて、読者はその想像力の及ぶ範囲で様々なことが読み取れる文章に感じました

    読む人によって怪奇物語であったり、謎解きミステリーであったり、恋愛物語であったりとくるくると姿を変える物語
    そしてそれは全て意図して書かれている
    さらに言えばいろんな人の感想を聞いてみたい物語でした

    短い物語なんで是非とも手に取って頂きたいなと思いました
    特に19世紀のイギリスの文化や階級社会なんかの歴史的背景に詳しい人が読んだらさらに色々なことが読み取れるんじゃないかと思い、またちょっと違う沼にはまりそうで恐いですw

    それにしても『光文社古典新訳シリーズ』凄いなこれ
    歴史に残る古典の名作を新訳で読むってことに完全に魅入られたてしまった気がします
    どんどん読むぞ、待ってろ光文社!

    0
    2023年02月15日

    Posted by ブクログ

    19世紀から20世紀にかけて活躍したヘンリー・ジェイムズ中期の傑作。ゴシックホラーの様式を借りながら、無意識や語られぬもの=幽霊を巡って狂わされていく家庭教師とその家の子供2人。
    Netflixでドラマ化されたように、単純にホラーとして読むことができる作品である一方で、怖いのは亡霊が出てくるからではなく、亡霊の出現を契機として破綻をきたしていく、家庭教師と2人の子供の顛末だろう。解説で言及されているように、それは19世紀末に登場したフロイト理論や心霊主義の影響を色濃く受けていて、どことなく亡霊によって狂わされていくマクベスを思い出させる。
    著者のヘンリー・ジェイムズのお兄さんは哲学者のウィリアム・ジェイムズであり、とんでもなく文化資本を持つ家に生まれた人。解説によると『鳩の翼』『大使たち』『金色の盃』が後半期における傑作小説も面白いようなので、入手して読みたいと思う。今作自体も再読すると新たな発見がありそうなので、機を見て改めて読みたい。

    0
    2023年01月23日

    Posted by ブクログ

    セクシュアリティ、階級、社会構造をいろんな視点から見て、いろんな解釈を読者に与えるような本だと感じた。
    面白かった。

    0
    2022年11月14日

    匿名

    購入済み

    古いお屋敷のクリスマスイブ、赤々と燃える暖炉の前で語り始められる怖い怖い物語。
    19世紀のイギリスのお屋敷というだけでも楽しそうなのに、緊張と恐怖もしっかりと味わえる。
    ゴシックホラーの最高峰。

    0
    2019年11月20日

    Posted by ブクログ

    霊を見た人の手記を他者が朗読するという形式の物語。ゆえに現実と虚構の境界がゆるゆるで、この本が多層的に理解可能になっている。いろんな気づきがあった面白い本です。

    0
    2016年02月07日

    Posted by ブクログ

    なんだろう、天使のような子供たちが一転、悪魔のような振る舞いを見せ始める、というモチーフはこの作品からなんだろうな。

    確かに恐怖を感じるかも知れない、先生なような潔癖そうな人物は特に。
    子供の不気味さを感じる。
    幕切れはあっけない。

    恐怖を感じるのは、あくまで子供の悪意にであり、底知れなさ。
    2人の幽霊には恐怖は覚えない。

    巻末の解説で詳細に語られるが、2人の幽霊の怖さは、社会的にタブーな領域に踏み込む怖さらしい。


    恩田陸が大好きそうだが、恩田陸は怖いと言うより賢い子供が出てくるし、子供視点で話が進む。

    0
    2012年11月11日

    Posted by ブクログ

    ひええ。おそろおもしろい。イギリス。お屋敷。家庭教師。ひたひたと忍び寄る恐怖。恐ろしいのは、亡霊か、人間か。みんな大好きイシグロ作品でお馴染みの信頼感がある土屋訳。圧倒的に美しい日本語。読書会の課題本にしたい。
    (再読)一日で二回も読んでしまった本は久しぶり。

    0
    2012年10月06日

    Posted by ブクログ

    『ねじの回転』とは、うまいタイトルをつけたものです。ただ、終わり方が”ねじった”まま終わってしまうので、読者としては、まるでネジ舐めした状態で放置されてしまったかのよう。ただ、natsuさんがおもしろかったと書いていたとおり、先が気になって読んでしまう面白さで、とても楽しめました。

    あらすじ:
    物語は、あるクリスマス・イヴの夜、暖炉の前に集った男女が語り合う怪談話の最中でのこと。一人の男が不気味な出来事を綴ったある女性の手記を読み聞かせるところから始まります。その手記の筆者の女性は、かつて田舎の古い屋敷で、二人の子どもの家庭教師をしていました。彼女は働く条件として、雇い主である子どもたちの伯父から「いかなる事態が起こっても彼には一切連絡しない」ことをいい使っておりました。

    屋敷に着いた彼女は、そこで働くグロース夫人と懇意になったり、教え子となる二人の美しい兄妹、マイルズとフローラにすぐに惹かれることになります。ただ、マイルズに関しては、学校に通っていたのに放校になって帰ってきたことが気掛かりではありましたが。

    そんな中、彼女は屋敷で不穏な気配を感じるようになります。グロース夫人の語るところによると、この屋敷に勤めていた召使いのクイントと前任の女性家庭教師であるジェスルが不可解な死を遂げているとのこと。やがて彼女は、亡霊となった二人が子どもたちに取り憑いているのではと思い至り、子どもたちを守ろうと決意しますが……。

    と、全体的に不穏な雰囲気と不思議な緊張感が終盤まで続くストーリー展開に引き寄せられますが、読み終えるとその結末は曖昧模糊とした亡霊の謎も相まって、なんだかスッキリしない。ただし、その亡霊を認識しているのが誰なのか、また大袈裟とも思える子どもへの偏愛、そして日記を書いた本人が既にこの世にいないこと、さらには日記に書かれている事を全て正しいと思うのは誤りなのではと思うと、『ねじの回転』のタイトルがしっくりきます。まるでゴシック・ホラーの形式で綴られた、著者のイタズラに翻弄されて、読者の”頭のねじ”の締まり具合を嘲笑われているかのようにも思われます。最初に”ネジ舐めした状態”と書いたのは、自分としては、P235を家庭教師が”本当にしてしまったこと”に書き変えると……可愛さ余って……ということなのかなと。あくまで個人的な推測ですけど、気狂いな家庭教師による○人じゃないかと思っていますが真相やいかに?ホームズが生きていた時代なので、ちゃんと仕事しなさいとまで思った自分は考えすぎでしょうか?それにしても、残酷なシーンも無ければ、読み手を怖がらせようとするわざとらしさも無いのに、妙に情景が脳裏に残る著者の書きようには感心しましたね。

    ところで、古典の宿命で複数社から出版されている中で、光文社古典新訳文庫を選んだのはただの消去法です。新潮文庫は、2人の子どもの幽霊がこっちを見ていてヤダなと……読んでみて壮大な勘違いでしたが(笑)。
    あと、岩波文庫は『デイジー・ミラー』とのカップリングで、タイトルが『ねじの回転 デイジー・ミラー』なのに、ページを開いたら『デイジー・ミラー』『ねじの回転』の順に掲載されていました。訳者は『アスパンの恋文』『ワシントン・スクエア』の行方さんなので好きですが、たまたま腹の虫の納まり具合が悪かったのか、頭に来て買うのをやめたという、なんともまあ、そんなこともあるのです。未読の『デイジー・ミラー』を読むときには岩波文庫にしようかな。

    0
    2025年05月31日

    Posted by ブクログ

    ヘンリー・ジェイムズ初読み。
    というかその御名すら寡聞にして存じ上げなかった。
    タイトルもジャンルを窺わせない謎めいたもので(原題:The Turn of the Screw)、これがゴシックの系譜を継ぐホラー小説の先駆にして心理小説の傑作でもあるとは、このタイトルからはとても判断できない。
    あっさりした文体ながら、そこから「え、こんな重大事をさらりと出す?」みたいな海外文学ならではのドライな意外性の味わい深さ。
    まあこんな楽しみ方は邪道なのだろうが、近年においても何作も映画化されているのは本物の証左。

    0
    2025年05月17日

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