イギリス人の患者

イギリス人の患者

王に名を消し去られた風、部族ひとつを溺れさせる砂の海、泳ぐ人々が壁一面に描かれた泉の洞窟――妖しくも美しい情景が、男の記憶には眠っていた。砂漠に墜落し燃え上がる飛行機から生き延びた彼は、顔も名前も失い、かつて野戦病院だった屋敷で暮らす。世界からとり残されたこの場所に、一人で男を看護する女性、両手の親指を失った泥棒、爆弾処理班の工兵と、戦争の癒えぬ傷を抱えた人人が留まり、男の物語に耳を傾ける。それぞれの哀しみは過去と現在を行き来し、記憶と交わりながら、豊饒な小説世界を展開していく。英国最高の文学賞、ブッカー賞五十年の歴史の頂点に輝く長編。/解説=石川美南

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

イギリス人の患者 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「教皇選挙」を観て、レイフ・ファインズ熱が再燃。
    自分的No.、最も美しく儚い姿だった「イングリッシュ・ペイシェント」を思い出した。
    原作は読んでいなかったな、ということで手に取る。

    本書の解説にもあるが、映画と小説はかなり別物であった。
    なので、映画が好みだからと言ってこちらも気にいるかは別問題

    0
    2025年05月09日

    Posted by ブクログ

    読んでいる際の雰囲気が池澤夏樹さん著の”夏の朝の成層圏”に似ている気がしました。
    両方ともなんとなくモヤモヤしている気持ちへの処方箋として良いのではと思います。

    0
    2024年11月30日

    Posted by ブクログ

    1992年のカナダ総督文学賞とブッカー賞受賞。2018年にブッカー賞50周年記念の歴代受賞作で最も優れた作品として、ゴールデン・マン・ブッカー賞受賞。『イングリッシュ・ペイシェント』の名で映画化され、アカデミー賞9部門受賞しています。

    著者はスリランカ生まれのカナダ在住。カナダ文学ですぐに思い浮か

    0
    2024年04月07日

    Posted by ブクログ

    あー。すごい。すごい、これ。それ以外まず言葉が出ない。
    ブッカー賞を受賞した中でも最も素晴らしい作品を選ぶという企画の中で選ばれた本作。ブッカー賞オブブッカー賞。

    「イングリッシュ・ペーシェント」という題で映画化され、かつアカデミー賞も受賞したとのことだがその筋に疎い私はそんなことも知らず。
    この

    0
    2024年03月10日

    Posted by ブクログ

    漂うような不安定さ…が読後の第一の感想。
    美しくはあるけれど、時間も場所も目まぐるしく変わり、浮かぶ画像もゆらゆらと揺蕩うようで。

    この物語りは読むものを選ぶ。そう言われる所以が良くわかった。おそらくは、脈絡の無いような物語りと物語りが続き、かつ、過去と今とが入り乱れて、尚且つ、美しくはあるけれど

    0
    2025年04月05日

    Posted by ブクログ

    強いイメージをよびおこす美しい小説には違いないのだが、消化しきれなかったかも。詩的散文か。実はわたくしのように詩がわからない人のための詩なのかもしれないが

    なお、フォーサイスの漏らしたという感想は、わたくしとしてもそんなこと言っても仕方ないよなと思いつつも共感するところで、そうしたリアリズム二の次

    0
    2024年05月02日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    マイケル・オンダーチェのゴールデン・マン・ブッカー賞受賞作。新潮文庫から版元を代えての復刊。

    第二次世界大戦終戦間際のイタリア。ドイツ軍が撤退した後、廃墟となった僧院に記憶がなく全身に火傷を負った患者と、その看護をする若い看護師が住んでいる。そこに看護師の父の友人と、爆弾の解体工が加わり、四人によ

    0
    2024年02月04日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読書会の課題本で読みました。読むのに時間がかかって、主人公は砂漠に落ちて大火傷追ってベドウィンに助けてもらった後にイタリアの廃墟の病院で花と言う看護師と2人で療養しているところ、そこにカラバッジョ、インドのシーク教徒の名前なんだったっけ?爆弾処理が仕事。それぞれが戦争の傷を抱えつつも、戦争の空白地点

    0
    2025年06月10日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    独特の文体に慣れるまですごく読みにくかった。

    あまりに読みにくいので、ChatGPTに相談したところ、作者が詩人だから明確にストーリーを追うよりは、文章のイメージに浸るように読むのがおすすめって言われて、確かにそのほうが読みやすかった。

    現代パートが自分には全然面白くなくて、序盤で挫折しそうにな

    0
    2025年10月10日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ブッカー賞の一番(?)になったと聞いて,読んでみた。難しかったけど(何回イングリッシュ・ペイシェントのウィキペディアを見たことか),没入感がすごい。話としても面白かった。「原爆投下をラジオで聞いてぶち切れする」はないだろうと思ったけど,解説で言われてるみたいに知識の下地があったらあり得るかなとか,プ

    0
    2024年06月24日

イギリス人の患者 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

創元文芸文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

作者のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す