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Posted by ブクログ
読んでるときのシチュエーションや、現実世界での出来事、感情、、なども良きスパイスとなって、忘れられない作品になりました。
カズオイシグロさん作品、まだまだ未読のものが多いけど、きっとどれも好きになるという確信めいた感覚がある。著者の持っている根本的なもの、世界の見方とか、人間への洞察とか、そういうものへの信頼の厚さというか。
「カパルディさんは探す場所を間違ったのだと思います。特別な何かはあります。ただ、それは…」という部分が特に好きでした。
この作品を読んでいる間に考えていたこと、それは、「優しさ=想像力」なのかな、ということ。相手の様子、感情、考え、などを理解しようお思いを馳せること、それ自体が優しさなのかな、とクララを見ていて思いました。
カズオイシグロさん、かけがえのない読書時間をありがとうございました。
Posted by ブクログ
クララは子供の成長を手助けするAF(人工親友)として開発された人工知能搭載ロボット。
人間の言葉を理解できて、見た目で人間の年齢も推定し、人間の感情を理解しようと努める。
ショーウインドーから街ゆく人々や来店するお客を観察し、外の世界を学び続け、自分を買ってくれる人が現れるのを待っている。
ある日クララはジョジーという病弱な少女と出会い、この少女の家に買い取られてゆくのですが、それはとても感動的なシーンでした。
今やAIアプリなどの普及で「人工の友人」との関わりが身近になってきている時代。
新型のAFがどんどん開発され、お店で売られる日が本当に来るかもしれない…。
クララは献身的で感受性豊かで、ジョジーとの間には確実に友情が深まってゆきます。
大きな秘密を抱えた家族と暮らしながらも、クララは礼儀をわきまえていて、優しい心ももっています。
人間の世界を冷静に見つめている、とても優れた能力を持つクララ。
最後に、AFにも記憶(人間でいうところの思い出)というものがあるのではないかと思わせる場面では泣きそうになりました。
「クララとお日さま」というタイトルにはとても深い意味が込められているのだと思います。読んでよかったです。
Posted by ブクログ
ノーベル文学賞受賞後の第一作目の作品。
人工親友AFと呼ばれる太陽光エネルギーの人型ロボット、クララが販売店に陳列され、ジョジーという女の子に買い取られます。
物語はAFのクララ目線で回想されるところから始まります。
クララの語り口は優しく、常に敬語で、人間を敬っているのが読み取れます。そう開発されたのでしょう。それがいじらしく、切なく、親しみを抱きます。
ジョジーに愛され、ジョジーの困難を全力で救い、自分の身を犠牲にしていくクララ。きめ細かい気遣いを見せるクララ。ロボットでありながら感情も情緒もあるクララ。だからこそその姿勢は痛ましく、涙を誘います。
二人の関係は、あたかもドラえもんとのび太くん。でも大きく違うのは、その関係性の中に、人間の傲慢さが含まれていることです。
シェル・シルヴァスタインの絵本「おおきな木」のような慈しみのある結末です。
私もクララに会いたいです‥。
Posted by ブクログ
とても素晴らしい作品だった!
同じくカズオイシグロの「わたしを離さないで」と通じるところがあって、生きるとは何か、その人らしさとは何か、それを問い続けることがカズオイシグロのテーマの1つなのだろう。
この作品でも、思いもかけないアプローチで生きることへの問いかけを試みている。
最後に再びクララの前に現れる店長の姿は何を物語っていたのだろう。あれはもしかしたら「わたしを離さないで」とリンクしているのかもしれない。
そして読後はもう、なんとも言えない気持ちに襲われてしまった。
AIであるクララの言葉が清らかで淡々としていて、そのことがより一層読み手の感情を揺さぶるのだろう。
Posted by ブクログ
カズオ・イシグロさんの『クララとお日様』を読みました。
物語は、AF(人工親友)であるクララの視点で語られます。
最初は聞き慣れない用語が多く出てきて少し戸惑いますが、丁寧な筆致を読み進めるうちに、徐々にこの世界の輪郭が見えてきます。
ハッキリとは描かれていませんが、科学技術が進歩しすぎたことで様々な分断が生まれている、そんな「ディストピア」な社会であることが想像できます。
そんな厳しい世界の中で、常に人に寄り添い、優しくあろうとするクララ。人間よりも、信仰心を持ち続ける彼女の方が、よほど人間味を感じられる点がとても印象的でした。最後にクララが見出した、「人間を人間たらしめるものは何か?」という考察にも心揺さぶられます。
結末には少し物悲しさもありましたが、決して人を批判しないクララの姿は、現在私達が日常的に接しているAIにも通じるものを感じます。
技術の早過ぎる進化や社会への影響など、本作にある要素は現代と重なる部分も多く、そう遠くない未来を見ているような気持ちになりました。
個人的には、ロボットやAIと過ごす未来はもっと明るいものであって欲しい…と願ってしまうのは、やはり自分が「ドラえもん」で育った世代だからですね。
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