わたしを離さないで Never Let Me Go

わたしを離さないで Never Let Me Go

小説・文芸
1,650円 (税込)

8pt

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。解説:柴田元幸

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わたしを離さないで Never Let Me Go のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    端正な語りから伝えられる人間の繊細さや心理描写の表現が素晴らしく、世界の異質さが明るみになってくる様も緻密で丁寧で、すべてが直接こころに語り掛けられているようだった。
    この感情の渦を抱え切れそうになく、今すでに考えることをやめてしまいそうです。

    僕なんかにはこの気持ちを始め言語化できなかったので解説文を利用させていただきました。

    0
    2026年10月11日

    Posted by ブクログ

    初めてのカズオ・イシグロ作品
    ネタバレ一切なしで読んだので話の展開に驚愕
    それでも自分は自分を生きていると信じたいよね

    0
    2026年09月23日

    Posted by ブクログ

    クローン人間として生まれた人間が、どのような気持ちでどのように生涯を終えていくのか描かれた小説。

    SFで今の世界では考えられない世界ですが、主人公の淡々とした語りと登場人物の人間関係がとてもリアルで、いつか本当にこんな時代が来てしまうのではないかと不安になりました。時間って有限だなと改めて自分の生き方についても考えさせられるお話です。
    それと、言葉が綺麗です。

    大好きで定期的に読み返したくなる1冊です。

    0
    2026年09月16日

    Posted by ブクログ

    かつて無くしたカセットテープをノーフォークの地にて再び探し出すような煌めく午後を、「デート」と呼びます。

    0
    2026年09月08日

    Posted by ブクログ

    こんな小説を読むのは初めてだ。
    意表をつく状況設定で、読むほどに薄気味悪さが募り想像をこえる世界観に脳の感応も戸惑う。

    よくある学園共同生活の描写から始まる。
    年少の頃から主人公キャシーは好意をもつトミーが皆に無視されたり虐められるのが気になる。
    年長になり友だちのルースがトミーと親しくなり、
    その後結ばれる。
    そこでは絵や工作や詩などの優秀作が選ばれて別の場所に飾られる。
    ・・・・
    ひたひたと小出しの断片的な事象が積み重なる。
    日常のエピソードが全体構成のピースを形作る。

    徐々に彼らの学園生活と別次元の全貌が像を結ぶ。「彼らの人生」が人類生存の手段になることが決められた社会だ。嫌悪に響いた「提供人、介護人、保護官、健康診断、ポッシブル‥」などの用語は移植システムの呼称であり、無機質なセックスが繰り広げられるのも違和感だった。読むうちに、知るほどに、からくりの悍ましさが脳を満たす。

    クローン技術と臓器移植が制度化された架空社会の一面である。生きる限り臓器を提供し続けるクローンの「人生」だ。提供は4回くらいが限度で、あとは役割を終えて消えるだけ。

    滑らかな文章と丁寧で抑制の効いた表現で翻訳も手伝い極限の残酷が淡々と描かれる。
    いつの間にか読者を「架空現実」に誘い、一時も気を逸らさせず、心を捉えて根底から揺さぶる。

    カズオ・イシグロは一作毎に新境地を切り拓くことを心がけているそうだ。繊細な気配りと奥行のある文体で紡ぐ文章はますます磨きがかかる。これを薦めてくれた人に感謝である。他の作品も読むことにする。

    0
    2026年09月06日

    Posted by ブクログ

    「わたしを離さないで」の中でも特に印象的に感じたのは主人公を含め登場人物達のあまりにもリアリティのある会話や思考、行動であり、今までに読んだ本の中でも登場人物がここまではっきりと輪郭を持っていることは珍しかったように思う。

    そして、どうしてここまで「人間らしく」描かれているのか自体が物語の主題に深く連関していたように感じた。

    0
    2026年08月29日

    Posted by ブクログ

    もっと早く読んでおけばよかった。こんな世界が、パラレルワールドとしてどこかに存在しているのではないかと思うような素朴さとリアルさ。ルースとキャシーの関係は、私には奇妙に見えた。自分の感情の根っこを見つけるのがキャシーは上手。ルースは不器用。トニーもいい奴。「使命」という、少し誇りを孕んでいるよう言葉を使わないと、彼らも読者も、その宿命を受け止めるのは困難だと思った。余白も絶妙で、読後の満足度も高い。少し厚めの本だけど、読みやすすぎて一気読み。
    昔ドラマをやってて、それが良かったのでその後原作を買い、そこから積んでいたので……相当眠っていたな。
    すごく美味しい食べ物を食べた後って、お腹が満たされるけど、いいものを食べた後の感覚に似ている。
    余韻、かな。

    0
    2026年08月26日

    Posted by ブクログ

    細かな感情や人間関係の動きに説得力があって面白い。淡々と明かされていく世界観も引き込まれる。すごい…

    0
    2026年08月15日

    Posted by ブクログ

    キャシーの回想から始まるこの小説。序盤から強く引き込まれる。介護人、提供者、どれも聞き慣れない言葉。
    彼女達が幼い頃を過ごした学園。幼き頃の思い出はとても鮮やかなもの。些細なことで友人と喧嘩したり、仲良しグループで固まったり、実は気があることを悟られぬようようこっそり異性の友達と落ち合ったり、どこにでもある、私たちにでもあるような子供時代。だけどとこか私たちとは違う。
    少しずつ浮き彫りになっていく学園と自分たちの未来の真実。
    学園で過ごした側の立場と、運営側の立場の違い、それ故の残酷さが、なんとも言えなかった。人間らしく扱うことに意味があると思っている側と、だうせ提供されるのなら教育も道徳も無意味だったと思う側。でもその教育らがなければ家畜のように扱われることと同等になってしまう。
    キャシーとトミーは再会するのだが、結ばれるのがもっと早ければ、というシーンはすごく切ない。2人にはとにかく時間がない。
    ラストの先生方との再会。家族をおらず、仲間だけを頼りに生きてきたキャシー達。自分たちが生きてきた学園の意味。全てが切ない。
    読みながら、思わず、何度も自分の娘を抱きしめてしまった。
    そういう気持ちにさせられる作品。名作だと思う。

    0
    2026年07月08日

    「わたしを離さないで」について

    ノーベル賞作家のカズオ・イシグロが端正な筆致で綴る、ある女性の人生の物語。

    提供者を慰める介護人の職に長くついていた女性。彼女が職を辞めるにあたり、自分のこれまでの人生、特に生まれ育ったヘールシャムで仲間と過ごした日々を回顧する。

    提供者、介護人など説明なく出てくる言葉の意味が、女性の回想から次第に明らかになってくるにつれ、世界の残酷な姿が浮かび上がってくる。
    この世界の真実は、SF小説のファンならばすぐに見当がついてしまうだろう。

    読みどころは、むしろ小説としての巧さ、人間描写の厚みの部分だ。大きな状況に翻弄される主人公たちが、小さな人間関係にすがる姿がなんとも哀しく映るのだ。

    #切ない

    0
    2025年08月29日

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