【感想・ネタバレ】わたしを離さないで Never Let Me Goのレビュー

あらすじ

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。解説:柴田元幸

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Posted by ブクログ

ネタバレ

終始静謐な世界観の文章。
薄曇りの空の下で浅く酩酊するように物語に没頭した。
読後にはヘールシャムが思い出のように心の中に浮かび上がり、鋭くて重い痛みが残った。
何度も読み返したいような、それも怖いような気持ちになる。
訳も素晴らしかった。
予備知識をあまり入れないで読んだほうが良い本だと思うのでネタバレにチェックをしておく。

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2026年09月18日

Posted by ブクログ

クローン人間として生まれた人間が、どのような気持ちでどのように生涯を終えていくのか描かれた小説。

SFで今の世界では考えられない世界ですが、主人公の淡々とした語りと登場人物の人間関係がとてもリアルで、いつか本当にこんな時代が来てしまうのではないかと不安になりました。時間って有限だなと改めて自分の生き方についても考えさせられるお話です。
それと、言葉が綺麗です。

大好きで定期的に読み返したくなる1冊です。

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2026年09月16日

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かつて無くしたカセットテープをノーフォークの地にて再び探し出すような煌めく午後を、「デート」と呼びます。

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2026年09月08日

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こんな小説を読むのは初めてだ。
意表をつく状況設定で、読むほどに薄気味悪さが募り想像をこえる世界観に脳の感応も戸惑う。

よくある学園共同生活の描写から始まる。
年少の頃から主人公キャシーは好意をもつトミーが皆に無視されたり虐められるのが気になる。
年長になり友だちのルースがトミーと親しくなり、
その後結ばれる。
そこでは絵や工作や詩などの優秀作が選ばれて別の場所に飾られる。
・・・・
ひたひたと小出しの断片的な事象が積み重なる。
日常のエピソードが全体構成のピースを形作る。

徐々に彼らの学園生活と別次元の全貌が像を結ぶ。「彼らの人生」が人類生存の手段になることが決められた社会だ。嫌悪に響いた「提供人、介護人、保護官、健康診断、ポッシブル‥」などの用語は移植システムの呼称であり、無機質なセックスが繰り広げられるのも違和感だった。読むうちに、知るほどに、からくりの悍ましさが脳を満たす。

クローン技術と臓器移植が制度化された架空社会の一面である。生きる限り臓器を提供し続けるクローンの「人生」だ。提供は4回くらいが限度で、あとは役割を終えて消えるだけ。

滑らかな文章と丁寧で抑制の効いた表現で翻訳も手伝い極限の残酷が淡々と描かれる。
いつの間にか読者を「架空現実」に誘い、一時も気を逸らさせず、心を捉えて根底から揺さぶる。

カズオ・イシグロは一作毎に新境地を切り拓くことを心がけているそうだ。繊細な気配りと奥行のある文体で紡ぐ文章はますます磨きがかかる。これを薦めてくれた人に感謝である。他の作品も読むことにする。

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2026年09月06日

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ネタバレ

ページをめくる手が止まらなかった。

介護士として提供者の世話をするキャシーが、ヘールシャムで過ごした青春時代を回想するところから始まる。最初はどこにでもあるような学校生活に見えるのに、保護官との微妙な距離感や、子どもたちに何かを隠しているような雰囲気に、少しずつ違和感を覚えていく。

その違和感の正体が明らかになったとき、それまでの何気ない日常の風景がまったく違って見えた。自分の人生を選ぶこと、誰かを愛すること、生きることについて、静かに考えさせられる作品だった。

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2026年09月05日

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「わたしを離さないで」の中でも特に印象的に感じたのは主人公を含め登場人物達のあまりにもリアリティのある会話や思考、行動であり、今までに読んだ本の中でも登場人物がここまではっきりと輪郭を持っていることは珍しかったように思う。

そして、どうしてここまで「人間らしく」描かれているのか自体が物語の主題に深く連関していたように感じた。

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2026年08月29日

Posted by ブクログ

もっと早く読んでおけばよかった。こんな世界が、パラレルワールドとしてどこかに存在しているのではないかと思うような素朴さとリアルさ。ルースとキャシーの関係は、私には奇妙に見えた。自分の感情の根っこを見つけるのがキャシーは上手。ルースは不器用。トニーもいい奴。「使命」という、少し誇りを孕んでいるよう言葉を使わないと、彼らも読者も、その宿命を受け止めるのは困難だと思った。余白も絶妙で、読後の満足度も高い。少し厚めの本だけど、読みやすすぎて一気読み。
昔ドラマをやってて、それが良かったのでその後原作を買い、そこから積んでいたので……相当眠っていたな。
すごく美味しい食べ物を食べた後って、お腹が満たされるけど、いいものを食べた後の感覚に似ている。
余韻、かな。

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2026年08月26日

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ネタバレ

臓器提供のために生まれたクローン人間の主人公が過去に過ごした施設での出来事や、同じ境遇の友人達との思い出を振り返っていくストーリー。

はじめは謎が多かったが、少しずつ真実が明らかになっていき、しかもその謎が割とサラッと明かされる。一瞬理解が追いつかず、一拍おいてから驚きが来るのが面白い感覚だった。

メインの登場人物(キャシー、ルース、トミー)についても単なる仲良し3人組ではなく、嫉妬や憐れみなど負の感情を何度もぶつけ合っていたので、途中読むのがしんどくなる時があった。でも彼らの置かれた立場や状況を鑑みるとそういった行動になってしまうのは仕方がないと感じた。自分が同じ境遇だったらきっと彼らのようには受け入れることは出来ないと思う。

キャシーとトミーが雑貨屋でレコードを一緒に探す際に、先に見つけたキャシーがトミーとの楽しい時間を終わらせないため、見なかったふりをしようかと迷ったシーンがクローン人間なのにとても人間臭くて印象に残った。

こんなにも人間らしい感情を持ち合わせている彼らがクローンだとしたら、人間を人間たらしめるものって一体何なのだろう?

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2026年08月21日

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細かな感情や人間関係の動きに説得力があって面白い。淡々と明かされていく世界観も引き込まれる。すごい…

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2026年08月15日

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ネタバレ

ヘールシャム出身でない提供者は、キャシーがそこの出身と聞くと、その話を聞きたがるという。
それは提供者が自身の記憶として、ヘールシャムを思い出すことができるかもしれないから。
それ以外の提供者にはつらい記憶しかないから…。
キャシーは介護人としての12年間、多くの提供者に話して聞かせてきたのでしょう。
ヘールシャムは幸福な時代だったのかもしれません。
介護人を終えたキャシーは提供者としての運命をたどるはず。
キャシーはヘールシャムの記憶を持つ最後の提供者となるのでしょうね。
そして、その後も提供者たちは生まれ続ける…。
残酷な世界を淡々と語るこの小説を読み終え、何とも言えない感覚になりました。

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2026年08月09日

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ネタバレ

chatGPTと話してると、よくオススメされるのと、SF好きなので一度は読んでみたかった本作。
展開が遅いのと、徐々に徐々に設定が明らかにされていく構成で、あと一歩で積読になりそうだったんですが、奥歯にものが挟まったかのような書き方が逆に、これどうやって風呂敷畳むの?作者はこの作品で何を描きたいの?という疑問を増幅させ、無理やり60%くらい読み進めたところ、やっと没入できてそこからラストまでは速かったです。
で、読後感が異常なほど切ないのと、結局作者が何を描きたかったのかはバシッとわかりませんでした。
ただ、ヘールシャム〜介護人になるまでが、リアル人生でいうところの学生〜社会人 介護人〜提供者になるまでが社会人〜老後の特に終盤あたり になんとなく思えて(期間が全く違いますが)考えさせられました。
私たちも終わりが決まってるという意味では同じ。また、主人公が1人、また1人とかつての学友を見送る姿と老後の(想像ですが)自分が重なって見えてきます。
30代半ばを過ぎた今では人生の重要な分岐点が一通り終わり、キャシーが介護人として提供者を見送りながら自分の終わりにも近づいていく時間の流れと、どこか重なるものを感じました。
再読すると、もっと理解を深められそうですが、思ったよりヘビーな作品だったので当面の間はできなさそうです。

(追記)
余韻がすごくてずっと考え続けた結果、これはクローン人間という設定を使った、人生のメタファーでは?という結論に至りました。人生という大きなテーマに触れたことで、今抱えている問題への執着が少し薄れました。
でも、話自体のスケールが大きいわけじゃなくて、なんなら主人公の半径数メートル以内の話で終わる、なのに頭の中にずーっと残ってジワジワと考えさせる感じ、さすがノーベル賞受賞作家・・
「日の名残り」も気になりますが、連チャンは重そうなので何冊か挟んでからにする予定です。

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2026年07月20日

Posted by ブクログ

キャシーの回想から始まるこの小説。序盤から強く引き込まれる。介護人、提供者、どれも聞き慣れない言葉。
彼女達が幼い頃を過ごした学園。幼き頃の思い出はとても鮮やかなもの。些細なことで友人と喧嘩したり、仲良しグループで固まったり、実は気があることを悟られぬようようこっそり異性の友達と落ち合ったり、どこにでもある、私たちにでもあるような子供時代。だけどとこか私たちとは違う。
少しずつ浮き彫りになっていく学園と自分たちの未来の真実。
学園で過ごした側の立場と、運営側の立場の違い、それ故の残酷さが、なんとも言えなかった。人間らしく扱うことに意味があると思っている側と、だうせ提供されるのなら教育も道徳も無意味だったと思う側。でもその教育らがなければ家畜のように扱われることと同等になってしまう。
キャシーとトミーは再会するのだが、結ばれるのがもっと早ければ、というシーンはすごく切ない。2人にはとにかく時間がない。
ラストの先生方との再会。家族をおらず、仲間だけを頼りに生きてきたキャシー達。自分たちが生きてきた学園の意味。全てが切ない。
読みながら、思わず、何度も自分の娘を抱きしめてしまった。
そういう気持ちにさせられる作品。名作だと思う。

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2026年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

個人的にはトミーに共感することが多く、深く感情移入した。感情の爆発を抱えながらも不器用にしか生きられない彼が、どこか他人事に思えなかった。

トミーが介護人を変えてから亡くなるまでの日々が、穏やかであったらいいなと願う。キャシーのことを、静かに思い出しながら逝ったのだろうと思う。

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2026年07月05日

Posted by ブクログ

すごい話だった...

優秀な介護人キャシーの1人語りで描かれる回想のストーリー。キャシーは誰に話しかけていたのかなあ
"提供者"という言葉、ヘールシャムでの講師陣の謎の発言など、平和な幼少時代の描写の隅々に少し不穏な空気が漂う。
どんどんキャシーたちの立ち位置が明らかになり、物語に引き込まれていった。
真相、物語の運び、全てが美しく整った完璧なフィクションだったと思う。
如何にも近い未来起こりそうな...倫理を考えさせられる話。

情景描写が細やかで、海外文学独特の読みにくさが無かった。すごく良い文章。
キャシーのトミーに対する態度・心情のすべてがもどかしい恋心に基づいたものであるように感じた。
これは長い時間を経た恋愛の物語であるとも捉えられるような。

あまりに救いのない残酷な物語だと思ったけれど、静かな諦念と共に運命を受ける主人公たちの強さに心を打たれた。私だったら受けいられらない。
ヘールシャムの思い出は、私が受け取った以上に大きな心の支えになって、強さに繋がってるんじゃないかと思った。

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2026年06月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あらすじを読まず何も前情報なしに読むのが自分流 途中まで 学校での思い出 恋愛の話なんだ とささーっと読んでて、途中から、うん、?提供者??うん!?
となり、後半は切ない気持ちになった。。
運命の残酷さがいい感じに俺に刺さった、、また読み直す時は、時間をかけて、しっかり読みたい!

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2026年06月18日

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このお話を読んだのは何年前だろう。もう優に10年ぐらいは経っているのかもしれない。
そのせいでキャラクターの名前や、展開までもが朧げだ。それでもこの話の醸し出す空気感は今でも忘れられないままで、私が数冊本を選べと言われたらこれが出てくるだろう。
それぐらい当時の私にも、今の私にも強烈な印象を残している。

まず特色として感じたのは、主人公および世界が、正常を持ち合わせていないことだ。
よくある物語では、正常の中の異常が書かれる。
つまり、異常な出来事は異常として書かれる。
「そんなのおかしい!」みたいなことを、誰かは言ってくれる。
この物語ではそんな救済はほとんどない。
主人公たちがおかしいことに気づいても、生まれながらにそういう世界で生きてきた主人公たちだ。
私たちでさえ気づくような「おかしさ」に怒りさえ覚えないままだ。
このお話にずっと続く、痛みへの麻痺感がある。
痛々しく寒々しい出来事に、ちゃんと悲しんでくれる人が1人もいない。
そしてその鎮痛剤のような空気感は、後半出てくる医療的シーンといやな親和性がある。
ずっと、温室とか、抗菌室とか、そういう「管理された安全」の空気が途切れないのは流石に名作すぎる。
あまりにも面白い。近々読み返そうと思った。

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2026年06月17日

「わたしを離さないで」について

ノーベル賞作家のカズオ・イシグロが端正な筆致で綴る、ある女性の人生の物語。

提供者を慰める介護人の職に長くついていた女性。彼女が職を辞めるにあたり、自分のこれまでの人生、特に生まれ育ったヘールシャムで仲間と過ごした日々を回顧する。

提供者、介護人など説明なく出てくる言葉の意味が、女性の回想から次第に明らかになってくるにつれ、世界の残酷な姿が浮かび上がってくる。
この世界の真実は、SF小説のファンならばすぐに見当がついてしまうだろう。

読みどころは、むしろ小説としての巧さ、人間描写の厚みの部分だ。大きな状況に翻弄される主人公たちが、小さな人間関係にすがる姿がなんとも哀しく映るのだ。

#切ない

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2025年08月29日

Posted by ブクログ

物語はキャシーの回想
何者として生まれたのか 保護官 提供者といった聞きなれないワードが並ぶ中…人と同じように成長する人生が端正な語りで描かれてゆく

まず第一印象は静かな長編だった。思い出の美しさ昔の宝物の箱を覗いたようなイメージが、そして物語の世界観の異様さ、これは読中も読後ももどう受け入れるべきか…倫理的問題があったと思う
物語序盤で少なからず読者は気づくのでネタバレではないと思うがクローン人間の世界ということ。しかし普通に教養をうけ青春も、何者なのかを明かされた時 息が止まってしまった。生徒たちは抗うことなく静かに飲み込んでゆく、自分だったら狂ってしまうのに静かに受け入れた彼らをどう思うのか。つまり解説にあった"作品世界を成り立たせる要素一つひとつを読者が自分で発見すべき" がそういうメッセージなんだと

仲良しのルースとのテープを渡す受け取ることの丁寧な描写に尊さを感じずにはいられない
勿論、ジュディさんの音楽が聴きたく検索し映画化されてるのを知り10年も前のコメント欄にて"寮で枕を抱きながら聴きたい"を見つけ胸がいっぱいになるそんな流れだった(この本を読んだ多くの人がそこに辿り着いてほしく思う)
青春の一瞬の煌めき、友達トミーとテープを探すシーン。ついに見つけたが、この探す時間が終わってしまう 見なかったことにしようかとか、本当は僕が見つけたかったんだとか、もう2人とも抱きしめたくなる

ラストにこの物語を引っ張ってくれてた?謎が明かされ、そしてこれも静かに受け入れてく…哀しくもどうすることもできないリアリティが一貫してあった。どのような教養をすべきだったか。静かに受け入れてくと書いたが実際は恨んでたりするともとれるかなと。ラストまでルースやトミーのことを思いうキャシーの優しさ思いの数々に視界が揺れた
最後に自分はこの世界を全く望んでない、今の技術がどれほど進んでいようが死を受け入れる時がくれば受け入れるべきだと揺るがなく思う

好きなフレーズ引用
これからテープ探しを始めようとしたあの瞬間 突然 世界の手触りが優しくなりました

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2026年06月27日

購入済み

淡々とした中にあるインパクト

特殊な暮らしにおける日常の描写、心情が淡々と書かれているものの、ミステリーがちりばめられているよう不思議な小説でした。

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2022年03月18日

mac

ネタバレ 購入済み

人生の尊厳

一部ご紹介します。
・「あなた方は教わっているようで、実は教わっていません。
形ばかり教わっていても、誰一人、本当に理解しているとは思えません」
「あなた方の人生はもう決まっています。これから大人になっていきますが、あなた方に老年はありません。
あなた方は一つの目的のためにこの世に産み出されていて、将来は決定済みです。ですから、無益な空想はもうやめなければなりません」
「みっともない人生にしないため、自分が何者で、先に何が待っているかを知っておいてください」
・「絵も、詩も、そういうものは全て、作った人の内部をさらけ出す。作った人の魂を見せる」
・すぐにも行動を起こさないと、機会は永遠に失われるかもしれない
・「あなた方はいい人生を送ってきました。教育も受けました。もちろん、もっとしてあげられなかったことに心残りはありますけれど」
「生徒たちを人道的で文化的な環境で育てれば、普通の人間と同じように、感受性豊かで理知的な人間に育ちうること、それを世界に示した」
「あなた方は、駒だとしても幸運な駒ですよ。追い風が吹くかに見えた時期もありましたが、それは去りました。
世の中とは、ときにそうしたものです。受け入れなければね。
人の考えや感情はあちらに行き、こちらに戻り、変わります。
あなた方は、変化する流れの中のいまに生まれたということです」
・「新しい世界が足早にやってくる。科学が発達して、効率もいい。
古い病気に新しい治療法が見つかる。すばらしい。でも、無慈悲で、残酷な世界でもある。
そこにこの少女がいた。目を固く閉じて、胸に古い世界をしっかり抱えている。
心の中では消えつつある世界だと分かっているのに、それを抱きしめて、離さないで、離さないでと懇願している」
・「俺はな、よく川の中の二人を考える。
どこかにある川で、凄く流れが速いんだ。で、その水の中に二人がいる。
互いに相手にしがみついている。必死でしがみついてるんだけど、結局、流れが強すぎて、最後は手を離して、別々に流される。
俺たちって、それと同じだろ?最後はな、永遠に一緒ってわけにはいかん」


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2022年09月30日

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鉄筋コンクリートに囲まれた部屋の中に、蝋燭が一本だけ立っているような小説だった。
冷たくて、無機質で、閉鎖的で。でも確かにそこには生活があって、あたたかな光がある。
けれどその光は、そう長くは持たない。

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2026年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白いよりすごいなって作品

印象に残ってるのは、最後にエミリ先生とキャシーが話すシーン。人間はどんなに正義を掲げても理念があっても、良いことをしているつもりでも1つの立場をとって発言したり行動すると、一気にエゴになるんじゃないかと思わされました。あの人たちは確かに善人で、ヘールシャムの生徒に一種の幸せを与えたと実感している。でも、求めてるのはそれじゃない。人の勝手な善意に振り回されるキャシー達を見て、絶望と虚無感と、終わりを迎えることに変わらない彼女達にとってあの人達の善意は何の意味もないと思わされるのがすごい作品だなと。

それでも思い出のヘールシャムと仲間は確かに存在はしているのに。

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2026年09月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても辛い内容でした。
ふんわりとわかるようでわからず色々想像しながら読み、最後の最後で全てが繋がる構成が、主人公達と同じ体験をしているような演出でしょうか。
読むたびに感想が変わり、新たな発見もありそうです。もう一度読みたくなりますが、心が持たないのでいつか機会があれば。
日の名残りがとても面白かったので、著者の他の作品も読もうと思います。

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2026年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

臓器提供のためのクローンたちの物語という、色々な展開をさせられそうな突飛な設定でありながら、終始抑制のきいた文章で「人生の中で選ばなかった(選べなかった)選択肢」を見つめる主人公の胸の内を描いているのが唯一無二だと感じた。

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2026年08月23日

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日記帳を覗き見している感覚になる小説でした。友人との出会いと別れ、保護官の葛藤が終始辛かったです。立場が変わると今まで仲が良かった友達と距離ができてしまうのは現代でも当てはまってしまうのかな?と切ない気持ちになりました。

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2026年08月22日

Posted by ブクログ

純文学っぽい、文章に浸る感覚のある本だったと思う。
最初はなんのお話かわからなかったけど、読み進めていくと徐々に明らかになっていく流れが面白かった。

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2026年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

解説に「細部まで抑制が効いた」とあるけど、本当にそんな感じ

序盤のまだ何もわからない状態での一歩進んだと思ったらまた振り返ってみたいな文章が中々きつかったのですが、施設はなんなのか、そもそも彼等はなんなのかがわかってからはスラスラ読み進められた。

読み終わってみたは彼等はしっかり「人間的」であったと思うし、ヘールシャムは「特別」だったと思う。

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2026年08月05日

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ネタバレ

昔に映画を見た作品。

ようやくいまになってというのが悲しいと言うトミーの気持ちが、とてもつらい。嬉しいのに、悲しい。

自分たちが提供者として育つことに何の疑問も持たない、当たり前となっている。受け入れている。誰も取り乱さない。
クローンの性格はポシブルを反映しているのか。
キャシーがこのまま提供者になることなく、寿命を全うするとしたらどうなるのだろう。そういった人はこれまでにいたのだろうか。

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2026年08月01日

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ネタバレ

約ネバ


どんな本か忘れないためだけに書いた感想です。読まなくて大丈夫です。


提供されることが普通であると、内臓が悪くなったら“提供者”の内臓をもらえると当たり前に思えてしまう世界怖すぎる。

マダムや先生たちは、提供者たちが家畜ではなく価値のある人であることを世界に伝えるために、絵を描かせていたのね。

技術が進歩し始めた時くらい、内臓移植ができるようになったくらいの時代に、人間という、提供者という家畜のようなものが生まれなくて(日本だから知らないだけかもしれないけど)よかったと思う。
もし戦争中だったら、相手国の捕虜とかとっ捕まえて提供者にしてそうだな。

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2026年07月05日

Posted by ブクログ

終盤の先生の告白がとても残酷だった。とても良い人なのだろうけれど。
キャシーを生き直せるくらい情景と感情が鮮明。
なかなか救いを見出せないので、よくドラマにしたな、と思う

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2026年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

仕事の休憩時間を使って完読。
静かに、かなり具体的な生活描写や出来事が語られる中、徐々に明らかになる事実が筋を持って物語を支えています。
共感するのはかなり難しいですが、登場人物達の境遇を受け入れた静かな生が胸を打ちました。

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2026年06月19日

購入済み

話題作

ドラマ化され、世界的な有名な賞をとり、
初めてですが読んで見ることにしました
最初は、なんだか話がよくわからないなあ、、なんて
思ってましたが、途中からページをめくる手が止まりませんでした
自分には程遠い世界と思いがちですが、実際に起こっている世界とだといいことを
認識していたいと思いました。一度は読んでおきたい作品だと思います

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2017年10月16日

Posted by ブクログ

ドラマが好きで、映画も観て、内容が記憶に残っている為、新鮮さを感じられず。記憶を消して読んでみたい。2-3ヶ月かけちゃった。

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2026年08月24日

Posted by ブクログ

本当に本当に私のような大ガキには読みずらい文章だった。言葉も、句読点の使い方も本当に難しかった。最後30ページくらいから引き込まれたけど、読むのに3ヶ月ほどかかった、、。
伏線は後半で回収される。
衝撃的で切ない気持ちになる瞬間も多かったけど、もっともっと理解を深めたい。
タイトルの考察も、もっとしたいな
この世界線ありうるなあ、すごく思った。
人間って本当に自分たちの都合のために、正当化して文化を作ってばかりな気がするので。
いつかこんな未来もあるのかなあ、、

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2026年07月24日

購入済み

淡々としたノスタルジー

高評価のレビューがいっぱいの中、すいません。
ノーベル文学賞を取ったというニュースで初めて知り、読んでみました。
期待が大きすぎたのか若干がっかりしました。

何の予備知識もなく、提供、3-4度目の提供で使命を終える、とのことから主人公たちがどういう子供たちなのか検討はつきました。
不思議だった施設での授業や保護官とのやりとりが後に明らかにされますが意外性や驚きがなく終わってしまいました。

こういう目的のために生まれてきた子供たちの話は日本の漫画でかなり昔にも読んでいたので、その時の衝撃が大きかったのと、内容もはるかに壮大(漫画的)だったからかもしれません。
ちなみに清水玲子の『輝夜姫』(1993)という作品になります。

ところで主人公キャシーはこの物語を誰に向かって話しているのでしょう?私たち読者?翻訳だからなのか、それは違うような感じがしながらずっと読み進んでいました。

一度読んだだけの感想としては、意外性がなくがっかり、というところですが、再読の際にはいろいろ想像力を働かせて読んでみるといいかもしれません。
語り手キャシーの一方的な思い出話は、もしかしたらトミー側、ルース側では全く違う受け取り方が出来るかもしれません。

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2017年11月20日

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