【感想・ネタバレ】わたしを離さないで Never Let Me Goのレビュー

あらすじ

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。解説:柴田元幸

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Posted by ブクログ

ネタバレ

全く前知識なく読んだ方が良いです。
これは。
読めば読むほど、そういうこと?!と、
色々なことが分かっていって、読むのが止まらない。
本当に止まらなくなります。
どんどん心の鉛が増えていく感じもあるけど、一生私の中に残り続けるだろうなという印象深いシーンもどんどん出てきて、カズオ・イシグロさんの天才的な表現力を痛感します。

私の今年に読んで良かった本ベスト10に入ると思います。
それどころか、もし誰かに「どういう本が好きなの?」と聞かれたら、「土屋政雄訳、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』」とまず答えてしまうかもしれないです。
それくらい良かった。面白かった。
本ってすごい。
バケモノ。
カズオ・イシグロさんがバケモノ。天才。
翻訳もすごい。世界観をバッチリ捉えていると思う。
『日の名残り』も大好きだったけど、それを上回る印象深さでした。

前述した通り、できれば前知識ゼロの状態で読んでみてください。
ぜひ読んでみてください。
とっても読みやすいし、海外文学に不慣れでも読みやすいと思います。

ぜひ!!
この機会にぜひ!!

ということで、ここからはまだ読んだことない方は読むのをやめてください。

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ちょっと中身が、私の中でまだ全て消化しきれていないです。
まず思ったのは、クローン(とは言っても、普通の心の通った人間)による臓器提供で、もし自分の大事な誰かが助かるとしたら、私はそれに頼ってしまうのではないか?ということ。
もちろんそんなことが許される世界は現実にはないし、そんな世界だったら恐ろしすぎるんだけど、それを肯定したくなる心の奥底の悪魔はどんな人間にも潜んでいるのかもしれないと思いました。

西加奈子さんの『くもをさがす』で、西加奈子さんが癌を患った時に「なんで私が?」と思い、でもそれはイコール「なんで他の人じゃなくて、私が?」というニュアンスも含まれていたのでは…?と書かれていたんです。

つまり人間は、自分や大切な周りの人に何かあったとき、例えば「私じゃなくて良かった。」、「うちの子じゃなくて良かった」って無意識に思ってしまうし、それを裏返すと、自分や大切な人が助かるなら、他の人に何かあっても良いとも取れるような気がしていて…

そんな、深掘りしない方が良いようなところを、この『わたしを離さないで』は抉ってくる気がしています。

読み終わりはなんというかもう、初めて感じる気持ちの波が押し寄せてきました。

印象深いシーンが本当に沢山あって、みなさんがどんなシーンを印象深く覚えているか聞いてみたいのですが、私は特に以下のシーンでした。

キャシーが枕を抱いて赤ちゃんのように揺すりながらカセットを聴いているところ、トミーが最後入居したバスルームをリフォームした1人部屋で絵を描くシーン、街の雑貨店で、ルースのポシブルかもしれない人を観察するシーン…どうしてあんな強烈なインパクを残すシーンを文字で書き起こせるのか。本当にすごいです。

作品を作り、もしそれに心が表れて愛し合っていると認められたカップルには猶予が与えられ、長く生きられるのではと考えるシーンは本当に悲しかった。トミーがそのために、きっと才能の塊であろう興味深いデッサン画を書き溜めるところも、辛かった。

あとは、子供たちの絵を世に出して、この子たちにも心があるということを広める運動に携わっていたエミリ先生が、最後ドライにキャシーとトミーを切り捨てるシーンも、慈善団体などの皮肉もあるのかと考えてしまいました。

なんだろう、こう御涙頂戴で「泣けるー」じゃないんですよね。とにかく心の鉛なんです。
それがどんどん増えていって悲しい感じ。
でも様々な描写が美しくって、早く本の世界に戻って読み続けたいと思える感じ。

そして読んだ後に改めて装丁のイラストのカセットテープを眺めると、胸が締め付けられます。元々この装丁好き!!と思っていたけど、読んだ後にこのカセットテープを眺めると、「装丁も含めてこの日本語訳のハヤカワepi文庫最高かよ…」となりました。

まだまだ消化しきれていない私ですが、読んだ方の違う感想も聞いてみたいです。

カズオ・イシグロさんの、これを超えてくる作品はあるのだろうか…
でももっともっと彼のことが好きになる作品でした。

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2026年04月11日

Posted by ブクログ

豚や牛といった家畜が人間に食われるために生きていることを考えて暗い気持ちになりますが、この小説もそれに劣らぬ真っ暗な読後感を持ちました。読み終えて6年以上経つが、思い出して震えが止まらなくなる怖さがある。

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2026年04月08日

Posted by ブクログ

数年前に買ったけど、いったい何を読まされて(聞かされて)るんだろう?となり積読だったが再読。
今回はすいすいと読み進められた。語り手がサラッと言及する驚くべき事柄に足元がぐらつくような感覚。癖になるかも。カズオイシグロの特徴で、信頼できない語り手、というらしい。数年前に挫折する原因になった、話の見えにくさ、こそがこの本の面白さだったのかと…
答えの出ないテーマだけど、ラストシーンは映像を見ているように印象に残る。
面白さがわかるまで数年かかっちゃったけど、他の作品も読んでみたい。

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2026年03月19日

Posted by ブクログ

生まれた時から自分の使命が決まっている。見ず知らずの人のために生きて、覚悟して、自分で選択して終わりを迎える。どんな気持ちなのだろうか。
私はこれまで、自分のことは全て自分で選択してきた。それがどれだけ恵まれている環境だったのかと改めて感じた。親にも、夫にも、感謝しかない。
医学のために存在するクローンの人権についても考えさせられた。現代の医学では、「臓器だけ」だけ作る、よりも「人間」の方が作りやすいんだって。誰かが犠牲にならなくてはいけない世界。今後もより良くなることを願うばかり。研究者の方、日々ありがとうございます。

キャシーとルースは、私と親友Aにとても似ていて何度も思い出さずにはいられなかった。親友だからこその憧れ、不安、固執、妬み、僻み、だけどふとした時に思い出す、心のどこかにいる存在。もう一度私も、心から話せる日が来るといいな。今ではなく、数十年後にでも。

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2026年02月28日

Posted by ブクログ

面白かった…再読すると思う

運命に悲しくなるんだけど
青春時代を感じてどこか胸が温かくなる

ノーフォークでキャシーとトミーが2人になりテープを探すシーン
何だか私まで学生時代のきゅんきゅんした気持ちを思い出させてもらったよ…

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2026年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

希望が砕け散り、真実が明らかになっても絶望せず、平穏な日々を送り続けるトミーとキャシー。

割と中盤で彼らはクローン人間で、臓器提供の為に作られたと明かされる。が、臓器提供の為に死ぬっておかしくね?ってなるはずなのにそのまま物語が進んでいくのが少し怖いまであった。

君たちはどれだけ恵まれた人間かを説くエミリが印象に残る。諦念を避けるために全てを教えないという意見は筋が通っているが冷酷で、むしろそっちの方がルーシー先生の意見よりも理論的ではと思った。

仲間の死を見届ける役割までもクローンにやらせるという自己完結性は彼らの制限された世界を象徴していると思う。(オリジナルによる良心の呵責や罪悪感を無視できるシステム)

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2026年01月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前情報が「信用できない語り手」しか無く、この言葉を理解できていなかったため、変に期待して読み進めてしまったためあっさりとした読後感になった。

この本は、というかカズオイシグロというかキャシーは(トミー〜ヘームシャル含め)記憶をテーマにしていて、p426に一度だけ「これをお読みの方も」と出てくる。これは、私が途中から感じていたこの回想は誰に向けての語りだろうというものの終着点であると感じた。つまりキャシーに、ヘームシャルのことを、読者である私たちが教えてもらう体験型小説のような感覚のため、没入して読めたのかもしれない。

回想形式で進められて行くためたった1人の語り手であることに気付いてからその文章の一行一行の大切さ、含まれていることの多さに気付いた時、この小説を面白いと思えた。

437
1、遠くに体育館〜 →絶対ヘールシャム(ヘールシャムはもう失ったらしいので違う)
2、地平線にポプラ並木〜 →〜の道にに違いない(これも違う)
1、2からの、スザンナ・C発見なので、これも勘違いだろう
綺麗な三段階
つまり、もうキャシー自身が、”存在して欲しい記憶”へと変えてしまっていることから、「信用できない語り手」であるといえる。

438
ーとくに下側の有刺鉄線にー
キャシーは、ゴミとトミーを捨てられた存在(もう、世に必要のない存在)として重ねてしまい空想を禁じたのか
なぜ”とくに有刺鉄線に”を書きたかったのか
→トミーは(同ページゴミの表現”遠い水平線からやってくるように”)子供の時からずっと考えていた最後の希望(提供延期)を、真実を知ることにより破り捨てられた(大人になり始めての癇癪のシーンより) 。それは有刺鉄線でボロボロになったビニールのように。

など、結局考察に過ぎないが、ラストだけでもこれほどある。とても楽しい。
総じて、面白い小説と感じた。

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2026年01月16日

「わたしを離さないで」について

ノーベル賞作家のカズオ・イシグロが端正な筆致で綴る、ある女性の人生の物語。

提供者を慰める介護人の職に長くついていた女性。彼女が職を辞めるにあたり、自分のこれまでの人生、特に生まれ育ったヘールシャムで仲間と過ごした日々を回顧する。

提供者、介護人など説明なく出てくる言葉の意味が、女性の回想から次第に明らかになってくるにつれ、世界の残酷な姿が浮かび上がってくる。
この世界の真実は、SF小説のファンならばすぐに見当がついてしまうだろう。

読みどころは、むしろ小説としての巧さ、人間描写の厚みの部分だ。大きな状況に翻弄される主人公たちが、小さな人間関係にすがる姿がなんとも哀しく映るのだ。

#切ない

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2025年08月29日

購入済み

淡々とした中にあるインパクト

特殊な暮らしにおける日常の描写、心情が淡々と書かれているものの、ミステリーがちりばめられているよう不思議な小説でした。

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2022年03月18日

mac

ネタバレ 購入済み

人生の尊厳

一部ご紹介します。
・「あなた方は教わっているようで、実は教わっていません。
形ばかり教わっていても、誰一人、本当に理解しているとは思えません」
「あなた方の人生はもう決まっています。これから大人になっていきますが、あなた方に老年はありません。
あなた方は一つの目的のためにこの世に産み出されていて、将来は決定済みです。ですから、無益な空想はもうやめなければなりません」
「みっともない人生にしないため、自分が何者で、先に何が待っているかを知っておいてください」
・「絵も、詩も、そういうものは全て、作った人の内部をさらけ出す。作った人の魂を見せる」
・すぐにも行動を起こさないと、機会は永遠に失われるかもしれない
・「あなた方はいい人生を送ってきました。教育も受けました。もちろん、もっとしてあげられなかったことに心残りはありますけれど」
「生徒たちを人道的で文化的な環境で育てれば、普通の人間と同じように、感受性豊かで理知的な人間に育ちうること、それを世界に示した」
「あなた方は、駒だとしても幸運な駒ですよ。追い風が吹くかに見えた時期もありましたが、それは去りました。
世の中とは、ときにそうしたものです。受け入れなければね。
人の考えや感情はあちらに行き、こちらに戻り、変わります。
あなた方は、変化する流れの中のいまに生まれたということです」
・「新しい世界が足早にやってくる。科学が発達して、効率もいい。
古い病気に新しい治療法が見つかる。すばらしい。でも、無慈悲で、残酷な世界でもある。
そこにこの少女がいた。目を固く閉じて、胸に古い世界をしっかり抱えている。
心の中では消えつつある世界だと分かっているのに、それを抱きしめて、離さないで、離さないでと懇願している」
・「俺はな、よく川の中の二人を考える。
どこかにある川で、凄く流れが速いんだ。で、その水の中に二人がいる。
互いに相手にしがみついている。必死でしがみついてるんだけど、結局、流れが強すぎて、最後は手を離して、別々に流される。
俺たちって、それと同じだろ?最後はな、永遠に一緒ってわけにはいかん」


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2022年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み終えると様々な思いが生まれ、不思議と心がかき乱される。古くからある題材だし、結末も予想できるものなのに。劇的な展開を排し、我々と変わりない日常生活を丹念に描き、理性的な主人公にその心情を語らせる。その手法が共感を生むのだろう。この悲劇の裏側では、我々の現実世界では救えない命が救われている。どちらがディストピアか。エミリー先生とルーシー先生のどちらが正しいのか。登場人物たちが行わなかった手段(反乱や逃亡や抗議の自死など)を自分はとるか。我々の人生もこの物語の悲劇性を内包しているのではないか。どれも答えはでない。

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2026年04月08日

Posted by ブクログ

ゆっくりと謎が明かされていく構成で、静かに進むが読後強く心に残る作品。
ヘールシャムとは何だったのかを考えながら読む中で、登場人物たちの何気ない会話や感情に、言いようのないもやもやが残った。
当たり前のように与えられている「選べる将来」について考えさせられ、時間の大切さを改めて感じた。
これまでにない、少し変わった読書体験だった。

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2026年04月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

約ネバすぎるのがノイズだった
でもすごく物語の構成も、文体も、登場人物も、綺麗な小説だった
抽象化すると全体的に"合理"VS"非合理"で対立してたなあ
最初の方にでてきた先生も、展示会の真の意味も、エミリー先生団体の動機も

でもやっぱりメインは郷愁だとおもう
最初の方に現れた提供者がヘールシャムの話を自分の子供時代と混同させて楽しみ聞きたがったように、僕も暖かいベールシャムでの思い出を読むのが楽しかった
小学生時代のいじめ、芸術作品という評価基準、全寮制の中での秘密の話、時々見える大人の仮面が剥がれた大人の不思議な部分、中学生時代の音楽の流行り、先生に気に入られているという評価基準、性に精通しているという虚言と踏み込まない暗黙の了解、高校時代の読書量という評価基準、先輩に気に入られる魅力、性の始まり等々
"子供時代あるある"が細かく上手く詰め込まれていて、別に自分にそんな美しい思い出はないけど懐かしい気持ちになれた
あとは、終わり方が変にドラマチックの激しい勢いや号泣やハッピーエンドでゴリ押さなかったのが淡々と語っていくこの小説らしくてよかったな
クローン人間に対しての気持ち悪さがお涙で急に解消されるとかもなくてよかった

納得いかなかったのは、ルースの扱い
ルースとキャシーはトミーよりも長いし、秘密の共有や探求はしていないにしても乗り越えた問題は多かったんじゃないのか
何度暗黙のうちで喧嘩しても、2人で仲直りしていたし
コテージで先輩に媚びを売ったり大人ぶるルースはただの見栄だけではなく、自分と同じく仲間も先輩に好かれることが嬉しく必要であると信じ、仲間にやった事なのだし
深夜に定期的に2人で話し込んだりしたんじゃないのか
それが、トミーと中学生?高校生?の時に付き合っていて、コテージでトミーとルースの仲が悪くなり決裂がうかがえた時に、トミーとキャシーの後釜を危惧して「トミーは処女厨」と嘘の情報を教えて阻止したことで、死んだ後も恨まれてしまうし、ロストポイントで思い返すのはトミーだけなのか、と。
トミーとキャシーは根本的に性格が攻撃的かそうじゃないかで違うけれども、共有した思い出は同じだし、キャシーが嫌うルースの性質はキャシーとトミーの関係に嫉妬することによって生まれたものでもあるから、そこまで責めたてられるものでもないんじゃないか
ルースが女性ではなく男性で、トミーのように偶然から来る秘密の共有と救済者と被救済者という関係性にあったら好きになってたの?




臓器提供のために作られたクローン人間が家畜のように生産と消費される社会で、それに対し疑問を抱える団体がヘールシャムという全寮制の教育機関を設立した
主人公のキャシーがヘールシャムでの思い出を独白のように現在の気持ちと過去の気持ちをいり混ぜにしながら小中高大社会人編(年齢的には)段階を分けて語っていく

小学生編では、クラスメイトの評価基準は芸術作品の上手さになっている。
定期的に開催される"展示会"という、全生徒が詩や絵画などの芸術作品を作り上げ、それを先生が選考し、最終的に"マダム"と呼ばれる謎の人物が引き取っていくイベントがある。
物語の主軸となっていく、ルースという天真爛漫でリーダーシップのあるプライドの高い女の子と、トミーという癇癪持ちで素直で心理的にも芸術駅にも不器用な男の子がいる。
下手な絵を書いてふざけた時に、先生に庇ってもらったことを理由にクラスメイトから反感を買ったいじめられっ子のトミーは定期的に癇癪を起こしていた。それを遠目から少し憐憫をもち観察していたキャシーがある日、トミーが癇癪を起こした後に、女子グループの面前で、トミーのお気に入りのシャツが汚れていることを言及する"触れてはいけないやつ"という腫れ物扱いを突き破った
それを境にトミーはキャシーに話しかけてくるようになる

それとヘールシャムの"展示会"や1部の先生が匂わせる"何かを学んでいるようで何も学んでいない"という言葉や"芸術作品を頑張らなくていい"という言葉に対する疑問の追求をトミーとキャシーで行うようになる
この頃キャシーはトミーの子供らしい不器用さを鬱陶しく感じていた

おそらく中学生に上がった頃にはいつのまにかトミーとルースが付き合っていた
この頃からルースとキャシーは時々険悪な仲になり、先生に特別に気にいられてるアピールを虚言で盛るルースと、それを知ってることを仄めかすキャシーなど、こういった"プライドが高く意地っ張りのルースとそれを疎ましく思うキャシー"といった構図が何度か繰り返されていく

1度マダムの横を女子生徒グループで通ってみると、恐怖と嫌悪感を顕にされた
それ以降マダムに対して疑問を深めていたキャシーは、ある日"私をはなさないで"という音楽に合わせて不妊症の母親がやっとのことで生まれた子供を抱いてることを想像してダンスを踊っているところを泣いているマダムに見られる。

次の日ステージ、コテージに進む
ヘールシャムの同級生とはバラバラになり、トミー、キャシー、ルースは同じだった
そこでもルースの先輩への媚やマウント、それに対するキャシーの反発
トミーとキャシーの仲に嫉妬するルース
等々昔ながらの関係性が描かれていた
ルースのポシブル(この時は詳述されていなかったが親かクローン元かのどちらか)を探しに先輩と3人で街へいくことに
ここでもお馴染みの対立がおき、トミーとキャシーは2人で行動することになる
その時キャシーが昔無くしたジュディのカセットを見つける、ここも秘密だ
ある日トミーが、"展示会'への画期的な見解を示す
それは、"真に愛し合ってるふたりは提供を免れられる"という噂に基づき、展示会はその真実を見極めるための道具であったというものだった
その事実と、過去に先生に肯定され絵を描くことをやめたトミーは今更取り戻すように熱心に想像上の動物を描き、それを最初にキャシーにみせた
この秘密の共有がルースにバレ、3人の関係はギクシャクする
ソレに決定打をいれるように、ルースはキャシーがルースのトミーに対する軽い悪口に笑っていたことを誇張して、キャシーも絵をくだらないと思っていると表現した
それに対する驚きと怒りとが入り交じった気持ちで何も言えなかったキャシーは、ルースが嫉妬からやったことを知っていたから2人に背を向け去った
そのままキャシーは介護人への道に進み3人はバラバラになった

介護人として躍進するキャシー
ヘールシャムが無くなったということをしったり、ローラというムードメーカーでおちゃらけていた同級生が介護人になることによってその明るさを失いくたびれていた現実的問題にも直面する
確かローラにすすめられて、キャシーは嫌な別れ方をしたルースの介護人になることを決める
トミーと3人で船を見に行くことにした
その道中で、ルースが気まずい雰囲気をどうにかしようと誰も知らないルースの友達の話をし、それに困惑するトミーを見て、キャシーがその話を退けるとトミーもそれに賛成してルースに対立した共感が芽生えた
ここでルースは昔のように反発しなかった
コテージにいた時の先輩クリシーが死に、その彼氏であったロドニーがその死を受け入れていることをキャシーが報告する
山に登る時にも車の中でも衰えを見せていたルースは、ここで自己投影したのか「そんなはずはない、キャシーはわかっていない」と昔らしい反発をみせた
帰り道でキャシーはいきのトミーとの共感に味をしめて、道すがらのポスターを批判したルースに対立しトミーに共感を求める
もう1枚のポスターを見かけた時、キャシーはつい"マダム"という3人の決裂に繋がる禁止ワードを出してしまい、それをみたルースは銃を奪い返した映画の登場人物のような恍惚とした表情をする
しかし、ルースの口から出たのは、ふたりが本当に付き合うべきであったということ、過去にキャシーが性衝動を抑えられないことを異常しとして扱い、トミーは処女厨だと言ったがそれはどちらも嘘であるということ、償いとしてマダムの住所を知っているから2人なら"本当に愛し合っている免れられる提供者"になれる、と託してくれた
それからキャシーとルースは昔のような空気のまま、ルースの最期を引き取った

キャシーはルースの遺言通りトミーの介護人を引き受けた
2人は「どうしていまさら」という後悔と、「免れられる提供者になれるのか」という不安を抱えながら牧歌的な生活を送る
決意を固めてマダムの元を尋ねることになった
マダムに"展示会"への見解を語るが、「やりすぎでしょうか?」という歯切れの悪い返事をするマダム
すると後ろから校長先生的立場であったエミリー先生が出てきた
全ての種明かしが始まる
愛し合っているからと言って免れられることは無いこと、世の中では臓器提供者は粗雑に扱われていてエミリー先生所属の団体が青春時代だけでも提供したり、周囲に人間であることを示す運動をしていること、それもデザイナーベイビーズの実験が進んでいることが要因で世間に危険視されてしまい頓挫したこと、などなどを話した

聞いてからしばらく落ち着いていた2人
帰り道、裏道ばかりを通り静寂の漂う空気の中、トミーは路肩に車を止めてもらうことを頼む
そこでトミーは暴れた

現実を受け入れた後のふたりは、
腎臓の悪くなっている最後を最愛の人に看取られたくないトミーと、看取りたいキャシーで、"提供人"や"介護人"というレッテルの張合いですれ違う
最後は劇的なおわりではなく、トミーが誰にも言っていなかった「サッカーで勝って戻ってくる時水の上を走ってる想像をしながら手を上げる」という冗談時見た事を言って、2人ともそれに笑う
手を挙げたトミーをみて、二人の関係は終わる

最後はキャシーがヘールシャムのことを思い出し、学校での小話であった"ロストポイント"という無くしたものが集う場所で、トミーが地平線の向こうから手を振りながら歩いてくるところを想像して終わる

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2026年04月07日

Posted by ブクログ

抑制のきいた端正で静かな語り口で、かえって事実やそれに関わる人たちの不気味さ異常さに慄いた。将来の選択肢はないのに、計画の詳細を曖昧にしたままに感受性豊かに理知的に育てる教育は、教師や利用者の罪悪感を薄めるだろうけれど、子供達にとってとても残酷に思えた。

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2026年04月02日

Posted by ブクログ

複雑で色んな立場の人の思いだったり希望がすれ違ってるのが読んでて切なかった、
提供者に感情を持たせるのは人道的にも取れるけど、それ以上に酷な気がしちゃった
キャシーは提供者の番になったのかな
あと信じたがり屋か知りたがり屋は人それぞれ違そうで面白いと思ったー

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2026年03月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

恋愛ものだと思ってたよ!読み始め早々から、仲間たちを惜しみ、懐かしみだす主人公。不穏な空気を感じ、恋愛ものじゃねぇなとすぐ気づきました。はっきりと最後まで明言されないからこそ、主人公の回顧中での端々の単語がじわじわと嫌な想像をさせてきます。閉じられた世界、介護人、提供者、夢の抱けない生徒たち。これは、もしかしたら現実に起こりえる未来なのかもしれません。イシグロさんは帯に世界観のネタバレの記載OKと言われていたようですが、ぜひモヤモヤした想像と闘いながら読んでほしい。とてもきれいな、怖い物語でした。

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2026年03月18日

Posted by ブクログ

スムーズに読めた。最後のあたりは生徒視点で読むと酷だと思うけど、実際そのような治療法があったら自分も考えないようにするだろう。人道的に育てると感情が豊かになってしまって苦しむことも増えそう

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2026年03月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。

キャシーは介護人を辞めるって言っているけど、そのあとは?
提供が始まるとも言っていないから、ルースが夢見たようにどこかオフィスで働ける未来もあるのかな?
親が事故死したりして提供の必要がなくなったら生きられるのかな?
でも他の人への提供が待っているのかなぁ。

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2026年03月01日

Posted by ブクログ

面白ぇっ!!!って感じではなかったけど
暗い秘密がすぐ傍にありながら、ずっと丁寧に友達との関係性が描かれてるのが良かった。本当にちょっとした細かい描写の積み重ねが、彼らが生きた人間なんだと強く訴えてくるね…

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2026年03月01日

Posted by ブクログ

淡々と残酷な真実が明らかになるような描写が上手い。
キャシー達もそれを受け入れていて、当然だと思っているのが伝わる

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2026年02月26日

Posted by ブクログ

少年、少女たちの成長と心の動きが丁寧に積み重なる中、明らかになっていく事実と虚構が読み手の心をも心地よく支配していく。

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2026年02月23日

Posted by ブクログ

希望も絶望もない、それは受け入れ。
介護者として働くキャシーは31歳、「この仕事は潮時だ。」と感じると同時に子供時代施設での日々を思い返す。その記憶は彼女たちには残酷な事実でした。

訳者あとがきには、この小説「ネタバレOK」と記載がありますが、やっぱり明かすには気が引けますね。
序盤に近い中盤で、彼女たちが生きる意味と謎があっけないほど唐突に明かされます。

「あなた達に夢は要りません。」
そんな彼女たちが過ごした青春時代。

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2026年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いつか救いがあるかもと信じて読み進めていたので悲しくなった
もう一回読むにはかなり勇気がいると思うので、その日が来るのかはわからない

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても、苦しい。
トミーと結ばれたあとの心情があまりにも悲しい。
もっと早くこうなれていれば、という想いが常に付き纏う。提供者という運命にあるからこその苦しみ。

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2026年01月25日

Posted by ブクログ

自分が生まれた意味・・・
親の顔を見たこともなければ、親は存在しないとされて育つ。
性的な雑誌の中に自分と似た人を必死に探し、「わたしを離さないで」と、赤ちゃんに見立てた毛布を抱いて揺らす。
キャシー、トミー、ルースともに言葉にはしないけれど、親、自分を無条件愛するはずの人を探している。
言葉で表現されないからか、その想いがひしひしと伝わってきて切なかった。
最後まで救われなかった。有刺鉄線の向こうの荒涼とした風景の向こうでトミーの姿が浮かんで消えた・・・

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

クララとお日さま微妙だった(ボックスとかよくわかんなくてページ進まなかった)ので文学的要素読解するのに苦手意識あったけど有名だから読んでみたくて。読みやすかった。そして意外にも関心分野だった。生命倫理とかそんな興味ないけど

結局提供で人生を終えるなら、「生徒」以外の人間と同じような感性を育むことで、より一層最後の結末の悲壮感を増すことになってしまうのに。
医学的存在として利用するなら、一貫してそのように扱った方がまだマシでは。
作品創作など、魂や心といったものに注目させる機会を通じて、人間としてしかるべき感情のあり方や感性(何かを慈しむ気持ち、自分はこれが大切だというアイデンティティの追求、愛する人とのセックスを通じたつながり)を学習させる。(学習させられなくても情動は自然発生すると思うが、提供者同士の閉鎖的な空間での生活がデフォルトだったら、感じ方もそれに合った、その中で都合が良いものに調節されるはず)
ヘールシャム出身者を羨みながら、あったかもしれない希望に想いを馳せて人生を終える提供者、提供の猶予を求めて必死で噂に縋り恋を証明しようとする提供者。結局破滅が外部から定められている短い期間に、提供という物理的役割だけでなく、人間的な感情の変動も強いられる。こっちの方がよほど残酷だと思ったけど。でも全ては作り出す側のエゴだからな。臓器提供のための便利な存在としてだけじゃなく、同じ姿形をしている同じ生物種なら、同じ心を持っていた方が安心するというエゴで作り出されたヘールシャム出身者たち。
優秀とされる遺伝子で世界が支配されていくのではないかという恐怖に怯えて、クローン人間を違う生物種として排他的に扱うのもエゴ。人間であるはずなのに自分たちと同じだという感覚を得られず生理的に湧く嫌悪感と折り合いをつけるために人権を主張するのもエゴ。
p400「こういう絵が描ける子どもたちを、どうして人間以下などと言えるでしょう…。」以上とか以下とかいう表現がしっくりこない。情動含めて存在を操作しているのは自分たちで、医学的役割に加えて精神的にも自分たちをなぞるような機能を備えようという試みをしているだけなのに、つまり舵を握っているのは自分たちなのに、その存在の新たな一面に初めて気づいたかのような演出は薄気味悪い。
p416「かわいそうな子たち」も違和感ある。マダム1人でこの世界を生み出したわけではないから、彼女を一概には責められないけど、人間が都合よく作り出したものに犠牲が生じるのは当たり前だし織り込み済みだと思うのに、悲しいとか可哀想とかいう感情すらちゃんと享受するのかというね。
エミリ先生による活動の前は、クローン人間たちの精神はどう発達したのか気になる。
人は運命という外力で人生の終末を操作されていると考えたら、クローン人間もその他の人間もそんな変わりはない気がしてくるのだけど、その外力が同じ生物種によって決められているというのが気味悪さや嫌悪感が生じる要因だろうな
エミリ先生派閥も対立派閥もどちらも正しいとかはなくて、どちらの考えの方が都合がよく、納得がいくかという、各人の嗜好の違いに感じる。
p407キャシーの発言「追い風か、逆風か。先生にはそれだけなことかもしれません。でも、そこに生まれたわたしたちには人生の全部です。」に胸が痛む私はエミリ先生の試みには反射的に反感を持ってしまう。ルーシー先生みたいに、全て現実を知らせた上で役割を全うさせようとする態度も、告知された側はそれを受け入れるしかなくて、先生が絶望とともに一緒に生きてくれるわけでもないのに、とんでもない暴力だと感じるが。
時代が変わればまたもっともらしい理由が生まれてそれが倫理的だの何だのと大層な判を押される。知的遊戯でしかないな、だがその過渡期に生まれた、古い世界にnever let me goと懇願する姿がもの悲しさを誘うのも事実で。

クローン人間としての自分達が何から生まれたのか、親やポシブルに敏感に反応する様子が途中描かれていた。
親が実際にどうであるかという真実より、真実のようなものに触れたときにそれによる印象や生じた感情で自分というものの説明が書き変わるから、
自分の存在を生んだ大元のdnaや現実というより、その情報を自分の中でどう解釈するか、の方が自己の形成に大きく関与している気がする。

何かに決定的に気づく前の潜在意識下での違和を掬い上げる感覚を表すのが上手い
対話も個人的な思考も言葉になる以前のものが大半を占めているんじゃないかと思わされた。ベールを剥いで目に見える形で明らかにする前にも確実に存在していたもの、それが水面下で自分も含めて人をコントロールしている。トミーの癇癪もそうだったよね、という考え方はおもしろい。

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

もっと分かりやすく動きがある方がいいかな 期待していただけに、展開がよく見えないまま淡々としていて、ある程度見えた頃でも、素晴らしいとか心が締め付けられる、とか残念ながら全く感じなかった。まだこの境地に至ってないんだと思う。

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2026年03月14日

購入済み

話題作

ドラマ化され、世界的な有名な賞をとり、
初めてですが読んで見ることにしました
最初は、なんだか話がよくわからないなあ、、なんて
思ってましたが、途中からページをめくる手が止まりませんでした
自分には程遠い世界と思いがちですが、実際に起こっている世界とだといいことを
認識していたいと思いました。一度は読んでおきたい作品だと思います

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2017年10月16日

Posted by ブクログ

「提供者」と主人公たちの置かれている環境が気になって読み進めた前半。全貌がわからない段階では、エピソードのひとつひとつがどれほど意味があるのかわからず、先も見えず、つまらなく感じた。それでも途中で辞めなかったのは、話が少しずつでも前に進むからか…?
強く心を揺さぶられるようなことはなかったが、頭の片隅にエピソードが残り、じわじわ考えてしまう。時間をおいてまたもう一度読んでみたい。

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2026年03月23日

Posted by ブクログ

何かおかしい、なにかを隠されてる…と疑問だったけど、それが明かされても、特に反発もなく受け入れる。なんの隔たりもないような、向こう側の世界には、どうしても行けない。生まれながらに違う世界だから。自分の運命を、自分に課された役割を、目の前のことをこなすだけ。
不思議な話だったけど、実際に生まれた環境や時代で、搾取される側の人は確実にいる。低賃金で死ぬまで働かされたり。でも、私達はそこは見て見ぬふり。人格や感情や鮮やかな人生があることを、知らない。その方が私たちの精神衛生上いいから。…そんなアイロニーかな。
繊細な生き生きとした感情描写を読めば読むほど、なんか憐憫や哀れみが浮かんでくるのは、後ろめたさからか。
途中、細かい関係性の説明ややり取りに間延び感があり、丁寧なんだけど若干読みにくかった。

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2026年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔観たドラマがすごく印象的で、当時から原作を読んでみたいなと思っていた作品。

「提供者」として生み出されたクローンのお話。
ヘールシャムは環境が整った人道的な施設だったかもしれないけど、行き着く先(提供者となる未来)が変わらないのなら「人間らしい感性」なんか育たないほうが幸せなんじゃないかと考えさせられる。
ただ、作風なのかあえてなのかは分からないけど、登場人物の感情(死への不安や恐怖、愛する悲しみ等々)がほぼ描かれないから、終始淡々としていてちょっとつまらなく感じてしまった。

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2026年02月20日

Posted by ブクログ

生命倫理・科学的な話と言うよりも、私たち誰もが感じる「もう二度と戻れない過去、思い出への回帰」が主題であると感じる。ラストのキャシーによるヘールシャムを探そうとは思わない、あの頃の思い出はあの頃のまま保存されているべきだ。といった語りが印象的であった。

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2026年01月13日

Posted by ブクログ

イシグロの作品って、今にも駆け出しそうなのにずっと腕を掴まれてるような感覚に陥る。細部をしっかり見せて静かなフィナーレを迎える、そんな感じ。この本もそうだった。青空が広がっているはずの描写でさえも少し灰色がかっていて常に唯ならぬ空気を纏ってる。

ディストピアとは思わず読んだので心の準備ができておらず...。人生を全うするのが最善と言われているけど、彼らもそうなんだろうか?介護し提供するだけ人生が最善?...そんなのあまりに悲しすぎる。

私にとって死は常に意識しているわけではないから、突如その場面に出くわすと恐怖を覚える。なら彼らは?意識せずとも隣にある死と向き合いながら前向きに生きることはできるんだろうか。

【イギリス】

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2026年04月05日

Posted by ブクログ

終始女性の一人称で進む物語。土の中でじっとし続け、最後の一章で飛び立つような展開でした。
境遇がわからないまま、大きくなっても子どものままのような主人公達。荒れた感情に悲しさや怖さ、色々重ねたら丸になったような独特な感覚を覚える本でした。ひどい話なのになんだか爽やかさも感じるのは、淡々としているからでしょうか。

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2026年01月24日

購入済み

淡々としたノスタルジー

高評価のレビューがいっぱいの中、すいません。
ノーベル文学賞を取ったというニュースで初めて知り、読んでみました。
期待が大きすぎたのか若干がっかりしました。

何の予備知識もなく、提供、3-4度目の提供で使命を終える、とのことから主人公たちがどういう子供たちなのか検討はつきました。
不思議だった施設での授業や保護官とのやりとりが後に明らかにされますが意外性や驚きがなく終わってしまいました。

こういう目的のために生まれてきた子供たちの話は日本の漫画でかなり昔にも読んでいたので、その時の衝撃が大きかったのと、内容もはるかに壮大(漫画的)だったからかもしれません。
ちなみに清水玲子の『輝夜姫』(1993)という作品になります。

ところで主人公キャシーはこの物語を誰に向かって話しているのでしょう?私たち読者?翻訳だからなのか、それは違うような感じがしながらずっと読み進んでいました。

一度読んだだけの感想としては、意外性がなくがっかり、というところですが、再読の際にはいろいろ想像力を働かせて読んでみるといいかもしれません。
語り手キャシーの一方的な思い出話は、もしかしたらトミー側、ルース側では全く違う受け取り方が出来るかもしれません。

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2017年11月20日

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