macさんのレビュー一覧
レビュアー
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ネタバレ
・人間は5万年前(石器時代)から変わっていないハードウェアだ。脳はその時代から進化していない。
それなのに受け取る情報は、その時代に生きた人の一生分の量である。
限られたハードディスクには、不必要な情報が満載。貴重なメモリは、他人の目線を気にして、モノを追いかけ、
管理することに大きく割かれる。本来の大事な事に手をつけられなくなる。
そして束の間の娯楽を消費し続ける。
ゴシップやアルコールなど簡単に自分をごまかせるものに手を出すようになる。
まるで「処理中」のアイコンがぐるぐるしている、「重い」パソコンのように。
・重いパソコンをキビキビと動かすには、ハードディスクのデータを「減らす」。
起動しているアプリを「減らす」。
・落ち着いたら「いつか」手放す?残念ながらモノに煩わされている限り、その「いつか」は永遠に来ない。
「今」手放す。手放すことがすべての始まり。
・手放す気持ちを邪魔するのは、「後で必要だったらどうしよう」
「手放さなければよかったと思う日が来るのでは?」という不安だ。しかし「手放して」後悔するモノはまずない。
・1年使わなかったモノは、来年もそれなしで何の問題もなく過ごすことができる。
ただ一つ、災害に備える非常用の装備だけは別だ。
数年に一度使うものはレンタルすべし。
使っていないモノの維持・管理にお金もエネルギーも使うことはない。
・「いつか」という未来のためにモノを備えても、ほとんどが無駄になってしまうように、
「かつて」という過去にいつまでも執着すると、モノは際限なく増えていってしまう。
学生時代に必要だった教科書、一時期熱中した趣味の用品、恋人がくれた思い出のプレゼント。
過去に執着していると、新しいことは入ってこなくなる。
過去に必要だったモノとすっぱりと縁を切らないと、一番大事な「今」はいつまでも無視されてしまう。
何か変わりたい(成長したい)と思うなら、「今」必要なモノだけ手元に置くべし。
・手放したからこそ、忘れられないモノがある。
(手紙→スキャン→スキャンのために見返し→忘れていたものを意識する)
・大事なモノを大事にすることは素晴らしい。しかし、大事なモノがない身軽さも確実にある。
・人は誰でも最後に、全ての荷物をこの世に置き残し、旅立っていく。
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保身の連鎖
・「データや常識と整合性のある道理だけじゃなくて、個人的な動機で判断してしまう時が、人間にはあると思うんです。
人の数だけ個人的な動機があって、それが複雑に絡み合っているのが社会なんです。
IDMC委員も30人の人間だと考えることも重要なのではと」
・「IDMC委員たちの動機って、恨みとか理想とかじゃなくて…上下関係ってないですかね?
働いている場所も仕事も違う30人が一致する動機を探してましたけど、もう理由とか事情とかないのかも」
・「医学界って医学部から徹底して年功序列世界ですから…他業種から見たら異常なくらい。
その状態を常識だと思って疑わないから、中熊先生伝ての脅しが効くと思ってる」
・「…笑うわ。上に阿って30人が同じ意見ってこと」
「治験を止めさせるような意思もないから、延々と治験を先延ばしにさせてる…?」
「IDMC委員の選考事態に誰かの意図が働いているってことか」
・「…老いだ。小さくまとまってしまったもんだな、丸山君も。
彼らはなぜこうなってしまったと思う?間瀬君」
「…僭越ながら10年後の未来を見るより、目の前を過ぎていく数日間に価値を感じてしまうのでしょう。患者のように。
だが医者と患者は違います。目を失った医者を救う術はありません」
・「ははん、こいつは政治家タイプだな。丸山は自分の発言に縛られてんのよ。
自分がクサしたJS1が治験でどんどん性能を証明して、自分が言ってしまったこととのギャップがどんどん広がっていく。
元東都大病院長様のプライドが、間違いを認められねえんだ。真っ赤にしている顔が見えるぜ。
現実を捻じ曲げてでも恥をかきたくねえんだ。この先生、ガキだな」
「…これが悪党か」
「違うよ、岸先生。こいつはどこにでもいるような人間だ。この世に確信犯的な大悪党なんかいねえのよ。
そこには無数の保身があるだけなんだ。ひとりまたひとりと連鎖して、でたらめな結果に行きついちまう」
・「僕の頭の中には中熊先生がいてさあ、稲垣先生も、高柴先生も、若乱会も、比日野もいる。
みんなから、お前はそんなものかと突きつけられてる。IDMCのやつらの頭の中には誰もいないんだろうな」
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・親から虐待を受けた子供が、自分より小さくか弱い生き物に暴力を向けてしまうことはある。
虐待の連鎖である。しつけか虐待か、親の言動は子供にどれほどの影響を及ぼすか。
それらをジャッジする見積もりの甘さが、虐待の連鎖を生み、この世界の不幸を拡大再生産してしまう。
・ハッピーエンドの恐ろしさは、そこに至る過程で主人公の身に起きた辛く苦しい出来事が、
終わりよければすべて良しのノリでなかったことにされてしまう点にある。
少なくともハッピーエンドの印象故に事態は甘く見積もられることとなる。
・因果律では捉えられない不合理なことも、現実にはあり得る。
人間は、特に現代人はあまりにも因果律に囚われている。原因と結果は必ず結び付くものという思考が、
人生から自由を奪い、生きづらさをもたらしている。
その思考に異議を申し立て、想像力の隙間を作るきっかけとなるのが、文学をはじめとするフィクションの役割である。
・インターネットという感情増幅・発動装置を手に入れた現代人は、社会正義や公衆衛生、
ポリティカルコレクトネス、コンプライアンスをお題目として、
自分の好みでない作品に対して激烈な非難を浴びせるようになった。魔女狩りや異端審問、病的な暴力行為である。
そうしたことが広く積み重なっていった果てに現れるのは、
どんな本も読めず、どんな本も書けなくなるディストピア(地獄のような世界)である。
・我が身に流れる時間の厚みは、イコール人間としての厚みである、故に自らの行動は正しく価値あるものである、
と押し付けてくる年配者は「老害」である。
・更生(あるいは改心)を社会的に実現するために必要なのは、
どういった経緯を辿って自分は変わっていったのかを説明する、周囲への根回しである。
・積極的に「よかったところ」「うれしいところ」を見つけることで、心が救われることはある。
だが、それを他者に広めた場合、受け手に独特の疲弊を生じさせ、意地悪な気持ちという副産物をもたらすことはあり得る。
・古典作品には常に賛否両論がつきまとうが、単なる絶賛ではなく、
どこかに「否」を感じるからこそ、人は惹きつけられ、その経験を誰かに語りたくなるのではないだろうか。
・美点を凝視しすぎると、その周辺に広がる細部を見逃し、豊かさやダイナミズムを単色で塗り潰す恐れがある。
・解釈の可能性は無限に開かれている。 -
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どこかで奇跡は起きている
・「『わからない』というのは、不安であり、怖いものでしかありません」
・「赤ちゃんと母親に寄り添えなくなったら、その出産はもううちらのものじゃない」
・「感染対策のために外部から院内に入る人を最低限にってのは分かるけど、
旦那が立ち会いも面会もできないなんて異常だよ」
・「感染病棟(ここ)に入院している患者は、みんな怖くて不安なんです。
それに、まるで自分が特別悪い事をしたかのような気持ちになって苦しんでる。
そんな時は誰かにそばにいてほしいし、誰かにそっと手を握って貰いたい。
本当は家族がそれをしてあげられれば一番いいけど、今それをしてあげられるのは看護師(うちら)しかいないでしょ。
看護師(うちら)は感染病棟(ここ)でコロナを相手にしているんじゃない。
看護師(うちら)は患者に寄り添うために、ここにいるんだよ」
・「その仕事は自分の子供よりも大事なお仕事ですか?」
・「ワクチンを打つことは、母親とお腹の赤ちゃんを守ることになるんですけどね。
ワクチンを打って母親にできた抗体は、胎盤を通じて赤ちゃんにも行くことになります。
それによってお腹の赤ちゃんも抗体がもらえるということです。
これはおっぱいでも同じことなので、授乳中のお母さんにも同じことが言えますね」
・「妊婦や患者をコロナから守ってあげられたとしても、心が守れなきゃ意味ないよね」
・「日々…医療が進歩しているとはいえ、それで全てが解決する訳じゃない。
それでも今日できることで医療者(ぼくら)は明日に進んでいる。一歩ずつだ。
連日…コロナと共に暗いニュースが報じられ、世の中を不安にさせている。
でもTVやネットのニュースで報じられることはなくても、今日も必ずどこかで奇跡は起きているんだ。
母親が妊娠、出産して、家族がそれを迎え入れている。
それ以上に明るい出来事(ニュース)がこの世界にあるわけないって…ぼくはこれからもそう信じてる」
「安心したよ。お前が相変わらず恥ずかしい奴で」「あはは」
「もう切るぞ。これ以上話してたら、こっちまで恥ずかしいことを言いそうになる。サクラ…ふんばれよ」
「…」「じゃあな」「うん、またね」
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・「達也さんにはわからないでしょう。愛する人とともに生きることを許されたあなたには」
「達也さんの人生が順風満帆だったとは思いません。僕には想像もできないような陰惨な経験だってしてきたと思います。
そうでなければ、あんな風に世界と戦おうなんて思えないでしょうから」
「でも達也さんは一人じゃない。過去のことは知りませんが、現在と未来は、一人じゃない」
「分かっているんです。僕は一人じゃなかった、今だって死のリスクを冒して付き合ってくれる仲間がいる」
「こうなってしまったのは誰のせいでもない。僕自身の選択です。
ベストではなかったかもしれないけど、正しい選択だったと思っています」
「あなたは強い人だ。愚かさに縋らなければならない弱さを理解はできても、共感はできないでしょう」
「僕は弱いから、自分の本心を押さえ続けていられる自信がない。彼女と一緒にいたい、彼女を自分と同じにしたいという欲に耐え続けられるか、自分でも分からない」
「弱さが免罪符になるなんて思ってません。僕はただ事実を告白しているだけです」
・「お前は彼女のことが好きなのか?どういう意味で好きなんだ!」
「俺は深雪を愛している」
「ちゃんと女性として愛しているのか?妹として愛しているだけじゃないのか?」
「お前にそんなことを言われる筋合いはない!お前こそ外見に惹かれているだけだろう!」
「外見を好きになって何が悪い!」
「外見だけで好きになったと言われても信じられるものか!」
「外見だけじゃない!俺はきっと彼女の全てを愛せる!」
「深雪のことをよく知りもせずに何が愛だ!軽薄な一目惚れってやつじゃないか!」
「一目惚れの何が悪い!彼女を初めて見た時、俺は運命を感じたんだ!」
「運命だと?そんなものが根拠になるか!」
「お前だって、婚約者に選ばれたのは、偶々彼女と血のつながりがあっただけだろ!それだって運命じゃないか!」
「俺と深雪とは、十年以上の積み重ねてきた時間がある!過去の時間は事実。運命とやらはただの思い込みだ。
俺が深雪の婚約者だということも既に決まった事実だ!」
「大人の都合で決められた事実など、俺は認めない!深雪さんには俺の方がふさわしい!」
「深雪を一番愛しているのはこの俺だ!深雪は渡さない!誰にもだ!」
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・「失敗したからとか、質問に答えられなかったらとか、あんまり考えすぎない方がいいよ。
わからないことは「わからない」と正直に答えればいい。そのあと調べたり、人に聞いたりして、
患者のために行動する事が重要なんだから。
俺たちの仕事は、事なかれ主義でやっててもある程度は成功しちゃうけど、
まずは一歩踏み出さないと、自分が何をすべきか見えてこない。
それに捌く数とか気にせず患者に時間をかけられること、この先なかなかないよ。
この機会をフルに活用しないともったいないって」
・「同じ立場を経験しないと相手を思いやれないなら、誰も医療者になれないよ。
みんな最初からできるわけじゃないし、私だってまだまだだけど、患者さんを理解しようとする姿勢は常に心掛けないと」
・「自分がわからないからって、行動しないのは逃げだよ」
・「向き合わなくてすむ理由探しに必死になってるなら、もうやめちゃえばってことくらいしか言うことないんだわ」
・「努力したからここまで来たんだろ。いい加減、自分を認めてやったら?」
・「いま、答えや結果を焦らずに、目の前のことを一生懸命にやってくれたら、それでいいから」
・「そもそも学生が何か役に立つとか期待してないしさ、どんどん先輩たちにも頼りなよ」
・(私たち医療従事者に必要なもの。学び続ける姿勢、正確な技術、責任ある行動、
そして患者さんの人生に関わるという覚悟。
彼らは学生で、この先のことはまだわからない。
でも確かに医療者としての小さな一歩を踏み出している)
・「どういった選択であっても、多かれ少なかれ「思っていたのとは違う」は出てくると思うので、
まずは自分の理想を描いてみるのもいいと思います」
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ネタバレ
・「小説よりも奇妙な現実なんて、誰も求めてないよ!」
・「僕は今幸せなんです。現実ってそんないいものですか?この世界で歌っていてはいけませんか?
誰にも迷惑かけてません。一人でいるだけなのに」
「現実だって、それほどいいものじゃない。だがなあんたがそうやって現実から逃げているあいだも、
現実を支えるために必死で戦ってるやつらがいる。誰にも迷惑をかけてないと言うが、
あんたの幸せは、彼らの犠牲で成り立ってる」
・効率優先、生産性第一の社会、即ち若いことが価値だとされる社会では、
人間的な豊かさや幸せは二の次になりがちだ。
・人類が到達した「無眠社会」。それは人が起きたまま睡眠できるようになり、
圧倒的な生産性を手に入れた社会。しかし、そんな世界の中でシステムに適合できない(睡眠せざるを得ない)者、
適合しすぎた(「夢」から出られない)者がいた。
・生物にとって睡眠は欠かせないもの。自然界では、たとえ脳がない生物であっても寝る。
・人口睡眠装置『アウェイク』は30分の睡眠で、記憶の整理、免疫機能の調整、肉体的休息の効能を得られる。
・働くにせよ、学ぶにせよ、1日8時間、年間4か月のアドバンテージが得られる、というお題目のもとに実現した
超高度生産社会の中で、福祉のお世話になることは、公共の敵と看做されることを意味した。
・「みんなはただ奴隷のように働く自分たちが、かつての人間よりも優れたものだと思いたいだけなんだよ」
・「人は眠りを無駄なものだと決めつけてしまったけれど、本当は違うんだって。
どんなに人生に生きがいを感じている人でも、本当は、自分が世界から離れる時間が必要で、
それが眠りなんだ、って思った。眠って、活動して、眠る。それがセットなんだ」
・「みんなにとって今の世界は悪夢なんだよ。どこにも逃げられない。
ずっと現実が絶え間なくて、勉強することと働くことに追われている。だから30分の夢の世界にずっといたいんだ」
・残そうという努力をしなければ、消えてしまうものも多い。
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男の温泉
・群馬県の四万温泉積善館『元禄の湯』:美しいアーチ。
・温泉は世界に誇る日本の文化。江戸時代より湯治場として、病の治療をした伝統がある。人と人との裸の交流。
・北海道河東部の幌加温泉:露天。
・青森県黄金崎の不老ふ死温泉:海と同化している温泉。海の方は冷たい。
・秋田県川厚毛の大湯滝:大滝の温泉
・岡山県の湯原温泉砂湯:ダムの温泉
・静岡県の河津原温泉:共同露天風呂(バスタブ様):湧きだす温泉が余ったので作った温泉
・新潟県苗場の赤湯温泉:標高1060メートルにある秘湯。車から下りて5キロ歩く。
登り2時間かかる、山の上の温泉。
・大分県の天ヶ瀬温泉:玖珠川のほとり。共同露天風呂。
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コンパクト化
・思い出屋敷化しやすい人の特徴:根が几帳面、思い出が多すぎて物が捨てられない、
物に囲まれている幸せを感じる。そういう人は「データ」だけあってもダメ。形が必要だ。
・ビデオテープの場合:DVDにする数が多すぎる場合は、
大容量ハードディスクと、それに対応するプラスチックケースとプラスチックフレームだろう。
見たいナンバーをパソコンに入力し、ハードディスクから選び、好きな物が見られるように。
チケットもプリントアウトできるように。
・本の場合:大容量ハードディスクと、それに対応する本を模したプラスチックケース。
あるいはマイクロブック(1/100)。マイクロブックを読む時は、ページをピンセットでつまみながら顕微鏡で読む。
・ランドセル:革を使ったミニチュアに。
・セーター:ほどいてミニチュアに。
・家:プラモデルの民家シリーズ?
・車:ミニカー
・思い出の母校や町:食玩にあり?
・思い出の初恋の人:美少女フィギュア?
・「本も読んだら友だちにすぐあげるし、テレビも見るけどビデオに録画した体験は一度もない」
「絵本も一度読めば頭に入る」
「あたしの時代はほとんど無いよ。すべて記憶にある。今は物が多すぎるんだよ」
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ゴミ屋敷
・ゴミ屋敷の裏側には、体力の低下や認知症、また精神疾患などがあって、
その結果「片付けられない」「捨てられない」「増やしてしまう」ということになってしまう。
・ゴミ屋敷はいろいろな問題が見える形になった現在進行形の結果である。その最終地点は孤独死。
・ゴミ屋敷になる原因は複雑でも、大きな共通点はある。それはセルフ・ネグレクト(自己放任)だ。
健康、生命、および社会生活の維持に必要な個人衛生、住環境の衛生、もしくは整備、または健康行動を放任・放置しているということ。
・「自分のために何かするってすごーく難しいじゃない?」
・「どんなに頑張っても自分のこと大切に出来ないと元も子もないって俺は思うね」
・「普通はゴミ屋敷になんかならないし、その手前でちゃんとするだろ。
そういう最低限のことすらできてなくて、人に片付けさせて。
自分でどうにかしようって気がない奴に、何してやったって結局無駄だと思うけど」
「…どうして自分に見えることだけで、他人を全て分かった気になれるんですか?
あの家に行っただけで、僕たちはまだ彼女のことを何も分かってないんですよ」
・「一見簡単に見えることすらできなくなっている状態の積み重ねが、あのゴミ屋敷なんだと思います」
・「先生って、私がおばかさんだから話を分かってないんだと思ってるんでしょ?実際合ってるのよ。
先生はお医者さんになれるくらいお利口なんだもの。でも私、私は…両親が死んだ時に思い知ったのよ。
私からっぽなの。あの家以外なんにもない。
先生が正しいのは十分分かってるわ。でも…いえ、だから、先生には私の気持ちが分からないの。
言うこときけなくてごめんね、先生」
・「あの家に手放したくないものがあるんですよね?
だから清掃業者を入れたくない。…言いたくないことを無理に聞き出そうとは思いません。
でもこれだけは約束します。それがどんなものでも絶対に軽く扱ったりしません。
あなたの大切なものを壊したり取り上げたりしません」
「…犬飼さんなら、教えてあげても…いいかな」
・「自分でも気付かないうちに、あの家全体を否定して見ていた。それじゃ共同作業なんてできないですよね」
・「本人がすぐには変われなくても、少しづつ変わっていければ、それでいいんじゃないでしょうか?」
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ヤングケアラー
・ヤングケアラー:本来、大人が担うとされている家事や家族の世話など、日常的に行っている18歳未満の子供や若者。
過度な負担により学業などに支障が生じたり、子供らしい生活を送る権利を侵害されている状態。
介護や育児といったケア労働は家族の中で解決する、という価値観の延長線上にヤングケアラーはいる。
ヤングケアラーの一番の問題は、彼らの存在が気付かれないことだ。
・「ねえ、犬飼さん。俺、お父さんの力にちゃんとなれてるかな?」
「景都くんはもう十分頑張ってるよ」
「…だといいなあ。俺の家族の話、聞いてくれてありがとね」
・「患者と家族の意見が反映されていない支援計画なんて、成立する以前の問題。誰が金払うと思ってんだ?
支援を受けるのも、それに金を払うのも患者とその家族だろうが。
不満なのは分かるが、ちょっと頭冷やせ」
・「いつからだ?なんで言わなかった?」
「何が…」
「全部だよ、ばあちゃんのことも全部…何でもっと早く…
お父さんはっ…お前にそんなことさせたかったわけじゃないんだ」
・「…景都に聞いたんです。家のことはほとんど景都がやっていたって。
瑠香の面倒だけじゃなく…母のトイレの介助まで、そんなことになっているなんて全然分かってませんでした。
あの子たちの母親と離婚する時も言われました。何で…酷い状況になる前に気付かなかったんだ、って。
もっと早く対応できただろう、って医者にも。…妻本人にも。もう同じことはしたくないんです。
お願いします。もう前みたいに何もできないまま、家族が壊れるのは嫌なんです!」
・「焦ったりすんな。今あの家族のことが見えてるのは、お前だけなんだよ」
・「仕方がないとか、自分が頑張るしかないとか、それは本当の解決じゃないんだよ。
自分が壊れないために、人に助けてもらうのは大事なことなんだ。
誰かの優しさや一生懸命さに寄りかかって、無理をして家族を成り立たせるのはだめなんだよ。
無理を続けて不幸な結果になることだってある。取り返しがつかないことだって…
そうならないように僕たちがいるんだ。ここからは僕たちに…背負ってるものを分けてほしい」
・「今まで家族を支えてくれてありがとう。遅くなってごめんね」
・何でもノートに書いて、情報を共有する。
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脳卒中
・MSW:医療ソーシャルワーカー。患者の病気や怪我、その後遺症から起きる問題や不安に寄り添い、
その後の治療や日常生活をスムーズに送れるよう、社会福祉の立場から患者を支援する人々。
・「お金って大事ですよ。だって生きてるんですから!」
・「まだ自分の身体の変化を受け止められていない。今までできていたことができなくなって、
日々少しづつ無力感が蓄積されてしまう。そんな中で自分が本当はどうしたいのかなんて考える余裕もない」
・「会社って「人」で出来ているのに、その「人」を守らない会社ってどうなんですか?」
・「私どもの仕事は患者が中心なので、どうしても御社が組織として個人を特別扱いできない、と言うのはよく分かります。
しかし、これって本当に特別扱いなんでしょうか。くも膜下出血は発症すれば1/3がその場で亡くなります。
1/3は重い後遺症が残る恐ろしい病気です。リスク要因は様々。遺伝や高血圧、喫煙、不規則な生活、長時間労働。
いつ誰が急になってもおかしくない。病気は真の意味でフェアですから、従業員が何らかの病気になった時に、
個人を尊重した柔軟な対応をする。これは有賀さんだけではなく、いつか他の全ての人の利益になると思います。
そのほうが企業のイメージとしてもクリーンですしね。逆に最近は企業の不誠実な対応を、従業員がSNSで告発したりして、
問題になったりもしますよね。本人以外のどこが火元になるかなんて分かりませんよね?」
・「頑張ったのに自分に裏切られるなんて全然思わなかったよ」
・「終わってなんかいません。有賀さんは終わってなんかないです。前の自分に戻れなくても進んで行ける。
MSWも病院も有賀さんの味方です。会社も復帰を待つと言ってくれました。
障害があっても仕事をされている方はいます。それには周囲のサポートと、本人の大変な努力が必要ですが。
有賀さんならできるって、僕は信じてますよ」
・「病気になったからって”ハイ、それでおしまい”じゃないんです。映画だってそうでしょ。
エンドロールの後も、人生(物語)はずっと続いていくんです」
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マルクス・アウレリウス帝
・マルクス・アウレリウス帝(ローマ帝国最後の五賢帝)のパルティア戦役→勝利→
帰還兵たちが新感染症(天然痘か麻疹と言われている)をローマに持ち込んだ=『アントニヌスの疫病』→
6000万人のローマ帝国で、1000万人の人が死亡→急激な人口減少→ローマの経済力の減退→
国家の安全保障に揺らぎ→ゲルマン民族がドナウ川口境を脅かすようになっていく。
・マルクス・アウレリウス帝「まもなく土は我々全てを覆い隠してしまうだろう。
次に土自身も変化し、更には次から次へと無限に変化して行く。
この変化と変形の波の動きと、その速さを考えて見る者は、諸々の死すべきものを軽蔑するに至るであろう。
全て君の見ているものは、まもなく消滅してしまい、その消滅するところを見ている人間自身も、
まもなく消滅してしまう。極めて高齢に達して死ぬ者も、結局は夭逝した者と同じことになってしまうであろう」
・マルクス・アウレリウス帝の死→ローマ帝国衰亡の始まり→
かつては享楽的で世俗的であったローマ帝国→三世紀にはキリスト教的(禁欲的で来世的)な雰囲気に変わった→
「神々はローマを見放した」「それならキリスト教だ」→
キリスト教「肉体の死を恐れてはならない」「魂を滅ぼすことのできる方、即ち神を恐れなさい」
「疫病による死は現世からの解放であり、キリスト教徒を天国での新たなる生へと導くものである」
→キリスト教徒は死や感染を恐れず病人を看護し、病院の経営も行った→
キリスト教の勝利→ローマの滅亡→中世の時代へ。
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合成の誤謬
・個人経済から見る時と、国家経済から見る時とは、大変な相違がある。
例えば、ここに一年五万円の生活をする余力のある人が、倹約して三万円を以って生活し、
あとニ万円はこれを貯蓄する事となれば、その人の個人経済は、毎年それだけ蓄財が増えていって結構なことである。
しかし、これを国家経済の上から見る時は、その倹約に依って、これまでその人が消費していったニ万円だけは、
どこかに物資の需要が減る訳である。その分、国家の生産力はそれだけ低下してしまう。
故に国家経済より見れば、五万円の生活をする余裕ある人には、それだけの生活をして貰ったほうがいいのである。
また、別の例えをすると、仮にある人が待合へ行って、芸者を招いたり、贅沢な料理を食べたりして二千円を消費したとする。
これは風紀道徳の上から言えば、褒められたことではなかろうが、ここで使われた金はどういう風に散らばっていくのか。
料理代となった部分は料理人等の給料の一部分となる。
また料理に使われた魚類、肉類、野菜類、調味品等の代価及びそれらの運搬費並びに商人の稼ぎとして支払われる。
この分は、彼らの衣食住その他の費用に充てる。
それから芸者代として支払われた金は、その一部は芸者の手に渡って、
食料、納税、衣服、化粧品、その他の代償として支払われる。
もし今この人が待合に行くのを止めて、二千円を節約したとすればどうだろう。
この人個人にとっては二千円の貯蓄ができ、銀行の預金が増えるがそれだけだ。その金の効果は二千円しかない。
しかるに、この人が待合で使ったとすれば、その金は転々して、農家、工員、商人、漁業者等の手に渡る。
それがまた諸々の産業の上に、何十倍にもなって働く。
故に、個人経済から言えば、節約をすることは、その人にとっては誠に結構であるが、
国家経済から言えば、金を使った方が、同一の金が何十倍にもわたって働くので望ましいのである。
これが個人経済と国家経済との違いなのだ。
もっとも、これは極端な例ではある。
要は、個人経済から見る場合と、国家経済から見る場合は大きな違いがあると言うことだ。
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医学について
・石鹸の元となるアルカリ:「オリーブオイルと石灰」<「炭酸カリ(ポタシュ)かソーダ灰、塩」<
「灰汁(植物の灰を水に浸して出来た上澄み液」
・石鹸:アルカリ+油・脂肪→鹸化
・避妊:禁欲(性交を行わない)≧経口避妊薬(血栓症のリスク)
>母乳を与える(出産後6か月まで。その子は母乳だけで育てなければならない。日中は4時間おき。夜間は6時間おき)
>避妊リング(感染による骨盤内炎症のリスク)>コンドーム>膣外射精(一部の精子は射精前から出ている)
>排卵(生理の12~16日前)日を避けて性交をする>洗浄法(性交後に膣を洗浄する)
・肉離れと捻挫:負傷した部位を冷水に浸す(軽度の火傷による損傷と痛みを軽減する)→翌日には温水に。
・喉の痛みや扁桃腺の腫れ:温かい塩水でうがい。
・目に異物が入った:冷水で洗い流す(一部例外あり)
・患部が熱を持ち、痛みまたは化膿:患部を高くして(炎症軽減)、温湿布。
・患部がかゆくヒリヒリあるいは透明な液体が滲みだす:患部を高くして、冷湿布。
・窒息:患者を立たせ、その後ろに立つ→片手で拳を作り、患者のへその横隔膜を突き上げるように上に動かす→
肺に圧力かかる→人工的に咳をさせる→喉につかえたものを吐き出させる。
・呼吸停止:胸骨圧迫と人工呼吸。
・骨折:整復(ずれた骨を本来の位置に戻す)→問題の部位を引っ張る→
その後離して、一種の反動で元の位置に戻す→添え木っを損傷部位に当てることで、折れた骨が修復するまでの間、
骨を固定する事が出来る→布などで緩みが出ないように固定(締めすぎ注意)。
・創傷:止血の必要あり→傷を他の部位より高く上げる→20分間、出血部位を圧迫→
これで無理なら直接、出血している動脈そのものを指で押さえる。
・感染予防:傷口を水ですすぐ→アルコールか2%ヨウ素水溶液を傷にそそぐ(殺菌)(蜂蜜で代用することも出来る)→
12時間以内なら傷を縫合。12時間以上経過しているなら、傷は開いたままにし、ガーゼを当て、傷の渇きを促進する。
・果物や野菜をたくさん食べる。
・適量の油脂を取る。
・さまざまな食品を食べる。バラエティーに富んだ食べ物を取ることで、
多種多様なビタミンとミネラルが摂取でき、大量には必要ないが、少なくとも時折は摂取が必要な微量栄養素が取れる。
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ネタバレ
人の心は繰り返す
・あまりに災厄が酷くなると、人は神聖や清浄さ、更には葬儀などの宗教的な感情を顧みなくなる。
神々なんかいないじゃないか、と人々は自暴自棄に陥り、信仰は廃れていく。
・集団免疫:多くの人が罹患した結果、殆どの人が免疫を持つこと。
・内省的な思考(仏教など)は、人々が豊かになり、社会がどんどん発展している時には、なかなかメジャー化しない。
逆に全てが崩壊して行く時には、「自分たちが求めたものに意味があるのだろうか。
もっと大事なものがあるのではないのか」と、人々がその教えに耳を傾ける傾向がある。
・感染症の爆発は、細菌やウイルスが伝染することに加え、免疫機能の低下によって起こる。
慢性的な飢えで栄養不良となって、体温が下がり免疫力が落ちれば、病原体の増殖に勝てず一気にやられてしまう。
彗星や噴火の影響で地球規模で寒冷化が起これば、感染症が爆発的に拡大するエピデミックが起こる恐れがある。
・明治のころの日本は、内務省に一元化した衛生行政、下水を石炭酸消毒、
患者が出た家に対しては往来を最小限に留め、患者が回復あるいは死亡した後に消毒し、
その後10日を過ぎるまで登校や出勤を禁止させた。
また大規模な検疫所に船舶を沖止めし、所持品の蒸気消毒ないし焼却(この場合は弁償した)、
患者の隔離、死者はその場で火葬、患者が一人でもいれば同乗者は5日間隔離させ、
患者が完全にいなくなって初めて上陸させ、入浴させ、経過観察としたのだ。
防疫は国家の安全保障にかかわる問題である。防疫は国防の一部なのだ。
従って警察業務と厚生省業務がセットになって、ある程度の強制権を持たないと防疫はできない。
日本が(中国武漢省発の)コロナ禍において、後手後手に回ったのは、
GHQによる内務省の解体(ひとまとめだった建設省、運輸省、厚生省、警察庁、入国管理庁がバラバラにされた)と
省庁の縦割りによる日本弱体化政策の後遺症である。
・人類はいかにして細菌やウイルスと戦い、また共存していったか。
その歴史を振り返り、心に刻んでおくことは、次なるウイルスの脅威が世界を襲った時、必ず指針となるだろう。
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お金
・お金自体に価値は無い。価値があるのはそれによって交換できる物資やサービスなのだ。
お金とは、何とでも交換できる万能の有価証券に過ぎない。
お金とは、その国に流通する物資の供給力を映す鏡である。
・中央銀行の役割は、お金の乱高下が起きないように調節しながら、通貨を発行することで、
「安定した経済を保つこと」である。その為にいくらのお金を刷るのかは、「インフレターゲット」によって決める。
中央銀行が発行しているお金は、経理上『政府の負債(借金)』として計上される。
そのお金が国内を巡り、日々の経済活動に使われる。
・『国の借金(政府の負債)』が無い状態というのは、貨幣経済が破綻した(あるいは物々交換)社会のことである。
(自国通貨建ての)政府の負債は、国民の資産なのである。
・準備預金制度=銀行が、預金の一部を中央銀行に預けることを義務付けるきまり。
銀行は、残りの預金を次々にまた貸し(信用創造)することで、元の預金よりも大規模に貸付できる。
・マネタリーベース=中央銀行が発行した額
マネーサプライ=信用創造で増えて、実際に流通している額
・富裕層が本当に欲しているのは、お金ではない。
『ゴールドやプラチナ等の換金性の高い金銀財宝』『労働力を支配する企業の株式』
『土地や建物を含む不動産』『エネルギー政策上絶対に必要な、原油などの利権』を欲しているのだ。
その為に、彼らは、幻のお金が膨らみきった所で、そういう現物を買う。
現物を買い占めたしわ寄せは、全て貧困層に押し付けるのだ。
・悪意のある富裕層・金融資本の常套手段=信用創造→債権証券化→バブル崩壊→デフレ -
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・保守とはなにか。自国の伝統や文化、習慣や社会の在り方、
さらにはこれらのものの考え方を尊重し、長い歴史の中で培ってきた自国の良いところを大切にしていこうと態度だ。
先人が築いてきた自国の歴史の素晴らしいところを継承し、
国民としての誇りを保持していこうとするのが、大人としての生き方だろう。
そうしたものに敬意を払うことなく、自分たちの利益や気まぐれによって、安易に変えてしまおうとするのは愚かだ。
時代とともに世の中は形を変えていくものではあるが、形は変わっても本質的な自国の良さは大切にしなければならない。
・憲法で大事なのは、自国の歴史を見直すこと。
占領体制で強制された憲法を改正するという考えを止め、自分たちでかつて作り上げた憲法をもとに作り直すべきである。
・伝統と国益の二者択一があった場合、国益を優先するのが保守の態度である。
・国会で、良い論争をしていたら、内容をすぐに拡散する。
議論の上手な人がいたら褒める。注目すべき議員を自分で見つけ、発言を追いかける。
・「謝るな」「舐められるな」が国際社会のルールだ。
「自分にも否があることを認めれば相手もわかってくれるだろう」というのは、日本人同士でしか通用しない。
そもそも分かり合えないからこそ他国なのである。
・「健全財政」の真の意味は、「我が国は貧乏な国である。いざ戦争となれば、
増税をしなければならず、外国から借金もしなければならない。
従って、平時は健全財政を行うこと。でなければ、国民は戦争についていけず、外国も金を貸してくれない。」である。
増税とは、戦争や大規模な災害によって追い込まれたときにのみ行うべきものである。
・上司がすべきは、人の話を聞いて、情報を判断したうえで、やるべきことをみんなに教えること。
そして、ヒト・モノ・カネをつけ、部下に任せた後は、報告・連絡・相談をさせて、
情勢を分析しながら、また今後の方針を示すことなのだ。
経済力を背景に軍事力の増強と、強気の外交を進めること。
これが、戦争を避け、平和を築く最善の在り方である。
・政治家や専門家に任せるのではなく、国民が知ることによって、世の中を動かしていくこともあるのだ。
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外交の武器としての歴史
・歴史問題の解決とは、もう一度戦争に勝たなければ解決できないほどの難題である。
では、歴史とは何か。外交の武器であり、支配の道具なのだ。
「正しい歴史を知っているということは、それだけでその人間を殺す十分な理由になる」
という価値観で諸外国は動いている。
・参政権とは、戦争に参加した義務の見返りである。
婦人参政権が、第一次世界大戦後、各地で実現したのは、
兵器と戦術の発達により、前線と銃後の区別が曖昧になったからである。
戦争は民主制を促進する。そして、民主制は戦争を残酷にする。
民衆の憎悪は、相手の抹殺へと国家を駆り立てる。
民主政体により選出された政治家が、適度な和平など言い出せば即刻落選である。
それゆえ、戦争はますます激化する。
・ヤクザはなぜ仁義を守るのか。
報復の口実にされるのを恐れるからである。
「仁義を破った者」と「国際法を破った国」は同じであり、弱いと思われれば報復される。
逆を言えば、破っても強いと思われれば報復されない。
国際法が法で有り得るのは、軍事力による抑止力のためである。
・国際社会において何物の支配にも属さない主権国家であると証明する資格は、軍事力のみである。
(アレクサンダー・ハミルトン「弱いために侮られる国家は、中立という特権を失う」)
軍事力は外交力の源である。そして、軍事力の源は経済力である。
言わば、鉄と金と紙である。
この三つの総合力が国力であり、国として自立できる力のある者だけが国際社会で生きていける。
それが国際法の適用される国際社会である。
・歴史問題の解決に特効薬はない。
鉄(軍事力)と金(経済力)を蓄える努力は政府が中心になって行わなければならない。
一方、紙(文化力)は国民全体の問題である。
特に、我が国は一部の指導者だけに任せるのではなく、
国民全体の文化力が高かったからこそ、自分の足で立って生きてこられたのである。ここ最近の70年を除いて。
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姉妹の戯言
・「知らないと不安になる。だからみんな本や漫画を読む。ネットで調べる。映画を観る。
賢い人に聞いたりする。熱中して、それらを体験していれば、まるで物語の中に入ったみたいに、
旅をしているみたいに、錯覚できる。気分は、心は夢は、自由に、いろんなところを巡っている。
でも、ほんとに自分の目で見なければ、手で触れなければ、知識は知識のまま。ただの想像のまま♪」
「ゲームの中で、どれだけダンジョンを攻略しても、アイテムを集めても、魔王を倒して世界を救っても、
どんな大冒険をしても、実際には一歩も進んでないの。知らないまま、想像だけが膨らんでいくの」
「知識だけあっても意味はないの。だから想像だけしても意味はなかったの。
あなたはどこにも行けなかったの。いろんなところに、わたしを連れて行ってくれるつもりだったのに、
どこにも行けなくて、だから何も知らないの。見えないの。蓄積されず、成長もなくて、からっぽのまま」
「でも、これもあなたが望んだことなの。夢には願望が象徴となって現出する事もあるの。
あなたは、漫画や絵本を読み聞かせてあげたかった。共に空想上の世界で遊びたかったのかも。
でもそれができなくて」
「夢を見ているだけなの。いろんなところに行きたかったのに、あなたは行けなかったの。
ねえ、どうして知らないふりをするの?知らないふりをしている限り、どれだけ歩いたって無駄。
実際に歩きださないと、一歩も進んでいないのと同じなの。
全速力で走っているつもりでも、現状維持しかできないの。どこへ行っても、どこを探しても、
あなたが欲しいものは見つからないの。距離は縮まらないの。哀しいだけなの。決して赤の女王には追いつけないの」
・「息苦しいのは我慢してるからですよ」「呼吸を止めたら死んじゃうでしょ!」
「ねえ、どうして大事に隠して、宝箱の奥に仕舞っておくんですか?」
「隠すことで、我慢することで、歪んで形を変えて、毒や怪物になっちゃうかもしれないのに?」
「食べずにずっと仕舞っておいたら、冷蔵庫に入れても腐っちゃうよ!」
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統計学のさわり
・世の中にある統計学の入門書は「大学で初めて学ぶ人向け」に作ってある。
従って中学・高校で数学を諦めた人が読みこなすのは不可能だ。統計学は数学嫌いの人を想定していない。
とはいえ数学嫌いでも現代人の教養として知っておいた方がいいこともある。
データ社会を生きるサバイバル術の一種でもあるからだ。
・インターネット投票は”調査もどき”。その結果を「世間の声」と判断してはならない。
・真実を知りたかったら、母集団を調べるしかない。
どうやって標本を抽出したのかの情報が書かれていない調査結果は検討に値しない。
・買い物やサービスを選ぶ時に、レビューや星(評価)の数が出てくるが、
母集団が不明瞭である以上、鵜呑みにするのは危険である。
・偏差値の推移を参考にしていいのは、自分の通っている学校のように、集団のメンバーが固定されている場合に限られる。
・選挙には行った方がいい。選挙に行く人が多ければ、当選者が変わる可能性がある。
・直径5mmのネジを製造する機械があったとして、5mmぴったりのネジが必ず作られる事は絶対にあり得ない。
ほぼ5mmなのは間違いなくても、5.003…や4.999…といった具合にぴったりにはなり得ない。
だから実際に作ることのできる確率を求める必要がある場合には、設定の幅を持たせるのである。
・信頼率は一般的に95%に指定される。
・データの集計結果を視覚するには、横棒グラフの方が縦棒グラフより分かりやすい。
・「正しいかもしれないし、正しくないかもしれない」。
・データの分析を外部に頼んでも、優れた結果を必ず出してもらえる保証はない。
分析前の(依頼者と外注側との)打ち合わせが不十分だと、「必要な要素が十分に入ってない結果を出された。信用できない」
ということになってしまう。
・統計学を使えば真実に近づけるが、実際には難しい。統計学は、森羅万象を明らかに出来る魔法のような学問ではない。
・確証に基づかず、偉い人の思いつきで物事が決まってしまう場面は少なくない。
しかも本当に効果があったかどうかの検証も疎かだったりする。
データで実証したい時に、統計学の知識が役に立つ。
・データに基づいて物事を考えるという感覚が大事なのである。
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AIと統計と数学
・途中で「もういいや」と諦めた瞬間に成長が止まってしまうのが、
数学や理科系を始めとする「積み上げ式」の学問の難しさだ。
一方で、教師は生徒達が中学の内容を理解している前提で授業を進めていく。これが一斉授業の限界だ。
ただ、そこで耐えて、中学、高校で習う数学のアイテムを一つひとつ習得していくと、
高校のある時点から急に視界が広がるようになる。「実用的だ」「こういうことに応用できる」と実感できるようになる。
・等差数列の和の計算の仕方は「ひっくり返して足す」ことだ。そして最後に半分にする。
・等比数列の和の計算の仕方は「かけてずらして引く」だ。
・エクセルの「E」は「エラー」ではない。「E+15」なら、10の15乗という意味。
・ばらつきの幅を知るには、平均を調べること、そして平均からのズレを見ること。
・工場や検査の世界では、「ばらつきを2SD(標準偏差。ばらつき度合い)以内に抑えろ」、と言われる。
・ビジネスの世界では、平均をリターン、標準偏差をリスクと言う。
・二次関数:放物線。行きと帰りで2回ぶつかる。例外は頂点。
・指数関数:指数(数字の右肩に乗った数字。)にxが入った関数。保険や投資、経済を理解するには必須。
指数関数は二次関数が増えていくペースと比べても「爆発的」に増えていく。パンデミック(感染爆発)も同様。
・「sin、cos何になる?」→三角関数(波や周波数など)や余弦定理(三角形の三辺の関係)になる。
・ベクトルは「どこが始点で、どこが終点になるか」を見る。矢印を道に見立てて歩いて行くイメージだ。
・「対象を微細に分けながら測る」のが微分。その結果を「改めて足していく」のが積分。
・微分積分を習う上で一番重要なのは、「極限」という概念を理解すること。
対象が大きくなるほど、微細な変化は無視していいと考えられるかどうかだ。
・未来予測で一番大事なのは傾き。傾きを調べることを「微分」という。
・AIは未来予測をするが、根拠が弱い。統計は根拠はあるが、変動に弱い。
ちゃんとした理屈に基づいて未来予測ができるのは、数学をきちんと勉強した人だけだ。
関数は、現実の課題をより身近に扱うための道具である。数学は世界をよりよいものにする。
数学を勉強すると、人生の選択肢が増えるのだ。
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思考体力
・数学の目的の一つは、世の中の課題を解決すること。日常の困りごとをクリアするために進化した。
・「公式を覚える」よりも、意味を理解して「論理的に考える」ことが大切。
・思考体力その1:「知りたい」「解決したい」という想い。思考のエンジン。
・思考体力その2:粘り強く考え続ける力。思考のスタミナ。
・思考体力その3:自分の判断や答えを疑う力。計算ミスなどを防ぐ。
・思考体力その4:物事全体を俯瞰して眺められる力。目的(全体像)を見渡す力。
・思考体力その5:複雑な課題で選択しがいっぱいある時に、正しく評価する力。
・思考体力その6:閃き。
・数学は「課題解決武器」「社会人として必要な思考体力(頭の良さ)を身に付けるための訓練」。
・最短ルートはゴールから逆算するといい。
料理でいえば、先に作るもの(ゴール)を教えてもらったら、作っていく行程にも見通しがつけやすい。
・xやy=わからないものを「xやy」に置き換えておく→「xやy」にはどういう関係性や規則性があるか→
「式を立てる(再現性のあるパターンを考える)」→決められた手続きに倣えば、誰でも機械的に答えが出せる。
・携帯電話の電卓アプリを立ち上げて、画面を横にすると、関数電卓になる。
・複数の要素(次数。n次)で、人工知能(ビッグデータ)は対応する。
データの要素を増やせば増やすほど、解析の精度は上がる。
・自然界は、二次関数(放物線)であふれている。
・世の中は「三角形」と「円」であふれている。
・図形の問題は、実際に描いてみた方がいい。頭の中でやろうとすると、どうしても間違いを犯してしまいやすいからだ。
・微分は「細かく分ける」ことだ。全体を眺めているだけだと気付かないことが多いが、
各作業を細かく分けていくと、その小さな単位の中では「無駄」が見えやすくなる
・積分は「細かく分けたものを、改めて積み上げて、全体に戻す」ことだ。そうやって、スタートとゴールを指定する。
・中学数学は全ての基礎であり、その応用範囲は無限である。
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ラジオの作り方
・物理を学ぶ目的は、この宇宙、この世界の「仕組み」を少しでも知ることにある。
人間もこの宇宙の一部であり、「仕組み」を知らなくても生きていけるが、
知っていることが増えると普段の生活が少しだけ、でも確実に面白くなる。
・身の回りの現象は「熱」「力」「波動」「電磁気」で基本的に説明がつく。
・「量子力学」「相対性理論」は難しい。私たちにとって身近な世界ではないからだ。
・単純なラジオには電池は不要だが、コンデンサとコイルは要る→
コンデンサには電気が溜まっている→コイルがないと、回路をつないだ瞬間ショートする→
シーソーのように電流の向きがコロコロ変わって、しかもその電流自体はコンデンサとコイルが自動的に生み出している→
この回路で発生しているシーソーのような振動の1秒あたりの回数がラジオ局の発信している周波数とマッチすると、
この回路にラジオ局の電波が入ってくる→この回路に特定の周波数の波が届くとこれが刺激になって、
最初は振動していなくても簡単に振動が発生し、波を受信できる。
・ラジオの周波数を調整するのはコイルとコンデンサ→
コイルを変えればある程度調整できる→コンデンサの静電容量を変えればもっと簡単→
実際にラジオを自作するなら、いろんな放送を聞きたい→
バリコン(静電容量をつまみで変えられるコンデンサ)を使う→昔のラジオのつまみはバリコンだった
あとはアンテナとイヤホンをつけるだけ→
AMを聞くならアンテナを伸ばすか、回路の一部を大変長くする→AMは波長が長いからだ→
音を聞く一番単純な方法は、回路のどこでもいいので2カ所から線を引っ張って、それを圧電素子につなげる→
圧電素子は流れた電流に比例して動く物質。水晶などが代表的→
圧電素子がイヤホンの耳のところに入っている。その動きが音波となって耳に届く。
・理由もわからずに一つひとつの知識を覚えていくのは苦痛でしかない。
しかし物理は基本的にどこかでつながっている。他の法則とも、現実社会とも。
・物理は、数学を現実世界で応用する際に、ほぼ必ず間に入るステップ。
従って数学を勉強し、物理を勉強すれば、現実の課題解決に必ず役に立つ。 -
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科学と文学
・「待てよ、このまま終われるわけがないだろ。患者に会わない病理医が今、臨床医をまとめてバカにしたんだぞ。
患者のことを何も見ない、悪しきパターナリズム(「患者のために、医師が責任を持って、専門的判断と意志決定を行うべき」
とする考え方。行き過ぎると患者の意思を無視したお節介になる)に堕した集団だとな。
岸先生、俺はあんたとは違う意見だ。敢えて患者に言うべきではないケースは絶対にある。
患者の性格次第で対応は変わる。接し方一つで患者の人生が変わるからだ。
だから臨床医は毎分毎秒常にたくさんの選択肢からやり方を選んでいる。
そのために俺たちは日々、気力を費やして患者を観察しているんだ。
荻野目先生、門川さんはどんな人なんですか?
岸先生は知らないんだから、門川さんはこういう性格だからこその判断だとわからないと引き下がらないよ」
・「自分が受ける治療を決める権利は、患者本人にしかありません」
・「医師の性格、人間観、思想。仕事をしてきて後悔するような経験があったとかな。
そういうもんが判断にからみつく。それが影響してしまうのは避け得ない」
「出会った主治医がどんな奴かで治療が決まるなんてくじ引きかよ。どうかと思うがね。
医者が拠って立っていいのは科学だけだ。そういう小さな悪の積み重ねが真実や科学を失わせるんだよ」
・「コミュニケーションがちゃんと取れた方が診療や治療に有利だ。
実際、荻野目先生を慕う患者は多いしな。岸先生、臨床は科学じゃない。文学だよ。文学が描くのは人間だ」
・「常に科学的であるだけでは医療は成立しない。100点ではないけど、それでも宮崎さんは正しかったと思う」
・「病気を治せなくても魂を救うことは出来る。臨床医は患者に会って話を聞いてね、患者を知って患者の魂を知る。
患者さんと一緒に道を選んで進めるようにする。
病理医の参考にはならないかもしれないけどね。病理と臨床じゃ立つ場所が違うから。
仕事に持つ考え方も違う。だからこそ僕は宮崎先生たちと話してて、臨床医を育てているのが病理医で、
病理医を育てているのは臨床医なんだなって思うよ。お互いのスタンスが違うからこそ、チーム医療を高めていける」
・「患者が必要としてくれてるんだ。宮崎先生が出来る正しいと思う仕事をしておいで」
「はい!」
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欺瞞に満ちた社会に対して
・悲しい時には悲しい音楽を聴くとよい。「悲しいのは自分だけではない」と無意識のうちに感じるため、
少しづつ悲しみが癒されていき、やがて立ち直る事が出来る。
泣くという行為には浄化作用がある。本当に辛い時は言語化も出来ず、意識も出来ない。
ひどい時には蕁麻疹や円形脱毛症などの症状として現れる。
しっかり意識して泣けているのは、癒されている途中であり、精神状態としてはとても望ましい状態だ。
・子供たちは「人を殺してはいけない」と教わって育つ。
だが現実にはそうなっていない。戦争に行ったら人を殺せと命令される。実際に人を殺している大人たちはたくさんいる。
それで平気な顔をしてのうのうと生きている者も存在する。歴史上そうしたことは山ほど行われてきて、今も行われている。
それなのに、なぜ自分たちは真実を教わることなく、それを否定することだけを教えられているのか?
「それは欺瞞でないか?」。そう感じながら育つ子供たちはとても多いのだ。
・人は人を殺すように出来ている。そうでなければ私たちはここまで生き残ってこられなかった。
これまで戦闘行為や戦争は数え切れないほど行われてきたし、日常的に殺人行為も起こる現実の中で、
それに目をつぶって「人を殺してはいけない」とあえて言わなければならないほど、
私たちは人を殺してきた事実を知るべきなのだ。
そのためには、やはり「人を殺してはいけない」と繰り返し言い続けるしかないが、
一方で公共の場では「人は人を殺すように出来ている」といった主張は排除される。
・条件さえ整えば、時と場合によって誰でも簡単に人を殺してしまうのが、人間の厳然たる本質である。
「自分もやっていたかもしれない」と思うことで初めて、人間がこれまで行ってきたことや、
社会で今行われている事に対して、より真っ当な理解を深めることが出来る。
そして、より自分の行動を深く見つめて、律するべきところは律しようと思うきっかけになるのではないだろうか。
・欺瞞に満ちた社会に対して、暴力に拠らずに音楽の力で強烈な一撃をくらわすこと、それこそがメタルの存在意義なのだ。 -
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・「私は闇を見た。全てが夢ではない夢を。太陽の輝きは失われ、星々は道に迷い…」
・深海の本当の恐ろしさはベンズ(減圧症。語源はbend=曲げる)にある。
我々が吸う空気の80%は窒素だ。人体に圧力がかかると、窒素は小さな泡となり、血液や組織に入り込む。
圧力の変化があまりに急激(ダイバーが速く浮上しすぎた場合のように)だと、
体内に閉じ込められたその泡が、栓を抜いたばかりのシャンパンさながらに発泡し、毛細血管を詰まらせる。
細胞から酸素を奪って、地獄の痛みをもたらす。あまりの激痛に体を二つに折り曲げるから、ベンズ。
高圧の環境を完全に避けること以外に、減圧症を防ぐ術は二つしかない。
一つは、圧力の変化にさらされる時間を、ごく短くすること。
・海水が地殻へ導かれると、そこで塩が取り除かれ、真水になって、大煙突(深海熱水噴出孔)からまた海へ出ていく。
・地衣類は菌類と藻類の共生体だ。菌類が酸を排出して岩の表面を溶かし、鉱物を放出させると、
藻類がそれを変換して双方を支えるに足る栄養分を作り出す。
・枕を買ってから6年(枕の平均耐用年数)経過した場合、
その重さの1/10は「剥がれた皮膚、生きているダニ、死んだダニ、ダニの糞」で構成されている。
・ある意味で、全ての生物は遺伝子の奴隷だ。だからこそ、鮭や蜘蛛やその他数え切れないほどの種類の生き物が、
交尾の過程で潔く死んでいく。繁殖し、自分の遺伝子を広めたいという欲望は、自然界におけるもっとも強い衝動だ。
帝国の滅亡、自我の爆発、偉大なる交響曲の作曲。これら全ての背景にあるものはたった一つ。
満足感を得ようとする本能だ。セックスはまさに、遺伝物質を受け渡すよう奨励するための褒賞のメカニズムだ。
・私たちの宿命も慰めも、さらには瞳の色さえも、個々の遺伝子ではなく、連携し合う遺伝子の複合体によって決定される。
・自分たちが現在何をしているのかも、現在の行為が将来にどういう影響を与えるのかも、私たちは知らない。
わかっているのは、地球がかけがえのないものであるということと、
私たちだけが地球の未来を大きく変える力を持っているということ。惑星は一個。実験は一回なのだ。
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・「君は、神が事実を知っているとは思わないのか?」
「思うさ。神は事実を知っている。が、僕の目に映る事実はご存じない」
・生命は、化学的にはごく平凡な構造物だ。炭素と水素、酸素と窒素、少々のカルシウム、微量の元素。
その他ありふれたいくつかの元素を、ほんの少しずつ混ぜ合わせるとできあがる。
われわれを創る原子たちの非凡なところは、ただ一点、われわれを創っているというその事実にある。
それこそが、生命の奇跡だと言っていい。
・宇宙の果てには決して辿り着けない。まっすぐ外に向かって行っても、出発地点に戻ってきてしまう。
なぜなら、われわれの想像力が及ばないあり方で宇宙が曲がっているからだ。
・われわれは、何百万もある高度文明の中のたった一つにすぎないのかもしれない。
あいにく、宇宙空間がだだっ広いせいで、計算によるとこれらの高度文明は(あるとしたら)互いに200光年は隔たっている。
われわれが、ただ当てずっぽうに宇宙に飛び出した場合、惑星に到着、もしくはそばまで行ける確率はゼロに近い。
天体は貴重な存在なのだ。
・常に少量のエネルギーが無駄になっている。永久運動を行う装置という物はあり得ない。
どんなに効率の良い機械でも、必ずエネルギーの損失があり、やがては停止する。
エネルギーはゼロから創り出すことはできない。
温度を絶対零度まで引き下げることも出来ない。どうしても熱が残留するからだ。
・質量とエネルギーは、異なる形態をとった同じものである。
エネルギーは解放された物質で、物質は解放を待つエネルギーなのだ。
・空間と時間は絶対ではない。観測者と観測されるものの両方と相対的な関係にあり、
一方が高速で動くほど、その影響は顕著になる。
われわれは速く動くほど、外側にいる観測者に対して歪んだ存在になっていく。
・われわれ人間は短命だが、誰もが生まれ変わっている。われわれが死ぬと、原子は分解し、飛び去って、
どこかで新たな活動の場を見つけ出す。木の葉の一部や、他の人間や、一滴の露となる。
・地球上のどこへ行こうとも、たとえ、生命にとってこの上なく劣悪な環境に思える場所だとしても、
液体の水があり、何らかの化学エネルギーの源が存在する限り、生命が見つかる。
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通貨高
・変動相場制の国において、為替レートは中央銀行の政策スタンスによって、ほぼ決定する。
お金をたくさん刷れば通貨の希少性がなくなり、通貨安となる。
お金を刷ることを止めれば通貨の希少性が高まり、通貨高となる。
・通貨高が進むと大多数の人が損をし、過度に進むと国民のほぼ全員が損をする。
・輸出企業は、現地における製品の相場に合わせて、販売価格を決定する。
そのため、通貨高になっても販売価格は変わらないため、外国通貨ベースで売り上げは変化しない。自国通貨に換算すれば、売り上げは大きく減少する。
利益については自国からの部品などの仕入れ価格が通貨高によって上がってしまうため、外国通貨ベースで見ても減ってしまう。通貨高では輸出企業は儲からなくなってしまう。
・通貨高によって国内でモノを作ることは割高となる。
すると多くの内需系製造業は、労賃の安い海外でモノを生産したり、海外産の製品を輸入したりした方が、儲かることになる。
国内の生産を縮小すれば、その分だけ労働者の賃金が減り、人々の財布の紐は固くなる。
内需の減少である。
・輸出業者と内需関連業者のマイナス分を輸入業者のプラスで埋め合わせることはできない。
輸入業者の仕入れ価格は通貨高になると安くなる。
しかし、それを販売するための店舗の賃料や人件費は、もともと自国通貨である。
したがって、為替レートに関わらず一定である。
さらに輸出業と内需関連産業が不振に陥った分だけ、経済が縮小する。
・そのため、いままでどおり商品を売ろうと思ったら値下げをするしかない。
このとき、通貨高で得した分を吐き出さざるを得なくなる。
そして、過度な通貨高は海外の高級ブランドにとっても大きなマイナスとなるのだ。
・基軸通貨であれば、お金をするだけで、世界中の産品を取り寄せることができるか?
不可能である。国民が働かずに、紙幣だけを海外製品と交換することはできない。
そういうことをしていると発覚した瞬間、その通貨の価値は、各国通貨に対して暴落する。
紙幣の交換価値はほぼゼロとなる。
世の中、そう甘くはないのだ。
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ネタバレ
・粉ミルクは牛の乳を濾過、脱脂、加熱殺菌、成分調整、乾燥させて作る→
ここまで厳密な品質管理を行っても、完全なる無菌状態にすることは困難→
対して母乳の場合、ウイルスの母子感染があり得るし、
麻疹、結核、単純ヘルペス感染などは授乳時に感染が成立する。それぞれが一長一短だ。
・微生物の世界では、楽観で始まる見解は、たいてい悲観的に終わるとされている。
・患者が訴えないからといって、症状がないとは限らない。
・結核に罹患→体重減少→貧血で顔は白っぽくなる→熱で頬に赤みが差す→
消耗で眼の周りの肉が落ちて、大きなつぶらな瞳になる→ぼーっとしていて眼のうるうるした美人になる→
ボッティチェリの『ヴィーナス誕生』のモデルも結核を発症していた。
・科学や技術を無視した、むき出しの人間中心主義は、ヒューマニティーの対極にある、最悪なタイプの「ダメな医療」だ。
歴史がそれを証明している(ハンセン病患者に対する迫害や隔離など)。
感染者と差別は古くて新しい問題だ。これを払拭するための最大の武器は、科学を真なる意味で理解すること、
人間の感性(美醜の感覚)に過度の信頼を置かないことである。
・パンに生えた青カビは、カビの部分だけ削り取ってもダメ。
菌糸はずっと向こうまで伸びているからだ。
「このパンももう終わりじゃ」と覚悟を決める必要がある。
・全ての生物は他の生物を殺すことを自分たちのライフサイクルに取り入れているが、
生物が生物を殺すのは通常は「手段」であって「目的」ではない。
ホモ・サピエンス(人間)は殺戮そのものを目的化できる稀有な生物である。
ホモ・サピエンスはとても強毒性の高い生き物だが、過去の記録を参照し、学習し改善するという能力も有している。
そのわりに、同じようなパターンの間違いを繰り返すのも、この種特有の稀有な特徴である。
「でも今度こそ」「今度こそ信じたい」
「今度こそ、きっとどこかで間違いに気が付いて…」
「生命を正しく使ってくれるようになるだろう」
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医学について
・もっとも基本的な感染対策は、手洗いとうがい。
飲料水が排泄物で汚染されないように対応すること。
・腸管感染症に対する治療の基本は、水分補給。
塩大さじ1杯+砂糖大さじ3杯→1リットルの水でかき混ぜる。
・単純な顕微鏡:透明なガラスを温めて引き延ばす→細いひも状にする→熱い炎でこの先端を溶かし、垂れさせる→
ガラスの滴は落ちる間に冷え、球形の極小のガラスビーズに→金属の薄片か、厚紙の真ん中に穴→
この穴に球形のレンズを乗せたものを作る→それを試料の上にかざす。
・難産の時に赤ん坊を取りだす、手術によらない方法:産科鉗子を産道まで差し入れる→
胎児の頭蓋骨をしっかり注意深くつかむ→頭の位置を直すか、静かに赤ん坊を引っ張りだす。
・即席の保育器:シールドビームやヘッドライト、ドアチャイム、小型扇風機、バッテリーで出来る。
・聴診器は、体の内部の音を明らかにする。心拍音の異常や肺の病気(ゼイゼイ、パチパチ、プクプク)、
腸の閉塞部(無音)、胎児のかすかな心音までわかる。
・真空ポンプ+二枚の金属板+高圧電流→電子+エックス線。
エックス線は、体の内部の状況を見せてくれる。使用者は、鉛の衝立の後ろで保護される必要あり。
・人体には、構造上で動物とは重要な相違点がある。
・疾患は、全身に及ぶ問題よりも、特定の臓器の問題によってしばしば起きている。
・鎮痛効果:柳の樹皮、トウガラシ、ミント、ケシ。
・消毒剤、消炎剤:ラベンダー。
・抗マラリア薬:キナの木の樹皮。
・臨床試験を成功させるには、被験者を無作為にグループ分けして偏りを無くすこと、
そしてニ重盲検法を利用すること。
・手術をする際の前提条件:正しい解剖学的知識、無菌状態、麻酔。
・無菌状態:ヨウ素、70%エタノール、高温殺菌した手術室。
・麻酔:笑気ガス、ジエチルエーテル。
・医学の再発展の過程では、秩序だった緻密な研究を省く近道は無いだろう。
人間の苦しみを緩和するためには、動物実験のような望ましくないことも実践しなければならないだろう。
・抗生物質ペニシリン。
・必要な科学を理解していても、大破局後の文明は一定レベルの高度さを再び確保しなければ、
社会一般に影響を及ぼすほど、充分な抗生物質を生産できるようにはならないだろう。
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・感染経路を遮断すること「そのもの」が感染対策。
・「みんなで一つの病気」だったり、「一つが様々な病気」。
・スタート地点は常に「現象(病気)」であって、微生物ではない。
・入院している人は皆、身体が弱っている→医療行為そのものも院内感染のリスクを増やす→
医療行為を止めるわけにはいかない。元の病気を治さなければならない→
「院内感染」をゼロにすることはできないが、少なくすることは出来る→
・抗菌薬は微生物を殺すが、その目的はあくまでも感染症の治療にある。
・抗菌薬は感染部位に到達しなければ効かない。
・抗菌薬は感染症の原因微生物「だけ」を殺し、他の菌はできるだけ殺さないのが望ましい。
・抗菌薬のもたらすメリットは、そのデメリットを上回るものでなければならない。
・3秒ルール:食べ物をうっかり落してしまった時、拾って食べる→
地面にある微生物は数秒程度では食べ物に定着しない→
地面の上の微生物は、ほとんど人間の病菌原因にならない→
どのみち口の中は細菌だらけ。食べ物はすぐ口の中で菌だらけに→
そうした菌のほとんどは、胃の中の胃酸で殺される。
・HIVや結核の治療の原則は、「決められた薬を毎日、欠かさず飲む」である。
・大腸菌にはお腹に病原性があるものと、ないものがある。
とはいえ、お腹に病原性がないものも、腸管以外の場所では感染症の原因になってしまう。
・ヘルペスウイルスの特徴:症状が収まった後も、ウイルスは冬眠したかのように生涯にわたって、細胞の中に潜伏する。
そして、ストレスなどを引き金に突然暴れだす。
宿主が疲れてくると、それを察知したウイルスが再活性化によって増殖し、
他の宿主に移ることによって、生存の確率を高くする。
・目標がない対策は、「単に仕事をしたフリ」になってしまう。手段と目的を混同しがちなものになる。
・人間というものは、分子にはよく目が行くが、分母のことは忘れがちだ。分母に気を使うことだ。
・N95マスクを着けたままで日常生活は不可能だ。着けたままでいられるなら、着け方が間違っているから意味がない。
・ワクチンは病気を全部チャラにするほど効くことは少ないが、全体としては得をする事が多い。
・大事なのは暗記ではなく、どこにアクセスすればいいかという「知恵」を持つことだ。
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ネタバレ
障害ある者に対する差別と反動
・歴史的に見て、障害者は差別的な扱いを受けることが多かった。
→古代ギリシアのスパルタ「優れた者だけが生きることを許される。容姿の醜い者に結婚する権利などない。
身体に障害のある者は役立たずだから、社会から排除するべきだ」
→キリスト教が広まったヨーロッパ「全知全能の神が意図せず不完全な体の子を造られるはずがない。
もし障害者を神が造られたとしたら、それは罰を与えられた子だ。悪魔の子だ」
→こうした理由づけは、その時代、その時代の価値観に合わせて後から取ってつけたものであって、
その根底にはスパルタ的価値観が流れているだけに過ぎない。
→進化論が広まったヨーロッパ「進化論が正しいならばなおさらのこと、劣性遺伝子を後世に残さぬために、
いよいよ以って障害者などに子孫を残させてはならない」
→障害者を社会から隔離、不妊手術の強制→ナチスの優生保護法(1933)成立
→障害者に対する差別の反動「障害は個性」「障害者は天使だから優遇せよ」
「区別することは許さない」「”障害”とは何事だ!書くなら”障碍”か”しょうがい”と書け!」
→差別心というものは、心に宿るのであって、言葉に宿るものではない。言葉狩りは障害者を腫れもの扱いさせるだけだ。
(むしろそれが目的だろう。自称人道主義者にとって、差別はメシのタネだからだ。
彼らにとって、差別は気持ちよく相手を叩きのめす武器であり、利権そのものである。そこに障害者への思いやりはない)
→「オレ様は障害者だから、周りの者どもの援助や慈愛を受けて当然だ。
断るなら、差別主義者のレッテルを貼ってやる」という態度は思い上がりにすぎない。
人間というものは、「物心つく前から当たり前のようにある」ものに対して、感謝の気持ちが持てないものなのだ。
過保護は人間をダメにしてしまうのである。重要なのは「障害者自身が自立できるよう努力する」ことなのだ。
→障害者を差別することはいけないことだ。障害者を保護することもある程度は必要だろう。
しかし、それが行き過ぎると「支えられている自分」を自覚できない”精神的に未熟な人間”を作り上げてしまう。
それはお互いのためにも良くないのだ。
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スタートライン
・「怖いでしょうね。尊敬する上司が突然いなくなって、自分が残るなんて」
・「あれは良くないです。真剣に言ってて、とてもつっこめなかったんですよ。
上司(あんた)への100%の感謝と尊敬でそういうこと言ってるんです。
病理医として対等な関係に修正するよう指導してください。あれじゃ崇拝だ。
それが病理診断科としてどれだけヤバいことで、病理医にとってどれだけ致命的なのかわかってますよね」
・「六川師長、あなたはきっと自分の部下にも古い採血手順を見せている。
新しい手順を知ってるはずの若い看護師の中にそれを指摘する人は今まで誰もいなかった?
だとしたら一日も早く改善してください。そんな組織は終わってますよ」
・「データ以外の医者の個人的な評価なんてものを参考にすべきではありません。
無責任なメディアを信用する人と同じ轍を踏もうとしてますよ」
・「人間が作った問題なら解決できないことはありませんよ」
・「あんたらさあ、どうして患者さんに、一緒に頑張ろうの一言も言えないわけ?」
・「言葉の上っ面だけ捉えて、それをルールにしないでください。
頑張っていることを認めてほしい患者さんもいます。そうじゃない人もいる。
いろんな人がいるのに、一つの常識で全員に対応できるわけないじゃないですか」
・「退職者を立て続けに出してしまった原因は全て私にあります。すみませんでした。
前任の師長に恥ずかしくないように、もっと病棟をレベルアップしようと焦ってました。
でも一番力不足だったのは私自身で、基本が抜け落ちていることに気付いてもいなかった。
みなさんがどんな気持ちで看護の仕事と向き合っているのか、私に教えてください。お願いします」
・「研修医はみんな真面目でひたむき、そして未熟だ。
うまく診察できない時もある。当直で寝不足、そんな日に限って患者が急変して対応。
翌朝のカンファで居眠りして怒られる。テレビドラマみたいで憧れる?
少なくとも私の現場では、それを充実とは呼べないと考えてるよ。医者の仕事の内に入らない。
まだ若いんだから焦らなくて良いんですよ。時間はまだあります」
・「病気は苦しいです。薬の副作用も本当に苦しい。焦燥感も同じくらい苦しいんです。
だからせめて気持ちは飲みこまないで、たくさん口にだしていきましょう」
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人間なるもの
・逆転の発想:「自分」という存在は、他者との関係によって、見え方が変わる。常識と思われている関係が全てではない。
自分はダメだと感じても、それは「ある規準」の世界でのこと。視点が変われば短所も長所になり得る。
・小人の国:「どうでもいいこと」による戦争→戦争で敵の艦隊を拿捕→ただし敵兵はそのまま→皇帝の不評→
英雄ガリバーは、小便で宮殿の火災を消した→「侮辱罪」→死刑?両目をつぶす?
→政争→亡命→ボート発見→帰還→次の旅へ。
・巨人の国:一見、牧歌的な理想郷。ガリバーは愛玩動物の扱い。(常に死と隣り合わせのか弱い存在)
どんなに魅力的なものでも、超拡大すれば歪な面が見える。
・空飛ぶ島:ラピュタ。特権階級が、地上の民を搾取し、逆らう者は上空から押しつぶす。
理屈ばかりで実践が疎かにされている(数学と音楽以外に興味を示さない)。
・死者と対話できる国:「現在」は「過去」の夥しい死者との連続性の中にある。
歴史は死者たちとともに作られる永くて広大な世界。
しかし、「過去(歴史)」は時の権力者たちに都合よく書き換えられ、不都合な真実は葬り去られるのが常である。
・不死人の国:不死は可能でも、不老は不可能。人間は、樹木のように何百年も隆々と生き続けることはできない。
そのため、いつまでも権力と既得権益にしがみつく者が絶えることはない。
あらゆる感覚や集中力、感性が劣化し、過去の栄光自慢、若さを妬む、向上心の欠如、
自尊心と自己評価の肥大、人を見下す、そのくせ欲深い。老醜である。
・馬(フウイヌム)の国:フウイヌムは理性的。嘘をつくという概念がない。争いもほとんどない、聖者のような生物。
…人間は自然から生まれながら、自然との調和を考えるようには出来ていない。そのため、戦争や環境破壊を繰り返す。
馬の国は、自然への回帰であるが、人間にとっては、偏狭な理性によって友愛を強制され、
優性淘汰が行われがちな全体主義の国にすぎなかった。
フウイヌム(馬)になろうとしたガリバーは結局、裁判にかけられ追放される。
・故郷への帰還:家族との再会。抱擁とキス。失神。
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言葉の使い方
・過去に起きた事実は変えられないが、事実の解釈を変えることはできる。
・コミュニケーションのひな形は、幼いころに形作られるとはいえ、
経験を重ねる中で意識すれば変えていけるものである。
・自分の満足度の方に重きを置こうと決めれば、かなりのことが楽に捌けるようになる。
・社会人として生きていくには、言語の運用スキルが極めて重要だ。役に立つのは、攻撃された時の身のかわし方。
・耳触りのいい言葉は、ほとんどの場合、不都合な真実とセットである。
短期間のうちに起こされる大きな変化の後には、弱者が犠牲になるものだ。
そしてまた、適応しすぎた者も、新しい環境では生き延びられない。
多様な可能性を捨てて、「選択と集中」戦略をとって環境に適応し、
利得を増やそうとして柔軟性を失った者は、ひとたび環境が変わると滅んでしまう。
かつて地上を我が物顔にのし歩いた恐竜のように。
・自己責任論を声高に説く人のほとんどが、恵まれた位置にあるエリートであり、強者である。
彼らの論理に従って生きれば、あたかも自らも強者側にまわったかのような、かりそめの酩酊感と快楽が得られる。
ただ、心酔している側は、ほとんどの場合、強者となることはなく、実際には搾取される側にいるものだ。
・前向きな姿勢を強要されることによって、心理的な回復が妨げられることはある。
落ち込んでいること自体が落伍者である証拠のように受け止められ、
苦しい時でも笑うことが出来ない者はダメな人間だ、楽観的になれない者は劣った人間だ、
というメッセージを与えてしまうからだ。
うつ病患者に対して「頑張れ」と言ってはならない理由はここにある。
うつ病患者は、頑張りたくても頑張れない状態に陥っているため、
不用意に励ますことは、過度に自責的になっている患者をさらに追い詰め、自殺を誘発させるからである。
・学ぶことに年齢は関係ない。いつでも思い立った時に始めればいい。勉強したいと思った時が適齢期だ。
・「わたし」というのは、モザイク状の多面体のようなもの。
光の当て方によって、人格は様々な色に変化し、見え方も変わっていく。
部分の組み合わせの妙で、意外な側面が見え隠れするとき、それとの出会いが新しい楽しみになる。
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知識と実践
・努力が無駄になることはない。努力することを止めた瞬間、それまでの努力が無駄になるだけだ。
・成功の対義語は「失敗」ではなく「行動を起こさないこと」。
・何をやってもダメな人=すぐに手段と目的を混同し、本来の目的を見失ってしまう人。
・戦略:最終目的を達成するためのおおまかな計画方針。
・作戦:戦略を成功に導くための個別的かつ具体的な計画。
・戦術:作戦を成功に導くための現場での手段、方術。
・戦術でどれだけ勝利を重ねようとも、戦略で失敗したのでは何の意味もない。
逆に戦術でどれだけ失敗を重ねようとも、最終的に戦略を損なうことがなければ、問題ない。
事において、常に「戦略」を見据えながら、「戦術」を行使していかなければ、「成功」は覚束ない。
・孫子「戦わずして勝つ(謀略や外交)のが上策。戦って勝つ(短期決戦)のは次策。城を攻める(長期戦)は下策」
・人はとかく、何かしら一つのことに執着しがち。しかし、それはほとんどの場合、不幸を招く。
一人の異性を愛するのは良いのだが、執着すれば、自分が苦しむだけでなく、相手も不幸にしてしまう。
お金を大切にするのは良いのだが、執着すれば、心は荒み、愛を見失っていく。
やがてまともな人は離れていき、気が付いた時には、
自分の周りにいる者は、欲にまみれ愛を知らぬ、自分と同類ばかりになる。
名誉に至っては、そもそも求めるものではなく、結果として与えられるものである。
・教科書を丸暗記して得た知識など、実戦ではまるで役に立たない。
現実はあらゆる条件によって、刻一刻と変化し続けるもの。方法も状況に応じて修正しなければならない。
教科書に書いてあることはあくまで一般論なのだ。
・遊牧民は、敵を根絶やしにするまで戦うことを旨とし、農耕民は主君さえ倒せば民は安堵させるもの。
日本の将棋は、取った敵駒を自分の駒として使用することが出来る。
これは実際の戦においても敵を殲滅せず、味方として取り込むからだ。
これに対して、遊牧民発祥のチェスは、取った駒は二度と使用しない。
彼らは討った敵を皆殺しにするからである。
・インプット(知識)したものは、アウトプット(実践)して初めて活きてくる。理解したものは、必ず行動となって現れる。
言うは易し、行うは難し、である。
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・人間の思考パターンが形作られる上で、科学が重要な役割を果たしていると同時に、
科学理論を作る上で人間の思考パターンが重要な役割を果たしている。
・型にはまった考え方は、科学者や革新を目指す人にとって好ましい態度ではない。
科学は、先入観や権威の天敵だ。
革新的なブレークスルーを起こすには、誰もが真実だと信じている事柄に逆らって、
古い考え方を新しい信頼できる考え方に、置き換えようとする意欲がどうしても必要である。
科学の歴史および人間の思考全般の歴史に立ちふさがる、前進を妨げる障壁が一つあるとしたら、
それは過去や現在の考え方に対して、必要以上に忠実であることだ。
かつて、古代ギリシアのアリストテレスが奴隷制を擁護していたように。
・「すべての出来事には理由がある」という考え方は、
自然災害などの惨事を受け入れようとしている人を慰めてくれるかもしれない。
科学の考え方は違う。我々の人生は、偏見を持たない法則の結果だ。
良かれ悪しかれ究極的には、この世界を支配する中立的な数式から生まれた賜物、奇跡であるとする考え方だ。
・社会、ビジネスの世界では、他人にうまく溶け込めない人は避けられがちだ。
しかし、他人が気付かないことを見抜けるのは、そういう人たちに他ならない。
・革新は、それにふさわしい物理的および社会的環境の中で起こるもので、
遠い地の人たちが革新にほとんど貢献しないのは偶然ではない。
・我々人間は、自然の中に美を見出し、その意味を探す。
宇宙の仕組みを知りたいだけでなく、自分がその中にどのように調和しているかも理解したい。
自分の人生とその限りある存在を他のものと関連付けて、他人やその喜びと悲しみ、
そしてその喜びと悲しみがちっぽけな役割しか果たさない広大な宇宙とのつながりを感じたい。
・成功した科学者は柔軟で型破りな考え方をし、忍耐強く取り組み、他人の考えに拘らず、
見方を変えることを重んじ、答えは確かにあってそれを見つけられると信じていた。
・科学に終わりはない。
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警戒するべきは
一部ご紹介します。
・OSやウェブサイトなどのソフトウェアを常に最新の状態にしておく
・ウィルス対策ソフトは常に最新の状態に更新し、定期的にウィルスチェックをする
・電子メールに添付されているファイルを安易に開かない
・匿名で投稿できる掲示板などに掲載されたリンクやメール本文のURLを安易にクリックしない
・作成者の分からないプログラムを安易に実行しない
・国際政治では、人を疑う、人を騙すことが常識だ
・感染症の予防は、うがい、手洗い、手袋とマスクの着用
・チャイナ、南北コリアが、日本に対して攻撃を仕掛けた場合、外地の日本人と日本企業は人質にされる。内地のチャイナ人、コリア人は、日本及び日本人に対し、テロを起こす公算が高い。なぜなら、彼の国々には『国防動員法』があるからだ。
・日本共産党は、今も破壊活動防止法の監視対象。集団での勧誘には要注意。芸能人、文化人を利用する手口。最大の資金源は機関紙『赤旗』。
赤旗を購入すれば、公安調査庁の監視対象になることもあり得る。
・他国から戦争を仕掛けられた場合、何ら抵抗をしなければ、一部の人々の命は救われるだろう。だが、結果的には、後に多くの人々の命を奪ったことは、多くの世界の歴史が証明している。
・逃げる場所は避難場所。落ち着く先は避難所。
・選挙での投票行動こそ、「民間外患誘致」防止策となる。選挙で、候補者が外国人犯罪をどうみているか、民間外患誘致についてどう考えているかを、候補者を選ぶ基準に加えていくことで、意思表示をすることができる。
・マスコミの報道を鵜呑みにせず、利害関係に振り回されることなく、状況を的確に分析し、判断することを常に心がけておくこと。
・政治に無関心であることは、外国による間接侵略を容認することに他ならない。
・感情的にならず、レッテル貼りもせず、自分と反対の言論の自由も尊重する立場から、事実と理論を以て反論していくことが望ましい。
・自分の頭で考えるためには、政治、外交、歴史、経済、インテリジェンスなどについて、積極的に学ぶよう努めるのが大事だ。
民主制を守り、使いこなすには、国民の側に相応の見識と努力が必要とされるのである。
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ネタバレ
・自分以外のどんな人からも学ぶべきことはある。
・学んだことは実行に移す。
・自分が持っている知識をわかりやすくアウトプットし、興味を引くように話す。
・人の心を開くためにまず、ささいな共通点を相手に伝える。
・徳川家康「人間の一生は、重い荷物を背負い、遠くを目指して道を歩いていくようなもの。
急いではいけない。不自由が当たり前だと考えていれば、まだ足りないという気持ちは生まれない。
心に欲望が湧いてきたら、困った時のことを思い出そう。
我慢すれば平穏無事が続く。怒りは敵と思うこと。
勝つことばかり考えて、負けることを知らなければ、いつか自分自身に災厄が降りかかってくる。
いつも自分の言動を反省し、人を責めるのはやめよう。
やりすぎるより、足りないくらいの方がよいのだ」
・物事は、熱湯を入れた器を持つように、ゆっくりと着実に進めるべきで、
性急な改変を断行すれば、反動で政策は破綻し、大火傷をする。
・一つの事柄はあらゆる角度から、大局的に見て判断することが重要となる。
・本田宗一郎「会社のためにばかり働くな。自分のために働くことが絶対条件だ。
自分の好きなものに打ち込めるようになったら、こんな楽しい人生はない。
そうなるには、一人ひとりが、自分の得手不得手を包み隠さずハッキリ表明する。
石は石でいいんですよ。ダイヤはダイヤでいいんです。
それを適材適所に配置するのが上司の仕事で、そうなれば石もダイヤもみんな本当の宝になる。
企業と言う船に、宝である人間を乗せて、順風満帆、大海原を和気あいあいと、一つ目的に向かう。
こんな愉快な航海はないと思うよ」
・高橋是清「私は時々、争いや憎しみのない、愛に満ちた平和な世界というものを想像してみることがある。
誰もがみんな幸せに輝いている未来というものを夢見ることがある。
私は神様を信じている。人間、自分より上のものがいないと、どこか自惚れていけない。
自惚れてしまったら、人間はお終いである。なぜなら、自惚れは人を破滅させるばかりなのだから」
・先を読み違えたら、あるいは失敗だと気付いたら、ためらわずにすぐに軌道修正する。
・行動することで人間の未来は拓かれていく。
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現在進行形の間接侵略に対して
・現実の人間社会において、正義は人の眼を曇らせる。
人間社会は矛盾と摩擦によって成り立っている以上、どこかで妥協しなければならない。
もし神の正義を実現しようとしたら、悲惨な宗教戦争が巻き起こるだけだ。
・地球侵略を狙うメフィラス星人の手口は、インディアンから土地を奪ったアメリカ人そのものである。
メフィラス星人は、最も純情な年齢にあるサトル少年を選んで、
「どうだね?この私にたった一言、”地球をあなたにあげます”と言ってくれないかね」と語りかける。
友好的な口調で話しながら、一方でバルタン星人、ザラブ星人、ケムー人を巨大化させてみせ、
「みんな私の命令で地球を攻撃することができる」と有無を言わせぬ態度で脅してくるのである。
腕力には自信があるので実力行使も辞さないが、大人しく従うなら穏便に奴隷にする、と言った態度である。
軍事力を使う直接侵略だけでなく、それ以外の方法による間接侵略である。間接侵略の要諦は、心を支配してしまうことだ。
メフィラス星人は人間の心に忍び寄った。しかし、地球人は撥ねつけた。間接侵略されていなかったからだ。この時は。
・戦時国際法では「疑わしきは殺せ」が鉄則である。なぜなら、そうしなければ自分が殺され、祖国が滅ぼされるかもしれないからだ。
・現実の国際政治は「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」そのものである。強力な兵器には、それを上回る強力な兵器で対抗するしかないのだ。
・子供達を奪い取り、子供達さえいなくなれば、人類の未来を奪ったことになる。子供を奪うという手段で、人類の未来を奪う作戦だ。
迂遠なようでいて、人々の価値観そのものを支配した者が、真の支配者なのである。
・戦争とは、相手に我が意思を強要するために行う力の行使である。
・一度でも失われた戦う心は取り戻せない。だから武器が強くなっても、軍隊が強くなることはない。
・人間の思考―哲学は審美眼に行きつく。何を真善美で偽醜悪とするのかの根源は、そこに価値を見出すか、
そこにある灯をこれからも守り続けることが美しいと感じるか否かの感性でしかありえない。
・巨大な力に押しつぶされそうな時こそ、神話に立ち戻り、この守るべき価値とは何なのかを見つめ直すことこそ、何を成すべきかを思い出せるのではないだろうか。 -
ネタバレ 購入済み
・関係が気まずくなった時に、男は口を開くことが苦痛になるが、女は沈黙が苦痛になるらしい。
・実際に付き合ってみるということは、憧れていた対象が自分のところに降りてくるということだ。
それは素晴らしい体験ではあるが、同時に幻滅でもある。
・女は場所や雰囲気に共鳴することを拒まないが、男はそれを拒むのが習性になっている。
・森は様々なものを捨てる場でもある。白雪姫も、ヘンゼルとグレーテルも、森の中に捨てられた。
・友達が欲しいと目を血走らせている人間を、人は拒むのだ。
もの欲しそうな人間を、人は敬遠する。お願いですからお金を貸してくださいと頭を下げる、
本当に今そのお金を必要としている人にはお金を貸したがらない。
・心を救うために、人は「慣れる」という業を用意している。
・あたしたちは時を変え場所を変えて、何度も同じ人と巡り合っているのかもしれないのだ。
水が循環していることを考えれば、新しいものが次々と生まれていくというよりも、
生命も循環していると考える方が自然なのではないか。その方が救われる。
今失おうとしているものも、いつかまた戻ってくる。
・誰もが心の底に喪失の予感を持っていて、それが実現すると「やっぱり」と納得してしまう。
だからこそおとぎ話の最後のフレーズは「いつまでも幸せに暮らしました」なのだ。
・あたしたちは誰もが森を持っている。
あたしたちは森の中を歩く。地図のない森を、どこへ続くかわからない暗く果てしない森の中の道を。
あたしはこの森を愛そう。木々を揺らす風や遠い雷鳴に心を騒がせながらも、
一人どこまでもその森を歩いていこう。いつかその道の先で、懐かしい誰かに会えるかもしれないから。
あたしたちはそれぞれの森を歩く。誰かの森に思いを想いをはせながら、
決して重なり合うことのない、幾つもの森を、ついに光が消え、木の葉が見えなくなるその日まで。
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ネタバレ 購入済み
・人間は自分の手を動かさないと、どんどん他人に対して冷たくなるし、想像力が鈍ってくる。
・毎日少しづつ。いつのまにか取り返しのつかない大きなものになっている。
・人によって、老化のスピードがこうも違うものかと、たまに誰かに会うと思い知らされる。
それは肉体の老化のスピードではなく、精神の老化のスピードなのだろう。
その人の生活圏が老化のスピードを左右する。職場や住環境、接する人間の種類、出入りする店など。
辛気臭い職場で辛気臭い仕事をし、辛気臭い人間としか付き合っていない人間は、当然ながら早く辛気臭くなる。
・幸福な時の思考はワンパターンに陥りがちだが、不幸になると実に様々な事を考えるものだ。
特に、大事にしていたものを失った時には。
・よく似た二人は、自分の似ているところに共感する。
何故こんなに感じるところが似ているんだろうと感動する。
しかし、以心伝心はやがて空虚になり、単なるコミュニケーションの欠如になっていく。
そっくりだからこそ、欠点も鏡のように自分に跳ね返ってくる。
それは自己嫌悪になり、ついには相手への憎悪になる。
同じ部分の欠けている二人は、どんなにもがいても欠落している部分を互いにフォローすることが出来ない。
・旅先で写真を撮るのは社会的な行為なのだ。一緒に旅行したメンバーと、社会的な絆を確認する行為。
それこそ、、証拠作り、アリバイ作りだ。
だから逆に、これだけくだけた利害関係のないメンバーだと、その必要を忘れてしまう。
身体の中に残る旅。そんな旅が出来るのは幸運だろう。そして、恐らくこの旅は、その幸運な旅の一つなのだ。
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夢魔子
・「あたしの質問に答えて。君は今何を考えてたの?」
「何も…ぼくは頭の中をカラッポにしてポケーッとしてるのが好きなんだ。
ぼくは人と競争して、猛烈に頑張ることがとてもできないんだ。
ぼくの夢はどこか遠くの、誰も来ない所で、ぼくだけの城に独りっきりで済むことなんだ。
でもそんな夢、一生叶えられないだろうなあ」
「そんなことないわよ。祈るのよ、念じるのよ!
こうやって耳を塞いで、ジーッとただそれだけを念じるの。
もしそれが君にとってどうしても必要なことなら、きっと叶えられるわ」
・「私は弱い人間、競い合いや争いは嫌。叫びや罵りが怖くて耳を塞いで祈る」
・「できたわね。これで君はもう誰にも邪魔されずに、闘いも競争もない、君だけの世界に浸ることができるのよ」
・「かわいそうに…夢を捨てさせるってことは、彼に年を取らせてしまうことなのよ」
・「ぼくが自分の中に女らしい素質があるのに気が付いたのは、
母が亡くなって代わりに僕が家事をやるようになってからです。
食事の支度や掃除、洗濯などが苦にならないどころか、楽しくてたまらなくなったのです。
でも、学校に行けば、僕はラグビー部のキャプテン。無理やり自分を荒っぽく、男らしく見せかけなければならない。
それがこの頃だんだん辛くなってきたんだ。学校での男らしい自分と、家での女らしい自分と、僕は二人いるんです。
ああっ、このままでは僕はおかしくなってしまう」
「わかりました。確かに今のままでいけば、あなたの人格は破綻してしまうでしょう。
ただ一つだけ、そうならない方法があります。それはあなたが女になりきることです」
・「私、女になっちゃったの」
・「あなたは確か、つまらない大人になりたくないって言ったわよね。
でもさっき、あなたのとった行動は、自分の保身のことしか考えない、臆病でいじましい大人そっくりだったわ。
あの時かなわないと思っても、ガムシャラに助けに来てほしかった。
少なくともあなたはそうしてくれると信じていたのに…」
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ネタバレ
・世界の歴史は人間の欲望によって作られていく。
・民族の違いは環境が決める。気候や風土が違えば、人間の生活を成り立たせるもの全てが異なってくる。
この環境は、そこに暮らす人々にとっては、変えることのできない宿命といっていい。
大自然を前に、我々は如何に適応するか考え、文化や歴史を作り上げてきた。
・環境によって形成された国民性は、たやすく変わるものではない。
武器を持たなければ、奪われ、殺されるだけだ。
・一定の大きさのコミュニティにとって、都合の悪い者を排除する行為は、我々の生活の中にも見ることができる。
排除される者に非があるために起きることが殆どだろうが、中には例外もある。
例えば、自分の良心に従い、内部告発をしようとして、そのコミュニティから排除されるケース。
「内部告発する者が悪い」と考える者もいるかもしれないが、それは本心から出た言葉か?
長い物に巻かれる方が、庇護もあり楽な選択ではあるが、こうした考え自体がすでに人間の残酷さの表れではなかろうか。
・テレビだけでなく、現代の社会では様々な発信方法が存在している。
それは楽しむため、または情報を得るために視聴しているわけだが、
発信者側の思惑次第で、情報操作や印象操作もできるという危険も持ち合わせている。
・今の社会、テレビというメディアの信用度が著しく低下した反面、SNSから多くの情報が流れてくる。
その中には、大きな影響力をもつインフルエンサーもいる。
その人の言うことなら何でも信じてしまう人達がいる。
もしそのインフルエンサーが誤った情報を流してしまったら、それを信じた人々はその誤った情報通りの行動をするだろう。
手軽に情報を得られる時代になった昨今、情報は有益なものではあるが、
反対に危険な「毒」になることを忘れずに、自ら精査する力を養ってほしいものである。
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・「どうしてこいつ(AI手術ロボット。《サージェリー・プロ》)は、わたしのやってほしいことがわかるんだ?」
・「そうです、ブラック・ジャックさん。《サージェリー・プロ》にはこれができるんです。
誰よりも早くあなたの思ったところへ先回りして、サポートすることができるんです。
なんといっても《サージェリー・プロ》のAIの学習には、ブラック・ジャックさん、
あなたの手術の映像をいくつも使ったんですから…!」
・「まったくおまえさんには驚かされる。未来にはこのわたしが、世界中の病院でメスをふるっているというわけか。フフフ…。
この手術代は全てひっくるめておまえさんに請求するから、そのつもりでいろよ。
そうだな、ラーメンを一杯おごってもらおう」
・「おまえさんは夢を語っている」
「もちろん夢です。まだ未来の医療です。それでも必ず未来はやって来る。誰に対しても平等に」
・「この賭けは五分五分だぞ」
「わかっています。でも最高のコンディションを用意できなければ、五分五分の勝負にもならないでしょう?」
・「先生が手術の後、すぐ眠っちゃうわけがわかったわのよさ…」
・「おまえさんの心のうちまではわたしも治せない。
だが、わたしが知るよりずっといい治療法をこの子は知っているだろうよ」
・「ピノコ、おまえの気持ちはよくわかった。おまえに何も言わずすまなかった。
まだわたしの目は殺し屋のようか?まだわたしは怖い顔をしているか?
おまえを心配させるような男に見えるか?」
「ううん、先生」
「おまえが教えてくれなかったら、わたしは気付かないところだった」
「先生」
「今日、わたしはどうしても行かなきゃならない。わたしが行かなければ、ひとりの男が死ぬんだ。
まさにいま、その男は死のうとしている。それを知っているのはわたしひとりなんだ」
「先生はお医者さんよね?」「そうだ、わたしは医者だ」
「人を殺ちたりちないわのよね?」「人を殺したりしない」
「人が嫌がゆこともちないわのよね」「ああ、嫌がることはしない」
「おくたんと約束できゆ?」「おくさんと約束する」
「先生、行ってらっちゃい、先生」「ああ、行ってくる」
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・「人は誰でも完璧ではありません。むしろどこか破れて穴の見える人の方が、
長いお付き合いができるんじゃないでしょうか?」
・「やっぱり食事は好きな人と一緒に食べるのが一番ですね」
・「部屋というのは最終的にプライバシーが守られていないと辛いですよねえ」
・「何事も無心でやる人にはかないませんよねえ」
・「ホテルというのは、外から見ている方が夢があるような気がしますねえ」
・「人の肉体は滅びても、ヒトの魂や想いは永遠に漂い続けている、
と昔から言われていますがどうでしょうか?」
・「自分だけの個性的な仕事を選ぶ方が、人生に喜びを持てるんじゃないでしょうか」
・「人と人との出会いには不思議なものがあります。
きっと予め運命づけられているのかもしれませんねえ」
・「夢は夢のまま…現実と繋げないでいた方がいいようですねえ」
・「私の後ろの棚の中には、いろんな人生のドラマがいっぱい詰まっています。
人はこれらのビデオの中に夢を見て、一喜一憂します。
私の仕事は、皆さんに夢を売る仕事なのです。
もちろん、その夢には悲しい夢も楽しい夢もあります。
私はこの”ユーム”のマスターとして、ビデオの中の様々な人の夢のドラマを見てきました。
ところが、この頃ふと気付いたのです。ビデオの中で見る夢は、それこそ夢幻ということを。
そこで私はこの店を閉める決心をしました。
ビデオの中でいくらたくさんの夢を見ても、
いくらいくつもの人生を体験したとしても、
それはあくまで仮の体験でしかありません。
私はこの店を閉め、ビデオにさよならします。
これから私は仮の夢を人に与えるのをやめて、私自身の本当の人生を生きようと思います。
これが私の新しい夢の始まりです。
その夢が悲しい夢になるのか、楽しい夢になるのか、それは私にもわかりません」
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・「人は誰でも、時間がたてば年をとるのを避けることはできませんが、
せめていい年のとり方をしたいものですねえ」
・「人間は場合によって色んなよそ行きの顔を持っています。
でも、一番真実の顔は…人を愛した時の顔じゃないでしょうか」
・「消極的でパワーのない人は、セールスマンには向いてないようですね」
・「過ぎ去った時間を取り戻すことはできませんが、思い出はいつまでも生き生きと甦らせることができるのです」
・「植物の中で、サボテンがとても感情反応が強い…というデータが実際の実験に出ています。
あのトゲの下に、きっと繊細で感じやすい心が隠されているんじゃないでしょうか?」
・「さようなら…というのは寂しい言葉ですね。
さようなら…と言うよりは、こんにちは…と言うことが多い方が楽しいですよね」
・「叶えられても、叶えられなくても、夢を持ち続けていられる人は幸せですよねえ」
・「人は一人では生きていけません。自分をわかってくれる友達を持っている人こそ、幸せと言えるでしょう」
・「虹は儚いものです。儚いからまた美しいのではないでしょうか?」
・「人間には、自分でも知らないもう一人の自分があるようですね」
・「人間は過去があるから未来があるのです。
過去の思い出を持たない人はきっと寂しいでしょうね」