【感想・ネタバレ】「戦争と平和」の世界史(TAC出版) 日本人が学ぶべきリアリズムのレビュー

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日本の現状

mac
2022年11月13日

・日本の教育の問題:予め決められた模範答案にいかに早くたどりつけるか、という情報処理能力ばかりを重視→
「ああすればこうなる」で凝り固まる
・国際連合(連合クラブ):安全保障理事5大国(米英仏露中)に限り、拒否権発動で武力制裁ができなくなる
=5大国だけが好き勝手に軍事行動(侵略)が出来る→
...続きを読む
安保理5大国(米英仏露中)が引き起こす戦争を止める権限を国連は持たない
=日本と5大国(ロシアや中国)との間で領土紛争が起こった場合、
もし日本が安保理に提訴したとしても拒否権を発動されておしまい→
また、旧敵国(日独伊)に対しては、安保理の承認なしに軍事的強制力を発動でき(国連憲章第53条)、
戦後処理についても、安保理の承認は不要である(第107条)=敵国条項。
=国連は日本を守ってくれない。国連に入っても平和は守られない。
・北米、西欧、二本は第二次世界大戦以降70年近く、平和(?)が続いていた→
米軍が駐留し、米国の経済援助を受け、米国を主な市場としたから→だが、それも風前の灯
・日本国憲法(?):改憲には、「衆参両院で2/3以上の賛成で発議し、国民投票で過半数の賛成が必要」
=護憲勢力(スポンサーはロシアや中国)が1/3を確保すれば改憲を阻止できる→
また、軍事力のまともな運用が出来ない以上、経済分野で譲歩を強いられる
(例:対米輸出を減らすため、円高ドル安に舵を切る「ブラザ合意」→円高不況→対抗するための金融緩和→
余剰資金が株と土地に→バブル経済へ)
・日本の周辺諸国にとって、日本は海に出るのを邪魔する蓋。
①中国:軍事大国化。南シナ海や尖閣に手を。国防動員法で在日中国人は「潜在的な敵国の兵士」。
②北朝鮮:核で恫喝。在日朝鮮人を使った日本人拉致。日本海にミサイル。
③韓国:竹島侵略。歴史捏造プロパガンダ。国防動員法で在日韓国人は「潜在的な敵国の兵士」。
④ロシア:北方領土侵略。北海道に食指。
・日本がいくら平和を求めても、周辺諸国が日本を軽んじて、これに応じなければ平和は訪れない。

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Posted by ブクログ 2021年05月13日

戦争の歴史についてリアリズムな視点から述べられている。ボリュームが多く読むのに時間がかかるが、特に明治以降の歴史がとても面白く驚愕の事実がたくさん述べられている。
この本を読んで単純に思うのが「どうしてこのような事実を日本の教育では教えてくれないのか?」ということ。ソビエト崩壊で1990年代からソビ...続きを読むエトが持っていた機密文書が世に出てくるようになったらしく、それを解析すると今までの常識を覆すものが多くわかるようになってきたらしい。そして2000年代頃から、そうした文章が私たちの手にも届く形で出てきたのだが、教科書は変わらず報道もされないまま。それらの資料は重要な資料・証拠として掲げられるものだが、歴史が違うことを指摘すると歴史修正主義と揶揄され、言論を統制される。
今まで表面的な事実を教科書で学んできたが、どうして都合の悪いことが隠されるのだろう。歴史を学び、それを共有していることは日本人としてのアイデンティティにも重要な役割を果たす。しかしもう一つの重要な役割として、「歴史から学ぶ」という点もあると考えている。過去の失敗から学び、将来の政治・外交に生かすことも歴史を学ぶ意義ではないだろうか?米中対立が現在大きく報道されているが、日本人が無知なままでは都合の良いように振り回される可能性もある。正しい事実を学校教育で勉強できるようになってほしい。

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Posted by ブクログ 2021年06月11日

チンパンジー。狩猟採集の時代からすでに争い・暴力はあった。農耕社会で富が蓄積され、格差が広がってからは戦争がさらに大規模になった。▼ポルトガルによる日本侵略計画。キリシタン大名による神社仏閣の破壊、日本人を奴隷として海外に売る、農耕用の牛馬を食う。よって、秀吉・伴天連(ばてれん)追放令(1587)。...続きを読む島原の乱(1637)、キリシタン大名はスぺ・ポルトガルの援軍を期待するも来ず。敵スペインを叩くため、オランダ船がキリシタン大名を船から砲撃。▼西周が考案した和製漢字:哲学、科学、芸術、知識、概念、理性、定義。▼日露戦争。喜望峰を回り、同盟国フランスのマダガスカルに寄港、その後マラッカ海峡(シンガポール)を通ったバルチック艦隊。英は情報を日本に伝える。講和は新渡戸武士道を読んだ米セオドア・ルーズヴェルト。▼満州占領の時点で軍事行動をやめておけば、他の列強とも妥協点を見出し、亡国を避ける道はあった。▼陸奥宗光・小村寿太郎ら明治の指導者は世論の糾弾を一身に受けても国家の大計を見誤ることはなかった。しかし、大正デモクラシーがもたらした大衆政治、世界恐慌という社会不安の中、昭和の指導者は世論に迎合、煽り、国家の大計を見失った。新聞・ラジオ、ニュース映画など、マスメディアが煽り立てた。▼戦力分析の結果・現実に目をふさぎ、情報を軽視、空想的な軍国主義に汚染された結果、社会主義者に誘導されて国を滅ぼした。戦後も、米軍の軍事力に守られている現実に目をふさぎ、情報を軽視、空想的な平和主義に汚染されている。『戦争と平和の世界史』

高校世界史は広く薄く各国の歴史を学ぶが、日本との繋がりが分からない。高校日本史は狭く濃く日本の歴史を学ぶが、世界との繋がりが分からない。文科省、2022年から新科目『総合歴史』を必修。▼日本人と縄文人DNAはチベット人に近い。アジアの最古層。DNA解析、縄文晩期に長江下流域から温帯ジャポニカ米が伝来した。『魏略』倭人は自らを太伯の子孫(周王朝)と称している。▼第10代・崇神天皇、258年、ヒミコと同時代。第15代・応神天皇陵(古市古墳)大阪・羽曳野市第16代・仁徳天皇陵(百舌鳥もず古墳)大阪・堺市。▼匈奴が西晋の都洛陽に侵入、皇族・官僚、数万の市民を虐殺。永嘉の乱307~ 秦の始皇帝からの古代中華帝国が滅亡。 ▼第2回遣隋使、607、小野妹子、日出る処の天子、隋・煬帝、高句麗遠征の少し前。▼800年代~1100年代、土地を民に貸して耕させて徴税する方法は失敗。金がない。正規軍を持たない非武装。国司は兵を募集、富豪や俘囚(蝦夷)が応募した。同時期、唐。土地を民に貸して耕させて徴税する方法は失敗。金がない。正規軍を持たない非武装。地方の治安を傭兵に守らせていた。しかし、傭兵の隊長イラン人が長安に侵入、略奪。国破れて山河あり。杜甫。ウイグル人を使い、イラン人の軍を倒すが、今度はウイグル人が略奪。▼唐。地方からのおカネが入ってこないので、塩を許可制にして、税金を取り始める。すると、密売人が出てくる。密売人の黄巣が長安に侵入、略奪。黄巣の手下の朱温を手なずけ、黄巣を倒させる。朱全忠。すると、この朱が唐を滅ぼす。▼モンゴル侵攻を撃退した鎌倉は、宋銭の流入で崩壊。▼イエズス会宣教師は、日本をカトリック化した後、日本の傭兵を動員して明を征服することをスペイン国王に進言。『世界史とつなげて学べ 超日本史』

立て看板。独特の書体。学生自治会・生協を根拠に大学に居座り、なぜかサークルの部室の割り当て権を握っている。▼尖閣、中国漁船の船長、中国の要求に従いセンゴク・ヨシトが釈放。これを見た露メドヴェージェフが国後島に上陸。韓国イ・ミョンバクが竹島に上陸。『保守って何』

パナマ運河の幅は32mしかなく、米海軍は32m幅以上の軍艦をつくれなかった。▼2050年には米の白人割合が50%以下に、ヒスパニックが30%に達する。▼ジブチには日本の基地がある。石油シーレーンを防衛するのが目的。▼露はシベリア鉄道を北海道に延伸し、サハリンから日本へガスパイプラインをひくことで、日本を露に依存させようとしている。『マンガでわかる地政学』

『ニュースの"なぜ?"は世界史に学べ』済
『ニュースの"なぜ?"は世界史に学べ2』済
『ニュースの深層が見えてくる サバイバル世界史』済
『世界史で学べ! 地政学』済
『イエス・キリストと神武天皇』済
『政治思想マトリックス』済

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Posted by ブクログ 2021年03月30日

WWⅡ中、なぜ日本は早期に降伏しなかったかに疑問があったが、多くの政治家たちは対米戦に反対しており、対米戦に支持したのはただ世間が怖かっただけだと知った。(小野寺信の情報隠滅など) 世論重視になった原因として、教育問題を挙げていたのは納得した。模範答案にいかに早く到達するかという情報処理能力のみを競...続きを読むって、臨機応変さが低い人たちがトップに立った結果が敗戦なのだと思った。 しかし、裁判で罰を逃れた者が長生きし、自分が犯した過ちを公言しなかった点はまだ力がものを言う時代だと思った(伊藤忠に入社した瀬島龍三など)

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Posted by ブクログ 2020年10月10日

安倍戦争法案反対デモを冷ややかにみていたときに書き始めたと後書きにある。著者はそういう立ち位置から世界史(というよりほぼ日本近代史)を書いている。

 猿人から話を書きはじめてギリシャにいったり、十字軍にいったり。このくだりはいるのか?と思いながら読んでいたけど、第7章の幕末日本の万国公報あたりか...続きを読むら面白くなってくる。

 不平等条約を改正するために、幕末の日本は国際法を遵守する。未開の野蛮な国と思われないようにと、他の国は植民地支配のためには、そんなもの都合よく解釈していた時代から。それはもう優等生だった。例えば時代は下って第一次世界大戦時の坂東俘虜収容所でのドイツ人捕虜の人道的な扱いは称賛され、国際社会の信頼を勝ち得ていく。国際連盟の常任理事国入りも果たす。
 しかし、一等国の仲間入りしても、その後の軍縮会議の時代では、アジアの小国日本は馬鹿にされる。都合よく保有する戦力を削られる。人種差別が当たり前の時代だから、これはまあ、しょうがない。
 

 第二次大戦前の世界は地政学的にはソ連をどう封じ込めるかで回っていた。ドイツもイギリスも、アメリカも日本も共産主義革命が怖かった。

 日本が手を結んだのがドイツ。勢いに乗っちゃった感、強し。大本営は欧州に網を張っていた優秀な諜報員が仕入れた情報を活用しなかった。六千人の命のビザでおなじみの杉原千畝の情報だって無視しちゃったから、スターリンは戦力を二方面に割く愚を回避でき、欧州戦線にぶちこむことができた。ドイツと組むなら組むで、日本も歩調を合わせればいいのに。一方ではアメリカとの交渉も進めているから、まさに二方面外交。担当する閣僚ごとにバラバラに動くから信用されない。あなたと手を組みたいと言っている裏で敵と手を結んでいるんだもの。
 でも当時は各国も狐と狸で変わりないから、それはいいとして、問題は国としてのどっちにいこうとしているのか決めないまま、あっちにふらふら、こっちにふらふらしているところだ。騙したり、時間稼ぎのためじゃなくて、そういうのが当たり前の国に振り回されている。

 読む限りでは、アメリカとの交渉で満州国の承認までは、両国で折り合いが付けられるところまで話は進んだらしい。アメリカだって片やドイツ片や日本の二方面作戦をとる愚は避けたかった。大国だって避ける二方面作戦で日本は中国とアメリカを相手に戦おうっていうんだから、なんとも威勢いい。そんなことするのは、超が付くほどの大国か、よっぽどの阿呆だけだ。果たして日本はどっちだったのかということは置いといて、その後もまあまあの紆余曲折を経て、収拾つかずに真珠湾で開戦。アメリカも本音では国内景気拡大のために戦争したくてうずうずしてたから、しめしめとでも思っただろう。


 終戦工作ではスイスにおいて後に国務長官となるダレスとの交渉で、皇室存続を認めさせるところまで漕ぎつけた。アメリカは日本の共産化を望まなかったからだ。これがうまく運んでいたら、もしかしたら原爆もソ連参戦もなかったかも。しかし軍部内に巣食う親ソ連派はソ連による日本解放を望んだ。瀬島龍三などの赤のスパイがソ連による和平交渉を長引かせ、時期は逸した。
 参考文献として紹介されてる本を読んでないので、どこまで信ぴょう性があるのかわからないが、あんまりそういう視点から考えたことがなかったから、言われるまで気づかなかった。

 そして戦後。
 世にも稀な憲法九条が生まれる。

 侵略戦争の放棄をうたう憲法は世界中にある。日本が特殊なのは戦力を放棄したところ。

 吉田茂は朝鮮戦争でアメリカから再軍備を要請された。アメリカの戦争に巻き込まれたくなかった吉田は、憲法で日本は軍隊を持てないことになっているから、警察力を強化するとして警察予備隊を創設し、うまく切り抜けた。

 日本は平和憲法があったから戦争しなかったんじゃなくて、アメリカに守られていたから戦争しなかった。今後はアメリカが手を引く。日本はどうするか考えないといけない。ということで本書は結ばれる。

 そうなっても、非武装中立を叫ぶ人ってまだいるのかな?

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Posted by ブクログ 2020年09月22日

いやはや、何というか、笑ってしまった。
いや、何というか「戦争」を軸とした世界史の羅列…たまに教科書的通史から離れた内容にも触れるのだけれど深入りはしない…といったいった記述が続き、退屈なので途中でもう読むのをやめようかと思いつつ、辛抱して読み続けていたところ、満州事変の辺りから俄然著者の見方が多い...続きを読むに込められた叙述となり、「世界史」というより「日本近現代史」的な内容になるという…
何だ、要はここが書きたかったのであって、前半はその前置きだったか、と。(苦笑)
つまり、先の戦争について著者が言いたいことを書いた本。内容的には大筋間違えたことを書いていないとは思うものの、「参考文献」一覧がなく「引用元資料、裏付け資料」の注記がほとんどない点は著者のせいなのか出版社のせいなのか、手抜きと言わざるを得ない。その点が惜しいし、ある意味致命的。
ただ、色々と新たな気づきももらい、もう少し詳しく調べてみようと思った箇所多数で、その点では大いに刺激を受けました。

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