【感想・ネタバレ】ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイドのレビュー

あらすじ

あなたの壊れたタイムマシン「FC3000TM」はいま紀元前25000年にいます。もう現代には戻れません。皆のため、あなたが農業を発明しましょう! 言葉、農作物、エンジンから現代アートまで、科学と文明をゼロからもう一度つくり直すためのすべてがここにある

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Posted by ブクログ

タイムマシンの事故により過去へ取り残されたトラベラーへ贈る、文明を効率的に再構築する術を面白おかしく、しかし真面目に紹介している一冊。
数字や小難しい内容が多いですが、それを無視しても楽しめること請け合いのユーモア溢れる科学雑学本です。
人類は常に科学の発展のみを追求してきたわけではないので、本書にあるように科学的発見へ至るまでには異常とも思える長い年月を必要としました。
実際に人類は自分たちが自覚している以上にぼーっとした取るに足らない生き物で、この異常な年月を無駄に過ごしてきた可能性もありますが…。
万が一にも何らかの馬鹿げたトラブルで古代に閉じ込められた場合、本書の内容とちょっとした理系のセンスがあれば適当な集落の酋長として君臨はできる気がします。
そしてそのタイムラインの未来では、伝説的なシャーマンか王としてオカルト雑誌に君臨し続けるのでしょう。
何にしろ荒野から文明を築くことがどれ程骨の折れることかは、文理問わずにご納得いただけると思います。
先人が一生懸命に取り組み、時には一服し、偶然に閃くなど…これまでの我々の文明における紆余曲折も、必要であったかは不明ですが悪くはなかったと信じています。
このタイムラインに暮らす我々は、ゼロから文明を築く必要がないように慎重に生きていくべきだと感じました。

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2021年02月01日

mac

ネタバレ 購入済み

医学について

・石鹸の元となるアルカリ:「オリーブオイルと石灰」<「炭酸カリ(ポタシュ)かソーダ灰、塩」<
「灰汁(植物の灰を水に浸して出来た上澄み液」
・石鹸:アルカリ+油・脂肪→鹸化
・避妊:禁欲(性交を行わない)≧経口避妊薬(血栓症のリスク)
>母乳を与える(出産後6か月まで。その子は母乳だけで育てなければならない。日中は4時間おき。夜間は6時間おき)
>避妊リング(感染による骨盤内炎症のリスク)>コンドーム>膣外射精(一部の精子は射精前から出ている)
>排卵(生理の12~16日前)日を避けて性交をする>洗浄法(性交後に膣を洗浄する)
・肉離れと捻挫:負傷した部位を冷水に浸す(軽度の火傷による損傷と痛みを軽減する)→翌日には温水に。
・喉の痛みや扁桃腺の腫れ:温かい塩水でうがい。
・目に異物が入った:冷水で洗い流す(一部例外あり)
・患部が熱を持ち、痛みまたは化膿:患部を高くして(炎症軽減)、温湿布。
・患部がかゆくヒリヒリあるいは透明な液体が滲みだす:患部を高くして、冷湿布。
・窒息:患者を立たせ、その後ろに立つ→片手で拳を作り、患者のへその横隔膜を突き上げるように上に動かす→
肺に圧力かかる→人工的に咳をさせる→喉につかえたものを吐き出させる。
・呼吸停止:胸骨圧迫と人工呼吸。
・骨折:整復(ずれた骨を本来の位置に戻す)→問題の部位を引っ張る→
その後離して、一種の反動で元の位置に戻す→添え木っを損傷部位に当てることで、折れた骨が修復するまでの間、
骨を固定する事が出来る→布などで緩みが出ないように固定(締めすぎ注意)。
・創傷:止血の必要あり→傷を他の部位より高く上げる→20分間、出血部位を圧迫→
これで無理なら直接、出血している動脈そのものを指で押さえる。
・感染予防:傷口を水ですすぐ→アルコールか2%ヨウ素水溶液を傷にそそぐ(殺菌)(蜂蜜で代用することも出来る)→
12時間以内なら傷を縫合。12時間以上経過しているなら、傷は開いたままにし、ガーゼを当て、傷の渇きを促進する。
・果物や野菜をたくさん食べる。
・適量の油脂を取る。
・さまざまな食品を食べる。バラエティーに富んだ食べ物を取ることで、
多種多様なビタミンとミネラルが摂取でき、大量には必要ないが、少なくとも時折は摂取が必要な微量栄養素が取れる。



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2023年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

有史以来どころか先史、言語の発生前からの文明の歴史について網羅的に学べる本。体感としてはゲーム「civilization」内にある「civilopedia」に近いかもしれないが、本著ではより現代からの後方視的な視点からちょくちょく「fallout」チックな皮肉が織り交ぜられていて大変好みであった。

が、本著の本題は科学技術そのものにあるわけではないと思う。歴史の中で人間が無駄なことばかりして過ごしており、無駄の山から這いずりつつ進歩してきたのかに主題があるように感じる。

冒頭の「簡単に持てたはずなのに、この技術なしに人類が過ごした歳月」がそれを端的に示している。簡単な発想による発明でも如何に困難なものか、その概念をすでにあったものとして享受できることがどれだけ世の中を豊かにしてきたのか実感できる。単純な思いつきを実行し形にして保存する実験的態度はまさしく近代になるまで欠片もなかったのだ。 
そして、知的財産権がどれだけ人類史にとって革命的であったことか。現代文明の基礎たるコンクリートを1000年以上忘れ、延々と石を積むことほど愚かなこともないと思う。しかし、実際にそれをやったのが人類であった。現に科学的態度と知的財産権の組み合わさった近代で、ようやく人類は進歩の歩き方を身につけることができた。

人類の進歩の歴史は決して輝かしいものではなく、しょっちゅうつまづき、引き返し、無駄なことばかりしてきたが、近年ようやく科学的態度で進歩ぶることができた。今の生活、風習ひいては思考形式ですら長い積み重ねの賜物であり、全ての人間が巨人の肩に乗っている。
その雄大で無為にすぎる時間の流れに思いを馳せせるだけで、無駄と非効率、怠惰と停滞にあふれた現代もしっかりと未来に繋がるのだろうという後ろ向きな安心感が得られる。歴史上の全ての人間よりも、自分達が少しはマシになっていると自信を持てる。人類史だってダメダメだったのだ。世の中そう大したものではないが、少しづつなら進歩していけるのだろう。

追記
本著では科学技術のみにフォーカスしているため、政治形態や法律、経済の概念についての記載がない。「人に迷惑かけない限り好きにしててよい権利」を発明したのがたった300年とちょっと前であることや、信用創造で皆が「自分は金持ちだ」と満足できるようになったことなどが記されておらず、そこは少し不満である。それ以上に「ピカピカ光ってかっこいいが一切役に立たないもの」を交換、貯蔵、価値尺度として利用する(あるいはされる)通貨の概念にも触りくらいは触れて欲しかった。もしくは、そこに触れた続編が出ることに期待したい。

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2022年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いわゆるサイエンス雑学の本。
タイムマシーンが汎用になっており、そのタイムマシーンにのった人が、大昔に取り残され、ゼロから文明を構築するにはどうしたらよいかを解説しているガイドブックが本書である、という設定。
文明を築くためのノウハウというか、発展に寄与してきた技術を独断的はあるものの体系としてまとめているので、うんちく好きな人や雑学好きなの人には面白く読めると思います。
文明を作ると謳っているだけあって、技術的な側面以外の基礎的な化学、生物学、医学その他もろもろが詰め込み過ぎ、長いなーとも感じました。
ホワット・イフ?(ランドール・マンロー著)の系統が好きな人には楽しめると思います。

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2021年01月01日

Posted by ブクログ

化合物の作成の仕方だけでなく、アボカドやピンクグレープフルーツの誕生の経緯や、リャマの排卵の仕組みなど、多くの知識を得られ、とても面白かった。

ある発明に必要な要素は揃っているのに、発明まで長い時間がかかっているものがある。著者は「恥ずかしい」と書いているが、実際はなかなか難しいし、現在でもそういうことがあるのだろうと思う。チャンスは転がっている。

発明・発見は何度も失われて再発見されるものがあり、記録とその伝承はとても大切であることを再認識した。失われたらしばらく恩恵も失われる。

中国は多くのことを早い段階で発明している。そして他者にしられないよう厳重に情報を管理していた。昔から情報の重要性を理解しており、現代でも受け継がれていて、ゆえに他者の情報を国家レベルで盗みにいくのだと感じた。

本書は図での説明が乏しく、どう動くものなのか把握が難しいものが結構ある。自分がタイムトラベルしたとしても、どれも発明するのは難しいというのが正直なところ。

『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』を楽しくした版、という印象。気楽に読める。

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2020年12月16日

Posted by ブクログ

とてもカロリーが高い本なので、咀嚼するのに随分と苦労した。本の体裁は面白く、前提としてはSFに近い。
タイムトラベラーが過去に取り残された時、新たな文明を作るための基礎知識という感じだ。
現代から見ると、過去の文明の発達は遠回りだったり無駄が多いように見えたりする。そのあたりをユーモアたっぷりに解説しているところなど、かなり面白い。
カバーされている部分は広く、農学、工学、医学、薬学はもちろんのこと、音楽芸術や理論学なども網羅している。
巻末の補遺も面白い。
しかし、本当にカロリーが高いので、読むのはかなり大変だった。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

借りましたが、おもしろいし、終わらないので買います。買ったら書き直す

買ったけど全然読み終わらない。情報量多い!

大体読み終わった。終わりの方はちょっと力尽きた感あるけど、注釈も結構お役立ちだし、めちゃくちゃ頑張ってる。むしろその尻すぼみ感が石の中から出てきた本としてリアリティあるんじゃない?(本当につかれちゃったのだとはおもいますが)
もしこれをサバイバル本として役立てようと思っても多分役には立たない、未来人がマニュアル作成として書いたんだよ?役に立つわけないじゃん?ってところが意図的だと思うんで、好きなところなんですよ

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2022年12月11日

Posted by ブクログ

感想
先人達が積み上げてきた文明。天才が1人いたところで再現することなど不可能。科学史の歩みを1人で再現するにはあまりにも時間が足りない。

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2023年11月28日

Posted by ブクログ

図鑑というか、辞典と呼ぶべきか。500ページ以上の分厚い内容、ジョーク混じりのライトな語り口、タイムトラベルというお楽しみ設定。原始世界にタイムトラベルした際に、機械トラブルで戻って来れなくなったら?誰もが考えた事があるのではないだろうか。文明、社会は確かに発展しているが、自分自身の実力でサバイバルできるのか。着の身着のまま過去にタイムトリップしたら、恐らく原始人にスマホを見せびらかす事がせいぜいだろう。

言葉とは、測定単位とは。火の起こし方、何が食べられるか、紙や火薬、虫、鉄、蒸気機関などなど。博物学とも言えるだろうか、本著には知識が満載だ。浅く広くとも言えるが、それほど浅くもない。ただ、実用的と呼ぶには後一歩。その中間かな。とにかく、全文生真面目に読むと胃もたれするので、飛ばし読み程度でちょうど良いかもしれない。

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2022年05月28日

Posted by ブクログ

無人島に持っていくなら…って
よくある設問に今度からは
この一冊も回答に加えてください。
「タイムマシンが壊れて過去から戻れない」
人のために書かれたマニュアルですが
無人島でサバイバルするのにも使えます。
550ページの厚みは枕にもできます(笑)

正直、全部をちゃんと熟読したというより
興味のあるところをガーッと読んだ。
なぜなら、科学的な理論とか
結構詳しく書いてあって
真剣に読んでたら
マジで無人島暇つぶしグッズだ。

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2021年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイムマシンで過去に行って戻ってこられなくなったら、そこで文明を起こし、その時代を生き延びろという指南本です。
「仁」の南方先生がやってたペニシリンの作り方も載ってます。
ついでに音楽やら名言やらも先にやってしまえば自分のものになるよとの囁きも。
ただ、挿絵や図が少なく、ほとんどを文章で説明しているので、機械系はとても分かりにくいです。

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2021年03月18日

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