あらすじ
あなたの壊れたタイムマシン「FC3000TM」はいま紀元前25000年にいます。もう現代には戻れません。皆のため、あなたが農業を発明しましょう! 言葉、農作物、エンジンから現代アートまで、科学と文明をゼロからもう一度つくり直すためのすべてがここにある
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医学について
・石鹸の元となるアルカリ:「オリーブオイルと石灰」<「炭酸カリ(ポタシュ)かソーダ灰、塩」<
「灰汁(植物の灰を水に浸して出来た上澄み液」
・石鹸:アルカリ+油・脂肪→鹸化
・避妊:禁欲(性交を行わない)≧経口避妊薬(血栓症のリスク)
>母乳を与える(出産後6か月まで。その子は母乳だけで育てなければならない。日中は4時間おき。夜間は6時間おき)
>避妊リング(感染による骨盤内炎症のリスク)>コンドーム>膣外射精(一部の精子は射精前から出ている)
>排卵(生理の12~16日前)日を避けて性交をする>洗浄法(性交後に膣を洗浄する)
・肉離れと捻挫:負傷した部位を冷水に浸す(軽度の火傷による損傷と痛みを軽減する)→翌日には温水に。
・喉の痛みや扁桃腺の腫れ:温かい塩水でうがい。
・目に異物が入った:冷水で洗い流す(一部例外あり)
・患部が熱を持ち、痛みまたは化膿:患部を高くして(炎症軽減)、温湿布。
・患部がかゆくヒリヒリあるいは透明な液体が滲みだす:患部を高くして、冷湿布。
・窒息:患者を立たせ、その後ろに立つ→片手で拳を作り、患者のへその横隔膜を突き上げるように上に動かす→
肺に圧力かかる→人工的に咳をさせる→喉につかえたものを吐き出させる。
・呼吸停止:胸骨圧迫と人工呼吸。
・骨折:整復(ずれた骨を本来の位置に戻す)→問題の部位を引っ張る→
その後離して、一種の反動で元の位置に戻す→添え木っを損傷部位に当てることで、折れた骨が修復するまでの間、
骨を固定する事が出来る→布などで緩みが出ないように固定(締めすぎ注意)。
・創傷:止血の必要あり→傷を他の部位より高く上げる→20分間、出血部位を圧迫→
これで無理なら直接、出血している動脈そのものを指で押さえる。
・感染予防:傷口を水ですすぐ→アルコールか2%ヨウ素水溶液を傷にそそぐ(殺菌)(蜂蜜で代用することも出来る)→
12時間以内なら傷を縫合。12時間以上経過しているなら、傷は開いたままにし、ガーゼを当て、傷の渇きを促進する。
・果物や野菜をたくさん食べる。
・適量の油脂を取る。
・さまざまな食品を食べる。バラエティーに富んだ食べ物を取ることで、
多種多様なビタミンとミネラルが摂取でき、大量には必要ないが、少なくとも時折は摂取が必要な微量栄養素が取れる。
Posted by ブクログ
有史以来どころか先史、言語の発生前からの文明の歴史について網羅的に学べる本。体感としてはゲーム「civilization」内にある「civilopedia」に近いかもしれないが、本著ではより現代からの後方視的な視点からちょくちょく「fallout」チックな皮肉が織り交ぜられていて大変好みであった。
が、本著の本題は科学技術そのものにあるわけではないと思う。歴史の中で人間が無駄なことばかりして過ごしており、無駄の山から這いずりつつ進歩してきたのかに主題があるように感じる。
冒頭の「簡単に持てたはずなのに、この技術なしに人類が過ごした歳月」がそれを端的に示している。簡単な発想による発明でも如何に困難なものか、その概念をすでにあったものとして享受できることがどれだけ世の中を豊かにしてきたのか実感できる。単純な思いつきを実行し形にして保存する実験的態度はまさしく近代になるまで欠片もなかったのだ。
そして、知的財産権がどれだけ人類史にとって革命的であったことか。現代文明の基礎たるコンクリートを1000年以上忘れ、延々と石を積むことほど愚かなこともないと思う。しかし、実際にそれをやったのが人類であった。現に科学的態度と知的財産権の組み合わさった近代で、ようやく人類は進歩の歩き方を身につけることができた。
人類の進歩の歴史は決して輝かしいものではなく、しょっちゅうつまづき、引き返し、無駄なことばかりしてきたが、近年ようやく科学的態度で進歩ぶることができた。今の生活、風習ひいては思考形式ですら長い積み重ねの賜物であり、全ての人間が巨人の肩に乗っている。
その雄大で無為にすぎる時間の流れに思いを馳せせるだけで、無駄と非効率、怠惰と停滞にあふれた現代もしっかりと未来に繋がるのだろうという後ろ向きな安心感が得られる。歴史上の全ての人間よりも、自分達が少しはマシになっていると自信を持てる。人類史だってダメダメだったのだ。世の中そう大したものではないが、少しづつなら進歩していけるのだろう。
追記
本著では科学技術のみにフォーカスしているため、政治形態や法律、経済の概念についての記載がない。「人に迷惑かけない限り好きにしててよい権利」を発明したのがたった300年とちょっと前であることや、信用創造で皆が「自分は金持ちだ」と満足できるようになったことなどが記されておらず、そこは少し不満である。それ以上に「ピカピカ光ってかっこいいが一切役に立たないもの」を交換、貯蔵、価値尺度として利用する(あるいはされる)通貨の概念にも触りくらいは触れて欲しかった。もしくは、そこに触れた続編が出ることに期待したい。
Posted by ブクログ
いわゆるサイエンス雑学の本。
タイムマシーンが汎用になっており、そのタイムマシーンにのった人が、大昔に取り残され、ゼロから文明を構築するにはどうしたらよいかを解説しているガイドブックが本書である、という設定。
文明を築くためのノウハウというか、発展に寄与してきた技術を独断的はあるものの体系としてまとめているので、うんちく好きな人や雑学好きなの人には面白く読めると思います。
文明を作ると謳っているだけあって、技術的な側面以外の基礎的な化学、生物学、医学その他もろもろが詰め込み過ぎ、長いなーとも感じました。
ホワット・イフ?(ランドール・マンロー著)の系統が好きな人には楽しめると思います。