タイムマシンの事故により過去へ取り残されたトラベラーへ贈る、文明を効率的に再構築する術を面白おかしく、しかし真面目に紹介している一冊。
数字や小難しい内容が多いですが、それを無視しても楽しめること請け合いのユーモア溢れる科学雑学本です。
人類は常に科学の発展のみを追求してきたわけではないので、本書に
...続きを読むあるように科学的発見へ至るまでには異常とも思える長い年月を必要としました。
実際に人類は自分たちが自覚している以上にぼーっとした取るに足らない生き物で、この異常な年月を無駄に過ごしてきた可能性もありますが…。
万が一にも何らかの馬鹿げたトラブルで古代に閉じ込められた場合、本書の内容とちょっとした理系のセンスがあれば適当な集落の酋長として君臨はできる気がします。
そしてそのタイムラインの未来では、伝説的なシャーマンか王としてオカルト雑誌に君臨し続けるのでしょう。
何にしろ荒野から文明を築くことがどれ程骨の折れることかは、文理問わずにご納得いただけると思います。
先人が一生懸命に取り組み、時には一服し、偶然に閃くなど…これまでの我々の文明における紆余曲折も、必要であったかは不明ですが悪くはなかったと信じています。
このタイムラインに暮らす我々は、ゼロから文明を築く必要がないように慎重に生きていくべきだと感じました。