・「小説よりも奇妙な現実なんて、誰も求めてないよ!」
・「僕は今幸せなんです。現実ってそんないいものですか?この世界で歌っていてはいけませんか?
誰にも迷惑かけてません。一人でいるだけなのに」
「現実だって、それほどいいものじゃない。だがなあんたがそうやって現実から逃げているあいだも、
現実を支え
...続きを読むるために必死で戦ってるやつらがいる。誰にも迷惑をかけてないと言うが、
あんたの幸せは、彼らの犠牲で成り立ってる」
・効率優先、生産性第一の社会、即ち若いことが価値だとされる社会では、
人間的な豊かさや幸せは二の次になりがちだ。
・人類が到達した「無眠社会」。それは人が起きたまま睡眠できるようになり、
圧倒的な生産性を手に入れた社会。しかし、そんな世界の中でシステムに適合できない(睡眠せざるを得ない)者、
適合しすぎた(「夢」から出られない)者がいた。
・生物にとって睡眠は欠かせないもの。自然界では、たとえ脳がない生物であっても寝る。
・人口睡眠装置『アウェイク』は30分の睡眠で、記憶の整理、免疫機能の調整、肉体的休息の効能を得られる。
・働くにせよ、学ぶにせよ、1日8時間、年間4か月のアドバンテージが得られる、というお題目のもとに実現した
超高度生産社会の中で、福祉のお世話になることは、公共の敵と看做されることを意味した。
・「みんなはただ奴隷のように働く自分たちが、かつての人間よりも優れたものだと思いたいだけなんだよ」
・「人は眠りを無駄なものだと決めつけてしまったけれど、本当は違うんだって。
どんなに人生に生きがいを感じている人でも、本当は、自分が世界から離れる時間が必要で、
それが眠りなんだ、って思った。眠って、活動して、眠る。それがセットなんだ」
・「みんなにとって今の世界は悪夢なんだよ。どこにも逃げられない。
ずっと現実が絶え間なくて、勉強することと働くことに追われている。だから30分の夢の世界にずっといたいんだ」
・残そうという努力をしなければ、消えてしまうものも多い。