無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
『ポストコロナのSF』に続く日本SF作家クラブによるアンソロジー。オーウェルの『1984年』の100年後、というお題で書かれた23編。『ポストコロナ』もだいぶ面白かったがよりぶっ飛んだ設定が多くて大変良かった。『1984年』をどこまで意識したりオマージュするかもそれぞれで、想像力を解放してくれればどちらでもいいんだけど、それでもやっぱり『R___R___』の二重思考をあれだけ表現した筆致は凄すぎてニヤけた。あとは短編だからこそではあるんだけど『男性撤廃』は長編にするか『女性撤廃』との二本立てで楽しんでみたくなった。
事実が小説より奇なりなんて、ぶっ飛ばせ。
Posted by ブクログ
SF好きにとって最も象徴的な年号である1984年、その100年後を現代SF作家達はどう描くか?という視点のアンソロジー。
逢坂冬馬「目覚めよ、眠れ」は、有名作家なだけあって世界観の魅せ方が上手い。SNSが急速に発展した現代において、超効率社会というディストピアはジョージ・オーウェルの時代より更にリアリティを伴った絶望感があった。
安野貴博「フリーフォール」は、攻殻機動隊を彷彿とさせるようなテクノロジーをテーマにしていて、男心をくすぐられた。その技術が当たり前になった時代に登場人物がもつであろう価値観を描くという点で、他の作家と一線を画していた。この人、政治家やってないで小説家一本で十分食っていけるのでは?
人間六度「星の恋バナ」は、往年のロボットアニメの雰囲気を感じられる設定。上手く表現できないけど、文体がすごく自分好み。JK主人公の内心のドメスティックさと、ガンダムばりの練られた設定の温度差が心地良い。この人の作品をもっと読みたい!と一番思った。
Posted by ブクログ
「1984年」のオマージュとして企画された23人の作家によるSFアンソロジー。ディストピア小説のオマージュだからか、暗いというかなんというか。
2084年という未来を描いた物語であるのに、未来は無限で輝かしい、みたいなキラキラした物語はないように思いました。拡大する世界、進歩する科学、それらの速度に追いつけない個人の精神世界。その乖離を埋めるための科学が、さらに隙間を広げてゆく、かのような。
知らないうちに、世界と社会とのずれが生まれていて、小さいものが無視できないほどの存在感を持ち出してしまって、押しつぶされそうになってしまった、という恐怖がある。そんな読後感です。
自分と他人、自分以外のものとは決して相容れないということが目視できてしまった、ということかなぁ。それを埋めるための科学技術が、断絶をより際立たせるという結果になってしまった。
全体的にそんな印象になってしまった「2084年のSF」です。ただ『R__R__』だけが、不安や閉塞感をぶっ飛ばそうとしてくれる。抑えきれない衝動と、それに突き動かされる情念。いい。
「1984年」オマージュであることを思えば、「2084年のSF」という本自身に閉塞感を感じても仕方のないことか。その状況をぶっ壊す兆しになるのが、自分にとっては『R__R__』だったのかもしれない。
Posted by ブクログ
様々な方向の作品が読めて良い。特に気に入ったのは、斜線堂有紀「BTTF葬送」。未来の話なのに大変ノスタルジックな筆致で描かれるのが新鮮。遠い未来の主人公と現代の読み手との感情のシンクロさせるような仕組みが素晴らしい。竹田人造「見守りカメラ is watching you」もよい。リズミカルにユーモラスに描かれるが、その実、近い将来の問題を描き出してて、笑いながら読んで、読み終えてどきっとする。十三否塔「至聖所」も、オーソドックスではあるが、だからこそ未来のお話なのに足のついた物語としてのギミックがよい。春暮康一「混沌を掻き回す」も、テラフォーミングという大掛かりな装置を巡る世界の動向を、確かにそのような事態が起きてしまいそうだという、ミステリチックなお話で積み上げる。ご都合主義、そのようなもの、とされているところの裏に踏み込むことで、現実的な質感のある物語になっている。
こういうアンソロジーなので、方向性がバラバラなのは仕方ないとしても、もう少し並べ方を工夫するとか、テーマ絞るとかできなかったのかな?というのは正直なところ。読んでて単調に感じたり、人絞ってもう少しページ数割り当てた方が良いのでは?とか思ったり。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。