・世の中にある統計学の入門書は「大学で初めて学ぶ人向け」に作ってある。
従って中学・高校で数学を諦めた人が読みこなすのは不可能だ。統計学は数学嫌いの人を想定していない。
とはいえ数学嫌いでも現代人の教養として知っておいた方がいいこともある。
データ社会を生きるサバイバル術の一種でもあるからだ。
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・インターネット投票は”調査もどき”。その結果を「世間の声」と判断してはならない。
・真実を知りたかったら、母集団を調べるしかない。
どうやって標本を抽出したのかの情報が書かれていない調査結果は検討に値しない。
・買い物やサービスを選ぶ時に、レビューや星(評価)の数が出てくるが、
母集団が不明瞭である以上、鵜呑みにするのは危険である。
・偏差値の推移を参考にしていいのは、自分の通っている学校のように、集団のメンバーが固定されている場合に限られる。
・選挙には行った方がいい。選挙に行く人が多ければ、当選者が変わる可能性がある。
・直径5mmのネジを製造する機械があったとして、5mmぴったりのネジが必ず作られる事は絶対にあり得ない。
ほぼ5mmなのは間違いなくても、5.003…や4.999…といった具合にぴったりにはなり得ない。
だから実際に作ることのできる確率を求める必要がある場合には、設定の幅を持たせるのである。
・信頼率は一般的に95%に指定される。
・データの集計結果を視覚するには、横棒グラフの方が縦棒グラフより分かりやすい。
・「正しいかもしれないし、正しくないかもしれない」。
・データの分析を外部に頼んでも、優れた結果を必ず出してもらえる保証はない。
分析前の(依頼者と外注側との)打ち合わせが不十分だと、「必要な要素が十分に入ってない結果を出された。信用できない」
ということになってしまう。
・統計学を使えば真実に近づけるが、実際には難しい。統計学は、森羅万象を明らかに出来る魔法のような学問ではない。
・確証に基づかず、偉い人の思いつきで物事が決まってしまう場面は少なくない。
しかも本当に効果があったかどうかの検証も疎かだったりする。
データで実証したい時に、統計学の知識が役に立つ。
・データに基づいて物事を考えるという感覚が大事なのである。