あらすじ
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。解説:柴田元幸
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
クローンとは言えど、提供者という抗えない運命に生まれた彼らを思うと、どうしても「最初から真実を伝えるべきだ」というルーシーの考えに共感してしまう。でも同時に、「せめて子ども時代だけは普通の幸せを」というエミリ先生の想いも否定しきれない。どちらも人間的で、だからこそ苦しい。
キャシーとトミーも、もっと早く愛し合ってほしかったと悔やんでしまう。気づいたときにはもう遅い残酷さが胸に残る。
しかし結局、彼らと我々は与えられた時間の長さと扱いが違うだけで、誰もが終わりに向かっている。だからこそ、日々の中で大切なことや想いを分かち合いながら生きたい。何も知らない、伝えないまま終わるのではなく、不完全でもいいから、ちゃんと向き合っていたいと思った。
Posted by ブクログ
全く前知識なく読んだ方が良いです。
これは。
読めば読むほど、そういうこと?!と、
色々なことが分かっていって、読むのが止まらない。
本当に止まらなくなります。
どんどん心の鉛が増えていく感じもあるけど、一生私の中に残り続けるだろうなという印象深いシーンもどんどん出てきて、カズオ・イシグロさんの天才的な表現力を痛感します。
私の今年に読んで良かった本ベスト10に入ると思います。
それどころか、もし誰かに「どういう本が好きなの?」と聞かれたら、「土屋政雄訳、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』」とまず答えてしまうかもしれないです。
それくらい良かった。面白かった。
本ってすごい。
バケモノ。
カズオ・イシグロさんがバケモノ。天才。
翻訳もすごい。世界観をバッチリ捉えていると思う。
『日の名残り』も大好きだったけど、それを上回る印象深さでした。
前述した通り、できれば前知識ゼロの状態で読んでみてください。
ぜひ読んでみてください。
とっても読みやすいし、海外文学に不慣れでも読みやすいと思います。
ぜひ!!
この機会にぜひ!!
ということで、ここからはまだ読んだことない方は読むのをやめてください。
-------
ちょっと中身が、私の中でまだ全て消化しきれていないです。
まず思ったのは、クローン(とは言っても、普通の心の通った人間)による臓器提供で、もし自分の大事な誰かが助かるとしたら、私はそれに頼ってしまうのではないか?ということ。
もちろんそんなことが許される世界は現実にはないし、そんな世界だったら恐ろしすぎるんだけど、それを肯定したくなる心の奥底の悪魔はどんな人間にも潜んでいるのかもしれないと思いました。
西加奈子さんの『くもをさがす』で、西加奈子さんが癌を患った時に「なんで私が?」と思い、でもそれはイコール「なんで他の人じゃなくて、私が?」というニュアンスも含まれていたのでは…?と書かれていたんです。
つまり人間は、自分や大切な周りの人に何かあったとき、例えば「私じゃなくて良かった。」、「うちの子じゃなくて良かった」って無意識に思ってしまうし、それを裏返すと、自分や大切な人が助かるなら、他の人に何かあっても良いとも取れるような気がしていて…
そんな、深掘りしない方が良いようなところを、この『わたしを離さないで』は抉ってくる気がしています。
読み終わりはなんというかもう、初めて感じる気持ちの波が押し寄せてきました。
印象深いシーンが本当に沢山あって、みなさんがどんなシーンを印象深く覚えているか聞いてみたいのですが、私は特に以下のシーンでした。
キャシーが枕を抱いて赤ちゃんのように揺すりながらカセットを聴いているところ、トミーが最後入居したバスルームをリフォームした1人部屋で絵を描くシーン、街の雑貨店で、ルースのポシブルかもしれない人を観察するシーン…どうしてあんな強烈なインパクを残すシーンを文字で書き起こせるのか。本当にすごいです。
作品を作り、もしそれに心が表れて愛し合っていると認められたカップルには猶予が与えられ、長く生きられるのではと考えるシーンは本当に悲しかった。トミーがそのために、きっと才能の塊であろう興味深いデッサン画を書き溜めるところも、辛かった。
あとは、子供たちの絵を世に出して、この子たちにも心があるということを広める運動に携わっていたエミリ先生が、最後ドライにキャシーとトミーを切り捨てるシーンも、慈善団体などの皮肉もあるのかと考えてしまいました。
なんだろう、こう御涙頂戴で「泣けるー」じゃないんですよね。とにかく心の鉛なんです。
それがどんどん増えていって悲しい感じ。
でも様々な描写が美しくって、早く本の世界に戻って読み続けたいと思える感じ。
そして読んだ後に改めて装丁のイラストのカセットテープを眺めると、胸が締め付けられます。元々この装丁好き!!と思っていたけど、読んだ後にこのカセットテープを眺めると、「装丁も含めてこの日本語訳のハヤカワepi文庫最高かよ…」となりました。
まだまだ消化しきれていない私ですが、読んだ方の違う感想も聞いてみたいです。
カズオ・イシグロさんの、これを超えてくる作品はあるのだろうか…
でももっともっと彼のことが好きになる作品でした。
Posted by ブクログ
希望が砕け散り、真実が明らかになっても絶望せず、平穏な日々を送り続けるトミーとキャシー。
割と中盤で彼らはクローン人間で、臓器提供の為に作られたと明かされる。が、臓器提供の為に死ぬっておかしくね?ってなるはずなのにそのまま物語が進んでいくのが少し怖いまであった。
君たちはどれだけ恵まれた人間かを説くエミリが印象に残る。諦念を避けるために全てを教えないという意見は筋が通っているが冷酷で、むしろそっちの方がルーシー先生の意見よりも理論的ではと思った。
仲間の死を見届ける役割までもクローンにやらせるという自己完結性は彼らの制限された世界を象徴していると思う。(オリジナルによる良心の呵責や罪悪感を無視できるシステム)
人生の尊厳
一部ご紹介します。
・「あなた方は教わっているようで、実は教わっていません。
形ばかり教わっていても、誰一人、本当に理解しているとは思えません」
「あなた方の人生はもう決まっています。これから大人になっていきますが、あなた方に老年はありません。
あなた方は一つの目的のためにこの世に産み出されていて、将来は決定済みです。ですから、無益な空想はもうやめなければなりません」
「みっともない人生にしないため、自分が何者で、先に何が待っているかを知っておいてください」
・「絵も、詩も、そういうものは全て、作った人の内部をさらけ出す。作った人の魂を見せる」
・すぐにも行動を起こさないと、機会は永遠に失われるかもしれない
・「あなた方はいい人生を送ってきました。教育も受けました。もちろん、もっとしてあげられなかったことに心残りはありますけれど」
「生徒たちを人道的で文化的な環境で育てれば、普通の人間と同じように、感受性豊かで理知的な人間に育ちうること、それを世界に示した」
「あなた方は、駒だとしても幸運な駒ですよ。追い風が吹くかに見えた時期もありましたが、それは去りました。
世の中とは、ときにそうしたものです。受け入れなければね。
人の考えや感情はあちらに行き、こちらに戻り、変わります。
あなた方は、変化する流れの中のいまに生まれたということです」
・「新しい世界が足早にやってくる。科学が発達して、効率もいい。
古い病気に新しい治療法が見つかる。すばらしい。でも、無慈悲で、残酷な世界でもある。
そこにこの少女がいた。目を固く閉じて、胸に古い世界をしっかり抱えている。
心の中では消えつつある世界だと分かっているのに、それを抱きしめて、離さないで、離さないでと懇願している」
・「俺はな、よく川の中の二人を考える。
どこかにある川で、凄く流れが速いんだ。で、その水の中に二人がいる。
互いに相手にしがみついている。必死でしがみついてるんだけど、結局、流れが強すぎて、最後は手を離して、別々に流される。
俺たちって、それと同じだろ?最後はな、永遠に一緒ってわけにはいかん」
Posted by ブクログ
読み終えると様々な思いが生まれ、不思議と心がかき乱される。古くからある題材だし、結末も予想できるものなのに。劇的な展開を排し、我々と変わりない日常生活を丹念に描き、理性的な主人公にその心情を語らせる。その手法が共感を生むのだろう。この悲劇の裏側では、我々の現実世界では救えない命が救われている。どちらがディストピアか。エミリー先生とルーシー先生のどちらが正しいのか。登場人物たちが行わなかった手段(反乱や逃亡や抗議の自死など)を自分はとるか。我々の人生もこの物語の悲劇性を内包しているのではないか。どれも答えはでない。
Posted by ブクログ
約ネバすぎるのがノイズだった
でもすごく物語の構成も、文体も、登場人物も、綺麗な小説だった
抽象化すると全体的に"合理"VS"非合理"で対立してたなあ
最初の方にでてきた先生も、展示会の真の意味も、エミリー先生団体の動機も
でもやっぱりメインは郷愁だとおもう
最初の方に現れた提供者がヘールシャムの話を自分の子供時代と混同させて楽しみ聞きたがったように、僕も暖かいベールシャムでの思い出を読むのが楽しかった
小学生時代のいじめ、芸術作品という評価基準、全寮制の中での秘密の話、時々見える大人の仮面が剥がれた大人の不思議な部分、中学生時代の音楽の流行り、先生に気に入られているという評価基準、性に精通しているという虚言と踏み込まない暗黙の了解、高校時代の読書量という評価基準、先輩に気に入られる魅力、性の始まり等々
"子供時代あるある"が細かく上手く詰め込まれていて、別に自分にそんな美しい思い出はないけど懐かしい気持ちになれた
あとは、終わり方が変にドラマチックの激しい勢いや号泣やハッピーエンドでゴリ押さなかったのが淡々と語っていくこの小説らしくてよかったな
クローン人間に対しての気持ち悪さがお涙で急に解消されるとかもなくてよかった
納得いかなかったのは、ルースの扱い
ルースとキャシーはトミーよりも長いし、秘密の共有や探求はしていないにしても乗り越えた問題は多かったんじゃないのか
何度暗黙のうちで喧嘩しても、2人で仲直りしていたし
コテージで先輩に媚びを売ったり大人ぶるルースはただの見栄だけではなく、自分と同じく仲間も先輩に好かれることが嬉しく必要であると信じ、仲間にやった事なのだし
深夜に定期的に2人で話し込んだりしたんじゃないのか
それが、トミーと中学生?高校生?の時に付き合っていて、コテージでトミーとルースの仲が悪くなり決裂がうかがえた時に、トミーとキャシーの後釜を危惧して「トミーは処女厨」と嘘の情報を教えて阻止したことで、死んだ後も恨まれてしまうし、ロストポイントで思い返すのはトミーだけなのか、と。
トミーとキャシーは根本的に性格が攻撃的かそうじゃないかで違うけれども、共有した思い出は同じだし、キャシーが嫌うルースの性質はキャシーとトミーの関係に嫉妬することによって生まれたものでもあるから、そこまで責めたてられるものでもないんじゃないか
ルースが女性ではなく男性で、トミーのように偶然から来る秘密の共有と救済者と被救済者という関係性にあったら好きになってたの?
臓器提供のために作られたクローン人間が家畜のように生産と消費される社会で、それに対し疑問を抱える団体がヘールシャムという全寮制の教育機関を設立した
主人公のキャシーがヘールシャムでの思い出を独白のように現在の気持ちと過去の気持ちをいり混ぜにしながら小中高大社会人編(年齢的には)段階を分けて語っていく
小学生編では、クラスメイトの評価基準は芸術作品の上手さになっている。
定期的に開催される"展示会"という、全生徒が詩や絵画などの芸術作品を作り上げ、それを先生が選考し、最終的に"マダム"と呼ばれる謎の人物が引き取っていくイベントがある。
物語の主軸となっていく、ルースという天真爛漫でリーダーシップのあるプライドの高い女の子と、トミーという癇癪持ちで素直で心理的にも芸術駅にも不器用な男の子がいる。
下手な絵を書いてふざけた時に、先生に庇ってもらったことを理由にクラスメイトから反感を買ったいじめられっ子のトミーは定期的に癇癪を起こしていた。それを遠目から少し憐憫をもち観察していたキャシーがある日、トミーが癇癪を起こした後に、女子グループの面前で、トミーのお気に入りのシャツが汚れていることを言及する"触れてはいけないやつ"という腫れ物扱いを突き破った
それを境にトミーはキャシーに話しかけてくるようになる
それとヘールシャムの"展示会"や1部の先生が匂わせる"何かを学んでいるようで何も学んでいない"という言葉や"芸術作品を頑張らなくていい"という言葉に対する疑問の追求をトミーとキャシーで行うようになる
この頃キャシーはトミーの子供らしい不器用さを鬱陶しく感じていた
おそらく中学生に上がった頃にはいつのまにかトミーとルースが付き合っていた
この頃からルースとキャシーは時々険悪な仲になり、先生に特別に気にいられてるアピールを虚言で盛るルースと、それを知ってることを仄めかすキャシーなど、こういった"プライドが高く意地っ張りのルースとそれを疎ましく思うキャシー"といった構図が何度か繰り返されていく
1度マダムの横を女子生徒グループで通ってみると、恐怖と嫌悪感を顕にされた
それ以降マダムに対して疑問を深めていたキャシーは、ある日"私をはなさないで"という音楽に合わせて不妊症の母親がやっとのことで生まれた子供を抱いてることを想像してダンスを踊っているところを泣いているマダムに見られる。
次の日ステージ、コテージに進む
ヘールシャムの同級生とはバラバラになり、トミー、キャシー、ルースは同じだった
そこでもルースの先輩への媚やマウント、それに対するキャシーの反発
トミーとキャシーの仲に嫉妬するルース
等々昔ながらの関係性が描かれていた
ルースのポシブル(この時は詳述されていなかったが親かクローン元かのどちらか)を探しに先輩と3人で街へいくことに
ここでもお馴染みの対立がおき、トミーとキャシーは2人で行動することになる
その時キャシーが昔無くしたジュディのカセットを見つける、ここも秘密だ
ある日トミーが、"展示会'への画期的な見解を示す
それは、"真に愛し合ってるふたりは提供を免れられる"という噂に基づき、展示会はその真実を見極めるための道具であったというものだった
その事実と、過去に先生に肯定され絵を描くことをやめたトミーは今更取り戻すように熱心に想像上の動物を描き、それを最初にキャシーにみせた
この秘密の共有がルースにバレ、3人の関係はギクシャクする
ソレに決定打をいれるように、ルースはキャシーがルースのトミーに対する軽い悪口に笑っていたことを誇張して、キャシーも絵をくだらないと思っていると表現した
それに対する驚きと怒りとが入り交じった気持ちで何も言えなかったキャシーは、ルースが嫉妬からやったことを知っていたから2人に背を向け去った
そのままキャシーは介護人への道に進み3人はバラバラになった
介護人として躍進するキャシー
ヘールシャムが無くなったということをしったり、ローラというムードメーカーでおちゃらけていた同級生が介護人になることによってその明るさを失いくたびれていた現実的問題にも直面する
確かローラにすすめられて、キャシーは嫌な別れ方をしたルースの介護人になることを決める
トミーと3人で船を見に行くことにした
その道中で、ルースが気まずい雰囲気をどうにかしようと誰も知らないルースの友達の話をし、それに困惑するトミーを見て、キャシーがその話を退けるとトミーもそれに賛成してルースに対立した共感が芽生えた
ここでルースは昔のように反発しなかった
コテージにいた時の先輩クリシーが死に、その彼氏であったロドニーがその死を受け入れていることをキャシーが報告する
山に登る時にも車の中でも衰えを見せていたルースは、ここで自己投影したのか「そんなはずはない、キャシーはわかっていない」と昔らしい反発をみせた
帰り道でキャシーはいきのトミーとの共感に味をしめて、道すがらのポスターを批判したルースに対立しトミーに共感を求める
もう1枚のポスターを見かけた時、キャシーはつい"マダム"という3人の決裂に繋がる禁止ワードを出してしまい、それをみたルースは銃を奪い返した映画の登場人物のような恍惚とした表情をする
しかし、ルースの口から出たのは、ふたりが本当に付き合うべきであったということ、過去にキャシーが性衝動を抑えられないことを異常しとして扱い、トミーは処女厨だと言ったがそれはどちらも嘘であるということ、償いとしてマダムの住所を知っているから2人なら"本当に愛し合っている免れられる提供者"になれる、と託してくれた
それからキャシーとルースは昔のような空気のまま、ルースの最期を引き取った
キャシーはルースの遺言通りトミーの介護人を引き受けた
2人は「どうしていまさら」という後悔と、「免れられる提供者になれるのか」という不安を抱えながら牧歌的な生活を送る
決意を固めてマダムの元を尋ねることになった
マダムに"展示会"への見解を語るが、「やりすぎでしょうか?」という歯切れの悪い返事をするマダム
すると後ろから校長先生的立場であったエミリー先生が出てきた
全ての種明かしが始まる
愛し合っているからと言って免れられることは無いこと、世の中では臓器提供者は粗雑に扱われていてエミリー先生所属の団体が青春時代だけでも提供したり、周囲に人間であることを示す運動をしていること、それもデザイナーベイビーズの実験が進んでいることが要因で世間に危険視されてしまい頓挫したこと、などなどを話した
聞いてからしばらく落ち着いていた2人
帰り道、裏道ばかりを通り静寂の漂う空気の中、トミーは路肩に車を止めてもらうことを頼む
そこでトミーは暴れた
現実を受け入れた後のふたりは、
腎臓の悪くなっている最後を最愛の人に看取られたくないトミーと、看取りたいキャシーで、"提供人"や"介護人"というレッテルの張合いですれ違う
最後は劇的なおわりではなく、トミーが誰にも言っていなかった「サッカーで勝って戻ってくる時水の上を走ってる想像をしながら手を上げる」という冗談時見た事を言って、2人ともそれに笑う
手を挙げたトミーをみて、二人の関係は終わる
最後はキャシーがヘールシャムのことを思い出し、学校での小話であった"ロストポイント"という無くしたものが集う場所で、トミーが地平線の向こうから手を振りながら歩いてくるところを想像して終わる
Posted by ブクログ
恋愛ものだと思ってたよ!読み始め早々から、仲間たちを惜しみ、懐かしみだす主人公。不穏な空気を感じ、恋愛ものじゃねぇなとすぐ気づきました。はっきりと最後まで明言されないからこそ、主人公の回顧中での端々の単語がじわじわと嫌な想像をさせてきます。閉じられた世界、介護人、提供者、夢の抱けない生徒たち。これは、もしかしたら現実に起こりえる未来なのかもしれません。イシグロさんは帯に世界観のネタバレの記載OKと言われていたようですが、ぜひモヤモヤした想像と闘いながら読んでほしい。とてもきれいな、怖い物語でした。
Posted by ブクログ
再読。
キャシーは介護人を辞めるって言っているけど、そのあとは?
提供が始まるとも言っていないから、ルースが夢見たようにどこかオフィスで働ける未来もあるのかな?
親が事故死したりして提供の必要がなくなったら生きられるのかな?
でも他の人への提供が待っているのかなぁ。
Posted by ブクログ
いつか救いがあるかもと信じて読み進めていたので悲しくなった
もう一回読むにはかなり勇気がいると思うので、その日が来るのかはわからない
Posted by ブクログ
とても、苦しい。
トミーと結ばれたあとの心情があまりにも悲しい。
もっと早くこうなれていれば、という想いが常に付き纏う。提供者という運命にあるからこその苦しみ。