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ありとあらゆる病気に罹っていると判断した僕は、休養と変化を求めて、友人ハリスとジョージ、そして犬のモンモランシーとともに、ボートに荷物を積み込み(歯ブラシは入れた?)、テムズ河を遡上する旅に出る。景勝地を巡ってゆっくりするはずが、トラブルとハプニングの連続で……。読んでいて思わず笑いがもれる英国ユーモア小説の傑作!
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Posted by ブクログ
好き(笑) 理由は単純で、昭和の小学校の図書室によくあった「小学館少年少女世界の名作文学」のイギリス編に掲載されていたから。好きすぎて暗記するほど読みました。 特に好きだったのは、食べ物に関する様々な記述。何も知らない子どもの頃、「ルバーブのパイ」なんて聞いたこともなく、"どんなに美味しい...続きを読むんだろう"と妄想しましたよ。大人になって調べたら、ルバーブってギシギシなどのタデ科の植物で、下剤などで使う「大黄」の仲間なんですね。ちょっとがっかりしたなぁ…。 それでも三人が繰り広げるドタバタは、イギリスらしいユーモアに溢れていて、やっぱり大好きです。
ジョージ、ハリス、犬のモンモランシー(かわいい名前だけどアグレッシブ)、そして語り手Jがボートに乗ってテムズ河を2週間旅する話。 すっごいおもしろかった。なんでボートの旅をすることになったか、からして笑える。出てくるエピソード一つひとつが笑える。特に好きなのはポジャー伯父さんの話とハリスのコミック...続きを読むソング、ハリスの迷路、Jのお嬢さん2人とのボート遊びのエピソード。ああおかしい。ハリスはいいキャラしてる。 こういういい本は終わっちゃうと悲しくなる。また後で再読決定。
好きな光文社古典新訳文庫のコーナーでふと目に止まり、英国ユーモア小説として有名らしいが、なんの予備知識もなく読んだ。 中年男子三名と犬一匹がボートでテムズ川をキングストンからオックスフォードまで上って、パングボーンまで下って、最後は汽車で帰ってくるドタバタ劇。 主人公Jの伯父さんが居間に絵を掛け...続きを読むた時の大騒ぎとか、釣り人の釣果インフレの法則(なかでも、“正直”なひとが25%増しに止める自分ルールをどんどん修正していく場面)とか、いちいちおもしろい。 景色、服装、食べ物はだいぶ日本とは違うけど、笑いのツボは結構世界共通のようで、気楽に楽しめる良書だと思う。
くだらなくて滑稽で面白い。 3人の男と犬がテムズ河をボートで上るだけなのに、あっちこっちで何かしらひっくり返して罵り合いばたばたばた。 説教じみた教訓なんかは全く無いが、どの階級の人もこぞって読んだそう。 古典って何でもありだな、って思うし、ユーモアは時代を超えるな、とも思う。
イギリス、テムズ河をボートで渡る3人と犬の旅。そんなことができるのかと思いつつ、読む。ボートから眺める情景びは情緒があるが、エピソードはかなりの誇張表現です。最初はそのユーモアを楽しめたが、イギリスの歴史に絡むエピソードは知識がなくて理解し難い部分が多く後半はやや退屈に。印象に残ったのは第三章のポジ...続きを読むヤー伯父さんによる、絵を壁にかけるエピソードですね。周りに迷惑をかけまくっているのに本人は自分が正しいと信じきっている自己中さ。あとは11章のジョージによる早起きエピソードかな。 ボート旅行については、ユーモア小説故に3人は喧嘩ばかりの印象です。
1889年の作品とは思えない読みやすさで(光文社古典新訳文庫の好きなところ)、内容はタイトル通り、三人の男「J」、「ハリス」、「ジョージ」と、犬の「モンモランシー」が、ボートに乗ってテムズ河を遡っていくユーモア物で、何か変な書き方だけれど、昔もこんなベタなユーモア物があったんだなと思いました。でも面...続きを読む白かった。 まずボートで出発する前に色々起こり、なかなか旅が始まらないなと思い、出発したらしたで、過去の思い出話など横道に逸れまくる展開も、最初は戸惑いましたが、慣れると、これはこれで面白い。 また、それとは対照的に、自然や歴史の丁寧過ぎる程の細やかな描写もあり、そこに浪漫や美しさ、寂寥さを感じられたのも特徴的で、テムズ河の自然やその周辺の街や村の歴史が想像出来るようで、当時の感慨に浸れました。 そして驚いたのが、訳者の小山太一さんが、副題をこれまでの「犬は勘定に入れません」から、あえて「もちろん犬も」と変えた事です。 これって凄いですよね。古典と言われると変えていいのか、躊躇いもしそうですけど、私は小山さんの副題、好きです。物語を読むと、モンモランシーも犬ではなく、擬人化して書いている部分もあるし、物語を盛り上げてくれる立派な仲間だと思いましたので。 それから、小山さんの解説で、「メランコリックで物思いに沈みがちな性格」がユーモリストに共通しているというのは、何となく分かる気がしました。元々、明るい人がユーモアを書くよりも、ユーモアのような溌剌とした物語で心からおもいきり笑って楽しみたいという、切実な思いを抱いている人の方が、求める思いが強い分、よりギャップのある面白い作品が書けるような気がする。
愛すべき三人と一匹が、オーバーワークの“休養”と称しつつ、手漕ぎボートでテムズ河を上る旅。タフな人たち(&犬)です。道中も回想場面もハプニング満載で飽きることはありませんでしたが、ところどころに薄っすら漂う不穏なあれこれが印象に残って、ビクトリア朝時代の不思議な毒気にあてられました。
もちろん楽しいんだけど、最初に丸谷訳を読んだ時の方が笑えた気がする。こちらの方が原文に近いらしいので、もともとこんな感じなのでしょう。「犬は勘定に入れません」が「もちろん犬も」に変わっていることがそれを端的に表している。
ヴィクトリア朝後期のユーモア小説。 「働き過ぎだ! 休むぞ!!」と 旅支度を始めた三人の男、 語り手「僕」ことJ、悪友のジョージとハリス。 彼らは着替えや食糧など、山のような荷物を準備し、 犬のモンモランシーを加えて 列車でキングストンに降り立ち、 ボートに乗ってテムズ河を遡上。 優雅に様々な追想...続きを読むに耽るものの、 つい、オールを握っていることを忘れたり、 操船ミスを起こしたりと、ドタバタの連続。 第12章(p.227)ベッドからはみ出した悪友の脚を タオル掛けに利用する条で A.A.ミルン『くまのプーさん』~ 「プーあなにつまる」(1926年)において、 兎の穴にお腹が閊えたプーの脚(in 穴の中)が タオル掛けにされてしまうエピソードを連想したが、 『ボートの三人男』の方が 先行する作品(1889年)なので、 これは英国定番のギャグなのか、と(笑)。 作者が憧れ、目標ともしたらしい 「ちょっとイケてるお兄さんたち」の 大真面目な悪ふざけ、といったところか。 ただ、せっかく個性的な犬を登場させたのだから、 もっと暴れさせてもよかったのでは? と思った。
古典をいまさら読んでみようシリーズ。あと、題名をオマージュした小説「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」を読んでみたいなと思ってやったら先に本家を読もうと思ったのもある。 題名は有名なので聞いたことがあった。一般には「~犬は勘定に入れません」ですが、これは役者さんのこだわり...続きを読むなんだそうな。 で、内容は…う~ん????ブリティッシュジョークを理解すれば、あるいは地理が、歴史がわかれば面白いんだろうか?????どういった部分が評価されての古典として残っているのかちょっとわからなかったです。ノリとしては日本で言ったら井家ひさしみたいな感じ?(私が読んだことあるのがそういうのだっただけかもしれませんが)。
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ボートの三人男~もちろん犬も~
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