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もう入門書はいらない! カントは従来の形而上学が陥った独断的なやり方を批判し、人間のもつ理性の可能性とその限界をみさだめる。空間とは何か、時間とは何か、認識はどのようにして成り立つのかを明らかにする。古代以来の哲学の難問を解決しようとした意欲的な試みを再現する! 難解とされる多くの用語を、ごく一般的な用語に置き換えて分かりやすさを徹底した画期的な新訳(全7巻)。詳細な解説つき。
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Posted by ブクログ
毎日20ページほど読んで、ようやく全7巻あるうちの1巻だけ読み終えた。 難解な書籍なので、以前の僕がそうだったように、深く考える癖のない状態だと冒頭で門前払いを食うかもしれない。 だけどめげずに読み続けたら豊饒な世界観の片鱗に触れられる。 1巻は有限な存在としての人間のそもそもの感性の形式と、その...続きを読む限界が語られる。 訳者のスタイルが前面に押し出された独特の翻訳なので、より多角的に把握したければ別の翻訳も読むといいだろう。僕は気に入っている。
まさかこの年でカントを読み始めるとは思ってもみなかったが、最近読む本読む本にやたらカントへの言及があり、そんなら一度読んでみようと決めた次第。訳書の中では最も平易だという触れ込みのこの光文社古典新訳文庫を選んだが、それでも僕には超難解。本文は全体の約半分しかなく、残りは訳者による頗る丁寧な解説が占...続きを読むめているという相当に親切な作りだが、それでも1回読んだだけでは殆ど理解できず。予め簡素な入門本を読んだ上、本書の本文と解説を何度も何度も行き来しつつ自分なりの読書ノートを作ってもまだよくわからず、最後に詳細な解説本を読んでようやく何となく、といったところ。通常の4、5倍は時間をかけ文字通り四苦八苦しながらやっと最後まで読み通した。 何がわからないといって、まず題名からしてよくわからない。理性を「批判」とは?普通に考えれば批判とは否定的に検証するといったような意味だから、理性の存在基盤を疑おうということか?と思えばそうではなく、理性そのものの本性を対象として純粋に(超越論的に)批評を加えよう、という意味らしい。 章立てもよくわからない。「感性論」などはまだいいが、「分析論」とか「弁証論」となると内容と章題とのつながりが相当に希薄であるため、読んでいてこの章がそもそも何を論じているのかすぐにわからなくなってしまうのだ。 本第1文冊は人間の直感がどのように成立するかを論ずる「感性論」だが、ここでいきなり爪づく。本書解説でも触れられているが、空間・時間の「形式」としての存在様式が、客観的普遍性を担保する経験的な「実在」でありながらも同時に(超越論的ではあるにせよ)主観的な「観念」でもある、というカントの論理は逆説的で極めて分かりにくい。これは「批判」内で何度も立ち現れてくるテーマでありながら、その度に混乱させられることになる。この直感を支えるパブリックなプラットフォームとしての空間・時間の実在性がカントでは曖昧に処理されているため、空間-時間を橋渡しして自己の意識をメタ的に意識するという「統覚」の所在も今ひとつピンと来ないままだ。確かに、アインシュタインを経由した現在では、空間と時間に絶対性はないが、その歪みが実体的に電磁波や物体に影響を与える実在だということになっている。ただそうなると、今度はその時空の実在性をアプリオリに把握して直感を受領してしまうこの奇跡的な人間の感性の正体とは何なのか、というカント的地平に容易に引き戻されることになるのだろう。なるほどこれは一筋縄ではいかない… というわけでやっと7分の1。先は長い。
経験なしで認識ってできるんだろうか? 先験的な認識ってどうやって可能なのか? 神秘主義や聖書の啓示とどうやって付き合っていくべきか。 改めて問いかけられてみるとむむむ。
店頭で目が合ったので、買いました。 読み始めました。 (2012年12月18日) 「解説」部分を読み終えました。 カントが分かった気にさせてくれるのが素敵。 (2013年2月6日) 深い森へと踏み行ってゆきます。 (2013年4月3日) カントが分かる、ということは、 ちょっとした出来事だ。 ...続きを読むこれは、大変な訳業です。 訳者と版元に最敬礼。 (2013年4月8日) 読み終えました。 よく咀嚼できたかな? (2013年4月18日)
ああ、あと六巻... "対象は認識に従う"は、はじめてちゃんと読むとガツンと来た。 人は生まれながら持っている型のようなモノを頼りに外界と接しているのだろうか。。。
学生時代から何度も挫折したカントに齢37にして、再挑戦してみた。 長い日数をかけ、1巻を読み終え、知った事実。 全7巻!? 引くことも進むこともできない自分に気付いた。。。
なんとか入門書と本書の半分近くを占める解説を読んで、一巻を読み終えた。それでもわかってない箇所がたくさんある。 様々な入門書を読んで思ったこととして、これは訳が悪いわけではなく、カントがあまりにも前提を省いて色々なことを書いているのが原因であると判断した。 以下、自身のメモ。 大まかに本書は、...続きを読むアプリオリな総合判断はどのようにして可能か?という問いに答える試みであることや、当時の経験論vs合理論が問いの背景にあることはわかる。 また、人間の認識には、感性と悟性(知性)が必要であることもわかる。そして、本書では、感性を用いて直観するためには、時間と空間が前提として人間に備わっているという話が出てくるものの、これが本当にややこしい。本筋ではないとわかっているものの、本当かよ?と思う。 あと空間について議論する際の、ニュートンやライプニッツ、はたまた神学に関する背景知識の欠如があるため、何となくしかわからない。空間は物自体に付与されているのか、物自体の間の相互作用なのか、はたまたカントのいうように感性における条件なのか、どれが正しいのか判断できない。 とりあえず理解できない箇所はあるものの、次に進みながら考えたい。
人間は事物をありのままの姿で認識できない。自分の五感を信じるな。事物の本質は分からないのに、分かると考えるから心の平静が乱される。あらゆる物事の判断を控えるように。ピュロン あらゆる知識は「たぶんそう」なのであり、絶対確実なものはない。自分は間違えるかもしれないという謙虚な姿勢と生活をより良いもの...続きを読むにする改善の精神が大切。ヒュームHume『人間本性論』1739 人間はすべてを認識できない。人間を離れた世界、経験を越えた世界(死後に霊魂は残るか・神の存在)については認識できない。これらは認識の対象ではなく、希望や信仰の対象。人間は目や耳などの感覚を使って経験できる範囲の世界(現象)のみ認識できる▼私たちが外にあるものを認識すれば、それがまさしく私たちの主観や意識から独立してそこにあるもの、というわけではない。人間は五感で対象をとらえた後に、その対象を分析・判断している。事物を受動的に受け取るわけではない。自分の主観の枠組みに対象を当てはめて理解している。感覚的な印象に思考の枠組みを当てはめている。主観が先にあり、それに経験したことを当てはめている。イマヌエル・カントKant『純粋理性批判』 1781 イマヌエル・カントKant『プロレゴメナ』1783
この本は色々な2つのことが対比して述べられている。アプリオリ(経験から独立)とアポステリオリ、分析的と総合的、空間と時間、知性と理性、必然性と普遍性、それらの違いは何かを抽象的に考えさせられる。そもそも本書は哲学書だからだ。先天的、超越論的、誤謬、デカルト、ライプニッツ、実在性とは何かを深く考えてい...続きを読むかないといけないと感じた。
長い解説のおかげでなんとなく理解できた。 アプリオリとアポステリオリ。 アプリオリとは、その事象を経験する前から、他の経験や知識を通じて、その経験を理解していること。アポステリオリは、経験しないとわからないこと。 時間と空間についてはアプリオリなものとして挙げられる。しかし、時間や空間は生まれたとき...続きを読むから認識しているのだろうか。これには疑問を覚えた。 また、神の概念は避けがたいらしく、カントも持ち出してくる。神の概念を述べなければ、哲学というものは大きく違ったのではないだろうか。 それにしても面白い本だ。理解できたとはとうてい言えないが。思考の訓練に役立つ。
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