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ユーザーレビュー

  • ウンベルト・エーコの世界文明講義

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    『もちろんわたしたちは、理解できないものに名前をつけるだけではなく、視覚的に表現することだってできる。しかしこうしたイメージは、不可解なものを「表象する」わけではない。ただたんに、わたしたちに不可解ななにかを想像するよう促し、そのあとでわたしたちの期待を裏切るだけだ』―『絶対と相対』

    ウンベルト・エーコの講義録を読んでいたら、もう三十年以上前の飲み会での話を思い出した。それは学校を卒業していきなり英語を使って仕事をすることに苦労していた頃の話。正確には仕事以外の場面でする会話って苦労するよね、という話の流れだったのだが、ある(業界他社だが同窓の)先輩が、自分も英語が得意ではないけれどある時オ

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    2023年06月06日
  • ウンベルト・エーコの世界文明講義

    Posted by ブクログ

    西洋美術作品や書物を引用して、あるテーマにおいて人々はどんな見方をしてきたのかという事柄を問う作品。急ぎ足で読んでしまったために、理解しきれないところもあったが拾い読みでも大変面白い見解に触れることができた。

    美しさ・醜さの章では、美しいとは何か。醜いとは何かを様々な時代の美醜の描かれ方を通して解明する。

    美しさについて。「美の経験はいつも、私たちがその一部をなさないこと、どうしても直接参加したくないようなことを前にして、そこに背を向けながら感じるものだったように思う。美しさの経験とそのほかの情熱のかたちを分けるか細い千は、私たちが美のあいだに取る距離に引かれている(p59)」などの記述や

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    2019年03月22日
  • ウンベルト・エーコの世界文明講義

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    知の巨人、ウンベルト・エーコの様々なテーマの講義集。
    『薔薇の名前』で大ベストセラー作家になったエーコだが、博覧強記ぶりに驚かされる。

    縦横無尽に古今東西の賢人が出てくる。

    面白かったのは、
    以前TV番組にアポロ月面着陸陰謀説が放映されて真偽が気になっていたが、
    当時アメリカと競っていたソ連が、月面着陸について何も言わなかったことが、月面着陸が真であったことの証拠であろうといっていることに腑に落ちた。

    この本は、教養が身についていないとなかなか読めないだろうと思える書。

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    2019年02月13日
  • ぼくのことをたくさん話そう

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    ヴィットリオ・デ・シーカ監督の『自転車泥棒』『靴みがき』『ウンベルトD』などのネオレアリズモ映画の脚本家で知られるチェーザレ・ザヴァッティーニのデビュー小説。
    幽霊に導かれて地獄、煉獄、天国を巡っていくというダンテの『神曲』を下敷きに、掌編を集めた中編小説。
    行く先々で出会う人々から人生のある瞬間の話を聞かされていく。
    悲哀に満ちた話が多いが、ユーモラスでもある。そして短い掌編の集まりで様々な人間の物語に触れるからか、あっという間に人生は過ぎ去っていくのだ、と言われているような気も。
    映画ファンとしては訳者である石田聖子さんの解説と、チェーザレ・ザヴァッティーニの年表も勉強になった。

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    2025年01月20日
  • ウンベルト・エーコの世界文明講義

    Posted by ブクログ

    期待していたのは「文明」の説明だった。でも、テーマに沿った講義録だった。これは自分の視点が違っていたということであり、本の価値を少しもさげるものではない。でも難しい。

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    2021年05月01日

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