あらすじ
眠れぬ夜の寝床に霊が現れ、ぼくの手を取って飛び上がり、地獄から煉獄、天国まで、「あの世」への旅にいざなう……。『自転車泥棒』『ひまわり』など20世紀イタリアを代表する映画の脚本家が、ユーモラスで味わい深い物語を連作掌編とでもいうべき手法で紡いでいく小説。
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Posted by ブクログ
ヴィットリオ・デ・シーカ監督の『自転車泥棒』『靴みがき』『ウンベルトD』などのネオレアリズモ映画の脚本家で知られるチェーザレ・ザヴァッティーニのデビュー小説。
幽霊に導かれて地獄、煉獄、天国を巡っていくというダンテの『神曲』を下敷きに、掌編を集めた中編小説。
行く先々で出会う人々から人生のある瞬間の話を聞かされていく。
悲哀に満ちた話が多いが、ユーモラスでもある。そして短い掌編の集まりで様々な人間の物語に触れるからか、あっという間に人生は過ぎ去っていくのだ、と言われているような気も。
映画ファンとしては訳者である石田聖子さんの解説と、チェーザレ・ザヴァッティーニの年表も勉強になった。