国内小説 - 新潮社の検索結果

  • 火山のふもとで(新潮文庫)

    火山のふもとで(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.3
    1巻935円 (税込)
    ぼくが入社した村井設計事務所は、ひと夏の間、北浅間の「夏の家」へ事務所を移動する。そこでは稀有な感性をもつ先生のもと、国立現代図書館の設計コンペに向けての作業が行われていた。もの静かだけれど情熱的な先生の下で働く喜びと、胸に秘めた恋。そして大詰めに迫った中で訪れる劇的な結末。ただ夏が過ぎても物語は終わらなかった。かけがえのない記憶と生命の瞬きを綴る鮮烈なデビュー作。
  • 叫び

    叫び

    小説・文芸
    3.4
    1巻1,870円 (税込)
    聞いて欲しい人が一人おるんです。政と聖を描く芥川賞候補作。早野ひかるは「先生」に打ちのめされ、銅鐸と土地の来歴を学び始める。ここではかつて罌粟栽培と阿片製造が盛んで、満州に渡って「陛下への花束」を編み、紀元2600年記念万博を楽しみにしていた青年がいた。いつしか昭和と令和はつながり、封印されていた声が溢れ出す。大阪と大陸で響き合う夢とロマン、恋愛政治小説。
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

    地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻935円 (税込)
    地下鉄を東京に走らせる。〈非常識〉な大事業を決意した早川徳次。経験も資金もゼロだったが、大隈重信、渋沢栄一を口説き、ついに上野―浅草間を開業する。日本初の自動改札機やATSを導入、日本橋三越本店直結の駅も作った。だが、ライバルが現れた。のちの「東急」の五島慶太である。地下鉄の路線をめぐる非情な戦いが始まった……。夢を追いかけた非凡な実業家の波乱の生涯を描く傑作。(解説・酒井順子)
  • 落日燃ゆ

    落日燃ゆ

    小説・文芸
    4.5
    1巻935円 (税込)
    東京裁判で絞首刑を宣告された七人のA級戦犯のうち、ただ一人の文官であった元総理、外相広田弘毅。戦争防止に努めながら、その努力に水をさし続けた軍人たちと共に処刑されるという運命に直面させられた広田。そしてそれを従容として受け入れ一切の弁解をしなかった広田の生涯を、激動の昭和史と重ねながら抑制した筆致で克明にたどる。毎日出版文化賞・吉川英治文学賞受賞。
  • 電子書籍限定版 宮部みゆき よりすぐり短篇集

    電子書籍限定版 宮部みゆき よりすぐり短篇集

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,078円 (税込)
    傑作は、いつ読んでも、何度読んでも素晴らしい――。収録作はあらゆるジャンルを網羅した「サボテンの花」「雪娘」「10年計画」「朽ちてゆくまで」「たった一人」「邪恋」「ばんば憑き」「片葉の芦」「神無月」「地下街の雨」「淋しい狩人」「刑事の財布」の計12篇。初心者は納得の、ファンには目から鱗な読みどころポイントを押さえた全作品解説付。
  • オーデュボンの祈り

    オーデュボンの祈り

    小説・文芸
    4.2
    1巻880円 (税込)
    コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか? 伊坂幸太郎、伝説のデビュー作見参!
  • 雫の街―家裁調査官・庵原かのん―(新潮文庫)

    雫の街―家裁調査官・庵原かのん―(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻880円 (税込)
    みんな、嘘をつきますから。心の内はわからない――。庵原かのんは、横浜家庭裁判所川崎中央支部の家裁調査官。離婚や相続など家庭内のさまざまな「家事事件」を担当している。彼女のもとに持ち込まれるのは、記憶喪失の男の身元確認、行方不明者の居場所探し、奇妙な離婚調停など一筋縄ではいかない案件ばかり。隠された秘密の先に待つのは、ほろ苦い真実か、微かな希望か!? 人気シリーズ第二弾。(解説・池上冬樹)
  • 掌の小説(新潮文庫)

    掌の小説(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.6
    1巻1,100円 (税込)
    両親を早くに失った私は、幼い頃から祖父を一人で介護していた。私が十六歳の時に祖父が亡くなり、火葬され……。自伝的な「骨拾い」のほか、「伊豆の踊子」の原形をなす「指環」、謎めいた高貴な少女が馬車を追いかける「夏の靴」、砕け散ってしまった観音像を巡る「弱き器」など、四十年以上にわたり書き続けられた豊穣なる掌編小説122編。神秘、幻想、美的感受性等、川端文学の粋が凝縮されている。(解説・吉村貞司、小川洋子)
  • 獅子の城塞

    獅子の城塞

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,089円 (税込)
    決して陥ちぬ天下城、それは築城家の見果てぬ夢。戸波次郎左は信長の夢を叶えるため、欧州に向かった。安土城を造った鬼才の血を引く男はイタリアで名を上げる。やがて大国イスパーニャの圧政に抗うネーデルラント人たちに請われ、彼らを守る鉄壁を手がけることに。愛しい妻子。異国で得た信頼。だが故郷日(ひ)の本(もと)はあまりに遠く――。佐々木譲が全ての力を注ぎ込んだ、大河冒険小説。
  • 岬にて―乃南アサ短編傑作選―

    岬にて―乃南アサ短編傑作選―

    小説・文芸
    3.7
    1巻869円 (税込)
    かつての恋人の故郷でその不在を想うキャリア・ウーマン。寒い土地への転居を境に狂い出す「じゃぱゆきさん」。整形して若い男と結婚し、離別した娘を従妹として引き取ろうとする母。夫の子を産むと決めた女のもとを訪ねる妻。次々と夫が死ぬ魔性の女。彼女たちはさまざまに熟れていく。女性の心理描写が際立つ短編を精選し、単行本未収録作品を追加したベスト・オブ・ベスト第二弾。
  • 八本目の槍(新潮文庫)

    八本目の槍(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.6
    1巻935円 (税込)
    石田三成とは、何者だったのか。加藤清正、片桐且元、福島正則ら盟友「七本槍」だけが知る真の姿とは……。「戦を止める方策」や「泰平の世の武士のあるべき姿」を考え、「女も働く世」を予見し、徳川家に途方もない〈経済戦〉を仕掛けようとした男。誰よりも、新しい世を望み、理と友情を信じ、この国の形を思い続けた熱き武将を、感銘深く描き出す正統派歴史小説。吉川英治文学新人賞受賞。(解説・縄田一男)
  • オペレーションZ(新潮文庫)

    オペレーションZ(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,045円 (税込)
    大手生保会社が資金繰りのため国債を投げ売りする事態が発生、国債価格が暴落した。国債頼みの政治は、誰かが終わりにせねばならない……。国家予算を半減すべく、江島隆盛総理のもと若手財務官僚が集い、極秘作戦(オペレーション)が始動する。しかし他省庁や与党守旧派が抵抗し、世論も猛反発、メディアの攻撃が渦巻くなか、総理はついに国会を解散する大博打を打つ――。息もつかせぬ緊迫のメガ政治ドラマ!
  • 雷神(新潮文庫)

    雷神(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻935円 (税込)
    あの日、雷が落ちなければ、罪を犯すことはなかった――。埼玉で小料理屋を営む藤原幸人(ゆきひと)を襲った脅迫電話。電話の主が店に現れた翌日、娘の夕見(ゆみ)から遠出の提案を受ける。新潟県羽田上(はたがみ)村――幸人と姉・亜沙実の故郷であり、痛ましい記憶を封じ込めた地だった。母の急死と村の有力者の毒殺事件。幸人らが村を訪れると、凄惨な過去が目を醒まし……。最後の一行まで最上級の驚愕が続くミステリ。(解説・香山二三郎)
  • 三たびの海峡

    三たびの海峡

    小説・文芸
    4.2
    1巻990円 (税込)
    「一度目」は戦時下の強制連行だった。朝鮮から九州の炭鉱に送られた私は、口では言えぬ暴力と辱めを受け続けた。「二度目」は愛する日本女性との祖国への旅。地獄を後にした二人はささやかな幸福を噛みしめたのだが……。戦後半世紀を経た今、私は「三度目の海峡」を越えねばならなかった。“海峡”を渡り、強く成長する男の姿と、日韓史の深部を誠実に重ねて描く山本賞作家の本格長編。
  • 砂の女(新潮文庫)

    砂の女(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.8
    1巻781円 (税込)
    砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のうちに、人間存在の極限の姿を追求した長編。20数ヶ国語に翻訳されている。読売文学賞受賞作。(解説・ドナルド・キーン)
  • 沈黙

    沈黙

    小説・文芸
    4.3
    1巻781円 (税込)
    島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。
  • 花探し

    花探し

    小説・文芸
    3.6
    1巻781円 (税込)
    イケよ、と綿貫は命じた。「我慢しないでイケよ」――男が射精するのをこらえるように、舞衣子は別のことを考える。だって男に命じられるのは好きじゃない。男を選ぶのは私――。舞衣子は不動産王に磨き上げられた愛人のプロ。美しく洗練された容姿を高級ブランドに包み、ベッドではテクニックの限りをつくす。そんなある日、舞衣子は新たな「男」を探すことを決意する。とにかく金を持っている男。それを惜しみなく女に遣う男を――。SM趣味の御曹司、一夜に何度もイカせる有名作家……秘密の館で、ホテルのベッドで、官能と欲望の日々がはじまる。果たして次の「男」は……
  • ホワイトラビット(新潮文庫)

    ホワイトラビット(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.1
    1巻781円 (税込)
    兎田孝則は焦っていた。新妻が誘拐され、今にも殺されそうで、だから銃を持った。母子は怯えていた。眼前に銃を突き付けられ、自由を奪われ、さらに家族には秘密があった。連鎖は止まらない。ある男は夜空のオリオン座の神秘を語り、警察は特殊部隊SITを突入させる。軽やかに、鮮やかに。「白兎事件」は加速する。誰も知らない結末に向けて。驚きとスリルに満ちた、伊坂マジックの最先端!(解説・小島秀夫) ※本作品は、単行本版『ホワイトラビット』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。
  • 水を抱く

    水を抱く

    小説・文芸
    3.7
    1巻781円 (税込)
    初対面で彼女は、ぼくの頬をなめた。29歳の営業マン・伊藤俊也は、ネットで知り合った「ナギ」と会う。5歳年上のナギは、奔放で謎めいた女性だった。雑居ビルの非常階段で、秘密のクラブで、デパートのトイレで、過激な行為を共にするが、決して俊也と寝ようとはしない。だがある日、ナギと別れろと差出人不明の手紙が届き……。石田衣良史上もっとも危険でもっとも淫らな純愛小説。
  • 予定日はジミー・ペイジ

    予定日はジミー・ペイジ

    小説・文芸
    4.0
    1巻770円 (税込)
    流れ星を見つけたとき、あ、できたかもと思った。初めての妊娠。でも、「私、うれしくないかもしれない」。お腹の生命も大事だけど、生活って簡単に変えられないよ。ひとり驚喜する夫さんちゃんを尻目に、頼りなくも愛おしい妊婦マキの奮闘が始まる。目指すは、天才ロック・ギタリストの誕生日と同じ出産予定日! 笑えて、泣けるマタニティ小説。著者描き下ろしイラスト多数収録。
  • 蒼き狼

    蒼き狼

    小説・文芸
    4.1
    1巻935円 (税込)
    風の如く蹂躙せよ。嵐の如く略奪せよ。世界史上未曾有の英雄、成吉思汗即位八百年! 遊牧民の一部族の首長の子として生れた鉄木真=成吉思汗(テムジン=チンギスカン)は、他民族と激しい闘争をくり返しながら、やがて全蒙古を統一し、ヨーロッパにまで及ぶ遠征を企てる。六十五歳で没するまで、ひたすら敵を求め、侵略と掠奪を続けた彼のあくなき征服欲はどこから来るのか?――アジアの生んだ一代の英雄が史上空前の大帝国を築き上げるまでの波瀾に満ちた生涯を描く雄編。
  • 新しい花が咲く―ぼんぼん彩句―(新潮文庫)

    新しい花が咲く―ぼんぼん彩句―(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.6
    1巻935円 (税込)
    寿退社後に婚約破棄されたアツコが、行く当てもなく乗り込んだ路線バスの終点で見たもの。学級閉鎖で留守番中のアタル君が巻き込まれた不可思議な事件。自殺同然の事故で兄を亡くした妹が、偶然出会った女子中学生。俳句から着想を得て生まれた物語は、十七音の枠を超え、色彩豊かな無限の世界へ広がってゆく。人生の機微を掬い取るように描く、怖くて、切なくて、涙を誘う、極上の短編集。(解説・倉阪鬼一郎)
  • スキップ(新潮文庫)

    スキップ(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻935円 (税込)
    昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた……目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ――でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、《わたし》を生きていく。(解説・佐藤夕子、佐藤正子)
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

    沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻935円 (税込)
    はじまりは、「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床が、うめくのだ――「ぬかどこ」に由来する奇妙な出来事に導かれ、久美は故郷の島、森の沼地へと進み入る。そこで何が起きたのか。濃厚な緑の気息。厚い苔に覆われ寄生植物が繁茂する生命みなぎる森。久美が感じた命の秘密とは。光のように生まれ来る、すべての命に仕込まれた可能性への夢。連綿と続く命の繋がりを伝える長編小説。
  • ようこそ地球さん

    ようこそ地球さん

    小説・文芸
    3.8
    1巻935円 (税込)
    文明の亀裂をこじあけて宇宙時代をのぞいてみたら、人工冬眠の流行で地上は静まりかえり、自殺は信仰にまで昇華し、宇宙植民地では大暴動が惹起している――人類の未来に待ちぶせる悲喜劇を、皮肉げに笑い、人間の弱さに目を潤ませながら、奇想天外、卓抜なアイデアをとりまぜて描いたショートショート42編を収録。現代メカニズムの清涼剤とも言うべき大人のための寓話集です。
  • か「」く「」し「」ご「」と「(新潮文庫)

    か「」く「」し「」ご「」と「(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻737円 (税込)
    みんなには隠している、少しだけ特別な力を持った高校生5人。別に何の役にも立たないけれど、そのせいで、クラスメイトのあの子のことが気になって仕方ない――。彼女がシャンプーを変えたのはなぜ? 彼が持っていた“恋の鈴”は誰のもの? それぞれの「かくしごと」が照らし出す、お互いへのもどかしい想い。甘酸っぱくも爽やかな男女5人の日常を鮮やかに切り取った、共感必至の青春小説。
  • 富豪刑事

    富豪刑事

    小説・文芸
    3.7
    1巻737円 (税込)
    深田恭子主演のドラマ原作。ドラマ版では主人公が大富豪・神戸喜久右衛門の孫娘に変わったが、原作の主人公は喜久右衛門の息子・神戸大助。キャデラックを乗り廻し、最高のハバナの葉巻をくわえた“富豪刑事”こと神戸大助が、迷宮入り寸前の五億円強奪事件を、密室殺人事件を、誘拐事件を、次々と解決してゆく。金を湯水のように使って。
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

    ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻737円 (税込)
    うしろ姿が美しい男に恋をし、銀色のダンベルをもらう。掌大の小さな人を救うため、銀座で猫と死闘。きれいな魂の匂いをかぎ、夜には天罰を科す儀式に勤しむ。精神年齢の外見で暮らし、一晩中ワルツを踊っては、味の安定しないお茶を飲む。きっちり半分まで食べ進めて交換する駅弁、日曜日のお昼のそうめん。恋でも恋じゃなくても、大切な誰かを思う熱情がそっと心に染み渡る、18編の物語。※本書の解説は紙の本にのみ収録されています。電子書籍版には収録がございませんのでご注意ください。
  • 夢魔の標的

    夢魔の標的

    小説・文芸
    3.8
    1巻737円 (税込)
    異変はある日突然起った。腹話術師の人形クルコちゃんが、まるで生きた人間のように勝手に喋りはじめたのだ。人形の反逆!? 叱っても、ご機嫌をとっても一向に効き目はなく、彼女はますます横暴になるばかり。腹話術師の狂気が作り上げた妄想か? それとも、異次元の世界からの秘密の指令によって人形が何かを企んでいるのか? ショート・ショートの名手が贈る、異色の長編SF。
  • 青い鳥

    青い鳥

    小説・文芸
    4.4
    1巻880円 (税込)
    村内先生は、中学の非常勤講師。国語の先生なのに、言葉がつっかえてうまく話せない。でも先生には、授業よりももっと、大事な仕事があるんだ。いじめの加害者になってしまった生徒、父親の自殺に苦しむ生徒、気持ちを伝えられずに抱え込む生徒、家庭を知らずに育った生徒──後悔、責任、そして希望。ひとりぼっちの心にそっと寄り添い、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる物語。
  • しろがねの葉(新潮文庫)

    しろがねの葉(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻880円 (税込)
    銀(しろがね)の光を見つけた者だけが、この地で生きられる――。父母と生き別れ、稀代の山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、石見(いわみ)銀山の坑道で働き始める。山に穿(うが)たれた深い闇に恐れと憧れを抱きながらも、そこに女の居場所はない。熱く慕う喜兵衛や、競うように育った隼人を羨むウメだったが、勢いを増すシルバーラッシュは男たちの躰(からだ)を蝕(むしば)んでゆく……。生きることの苦悩と官能を描く、直木賞受賞作。(解説・北方謙三)
  • 禍(新潮文庫)

    禍(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻880円 (税込)
    一枚食べたらもう引きかえせないからね――。小説家の〈私〉は未施錠の多目的トイレで本のページを貪り喰う女を目撃する。女の警告に挑むかのように、私は蔵書を手に取り……(「食書」)。一泊二日で十万円。三十三歳、無職の〈私〉は怪しげな仕事を請け負う。他言無用の宗教儀式、そこには長い黒髪の女ばかりが集まっていた(「髪禍」)。人生を逸脱することの恐怖と恍惚に、極限まで踏み込む七編。(解説・大森望)
  • 極限団地―一九六一 東京ハウス―(新潮文庫)

    極限団地―一九六一 東京ハウス―(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.5
    1巻825円 (税込)
    古きよき昭和の生活を体験してみませんか? 謝礼500万円をお支払いいたします――。リアリティショーの出演者公募で選ばれた二組の家族と番組スタッフは築60年の広大な団地に集結した。質素ながらも夢と希望にあふれる暮らし……のはずが、待っていたのは悲惨な環境だった。不倫、失踪、そして忌まわしい過去。押し寄せる惨劇に呆然必至の長編ミステリ!『一九六一 東京ハウス』改題。
  • 黒の様式

    黒の様式

    小説・文芸
    3.7
    1巻825円 (税込)
    結婚して二年たらずで自殺した美しい姉。歳月がながれ高校生の母親となった妹が、思春期の息子の手に負えない行状から、姉の死の真相にたどりつく「歯止め」。小さな港町の家々に投げ込まれた奇怪なチラシ。二十年前に母親が義父に殺されたと告発する男が巻き起こす騒動の驚くべき顛末「犯罪広告」。“古拙の笑い(アーケイック・スマイル)”を浮かべた若い女の硬直した死体の謎「微笑の儀式」。傑作中編小説三編。
  • TIMELESS(新潮文庫)

    TIMELESS(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻825円 (税込)
    うみは、ひとを好きになれない。アミは、好きなひとと子供をつくるのがこわい。お互い恋愛感情をもたず、交配の約束だけして結婚した。やがてうみが妊娠するとアミは去り、父親不在のまま息子のアオは17歳になった――。高校の教室、修学旅行の広島、江姫を弔う六本木、鰯売りの声が響く銀座カルティエ。人びとが結びつき織り成した時間の地層が、今生を生きる心の縁(よすが)となる、圧巻の長編。(解説・江國香織)
  • 万両役者の扇(新潮文庫)

    万両役者の扇(新潮文庫)

    小説・文芸
    -
    1巻825円 (税込)
    「芸のため」ならいかなる所業も許されるのか――江戸森田座の人気役者、今村扇五郎。美麗で物柔らかな〈扇様〉に夢中のお春は、女房の座を狙い、偶然出会った妻のお栄に近づくが……。しがない饅頭売り、己の才に悩む衣裳の仕立て師、天下一の腕を自負する老鬘師。人々が役者の業にのまれゆくなか、扇五郎に人殺しの嫌疑がかかる。天才役者の真実(まこと)の姿とは。山田風太郎賞受賞の傑作時代小説。(解説・尾上右近)
  • えどさがし(新潮文庫)

    えどさがし(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻693円 (税込)
    時は流れて江戸から明治へ。夜の銀座で、とんびを羽織った男が人捜しをしていた。男の名は、仁吉。今は京橋と名乗っている。そして捜しているのは、若だんな!? 手がかりを求めて訪ねた新聞社で突如鳴り響く銃声! 事件に巻き込まれた仁吉の運命は――表題作「えどさがし」のほか、お馴染みの登場人物が大活躍する全五編。「しゃばけ」シリーズ初の外伝。
  • 近鉄特急殺人事件(新潮文庫)

    近鉄特急殺人事件(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻693円 (税込)
    京都発賢島行近鉄特急ビスタEX(エックス)の車内で大学准教授が殺された。彼はテレビ番組の過激な司会者として知られ、番組で伊勢神宮を貶める自説を主張する予定だった。一方、東京では歴史雑誌編集者が殺され、同棲していた同僚の女が姿を消した。二つの殺人に関連を感じ伊勢神宮に向かった十津川警部が内宮門前町〈おかげ横丁〉で発見したのは、容疑者の意外な姿だった。長編トラベルミステリー。
  • 孤独な夜のココア

    孤独な夜のココア

    小説・文芸
    3.9
    1巻693円 (税込)
    察しの悪い恋人にいつもイライラしている〈かおり〉、からかい半分の同僚の言葉を信じ、男性に大きなバースディーケーキを贈るケチな32歳の〈ちさ〉、年下の男性に恋をし、エープリルフールに妊娠を告げる〈和田サン〉。大人の女性の恋愛を、辛くも優しく描写した12の珠玉短編集。
  • 筒井康隆劇場 12人の浮かれる男

    筒井康隆劇場 12人の浮かれる男

    小説・文芸
    5.0
    1巻693円 (税込)
    日本に陪審制度が復活した。おれたちゃ最初の陪審員。マスコミがこんなに注目してるのに、無罪の被告をそのまま無罪にしたんじゃつまらない。なんとか殺人罪にできないものか……『12人の浮かれる男』。新婚スタアの新居びらきパーティにやってきたのは、夫の情婦に妻のヒモ、はては白熊、ターザンまで。大ドタバタのなかでくりひろげられる殺人劇、処女戯曲『スタア』など戯曲全5編。
  • 天国旅行

    天国旅行

    小説・文芸
    3.7
    1巻693円 (税込)
    現実に絶望し、道閉ざされたとき、人はどこを目指すのだろうか。すべてを捨てて行き着く果てに、救いはあるのだろうか。富士の樹海で出会った男の導き、命懸けで結ばれた相手へしたためた遺言、前世の縁を信じる女が囚われた黒い夢、一家心中で生き残った男の決意──。出口のない日々に閉じ込められた想いが、生と死の狭間で溶け出していく。すべての心に希望が灯る傑作短編集。(解説・角田光代)
  • 卑弥呼の葬祭―天照暗殺―(新潮文庫)

    卑弥呼の葬祭―天照暗殺―(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.8
    1巻693円 (税込)
    高千穂の夜神楽の真っ只中で男性の首なし死体が発見された。一方宇佐神宮では御霊水の井戸に禍々しいものが……。その九州で「卑弥呼の調査に行く」と言ったまま行方不明の従弟・漣を追う萬願寺響子。実在する凶首塚古墳、百体神社の謎。奇妙な天岩戸伝説と隠蔽された事件とは。そして天皇家が鎮魂の儀式を続けてきた真の理由とは。この国の黎明に何があったのか。瞠目の古代史ミステリー。
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

    ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.8
    1巻693円 (税込)
    高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが――。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R-18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。
  • 盲目的な恋と友情(新潮文庫)

    盲目的な恋と友情(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻693円 (税込)
    タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花(いちのせらんか)は自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった。だが、大学のオーケストラに指揮者として迎えられた茂実星近(しげみほしちか)が、彼女の人生を一変させる。茂実との恋愛に溺れる蘭花だったが、やがて彼の裏切りを知る。五年間の激しい恋の衝撃的な終焉。蘭花の友人・留利絵(るりえ)の目からその歳月を見つめたとき、また別の真実が――。男女の、そして女友達の妄執を描き切る長編。
  • 四畳半王国見聞録

    四畳半王国見聞録

    小説・文芸
    3.5
    1巻693円 (税込)
    「ついに証明した! 俺にはやはり恋人がいた!」。二年間の悪戦苦闘の末、数学氏はそう叫んだ。果たして、運命の女性の実在を数式で導き出せるのか(「大日本凡人會」)。水玉ブリーフの男、モザイク先輩、凹(へこみ)氏、マンドリン辻説法、見渡すかぎり阿呆ばっかり。そして、クリスマスイブ、鴨川で奇跡が起きる──。森見登美彦の真骨頂、京都を舞台に描く、笑いと妄想の連作短編集。
  • ヴェネツィア便り(新潮文庫)

    ヴェネツィア便り(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.8
    1巻693円 (税込)
    「もし、あなたがこれを読む時、ヴェネツィアがもうないなら、これは、水の底から届いた手紙ということになります」「ヴェネツィアは、今、輝く波に囲まれ、わたしの目の前にあります。沈んではいません」――三十年の時を越えて交わされる〈わたし〉と若い〈あなた〉の「ヴェネツィア便り」。なぜ手紙は書かれたのか、それはどんな意味を持つのか。〈時と人〉を描く懐かしくも色鮮やかな15の短篇。(解説・荻野アンナ)
  • 噂の女

    噂の女

    小説・文芸
    3.5
    1巻825円 (税込)
    「侮(あなど)ったら、それが恐ろしい女で」。高校までは、ごく地味。短大時代に潜在能力を開花させる。手練手管と肉体を使い、事務員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。彼女の道行きにはいつも黒い噂がつきまとい――。その街では毎夜、男女の愛と欲望が渦巻いていた。ダークネスと悲哀、笑いが弾ける、ノンストップ・エンタテインメント!
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

    悲しみの歌(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.4
    1巻825円 (税込)
    米兵捕虜の生体解剖事件で戦犯となった過去を持つ中年の開業医と、正義の旗印をかかげて彼を追いつめる若い新聞記者。表と裏のまったく違うエセ文化人や、無気力なぐうたら学生。そして、愛することしか知らない無類のお人好しガストン……華やかな大都会、東京新宿で人々は輪舞のようにからみ合う。――人間の弱さと悲しみを見つめ、荒涼とした現代に優しく生きるとは何かを問う。
  • 私説博物誌

    私説博物誌

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    珍獣、妙鳥、奇魚、怪草、あらゆる種類の生物の知られざる生態を紹介しながら、人間社会に視点を移し入れ、筒井康隆一流の人間批評を試みたユニークエッセー。(新潮文庫版に掲載しておりましたカットは電子版には収録しておりません。)
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

    ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.5
    1巻825円 (税込)
    僕が使者(ツナグ)だと打ち明けようか――。死者との面会を叶える役目を祖母から受け継いで七年目。渋谷歩美は会社員として働きながら、使者の務めも続けていた。「代理」で頼みに来た若手俳優、歴史の資料でしか接したことのない相手を指名する元教員、亡くした娘を思う二人の母親。切実な思いを抱える依頼人に応える歩美だったが、初めての迷いが訪れて……。心揺さぶるベストセラー、待望の続編!(解説・深木章子)
  • 八甲田山死の彷徨

    八甲田山死の彷徨

    小説・文芸
    4.3
    1巻825円 (税込)
    日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中で過酷な人体実験が強いられた。神田大尉が率いる青森5聯隊は雪中で進退を協議しているとき、大隊長が突然“前進”の命令を下し、指揮系統の混乱から、ついには199名の死者を出す。少数精鋭の徳島大尉が率いる弘前31聯隊は210余キロ、11日間にわたる全行程を完全に踏破する。両隊を対比して、自然と人間の闘いを迫真の筆で描く長編小説。
  • 黙示

    黙示

    小説・文芸
    3.8
    1巻825円 (税込)
    農薬散布中のラジコンヘリが小学生の集団に墜落する事故が発生。重い中毒症状に苦しむ子どもたちを目の当たりにした世論は、農薬の是非のはざまで揺れることに。その間隙を縫い、農薬を必要としない遺伝子組み換え食品を推進するアメリカの巨大企業と、日本の食品の買い占めを目論む中国。私たちは何を選び、何を捨てるのか。日本の食のあり方を厳しく問う社会派メガ・エンタメ!
  • イヤシノウタ(新潮文庫)

    イヤシノウタ(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.1
    1巻649円 (税込)
    なんていうことのない日々に宿る奇跡のような瞬間、かけがえのない記憶。土地がもたらす力、自然とともに生きる意味。運命的な出会い。男女とは、愛とは。お金や不安に翻弄されず生きるには? そして命と死を見つめるなかで知った、この世界の神秘とは──。研ぎ澄まされた文章と人生を見つめるまなざしが光る81篇。父・吉本隆明との対談「書くことと生きることは同じじゃないか」収録。
  • 十九、二十

    十九、二十

    小説・文芸
    5.0
    1巻649円 (税込)
    僕は今十九歳で、あと数週間で二十歳になる―。父が借金を作った。ガールフレンドにはフラれた。せめて帰省の電車賃だけでも稼ごうとバイトを探したが、見つかったのはエロ本専門の出版社だった。岡山から東京に出てきて暮らす大学生、山崎の十代最後の夏は実にさえない夏だった。大人の入口で父の挫折を目にし、とまどう青年の宙ぶらりんで曖昧な時を描く青春小説。
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

    旅のラゴス(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.1
    1巻649円 (税込)
    北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す

    トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す

    小説・文芸
    4.0
    1巻649円 (税込)
    精神と肉体、芸術と生活の相対立する二つの力の間を彷徨しつつ、そのどちらにも完全に屈服することなく創作活動を続けていた初期のマンの代表作2編。憂鬱で思索型の一面と、優美で感性的な一面をもつ青年を主人公に、孤立ゆえの苦悩とそれに耐えつつ芸術性をたよりに生をささえてゆく姿を描いた「トニオ・クレーゲル」、死に魅惑されて没落する初老の芸術家の悲劇「ヴェニスに死す」。
  • 朝日のようにさわやかに

    朝日のようにさわやかに

    小説・文芸
    3.6
    1巻737円 (税込)
    葬式帰りの中年男女四人が、居酒屋で何やら話し込んでいる。彼らは高校時代、文芸部のメンバーだった。同じ文芸部員が亡くなり、四人宛てに彼の小説原稿が遺されたからだ。しかしなぜ……(「楽園を追われて」)。ある共通イメージが連鎖して、意識の底に眠る謎めいた記憶を呼び覚ます奇妙な味わいの表題作など全14編。ジャンルを超越した色とりどりの物語世界を堪能できる秀逸な短編集。
  • 雁の寺・越前竹人形

    雁の寺・越前竹人形

    小説・文芸
    4.3
    1巻781円 (税込)
    “軍艦頭”と罵倒され、乞食女の捨て子として惨めな日々を送ってきた少年僧・慈念の、殺人にいたる鬱積した孤独な怨念の凝集を見詰める、直木賞受賞作『雁の寺』。竹の精のように美しい妻・玉枝と、彼女の上に亡き母の面影を見出し、母親としての愛情を求める竹細工師・喜助との、余りにもはかない愛の姿を、越前の竹林を背景に描く『越前竹人形』。水上文学の代表的名作2編。
  • 財布は踊る(新潮文庫)

    財布は踊る(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻781円 (税込)
    「今よりもう少し、お金がほしい」専業主婦として穏やかに暮らす葉月みづほ。彼女はある夢を実現するために、生活費を切り詰め、人知れず毎月二万円を貯金していた。努力が実り、夢を実現した喜びも束の間、夫に二百万円以上の借金があることが発覚する。株での失敗、リボ払いの罠。日常に潜むお金の落とし穴からどう逃げる? 切実な想いと未来への希望を描く「お金のつくりかた」超実践小説。(解説・朱野帰子)
  • 卒業

    卒業

    小説・文芸
    4.3
    1巻781円 (税込)
    「わたしの父親ってどんなひとだったんですか」ある日突然、十四年前に自ら命を絶った親友の娘が僕を訪ねてきた。中学生の彼女もまた、生と死を巡る深刻な悩みを抱えていた。僕は彼女を死から引き離そうと、亡き親友との青春時代の思い出を語り始めたのだが――。悲しみを乗り越え、新たな旅立ちを迎えるために、それぞれの「卒業」を経験する家族を描いた四編。著者の新たなる原点。
  • ターン(新潮文庫)

    ターン(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻781円 (税込)
    真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。ターン。いつかは帰れるの? それともこのまま……だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。(解説・川上弘美)
  • 母性(新潮文庫)

    母性(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻781円 (税込)
    女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。(解説・間室道子)
  • 疫病神

    疫病神

    小説・文芸
    3.9
    1巻781円 (税込)
    建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。たび重なる妨害。事件を追う中で見えてきたのは、数十億もの利権に群がる金の亡者たちだ。なりゆきでコンビを組むことになったのは、桑原保彦。だが、二宮の〈相棒〉は、一筋縄でいく男ではなかった――。関西を舞台に、欲望と暴力が蠢く世界を描く、圧倒的長編エンターテインメント!
  • 野獣死すべし(新潮文庫)

    野獣死すべし(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.5
    1巻781円 (税込)
    容赦なく撃つ。それが伊達邦彦の流儀だ。敗戦直後のハルビンでロシア軍による暴虐を目撃した邦彦は、怒りと虚無をその身に秘め、帰国後「死と破壊の使者」と化した。端正な相貌は狂気を湛え、警察官を撃ち殺し、現金輸送車を強奪し、冷徹な知性で大胆な犯罪計画を練っていく。冷え冷えとした銃を手に、ローン・ウルフの魂はどこへ疾走していくのか。ハードボイルドの巨匠の代表作にして傑作。(解説・吉野仁)
  • 離婚弁護士 松岡紬(新潮文庫)

    離婚弁護士 松岡紬(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻781円 (税込)
    北鎌倉。縁切寺として名高い東衛寺の門前に、松岡法律事務所はある。住職の娘で、離婚専門弁護士の松岡紬のもとに、今日も依頼人が駆け込んでくる。浮気・モラハラ・熟年離婚・財産分与・親権争い――「離婚したい!」その瞬間から始まる法律と人生の現実問題(リアル)。あなたの心とお財布をまもりつつ、上手に縁を切る方法、教えます。前を向く元気をもらえる、リーガルドラマ。『縁切り上等!』改題。(解説・中江有里)
  • リセット(新潮文庫)
    完結

    リセット(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    全1巻781円 (税込)
    「――また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は黄金色の入り日のなかで、穏やかに見つめてこういいました。六年半前、あの人が選んだ言葉で通った心。以来、遠く近く求めあってきた魂。だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの日だった→←流れる二つの《時》は巡り合い、もつれ合って、個の哀しみを超え、生命と生命を繋ぎ、奇跡を、呼ぶ。(対談・宮部みゆき)
  • 仮釈放

    仮釈放

    小説・文芸
    4.4
    1巻693円 (税込)
    浮気をした妻を刺殺し、相手の男を刺傷し、その母親を焼殺して無期刑の判決を受けた男が、16年後に刑法にしたがって仮釈放された。長い歳月の空白をへた元高校教師の目にこの社会はどう映るか? 己れの行為を必然のものと確信して悔いることのない男は、与えられた自由を享受することができるか? 罪と罰のテーマに挑み、人間の悲劇の原型に迫った書下ろし長編小説。
  • アトラス―天命探偵 Next Gear―(新潮文庫)
    完結

    アトラス―天命探偵 Next Gear―(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    全1巻825円 (税込)
    次の犠牲者は、警察庁警備局公安課のトップ、そして、これまで共闘してきた上司――。眠り続ける志乃の予知夢を可視化する〈クロノスシステム〉の映像に、真田らは絶句した。忌まわしい未来を変えるべく、真田や黒野ら〈次世代犯罪情報室〉の面々は危険な作戦に身を投じる。そこへ因縁の敵・アレスが姿を現し……。冴え渡る頭脳戦と怒濤のアクションが加速する大人気シリーズ、堂々完結!!(解説・大矢博子)
  • おとうと(新潮文庫)

    おとうと(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻605円 (税込)
    高名な作家で、自分の仕事に没頭している父、悪意はないが冷たい継母、夫婦仲もよくはなく、経済状態もよくない。そんな家庭の中で十七歳のげんは三つ違いの弟に、母親のようないたわりをしめしているが、弟はまもなくくずれた毎日をおくるようになり、結核にかかってしまう。事実をふまえて、不良少年とよばれ若くして亡くなった弟への深い愛惜の情をこめた看病と終焉の記録。(解説・篠田一士)
  • 工場(新潮文庫)

    工場(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.5
    1巻605円 (税込)
    大河が南北を隔てる巨大工場は、ひとつの街に匹敵する規模をもち、環境に順応した固有動物さえ生息する。ここで牛山佳子は書類廃棄に励み、佳子の兄は雑多な書類に赤字を施し、古笛青年は屋上緑化に相応しいコケを探す。しかし、精励するほどに謎はきざす。この仕事はなぜ必要なのか……。緻密に描き出される職場に、夢想のような日常が浮かぶ表題作ほか2作。新潮新人賞、織田作之助賞受賞。(解説・金井美恵子)
  • 安全のカード

    安全のカード

    小説・文芸
    3.8
    1巻693円 (税込)
    休日に青年の部屋におとずれたセールスマン。その男がカバンからとりだしたのは、名刺くらいの大きさの金属製のカードだった。なんとこのカード、絶対的な安全を保障するという不思議なカードだった……。平凡に過ぎてゆく日々。何となくつまらない毎日。そんな時、ショートショートの扉を開いてみませんか。表題作をはじめ、悪夢とロマンの交錯する奇妙な味の16の物語を収録。
  • うかれ女島(新潮文庫)

    うかれ女島(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻737円 (税込)
    お前の母親は淫売や――大和が小学生の時、母親は飛田新地から売春島に渡った。以来絶縁し二十年。島で娼婦、女衒として生きた母は、溺死体となって発見された。遺されたのは、四人の女の名前が書かれたメモ。保育所経営者、主婦、一流企業の会社員、女優……皆、島で体を売った過去があった。そのうちの一人に誘われ、大和は島へ向かう。母の死と女たちの秘密とは。衝撃の売春島サスペンス。(解説・酒井順子)
  • 神の微笑(新潮文庫)

    神の微笑(新潮文庫)

    小説・文芸
    5.0
    1巻693円 (税込)
    無信仰な僕が、一生の間に経験した宗教的現象を次々に想い起すと、これらが単なる偶然な経験ではなくて、偉大な神のはからいによって経験させられたのであろうかと、自然に考えるようになった――人生九十年、心に求めて得られなかった神が、不思議な声となって、いま私に語りかける……。芹沢文学の集大成、九十歳から年ごとに書下ろした生命の物語〈神〉シリーズ。(解説・大岡信)
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

    カンガルー・ノート(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻693円 (税込)
    ある朝突然、〈かいわれ大根〉が脛に自生していた男。訪れた医院で、麻酔を打たれ意識を失くした彼は、目覚めるとベッドに括り付けられていた。硫黄温泉行きを医者から宣告された彼を載せ、生命維持装置付きのベッドは、滑らかに動き出した……。坑道から運河へ、賽の河原から共同病室へ――果てなき冥府巡りの末に彼が辿り着いた先とは? 急逝が惜しまれる国際的作家の最後の長編!(解説・ドナルド・キーン)
  • 出版禁止(新潮文庫)

    出版禁止(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.8
    1巻737円 (税込)
    著者・長江俊和が手にしたのは、いわくつきの原稿だった。題名は「カミュの刺客」、執筆者はライターの若橋呉成。内容は、有名なドキュメンタリー作家と心中し、生き残った新藤七緒への独占インタビューだった。死の匂いが立ちこめる山荘、心中のすべてを記録したビデオ。不倫の果ての悲劇なのか。なぜ女だけが生還したのか。息を呑む展開、恐るべきどんでん返し。異形の傑作ミステリー。
  • 手のひらの音符

    手のひらの音符

    小説・文芸
    4.3
    1巻693円 (税込)
    デザイナーの水樹は、自社が服飾業から撤退することを知らされる。45歳独身、何より愛してきた仕事なのに……。途方に暮れる水樹のもとに中高の同級生・憲吾から、恩師の入院を知らせる電話が。お見舞いへと帰省する最中、懐かしい記憶が甦る。幼馴染の三兄弟、とりわけ、思い合っていた信也のこと。〈あの頃〉が、水樹に新たな力を与えてくれる――。人生に迷うすべての人に贈る物語!
  • 流れ星が消えないうちに

    流れ星が消えないうちに

    小説・文芸
    3.7
    1巻737円 (税込)
    大好きだった彼が死んでしまった。わたしではない女の子と一緒に――。それからわたしは玄関でしか眠れなくなった。辛くて、悲しくて、泣いて、喚いて……もう自分は二度と笑えないのではないかと思っていたのに。彼が死んでから一年かそこらで、わたしは他の男の子と付き合い始めた。待つと言って送り出したのに待たなかった。だって生きていかなきゃ――。深い悲しみの後に訪れる、静かな愛と赦しを描く、苦しいくらいピュアなラブストーリー。
  • 夕映え天使

    夕映え天使

    小説・文芸
    3.7
    1巻693円 (税込)
    東京の片隅で、中年店主が老いた父親を抱えながらほそぼそとやっている中華料理屋「昭和軒」。そこへ、住み込みで働きたいと、わけありげな女性があらわれ……「夕映え天使」。定年を目前に控え、三陸へひとり旅に出た警官。漁師町で寒さしのぎと喫茶店へ入るが、目の前で珈琲を淹れている男は、交番の手配書で見慣れたあの……「琥珀」。人生の喜怒哀楽が、心に沁みいる六篇。
  • 夜空に泳ぐチョコレートグラミー(新潮文庫)

    夜空に泳ぐチョコレートグラミー(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻737円 (税込)
    思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のこと――。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。(解説・吉田伸子)
  • ウィステリアと三人の女たち(新潮文庫)

    ウィステリアと三人の女たち(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻572円 (税込)
    大きな藤の木のある、壊されつつある家。真夜中に忍び込んだわたしは、そこに暮らした老女、ウィステリアの生を体験する。かつて存在した愛を魔術的に蘇らせる表題作。思いがけぬ大金を得、デパートで連日買い物を続ける女性の虚無を描く「シャンデリア」。いくつかの死、失った子ども、重なり合う女たちの記憶……研ぎ澄まされた言葉で紡がれる、美しく啓示的な四作を収録した傑作短編集。
  • 薬指の標本

    薬指の標本

    小説・文芸
    3.8
    1巻572円 (税込)
    楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡……。人々が思い出の品々を持ち込む〔標本室〕で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは……。奇妙な、そしてあまりにもひそやかな、ふたりの愛。恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇。表題作ほか「六角形の小部屋」収録。
  • ルビンの壺が割れた(新潮文庫)

    ルビンの壺が割れた(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.1
    1巻572円 (税込)
    「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつての恋人。フェイスブックで偶然発見した女性は、大学の演劇部で出会い、二十八年前、結婚を約束した人だった。やがて二人の間でぎこちないやりとりがはじまるが、それは徐々に変容を見せ始め……。先の読めない展開、待ち受ける驚きのラスト。前代未聞の読書体験で話題を呼んだ、衝撃の問題作!(解説・西山奈々子)
  • 羆嵐

    羆嵐

    小説・文芸
    4.3
    1巻693円 (税込)
    北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻込んだ一頭の羆の出現! 日本獣害史上最大の惨事は大正4年12月に起った。冬眠の時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害したのである。鮮血に染まる雪、羆を潜める闇、人骨を齧る不気味な音……。自然の猛威の前で、なす術のない人間たちと、ただ一人沈着に羆と対決する老練な猟師の姿を浮彫りにする、ドキュメンタリー長編。
  • ジャイロスコープ

    ジャイロスコープ

    小説・文芸
    3.7
    1巻693円 (税込)
    助言あります。スーパーの駐車場にて“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。人々のささいな相談事が、驚愕の結末に繋がる「浜田青年ホントスカ」。バスジャック事件の“もし、あの時……”を描く「if」。謎の生物が暴れる野心作「ギア」。洒脱な会話、軽快な文体、そして独特のユーモアが詰まった七つの伊坂ワールド。書下ろし短編「後ろの声がうるさい」収録。
  • 水曜の朝、午前三時

    水曜の朝、午前三時

    小説・文芸
    4.1
    1巻693円 (税込)
    児玉清氏絶賛のベストセラー。45歳の若さで逝った翻訳家で詩人の四条直美が、娘のために遺した4巻のテープ。そこに語られていたのは、大阪万博のホステスとして働いていた23歳の直美と、外交官としての将来を嘱望される理想の恋人・臼井礼との燃えるような恋物語だった。「もし、あのとき、あの人との人生を選んでいたら……」。失われたものはあまりにも大きい。愛のせつなさと歓びが心にしみるラブストーリー。
  • 大好きな人、死んでくれてありがとう(新潮文庫)

    大好きな人、死んでくれてありがとう(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻693円 (税込)
    解散した男性アイドルグループの一員、南田蒼太が何者かに殺された。北海道Y市の廃ホテルで、めった刺しの遺体で発見されたのだった。メディアは騒ぎ立て、警察は地道な捜査を開始する。事件当夜に南田と会った同じ職場のパート女性、グループの元メンバーたち、十代で孤児となった南田を引き取った伯母とその娘……。誰もが昏い秘密を抱えるなか、驚愕のラストが待ち受ける傑作ミステリ。(解説・齋藤明里)
  • とわの庭(新潮文庫)

    とわの庭(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻693円 (税込)
    盲目の女の子とわは、大好きな母と二人暮らし。母が言葉を、庭の植物が四季を、鳥の合唱団が朝の訪れを教えてくれた。でもある日、母がいなくなり……それから何年経っただろう。壮絶な孤独の闇を抜け、とわは自分の人生を歩き出す。おいしいご飯、沢山の本、大切な友人、一夏の恋、そしてあの家の庭。盲導犬ジョイと切り拓いた世界は眩い光と愛に満ちていた。涙と生きる力が溢れ出す感動長編。(解説・平松洋子)
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

    許されようとは思いません(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻693円 (税込)
    「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。上司にも褒められ、誇らしい気持ちに。だが売上伝票を見返して全身が強張る。本来の注文の11倍もの誤受注をしていた――。躍進中の子役とその祖母、凄惨な運命を作品に刻む画家、姉の逮捕に混乱する主婦、祖母の納骨のため寒村を訪れた青年。人の心に潜む闇を巧緻なミステリーに昇華させた5編。(解説・池上冬樹)
  • あつあつを召し上がれ(新潮文庫)

    あつあつを召し上がれ(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻539円 (税込)
    この味を忘れることは、決してないだろう――。10年以上つきあった恋人との、能登へのお別れ旅行で味わった最高の朝食。幼い頃に、今は亡き母から伝授された、おいしいおみそ汁のつくり方。何年か前に家族みんなで並んでやっとありついた、天然氷でつくった富士山みたいなかき氷……。ときにはほろ苦く、ときには甘く優しく、身も心も温めてくれる、食卓をめぐる7つの感動の物語。(解説・松田哲夫)
  • 藤村詩集(新潮文庫)

    藤村詩集(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻539円 (税込)
    〈まだあげ初めし前髪の/林檎のもとに見えしとき/前にさしたる花櫛の/花ある君と思ひけり(初恋)〉〈とほきわかれにたえかねて/このたかどのにのぼるかな(高楼)〉他に『千曲川旅情の歌』『椰子の実』等々、青春の日の抒情と詠嘆を、清新で香り高い調べにのせ、一読忘れがたい印象を残す近代浪漫詩の精華。本書をひもとくことは、在りし日の青春と邂逅することにほかならない。(解説・伊藤信吉)
  • 着物をめぐる物語

    着物をめぐる物語

    小説・文芸
    4.0
    1巻715円 (税込)
    華やかな歌舞伎座の楽屋に、藤娘の衣裳を着て現れる女形の幽霊。唐子の着物をほめてくれた混血の美青年が戦時中にたどった運命。夫と息子に先立たれた老女が黙々と織る越後上布。男に翻弄されたホステスが遺した大島。老境を迎えた辰巳芸者の着物への執念。畳紙に包まれ密やかに時を刻んでいた着物が、繙かれ鮮やかに語り始める……。縦糸と横糸のあやなす、美しく残酷な11の物語。※新潮文庫版に掲載のイラストは、電子版には収録しておりません。
  • 化粧の素顔

    化粧の素顔

    小説・文芸
    4.0
    1巻528円 (税込)
    もっと開いて。もっと受け入れて。もっと満たして――。理想の女性を求めて遍歴を重ねる河島文也。大胆で細やかな文也のアプローチとテクニックは相手を歓ばせるが、燃え上がった官能は、なぜかいつも途中から醒めてゆく。甘美な性愛のさなかに、身体と身体で交わされる男と女の駆け引きの行方をシニックに描く。もう一段、恋愛上手になるための秘密が詰まった六篇。大人の小説集。
  • おのぞみの結末

    おのぞみの結末

    小説・文芸
    3.8
    1巻649円 (税込)
    家事万能のロボットを手に入れたら……。世界平和をめざす秘密組織が実権を握ったら……。安逸と平穏をのぞみながら、退屈な日々にあきたらず、精神と肉体の新たな冒険を求める人間。超現代のなかでも、あいかわらず滑稽で愛すべき、人間らしい心の動きをスマートに描く11編。新鮮な発想、奇想天外なストーリーの展開、そして意外な結末は、あたかもアイディアを凝集した玉手箱。
  • 太陽・惑星(新潮文庫)

    太陽・惑星(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻649円 (税込)
    太陽は毎日輝いている。そりゃそうだ。けど、輝き果てた後には何が残るのか? 金か、それともカネかーー。新宿の安ホテルで、アフリカの赤ちゃん工場で、パリの蚤の市で、インドの湖畔で、我ら人類は飽くなき欲望をスパークさせ、挙げ句の果てに太陽による錬金術が完成。ついには不老不死が実現する。バンザーイ!……なのかどうかはあなたが決める。異能の芥川賞作家の伝説的デビュー作。(解説・町田康)
  • 京に鬼の棲む里ありて(新潮文庫)

    京に鬼の棲む里ありて(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻649円 (税込)
    比叡山麓の八瀬に住む人々は帝を守る鬼の子孫だと自らを誇る。里の娘かやは、貴人が囲う美貌の男妾、夜叉丸の世話をするうちに彼の苦しみを知り……(「鬼の里」)。仏道に邁進する私は、煩悩に溺れる者たちに呆れて比叡山を下りた。しかし洛中の六角堂で百日参籠を始めると、蠱惑的な香りの花を手に女が私を惑わせる……(「愚禿」)。嫉妬に劣情、尽きぬ欲望。男女の生き様を炙り出す京都時代短編集。(解説・細谷正充)
  • 夜より深く(新潮文庫)

    夜より深く(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.0
    1巻649円 (税込)
    東北のホテルで働く梶谷は、同僚のベルガール・有希子と不倫関係に陥る。密会を重ねるうち、職場の宴会場での情事がバレ、仕事も家庭も失ってしまう。逃避先の沖縄で、束の間、酒と女に溺れる梶谷だが、再出発を誓って故郷東京へと舞い戻った。一軒家を借り上げて駆け込み寺にし、ネットの掲示板で知り合った家出妻たちと究極のハーレムを築き上げるのだが……。オリジナル官能長編。
  • よるのふくらみ

    よるのふくらみ

    小説・文芸
    4.0
    1巻605円 (税込)
    同じ商店街で幼なじみとして育ったみひろと、圭祐、裕太の兄弟。圭祐と同棲しているみひろは、長い間セックスがないことに悩み、そんな自分に嫌悪感を抱いていた。みひろに惹かれている弟の裕太は、二人がうまくいっていないことに感づいていたが――。抑えきれない衝動、忘れられない記憶、断ち切れない恋情。交錯する三人の想いと、熱を孕んだ欲望とが溶け合う、究極の恋愛小説。
  • 広場の孤独

    広場の孤独

    小説・文芸
    3.3
    1巻506円 (税込)
    朝鮮事変を契機として、再び動揺しはじめた世界情勢のなかで、当時、日本の誠実な知識人は、どのような方向へと動かんとしていたのか――。日本脱出を夢みる木垣が、去就を決する、まさにその土壇場まで来て、初めて日本人としての自覚に到達しながらも、なおたゆたわざるを得ない孤独な姿を、清新なタッチで描きあげて、異常な感動を与えた、昭和二十六年下半期の芥川賞受賞作。
  • 母影(新潮文庫)

    母影(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.8
    1巻605円 (税込)
    小学校で独りぼっちの「私」の居場所は、母が勤めるマッサージ店だった。「ここ、あるんでしょ?」「ありますよ」電気を消し、隣のベッドで客の探し物を手伝う母。カーテン越しに揺れる影は、いつも苦し気だ。母は、ご飯を作る手で、帰り道につなぐ手で、私の体を洗う手で、何か変なことをしている――。少女の純然たる目で母の秘密と世界の歪(いびつ)を鋭く見つめる、鮮烈な中編。芥川賞候補作品。(解説・又吉直樹)
  • 白いしるし(新潮文庫)

    白いしるし(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻605円 (税込)
    女32歳、独身。誰かにのめりこんで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていた夏目。間島の絵を一目見た瞬間、心は波立ち、持っていかれてしまう。走り出した恋に夢中の夏目と裏腹に、けして彼女だけのものにならない間島。触れるたび、募る想いに痛みは増して、夏目は笑えなくなった──。恋の終わりを知ることは、人を強くしてくれるのだろうか? ひりつく記憶が身体を貫く、超全身恋愛小説。(解説・栗田有起)

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