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Posted by ブクログ
この本は箱根駅伝を題材にした青春スポーツ小説で、もともと青春ものやスポーツものが好きな私にとって、読んでいてとてもテンションが上がる作品だった。
私は今まで、登場人物が多い作品は「誰が誰だか分からなくなりそう」と思い、避けてしまうことが多かった。しかし、この作品は知り合いにおすすめされたことをきっかけに、読んでみることにした。
読み始めると、予想していた通り10人以上の登場人物が出てきたため、最初は「最後まで混乱せずに読めるかな」と少し不安だった。しかし、読み進めていくうちに、その不安はなくなっていった。それぞれの登場人物の性格や考え方、走ることへの向き合い方がしっかりと描かれていて、一人ひとりがとても個性的だったからだ。人数が多いにもかかわらず人物がこんがらがることもなく、むしろ「この人はこれからどうなるんだろう」と、一人ひとりの物語が気になるようになった。
また、この作品で特に印象に残ったのは、文章から感じられる疾走感だった。500ページ以上ある長い作品なので、読み始める前は読み終えるまで時間がかかりそうだと思っていた。しかし、実際に読み始めると手が止まらず、気がつけばどんどんページをめくっていた。登場人物たちが走っている場面では、自分も一緒に走っているような感覚になり、長さをほとんど感じないまま、あっという間に読み終えてしまった。
物語の中で特に心に残ったのは、それぞれ違う性格や考えを持った登場人物たちが、一つの目標に向かって真剣に取り組んでいく姿だった。最初から全員が同じ気持ちだったわけではない。それでも、一緒に過ごし、走ることを通して少しずつ仲間になり、同じ目標を目指すようになっていく。その姿に、この作品ならではの青春らしさを感じた。
何かに本気で取り組むことは、簡単なことではないと思う。努力しても必ず結果が出るとは限らないし、途中で苦しくなったり、やめたくなったりすることもあると思う。それでも、仲間と支え合いながら一つの目標に向かって進む登場人物たちを見ていると、ここまで夢中になれるものがあることを少し羨ましく感じた。そして読み終わった後には、「自分も何かに真剣に打ち込んでみたい」と自然と思うようになった。
そして、この本を読んだことで大きく変わったのが、箱根駅伝に対する自分の印象だった。
読む前の私にとって箱根駅伝は、自分とは全く関係のないスポーツだった。テレビで放送されていても、ただ選手たちが長い距離を走っている大会というイメージしかなく、特に興味を持ったこともなかった。
しかし、この作品を読んで、箱根駅伝のたった2日間のために、選手たちは長い時間をかけて練習を重ねていること、そして一人ひとりがさまざまな思いを抱えながら襷をつないでいることを知った。
もちろん、この作品は小説であり、登場人物たちは実在する選手ではない。それでも、実際の箱根駅伝を走る選手たちにも、それぞれにそこへたどり着くまでの時間や物語があるのだろうと思うようになった。
今までは「選手たちが走っている大会」としてしか見ていなかった箱根駅伝が、今では、選手一人ひとりの努力や仲間への思いが詰まった大切な2日間を見させてもらっているのだと感じる。
そう考えると、実際の選手たちはどんな思いでスタート地点に立ち、どんな気持ちで襷を受け取り、そして次の選手へつないでいるのだろうと興味が湧いてきた。今までほとんど関心のなかった箱根駅伝だが、次の箱根駅伝は絶対に見てみたいと思っている。きっとこの本を読む前とは、全く違った見方ができると思う。
ただ「面白かった」で終わるのではなく、自分も何かに本気で取り組んでみたいと思わせてくれ、さらに今まで興味のなかったものにまで目を向けるきっかけをくれた。一冊の小説によって、自分の考え方や物事の見方が少し変わったことが、この作品を読んで一番よかったと思うところだ。
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