国内小説 - 新潮社の検索結果

  • 最近
    小説・文芸
    3.9
    1巻2,420円 (税込)
    夫に付き添い初めての救急車でやってきた深夜の病院の待合室。ふと思い出したのは、子供の頃に聞いた、赤い猫を見ると死ぬという噂――パンデミックというついこの間の出来事を背景に、ある平凡な夫婦とその周りの人々の生活を精緻に描き、日常の外側に読者を連れていく。海外でも翻訳多数の気鋭作家による最新連作長篇。
  • 西行花伝(新潮文庫)
    小説・文芸
    4.3
    1巻1,155円 (税込)
    花も鳥も風も月も――森羅万象が、お慕いしてやまぬ女院のお姿。なればこそ北面の勤めも捨て、浮島の俗世を出離した。笑む花を、歌う鳥を、物ぐるおしさもろともに、ひしと心に抱かんがために……。高貴なる世界に吹きかよう乱気流のさなか、権能・武力の現実とせめぎ合う“美”に身を置き通した行動の歌人。流麗雄偉なその生涯を、多彩な音色で唱いあげる交響絵巻。谷崎潤一郎賞受賞。(解説・高橋英夫)
  • 最後の愛人
    小説・文芸
    3.0
    1巻660円 (税込)
    24歳の愛人・さくら。お前は俺の最後の女だ――。私は自分の娘よりも10歳も若いキャバクラ嬢・さくらを愛した。彼女こそ、私が永遠に愛し続ける女の容姿の原形だった。しかしながら、70歳を越えた私のペニスはすっかり萎え切って、完全なるインポであり……。そんなある日、突然、さくらが死んだ。「先生ごめんなさい。先生を愛してました」そんな遺書をのこして、24歳の若さで自殺を遂げた――。なぜなんだ――残された72歳の作家がつづる慟哭と愛惜の日々。
  • 宰相A(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.1
    1巻506円 (税込)
    揃いの国民服に身を包む金髪碧眼の「日本人」に、武力による平和実現の大義を説く黒髪の首相A。母の墓参に帰郷したはずが、「日本国」の違法侵入者として拘束された小説家Tは、主権を奪われた「旧日本人」の居留地に送られる。そこで自分と瓜二つの伝説の救国者Jの再来とみなされたTは、国家転覆を狙うレジスタンス闘争に巻き込まれていく。もう一つの日本に近未来の悪夢を映す問題作。
  • 再生巨流
    小説・文芸
    4.1
    1巻935円 (税込)
    組織というものを甘く見ていたのかも知れない……。抜群の営業成績を上げながら、スバル運輸の営業部次長・吉野公啓は左遷された。ピラニアと陰口される仕事ぶりが、社内に敵を作っていたのだ。だが、打ちのめされた吉野は、同じように挫折を味わっている男たちとともに、画期的な物流システムの実現に、自らの再生を賭ける。ビジネスの現場を抉り、経済小説に新次元を拓いた傑作。
  • 再生の朝
    小説・文芸
    3.5
    1巻539円 (税込)
    十月七日午後五時三十分。萩行きの夜行高速バスが品川のバスターミナルを出発した。乗客乗務員は十二人。約十四時間で目的地到着の予定だったのだが……。深夜に乗務員が殺害され、バスは殺人者とともに、何処とも知れぬ闇の中に放り出される。台風接近で風雨も激しさを増し──。それぞれの人生を背負って乗り合わせた登場人物たちの多視点から恐怖の一夜を描く、異色のサスペンス。
  • 最果ての泥徒
    小説・文芸
    4.0
    1巻2,310円 (税込)
    20世紀初頭。泥徒(ゴーレム)が産業として躍進する世界。欧州の小国で、泥徒創造者の名家に育ったマヤは、若くして自らの泥徒を錬成する。しかし、ある惨劇により、一家に代々伝わる「原初の礎版」を喪失。行方を晦ます三人の愛弟子を追い、マヤと泥徒の世界全土を股にかけた、壮大かつ無謀な追走劇が始まるのだが――。
  • 財布は踊る(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.9
    1巻781円 (税込)
    「今よりもう少し、お金がほしい」専業主婦として穏やかに暮らす葉月みづほ。彼女はある夢を実現するために、生活費を切り詰め、人知れず毎月二万円を貯金していた。努力が実り、夢を実現した喜びも束の間、夫に二百万円以上の借金があることが発覚する。株での失敗、リボ払いの罠。日常に潜むお金の落とし穴からどう逃げる? 切実な想いと未来への希望を描く「お金のつくりかた」超実践小説。(解説・朱野帰子)
  • 災厄の「つばさ」121号
    小説・文芸
    2.5
    1巻627円 (税込)
    新庄行き山形新幹線のグリーン車に幾度も乗車する美女。かげり宿す美貌は、車掌の関心の的だった。彼女はなぜか、毎回違う男を旅に誘っていた。ある朝、そのひとりが殺される。眉間を射ち抜かれて。そして、彼女の同伴した男たちが、次々射殺されてゆく――。十津川警部は、鮮やかな腕前から、狩猟の天才・折尾を追う。謎の美女と射撃の鬼、二色の糸はどのように絡み合うのか?!
  • サイレント・ラヴ
    小説・文芸
    4.0
    1巻715円 (税込)
    私の髪を憮でる、その指で、その腕で、彼女のことを抱くのですか―出会った日から22歳の今日まで、ミヤコは彼だけをみつめ続けてきた。そんなある日、偶然ひき合わせた親友が、一瞬にしてふたりの歳月を飛び越えて……。きっと、だれの心の底にも沈んでいる、冷たい恋の化石を胸に、何も言えず、ただみつめるだけのせつない愛。ひそやかな片想いのゆくえを描くラヴ・ストーリー。
  • 逆事
    小説・文芸
    3.5
    1巻1,320円 (税込)
    人の生死は潮の満ち引きに同調すると、子ども時分に聞かされた。引き潮どきに逝った谷崎潤一郎。いわれに逆らうように「満ち潮どき」の死を択んだ三島由紀夫。相次いで逝った父と母、戦没した息子を思いつづけた伯母の死は……。亡き面影をたどり、生と死の綾なす人間模様を自在な筆致で描きだす「逆事」ほか珠玉の全五篇。
  • 魚のように
    小説・文芸
    3.3
    1巻473円 (税込)
    ある日、高校生の姉が家を出た。僕は出来の悪い弟でいつも姉に魅かれていた。バラバラになった家族を捨てて僕も、水際を歩きながら考える。姉と君子さんの危うい友情と、彼女が選んだ人生について……。危うさと痛みに満ちた青春を17歳ならではの感性でまぶしく描く坊っちゃん文学賞受賞作(「魚のように」)。ほか、家庭に居場所のないふたりの少女の孤独に迫る短編「花盗人」を収録。
  • 魚は粗がいちばん旨い―粗屋繁盛記―(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.5
    1巻649円 (税込)
    魚の粗(あら)ほど旨いものはない! 築地に日本初の魚の粗料理専門店・粗屋ができた。金目鯛の粗汁、烏賊の腸煮、皮剥の肝和え――通常は捨てられてしまう粗が、魚を知り尽くした店主、鳥海五郎にかかると絶品料理へと大変身。はやる気持ちを抑え、今宵も粗屋の暖簾をくぐる。いったいどんな料理が待っているのか。粗を肴に酒を呑む、至福の時間の始まりだ。『骨まで愛して 粗屋五郎の築地物語』改題。(解説・太田和彦)
  • サキの忘れ物(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.7
    1巻649円 (税込)
    自分には何にも夢中になれるものがない――。高校をやめて病院併設の喫茶店でアルバイト中の千春は、常連の女性が置き忘れた本を手にする。「サキ」という外国人の男性が書いた短篇集。これまでに一度も本を読み通したことがない千春だったが、その日からゆっくりと人生が動き始める。深く心に染み入る表題作から、謎めいた旅行案内、読者が主役のゲームブックまで、かがやきに満ちた全九編。(解説・都甲幸治)
  • 咲見庵三姉妹の失恋(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.5
    1巻605円 (税込)
    蔵の町、川越。くず餅が人気の和カフェ・咲見庵を営む美人の長女、花緒。ボーイッシュで夢見がちな次女、六花。そして、二人の姉とは母親の違う十六歳の三女、若葉。そんな高咲三姉妹が暮らす家に、父を亡くした少年、薫が居候することに。姉たちはそれぞれに恋の甘さと苦しみを味わい、同い年の若葉と薫は次第に心を通わせていくが――。めぐる季節の中、姉妹が織りなす優しく切ない恋愛模様。(解説・吉田伸子)
  • 桜島・日の果て
    小説・文芸
    -
    1巻440円 (税込)
    米軍上陸に備える桜島への転勤が決った暗号員・村上兵曹は、転勤前夜、妓楼で片耳のない妓を抱く。どうやって死ぬの。おしえてよ――。目前に迫った死の運命、青春のさなかにあって、断ち切られようとしている自らの生に対する諦念と絶望感の相剋を、みずみずしい青春の情感を根底として、記録風に描いた出世作「桜島」。ほかに「日の果て」「崖」「蜆」「黄色い日日」の4編を収める。
  • 桜田門外ノ変(上下)合本版(新潮文庫)
    小説・文芸
    5.0
    1巻1,650円 (税込)
    安政七年(1860)三月三日、雪にけむる江戸城桜田門外に轟いた一発の銃声と激しい斬りあいが、幕末の日本に大きな転機をもたらした。安政の大獄、無勅許の開国等で独断専行する井伊大老を暗殺したこの事件を機に、水戸藩におこって幕政改革をめざした尊王攘夷思想は、倒幕運動へと変わっていく。襲撃現場の指揮者・関鉄之介を主人公に、桜田事変の全貌を描ききった歴史小説の大作。 ※当電子版は新潮文庫版『桜田門外ノ変』上下巻をまとめた合本版です。
  • 桜の実の熟する時(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.3
    1巻539円 (税込)
    明治20年代に高輪台の学舎に学んでいた主人公岸本捨吉は、年上の繁子との交際に破れ、新しい生活を求めて実社会へ出て行く。しかし、そこで遭遇した勝子との恋愛にも挫折した捨吉は西京への旅に出る――。作品の行間には少年の日の幸福の象徴である桜の実にも似た甘ずっぱい懐かしさが漂い、同時に恐ろしい程に覚醒した青春の憂鬱が漂う。「春」の序曲をなす、傑れた青春文学である。(解説・三好行雄)
  • 櫻守
    小説・文芸
    4.1
    1巻781円 (税込)
    丹波の山奥に大工の倅として生れ、若くして京の植木屋に奉公、以来、四十八歳でその生涯を終えるまで、ひたむきに桜を愛し、桜を守り育てることに情熱を傾けつくした庭師弥吉。その真情と面目を、滅びゆく自然への深い哀惜の念とともに、なつかしく美しい言葉で綴り上げた感動の名作『櫻守』。他に、木造建築の伝統を守って誇り高く生きる老宮大工を描いた長編『凩』を併せ収める。
  • 裂けて海峡
    小説・文芸
    3.3
    1巻814円 (税込)
    海峡で消息を絶ったのは、弟に船長を任せた船だった。乗組員は全て死亡したと聞く。遭難の原因は不明。遺族を弔問するため旅に出た長尾の視界に、男たちの影がちらつき始める。やがて彼は愛する女と共にある陰謀に飲み込まれてゆくのだった。歳月を費やしようやく向かいあえた男女を、圧し潰そうとする“国家”。運命の夜、閃光が海を裂き、人びとの横顔をくっきりと照らし出す。
  • 叫び
    小説・文芸
    3.4
    1巻1,870円 (税込)
    聞いて欲しい人が一人おるんです。政と聖を描く芥川賞候補作。早野ひかるは「先生」に打ちのめされ、銅鐸と土地の来歴を学び始める。ここではかつて罌粟栽培と阿片製造が盛んで、満州に渡って「陛下への花束」を編み、紀元2600年記念万博を楽しみにしていた青年がいた。いつしか昭和と令和はつながり、封印されていた声が溢れ出す。大阪と大陸で響き合う夢とロマン、恋愛政治小説。
  • 笹舟日記
    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    きょうだいの4人までも自殺や失踪で失った血の悲劇を背負いながらも、心ゆたかに生きようとする著者が、四季折々の日常の光景と、それによって呼び起される切実な過去の記憶との響きあいの中に、生活というものの深い味わい、生命のよろこびと哀切さを、ていねいに紡ぎだして心温まる連作掌編集。
  • 細雪(上中下) 合本版
    小説・文芸
    -
    1巻2,079円 (税込)
    大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は姉妹のうちで一番の美人なのだが、縁談がまとまらず、三十をすぎていまだに独身でいる。幸子夫婦は心配して奔走するが、無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日がたってゆく。 ※当電子版は『細雪』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • さすらい
    小説・文芸
    4.4
    1巻572円 (税込)
    反政府的な作品のために迫害されて、日本から姿を消した人気作家・三宅。彼が遠い北の異国で客死したという知らせを受けた愛娘の志穂は、遺骨を受け取るため旅立つ。一方、三宅を恐れる政府の要人・中田はその死を疑い、刺客と共に北へ向かう。最果ての地で志穂と中田を待ち受ける思いがけぬ真実。愛と憎しみのもつれが招く新たな悲劇。近未来を舞台に描く、異色のサスペンス・ロマン。
  • 殺意はないけど(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.6
    1巻737円 (税込)
    高校の仲良し女子4人組。10年後――阿季子はアイドルとして活躍したあと玉の輿に乗って主婦に、由記はタウン誌編集長に、はるなは地方局アナウンサーに、玲子はぬいぐるみ劇団の団員になっていた。そして阿季子の芸能界復帰が決まると差出人不明の「贈り物」が次々と送られてくる。穴だらけの写真、ガラス片……その先に待っていたのは!? 心の闇を描く傑作サスペンス。『微笑みがえし』改題。(解説・細谷正充)
  • さのよいよい
    小説・文芸
    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    ロケットマンがロス五輪の会場に降り立ち、「未来」が「現実」となった一九八四年の夏、世田谷では僧侶が伴侶を日本刀で斬りつけ、火が放たれ、盆踊りの終わった夜空を真っ赤に染めていた。三十二年前の放火殺人事件を探るうち、わたしは家族の秘めごとやおのれの不甲斐なさを思い知らされる。シリアスで、ちょっと熱めの長篇小説。
  • 砂漠の塩
    小説・文芸
    4.0
    1巻781円 (税込)
    夫を日本に残し参加したヨーロッパツアー。最初の目的地パリで一行と別れた野木泰子は、一人カイロへと向う。そこには、出張先の香港(ホンコン)から会社に辞表を出した谷口真吉が、彼女を待っているはずだった。――妻を捨てた男と夫を裏切った女と、そして妻を求めてその跡を追う夫。不毛の愛を埋めるために砂漠の果てをめざす彼らに、贖罪はあるだろうか。神なき荒野の神なき愛を描く長編。
  • さびしい王様
    小説・文芸
    3.9
    1巻913円 (税込)
    役にも立たない帝王学だけ教え込まれて育ち、恋も政治も知らぬ幼児のような王様ストンコロリーン28世。オッパイを見ては、「あ、オレンジ!」などと呟いていたおく手な彼が、私腹を肥やす悪辣な総理大臣への反感からおこった革命の渦中で、すこしずつ人間の喜怒哀楽に目ざめ、純真な恋を感じ始める…。ペーソスとナンセンスの横溢する、おとなとこどものための童話シリーズ第一作。
  • さびしい乞食
    小説・文芸
    -
    1巻627円 (税込)
    欧州航路の最後の客船でアメリカに留学する御貰固呂利(おもらいころり)とは如何なる人物? デブのストン国王との関係如何? さてまた大悪党らしきデビルファーザー氏の正体如何? 本当にオカネのないとき、ひとに物乞うときのさびしさ、また金持も乞食も共に操られる運命の不思議を笑いと涙のひそかな洪水のうちに描く。『さびしい王王様』につづく、おとなとこどものための童話シリーズ第二作。
  • さびしい姫君
    小説・文芸
    -
    1巻627円 (税込)
    人間てさびしい存在ですね。王様も乞食も、そして姫君もやっぱりさびしいのです。今度は“さびしい王様”ストン国王の妃ローラ姫の物語。三歳で結婚し、子供ができないために離婚させられた姫……。大笑いしながらちょっぴり悲しい“十歳から百歳までの子供のための童話”シリーズ。『さびしい王様』『さびしい乞食』のなつかしい登場人物たちもとび出して、ついに大団円を迎えます。
  • さびしい女神―僕僕先生―
    小説・文芸
    4.3
    1巻572円 (税込)
    苗人の国を襲った大旱魃。その原因は王弁が出会った少女にあった。さびしがり屋で、話し下手で、でも人と触れ合いたい女神「魃」。王弁は枯れゆく国と魃を救うため、神々を探す旅に出る。宇宙に飛び出し、時空をも越え、神仙たちの古代戦争を目撃した王弁を待っていたのは、あまりに残酷な魃と僕僕の過去だった──。救うべきは女の子か、それとも世界か。怒濤のシリーズ第四弾。
  • さまざまな迷路
    小説・文芸
    3.8
    1巻737円 (税込)
    ある日とつぜん、おとぎ話の主人公になりたいと、とんでもないことを言い出した〈王女〉、なぜか、鬼が見えるという患者で繁盛する〈神経科の医師〉、街頭で通行人相手にキャンディーを売る〈ロボット〉etc.未来・現代・過去を一つの次元にとらえ、迷路のように入り組んだ人間生活のさまざまな世界を32のチャンネルに写し出し、文明社会を痛撃する傑作ショート・ショート。
  • さまよえる神剣
    小説・文芸
    3.5
    1巻2,420円 (税込)
    「安徳帝は入水せず、三種の神器の剣とともに土佐山中に消えた」。伝承を信じて、後鳥羽上皇のため神剣探索の旅に出た忠臣・有綱。苦難の果てに帝一行が住み着いたという集落を発見するが、そこでは思いも寄らない運命が待ち構えていた。一人の若者の冒険と恋を通じて、日本史最大の謎に挑んだ著者新境地の長編歴史ロマン。
  • 侍

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,045円 (税込)
    藩主の命によりローマ法王への親書を携えて、「侍」は海を渡った。野心的な宣教師ベラスコを案内人に、メキシコ、スペインと苦難の旅は続き、ローマでは、お役目達成のために受洗を迫られる。七年に及ぶ旅の果て、キリシタン禁制、鎖国となった故国へもどった「侍」を待っていたものは――。政治の渦に巻きこまれ、歴史の闇に消えていった男の“生”を通して、人生と信仰の意味を問う。
  • さよなら、エンペラー
    小説・文芸
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    首都直下型大地震の正確無比な予告が、ひょっこり産み落とした異物。ロックダウン同然の東京で、退避を拒んだ住民を前に、山高帽の不思議な男が皇帝就任を宣言したのだ。その従者となることを申し出た奇特な青年。彼は秘めたる目的を忘れて風変りな施策にのめり込み、皇帝と共に破滅へのカウントダウンを待つことを選んだ……。
  • さよならクリストファー・ロビン
    小説・文芸
    3.6
    1巻1,232円 (税込)
    お話の中には、いつも、ぼくのいる場所がある──いつも考えている幼い少年と、なにかを書く仕事をしているパパ。「お子さま携帯」が時々「けいほう」を鳴らす日々。ぼくは何でもパパに聞き、パパは一緒に考える。物語をめぐり、あらゆる場所を訪れ、新しい物語の誕生に立ち会う。「虚無」と戦うものたちの物語。
  • さよなら、ベイビー(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.5
    1巻649円 (税込)
    見知らぬ赤ん坊(タカヤ)を連れてきた父親が、まさかの突然死。母亡き後ひきこもり歴4年の雅祥(まあくん)が、いきなり育児を任されることに。この時から地獄の二人暮らしが始まった。ミルクを飲ませても、おむつを替えてもタカヤは泣き止まない。母親はいったい誰……迎えが来る日まで、あと1日。だが、まあくんとタカヤと母親の人生は驚愕の真実へと急転直下する! 胸に染みる、痛快青春ミステリー。(解説・北上次郎)
  • さらば雑司ヶ谷(新潮文庫)
    小説・文芸
    4.0
    1巻594円 (税込)
    中国から久しぶりに戻った俺を出迎えた友の死。東京、雑司ヶ谷。大都会に隣接するこの下町で俺は歪んだ青春を送った。町を支配する宗教団体、中国マフィア、耳のない男……。狂いきったこのファックな人生に、天誅を喰らわせてやる。エロスとバイオレンスが炸裂し、タランティーノを彷彿とさせる引用に満ちた21世紀最強の問題作。脳天、撃ち抜かれます。
  • サラバンド・サラバンダ
    小説・文芸
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    差出人にも、故人の名前にも、まったく心当たりのない香典返しの小包が自分宛てに届いた。むろん通夜も葬儀も行っていない。いったい何故、何のために。記憶を整えると、遠い昔に別れた女の名前が蘇り……。老いの入り口に立った男の憂いと怒り、焦燥、絶望、狂気、そしてエロス。芥川賞作家が円熟の筆で描く珠玉の短篇小説集。
  • 沙林 偽りの王国(上)(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.6
    1~2巻825円 (税込)
    1995年3月20日月曜日の朝。東京の地下鉄は突然、阿鼻叫喚に包まれた。複数路線での同時テロ。車内では正体不明の液体が異臭を放ち、通路で地上で人々は次々と倒れた。毒物はサリン。その治療法を熟知していたのは九州大学医学部だった。九大チームは、前年の松本サリン事件でいち早く毒物を特定、捜査方針に大きな疑問を呈していたのだ……。医師で作家の著者にしか描けないオウムの全貌。
  • 百日紅の咲かない夏
    小説・文芸
    3.3
    1巻1,023円 (税込)
    父の事故死、母の出奔で別々に育てられた姉弟が、十年ぶりに再会した。以来、十七歳の弟は、二十歳の姉を週末ごとに訪ねる。夜、姉の布団で幼子のように身を寄せながら、歳月の重さと互いの愛の深さにおののく二人。その年、北国の町では怪しげな商事会社が暗躍し、孤独な二人に危険な人間関係がからみつく。
  • 猿田彦の怨霊―小余綾俊輔の封印講義―(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.8
    1巻693円 (税込)
    天孫降臨の先導役として大役を務めながらも、謎の死を遂げたという猿田彦神。以来、「記紀」から姿を消し、脇役として民間伝承のなかに現れる。道祖神、庚申待ち、括り猿――。神はなぜ神話から抹殺されたのか。なぜ「猿」なのか。民俗学者・小余綾俊輔の歴史推理は、古代史の闇に容赦なく切り込んでいく……。歴史の封印が解ける時、常識を覆す真実が現れる。驚愕の古代史推理ミステリー。(解説・北夏輝)
  • されどめぐる季節のなかで
    小説・文芸
    4.0
    1巻2,035円 (税込)
    念願のカフェを開いた真芽だが集客が伸びない。打開策として自分で種から育てた作物をメニューに取り入れようと試みるものの、予想外のトラブルが──経営や人間関係、さまざまな課題に直面しながらも真芽はどう生きたいのかを問い直し、新たな目標を見つけてゆく。涙あふれる名作『やがて訪れる春のために』待望の続編!
  • サロメの乳母の話
    小説・文芸
    3.7
    1巻506円 (税込)
    ホメロスが謳うオデュッセウスの漂流譚はでっちあげだ! と糾弾する妻ペネロペ。不器用で世渡りが下手な夫を嘆くダンテの妻。サロメの乳母、キリストの弟、聖フランチェスコの母、ブルータスの師、カリグラ帝の馬……歴史上の有名人の身近にいた無名の人々が、通説とはまったく違った視点から語る英雄・偉人たちの裏側。「ローマ人の物語」の作者が想像力豊かに描く短編小説集。
  • 珊瑚
    小説・文芸
    4.0
    1巻737円 (税込)
    華やかな珊瑚景気にわく五島列島を襲う空前の海難事故。海に生き、珊瑚採りに愛と野心と生命を賭けた三人の若者を描く海洋ロマン。
  • 三国志(一) 桃園の巻(新潮文庫)
    完結
    小説・文芸
    3.9
    全10巻649~781円 (税込)
    「我ら三人、末永く義兄弟であると誓おうではないか!」劉備・関羽・張飛・孫権・曹操・諸葛孔明……英傑たちの物語が、いま幕を開ける! 後漢末の頃。貧しいが高貴な血を引く劉備は、世を救うという大志を果たすべく、関羽、張飛と桃園にて義兄弟の契りを結ぶ。跋扈する黄巾賊の征伐に乗り出した彼らは、智謀に優れた人物、曹操に出会う――。これぞ王道の「三国志」! 波乱に満ちた群雄割拠の世を描き切る、壮大で華麗な歴史スペクタクル。(解説・渡邉義浩)
  • 三国志(一~十)合本版(新潮文庫)
    小説・文芸
    -
    1巻7,062円 (税込)
    「我ら三人、末永く義兄弟であると誓おうではないか!」劉備・関羽・張飛・孫権・曹操・諸葛孔明……英傑たちの物語が、いま幕を開ける! 後漢末の頃。貧しいが高貴な血を引く劉備は、世を救うという大志を果たすべく、関羽、張飛と桃園にて義兄弟の契りを結ぶ。跋扈する黄巾賊の征伐に乗り出した彼らは、智謀に優れた人物、曹操に出会う――。これぞ王道の「三国志」! 波乱に満ちた群雄割拠の世を描き切る、壮大で華麗な歴史スペクタクル。(解説・渡邉義浩) ※当電子版は新潮文庫版『三国志』一~十巻をまとめた合本版です。
  • サンショウウオの四十九日
    小説・文芸
    3.7
    1巻1,870円 (税込)
    周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。不思議なことはなにもない。けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか? そして今これを考えているのは誰なのか――三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。
  • 山椒大夫・高瀬舟
    小説・文芸
    3.8
    1巻539円 (税込)
    人買いのために引離された母と姉弟の受難を通して、犠牲の意味を問う『山椒大夫』、弟殺しの罪で島流しにされてゆく男とそれを護送する同心との会話から安楽死の問題をみつめた『高瀬舟』。滞欧生活で学んだことを振返りつつ、思想的な立場を静かに語って鴎外の世界観、人生観をうかがうのに不可欠な『妄想』、ほかに『興津弥五右衛門の遺書』『最後の一句』など全12編を収録する。
  • 三四郎(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.8
    1巻506円 (税込)
    熊本の高等学校を卒業して、東京の大学に入学した小川三四郎は、見る物聞く物の総てが目新しい世界の中で、自由気儘な都会の女性里見美禰子に出会い、彼女に強く惹かれてゆく……。青春の一時期において誰もが経験する、学問、友情、恋愛への不安や戸惑いを、三四郎の恋愛から失恋に至る過程の中に描いて『それから』『門』に続く三部作の序曲をなす作品である。(解説・柄谷行人)
  • 三十すぎのぼたん雪
    小説・文芸
    3.3
    1巻638円 (税込)
    もう無邪気ではいられないけれど、大人にもなりきれていない。そんな中途半端な年頃には、恋との距離も微妙になる。はじまりかけた恋への期待に、苦い記憶がそっと忍び込んでくる。心が触れ合ったと感じた瞬間に、哀しい予感が静かに満ちてくる。たのしさやときめきの裏側にある、ものさびしさとやるせなさをしみじみ描く。恋愛小説の達人ならではの、心に優しく沁みる佳品9篇。
  • 三十光年の星たち(上)
    小説・文芸
    4.3
    1~2巻737円 (税込)
    彼女にも逃げられ、親からも勘当された無職の青年、坪木仁志は謹厳な金貸しの老人、佐伯平蔵の運転手として、丹後・久美浜に向かった。乏しい生活費から毎月数千円を三十二年に渡って佐伯に返済し続けた女性に会うためだった。そこで仁志は本物の森を作るという運動に参加することになるのだが──。若者の再起と生きることの本当の意味を、圧倒的な感動とともに紡ぎ出す傑作長編。
  • 酸素
    小説・文芸
    -
    1巻583円 (税込)
    神戸の〈日仏酸素株式会社〉は海軍と結びついて造船用の酸素を納入していた。その会社にひとりの青年が翻訳係として採用されたが、彼は非合法活動のために特高に追われる身だった……。日ごとに緊迫の度を増す開戦前夜の暗い時代相の中に、実業家、軍人、地下活動家、女流画家などさまざまに入り乱れる多彩な人物群像、幾重にもからまり合う恋愛心理を冷徹な筆に描く長編。
  • サーカスの夜に(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.7
    1巻649円 (税込)
    両親の離婚でひとりぼっちになった少年は、13歳の誕生日を迎え、憧れのサーカス団・レインボーサーカスに飛び込んだ。ハイヒールで綱の上を歩く元男性の美人綱渡り師、残り物をとびきり美味しい料理に変える名コック、空中ブランコで空を飛ぶ古参ペンギンと、個性豊かな団員達に囲まれて、体の小さな少年は自分の居場所を見つけていく。不自由な世界で自由に生きるための、道標(みちしるべ)となる物語。(解説・ミムラ)
  • ざらざら(新潮文庫)
    小説・文芸
    4.0
    1巻572円 (税込)
    風の吹くまま和史に連れられ、なぜか奈良で鹿にえさをやっているあたし(「ラジオの夏」)。こたつを囲みおだをあげ、お正月が終わってからお正月ごっこをしているヒマな秋菜と恒美とバンちゃん(「ざらざら」)。恋はそんな場所にもお構いなしに現れて、それぞれに軽く無茶をさせたりして、やがて消えていく。おかしくも愛おしい恋する時間の豊かさを、柔らかに綴る23の物語のきらめき。
  • 幸せな結婚
    小説・文芸
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    スタイリストとして成功する妻を横目に、育児に追われる主夫の浩介。家事も育児も手伝わないラジオDJの夫に、いらだちを募らせる恵。渇いた心を持て余す二人は、ある日、公園で知り合う。パートナーには言えぬ想いを抱えて都会を生きる二組の夫婦が直面する、男と女の虚実とは――? インモラルで赤裸々な家族小説。
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―
    小説・文芸
    3.9
    1~7巻781~1,782円 (税込)
    見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発、それがルネサンスだった――フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアと、ルネサンスが花開いた三都市を順に辿り、レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、フリードリッヒ二世や聖フランチェスコ、チェーザレ・ボルジアなど、時代を彩った人々の魅力を対話形式でわかりやすく説く。40年にわたるルネサンスへの情熱が込められた最高の入門書。 ※当電子版は新潮文庫『ルネサンスとは何であったのか』を元に制作しています。地図・年表なども含みます。新潮文庫版に収録の「対談 塩野七生×三浦雅士」も掲載しています。
  • 塩野七生ルネサンス著作集(1~7)合本版
    小説・文芸
    -
    1巻8,492円 (税込)
    見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発、それがルネサンスだった――フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアと、ルネサンスが花開いた三都市を順に辿り、レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、フリードリッヒ二世や聖フランチェスコ、チェーザレ・ボルジアなど、時代を彩った人々の魅力を対話形式でわかりやすく説く。40年にわたるルネサンスへの情熱が込められた最高の入門書。(『ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―』の内容紹介文より) ※当電子版は『塩野七生ルネサンス著作集』1~7をまとめた合本版です。
  • 紫苑物語
    小説・文芸
    -
    1巻605円 (税込)
    王朝末期、宗頼は秀れた才能に恵まれながら、歌を捨て、絶対的なものを求めて力の世界に生きるべく弓矢の人となり、国の守として遠国におもむく。その若い領主の尖鋭すぎる理知と、女狐によって象徴される野性の情熱との、宿命的な触れ合いと破局を描き、著者の文学の最高峰をなす『紫苑物語』、思想に裏うちされた幻想的な冒険小説『鷹』、ほかに『善財』を収録。
  • 死海のほとり
    小説・文芸
    4.1
    1巻880円 (税込)
    戦時下の弾圧の中で信仰につまずき、キリストを棄てようとした小説家の「私」。エルサレムを訪れた「私」は大学時代の友人戸田に会う。聖書学者の戸田は妻と別れ、イスラエルに渡り、いまは国連の仕事で食いつないでいる。戸田に案内された「私」は、真実のイエスを求め、死海のほとりにその足跡を追う。そこで「私」が見出し得たイエスの姿は? 愛と信仰の原点を探る長編。
  • 四角な船
    小説・文芸
    -
    1巻693円 (税込)
    人類絶滅の大洪水が襲来する日、ハコ船によって、救い出されるのは誰か? 大洪水を信じ、琵琶湖の畔りで、密かにハコ船の建造を開始したひとりの男がいる。深い学識の持主で、山中の旧い館に住む彼は、心を許す船大工に設計建造をまかせ、自分はその船に乗るべき人を捜す旅に出る……。奇妙な人物をめぐるユーモラスな物語のなかに、現代社会への鋭い諷刺をこめた長編。
  • しかたのない水
    小説・文芸
    3.5
    1巻484円 (税込)
    東京近郊のフィットネスクラブに集まる、一癖も二癖もある男と女……。平気で女を乗りかえる若い男。その男の美しい肉体を思い浮べ自慰に耽る女。水泳コーチの妻は失踪し、団地の主婦は、昔の恋人の名前をつい呟いてしまう。脱サラした古本屋は、妄想癖のある受付嬢の虜となる――。誰もが世界からはぐれ、行先もわからずさまよっている。不穏な恋の罠に翻弄される男女を描く連作短編集。
  • 私家版 日本語文法
    小説・文芸
    4.2
    1巻737円 (税込)
    文部省も国語の先生も真っ青!あの退屈だった文法がこんなに興味津々たるものだったとは。もはや教科書ではつかみきれない日本語の多様なる現実がここにある。一家に一冊話題は無限。古今の文学作品は言うに及ばず、法律文書、恋文、歌謡曲、新聞広告、野球場の野次まで、豊富かつ意表を突く実例から爆笑と驚愕のうちに日本語の豊かな魅力を知らされる空前絶後の言葉の教室。
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―
    小説・文芸
    3.7
    1巻693円 (税込)
    神風特別攻撃隊第一号に選ばれ、レイテ沖に散った関行男大尉。敗戦を知らされないまま、玉音放送後に「最後」の特攻隊員として沖縄へ飛び立った中津留達雄大尉。すでに結婚をして家庭の幸せもつかんでいた青年指揮官たちは、その時をいかにして迎えたのか。海軍兵学校の同期生であった二人の人生を対比させながら、戦争と人間を描いた哀切のドキュメントノベル。城山文学の集大成。
  • 死後の恋―夢野久作傑作選―(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.6
    1巻825円 (税込)
    ロシア革命直後のウラジオストックで、怪しい男がロマノフ王家の宝石にまつわる奇妙な体験を語る(「死後の恋」)。海難事故で無人島に漂着した兄妹が出遭った悪夢を父母宛に綴る(「瓶詰地獄」)。鼓作りの男が想いを寄せる女に贈った鼓の、尋常ならざる音色が不吉な事件を起こす(「あやかしの鼓」)――。夢と現(うつつ)の狭間へと誘(いざな)う奇才夢野ワールドから厳選した究極の甘美と狂気、全10編。(編者解説・日下三蔵)
  • 獅子の城塞
    小説・文芸
    4.5
    1巻1,089円 (税込)
    決して陥ちぬ天下城、それは築城家の見果てぬ夢。戸波次郎左は信長の夢を叶えるため、欧州に向かった。安土城を造った鬼才の血を引く男はイタリアで名を上げる。やがて大国イスパーニャの圧政に抗うネーデルラント人たちに請われ、彼らを守る鉄壁を手がけることに。愛しい妻子。異国で得た信頼。だが故郷日(ひ)の本(もと)はあまりに遠く――。佐々木譲が全ての力を注ぎ込んだ、大河冒険小説。
  • 死者の奢り・飼育
    小説・文芸
    4.1
    1巻737円 (税込)
    死体処理室の水槽に浮沈する死骸群に託した屈折ある抒情「死者の奢り」、療養所の厚い壁に閉じこめられた脊椎カリエスの少年たちの哀歌「他人の足」、黒人兵と寒村の子供たちとの無残な悲劇「飼育」、傍観者への嫌悪と侮蔑をこめた「人間の羊」など6編を収める。“閉ざされた壁のなかに生きている状態”を論理的な骨格と動的なうねりをもつ文体で描いた、芥川賞受賞当時の輝ける作品集。
  • シシリエンヌ
    小説・文芸
    3.8
    1巻825円 (税込)
    「嗚呼、そんなことをしたら、逝きそうになります……」「駄目よ、まだ気を遣らないで」――“気を遣る”つまりはエクスタシーに達するという、殆ど死語である表現を貴方は好みましたね。僕は時に貴方の身体を乱暴に貪り、時にマスターベーションをするよう強要し……でも結局、主導権を握っていたのは貴方――。そう、僕の官能は貴方の虜でした。そしてはじまった「館」でのインモラルな×××。密室で繰り広げられた貴方の仕打ちに僕は……。性と純愛、官能の極みを描く、かなりやばい長篇小説。
  • 雫の街―家裁調査官・庵原かのん―(新潮文庫)
    小説・文芸
    4.0
    1巻880円 (税込)
    みんな、嘘をつきますから。心の内はわからない――。庵原かのんは、横浜家庭裁判所川崎中央支部の家裁調査官。離婚や相続など家庭内のさまざまな「家事事件」を担当している。彼女のもとに持ち込まれるのは、記憶喪失の男の身元確認、行方不明者の居場所探し、奇妙な離婚調停など一筋縄ではいかない案件ばかり。隠された秘密の先に待つのは、ほろ苦い真実か、微かな希望か!? 人気シリーズ第二弾。(解説・池上冬樹)
  • シズコさん(新潮文庫)
    小説・文芸
    4.1
    1巻539円 (税込)
    四歳の頃、つなごうとした手をふりはらわれた時から、母と私のきつい関係がはじまった。終戦後、五人の子を抱えて中国から引き揚げ、その後三人の子を亡くした母。父の死後、女手一つで家を建て、子供を大学までやったたくましい母。それでも私は母が嫌いだった。やがて老いた母に呆けのきざしが──。母を愛せなかった自責、母を見捨てた罪悪感、そして訪れたゆるしを見つめる物語。(解説・内田春菊)
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-
    小説・文芸
    4.5
    1~5巻880~935円 (税込)
    広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命――。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける!
  • 沈まぬ太陽(一~五) 合本版
    小説・文芸
    4.8
    1巻4,510円 (税込)
    広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命――。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける! ※当電子版は『沈まぬ太陽』(一)~(五)の全五巻をまとめた合本版です。
  • 沈むフランシス(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.9
    1巻605円 (税込)
    都会での仕事を三十五歳で辞め、北海道の小さな村で郵便配達をする女。川のほとりの木造家屋で世界中の「音」を集めながら暮らす男。偶然出会った両者は、急速に惹かれあっていく。からだでふれあうことでしか感じない安息と畏れ、そして不意に湧きあがる不穏な気配。その関係が危機を迎えた嵐の夜、決して若くはないふたりが選択した未来とは。深まりゆく愛と鮮やかな希望の光を描く傑作。(解説・山田真歩)
  • 刺青・秘密
    小説・文芸
    4.0
    1巻693円 (税込)
    肌をさされてもだえる人の姿にいいしれぬ愉悦を感じる刺青師清吉が年来の宿願であった光輝ある美女の背に蜘蛛を彫りおえた時、今度は……。性的倒錯の世界を描き、美しいものに征服される喜び、美即ち強きものである作者独自の美の世界が顕わされた処女作「刺青」。作者唯一の告白書にして懺悔録である自伝小説「異端者の悲しみ」ほかに「少年」「秘密」など、初期の短編全7編を収める。
  • 私説博物誌
    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    珍獣、妙鳥、奇魚、怪草、あらゆる種類の生物の知られざる生態を紹介しながら、人間社会に視点を移し入れ、筒井康隆一流の人間批評を試みたユニークエッセー。(新潮文庫版に掲載しておりましたカットは電子版には収録しておりません。)
  • 7月24日通り
    小説・文芸
    3.6
    1巻440円 (税込)
    中谷美紀主演の映画「7月24日通りのクリスマス」の原作。普通の女には、平凡な未来しかないのかな?? でも、一度くらいはドラマみたいな恋をしてみたい――。平凡なOL・小百合に差し伸べられたのは、高校時代、誰もが憧れていた先輩の逞しい腕だった。不幸な恋の結末を予感しながらも、自分の気持ちに正直に生きようとする小百合の「いま」。最も注目される作家が紡ぐ、恋の奇跡!
  • 質屋の女房(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.7
    1巻572円 (税込)
    哀しい、無器用な劣等生は、社会にうまく適応してゆく人々の、虚偽を見抜く力をもつ……。先天的に、世間に対する劣弱意識に悩まされた著者は、いたずらに自負もせず、卑下もしない、明晰な自己限定力をもって、巧まざるユーモアのにじむ新鮮な文章で、独自の世界をひらいた。表題作ほか、処女作『ガラスの靴』、芥川賞受賞作『陰気な愉しみ』『悪い仲間』など、全10編を収録する。
  • 失格社員(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.6
    1巻781円 (税込)
    嘘つき社員に傲慢部長、モーレツ執行役員にゴマスリ常務──不祥事の元凶がオフィスにはあふれている! サラリーマンが守るべき掟を「モーセの十戒」に擬えて、コミカルにシニカルに描く。秘かに転職を目論む銀行員の心の内は……「二神に仕えるなかれ」、セクハラ対策を担当していながら、生保の中堅幹部はなぜセクハラに陥ったのか……「汝、姦淫するなかれ」など、傑作十篇収録。
  • 6TEEN
    小説・文芸
    3.7
    1巻605円 (税込)
    あれから2年。テツロー、ナオト、ダイ、ジュンは高校生になった。はじめてのセックス、二股の恋愛と裏切り、同級生の死。なにが変わって、なにが変わらないのか。東京湾に浮かぶ月島で、ぼくらは笑い、怒り、悩みながら、永遠と未来の間をさまよい歩く。まだ少しだけ、憂鬱や退屈や不安よりも、早く走れると信じて──。『4TEEN』のその後、四人組が駆け抜ける16歳の青春。
  • 師弟の祈り 旅路の果てに―僕僕先生―(新潮文庫)
    完結
    小説・文芸
    3.6
    全1巻737円 (税込)
    時空を越えた王弁が辿りついたのは、現代日本だった。そこで出会ったのは、妻が消えた男とあの殺し屋……。一方、長安では、王方平がとある女神を復活させ、人間と神仙の戦いを始めようとしていた。王弁は、元の世界に戻れるのか。姿を消した僕僕先生の目的は。人間を滅ぼそうとする神仙と祈りを武器に神仙に抗おうとする人間、そして僕僕たちの最後の旅と戦いがここに決着。感動の最終巻!(解説・小谷真理)
  • 死顔
    小説・文芸
    3.9
    1巻451円 (税込)
    生と死を見つめつづけた作家が、兄の死を題材にその死生観を凝縮させた遺作。それは自身の死の直前まで推敲が重ねられていた──「死顔」。明治時代の条約改正問題とロシア船の遭難事件を描きながら、原稿のまま残された未定稿──「クレイスロック号遭難」。さらに珠玉の三編を合わせて収録した遺作短編集。著者の闘病と最後の刻を夫人・津村節子がつづった「遺作について」を併録。
  • 死神の棋譜(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.5
    1巻880円 (税込)
    初夏、名人戦の最中に詰将棋の矢文が見つかった。その「不詰めの図式」を将棋会館に持ち込んだ元奨励会員・夏尾は消息を絶つ。同業者の天谷から22年前の失踪事件との奇妙な符合を告げられた将棋ライターの〈私〉は、かつての天谷のように謎を追い始めるが――。幻の「棋道会」、北海道の廃坑、地下神殿での因縁の対局。将棋に魅入られた者の渇望と息もつかせぬ展開が交錯する究極のミステリ!(解説・瀬川晶司、村上貴史)
  • 死にゆく者の祈り(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.8
    1巻825円 (税込)
    何故、お前が死刑囚に。教誨師の高輪顕真が拘置所で出会った男、関根要一。かつて、雪山で遭難した彼を命懸けで救ってくれた友だ。本当に彼が殺人を犯したのか。調べるほど浮かび上がる不可解な謎。無実の罪で絞首台に向かう友が、護りたいものとは――。無情にも迫る死刑執行の刻、教誨師の執念は友の魂を救えるか。急転直下の“大どんでん返し”に驚愕必至。究極のタイムリミット・サスペンス。(解説・村上貴史)
  • 死ぬことと見つけたり(上下)合本版(新潮文庫)
    小説・文芸
    3.0
    1巻1,474円 (税込)
    常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。「死人」ゆえに奔放苛烈な「いくさ人」であり、島原の乱では、莫逆の友、中野求馬と敵陣一番乗りを果たす。だが、鍋島藩を天領としたい老中松平信綱は、彼らの武功を抜駆けとみなし、鍋島藩弾圧を策す。杢之助ら葉隠武士三人衆の己の威信を賭けた闘いが始まった。 ※当電子版は新潮文庫版『死ぬことと見つけたり』上下巻をまとめた合本版です。
  • 死の島(上)
    小説・文芸
    4.3
    1~2巻770円 (税込)
    冬の朝、薄気味の悪い夢からさめた相馬鼎は創作ノートを繰りながら机の上に掛けられた絵を眺める。彼は300日前に展覧会場でみたその「島」という作品にひきつけられ、作者の萌木素子を尋ねる。暗い蔭をたたえた被爆者の彼女は、あどけなく美しい年上の相見綾子と二人で住んでいる。相馬が勤務先の出版社について間もなく、広島の病院から二人が心中したという報せをうける……。
  • 忍びたちの本能寺(新潮文庫)
    小説・文芸
    4.3
    1巻825円 (税込)
    本能寺の変の真相を探れ――。特命をうけた甲賀忍びの伊兵衛は、美貌のくノ一於夕や千蔵らと探索を開始した。他の忍びの妨害をかわし疑わしい人物を洗っていく。近衛前久、勧修寺晴豊、神主の吉田兼和、御所、そして伴天連の筋。愛宕山の連歌の謎や奇妙な日記が意味することは何か。京都と丹後宮津、浜松をつなぐ点と線、非情なる密約の構図とは。歴史の闇に大胆に挑み新説を提示する傑作。(解説・縄田一男)
  • 忍びの国 オリジナル脚本
    小説・文芸
    5.0
    1巻1,540円 (税込)
    大野智(嵐)主演で映画化! 天下統一を企む織田軍勢vs.人でなしの忍者たち。その戦いを描いた大ヒット新感覚の忍び小説は、この脚本から誕生した。“原石”とも言えるオリジナル版を、作者が明かす創作秘話や、監督が語る撮影裏話とともにお届けします!
  • 忍ぶ川
    小説・文芸
    4.1
    1巻880円 (税込)
    兄姉は自殺・失踪し、暗い血の流れにおののきながらも、強いてたくましく生き抜こうとする大学生の“私”が、小料理屋につとめる哀しい宿命の娘・志乃にめぐり遭い、いたましい過去をいたわりあって結ばれる純愛の譜『忍ぶ川』。読むたびに心の中を清冽な水が流れるような甘美な流露感をたたえた芥川賞受賞作である。他に続編ともいうべき『初夜』『帰郷』『團欒』など6編を収める。
  • しぶちん
    小説・文芸
    3.4
    1巻605円 (税込)
    “しぶちん”とは大阪弁でケチン坊のことだが、ケチが陰にこもらない開放的な言い方である。19歳で伊勢の沢庵売りから大阪の材木問屋に奉公して財をなした山田万治郎は、“しぶまん”と呼ばれながらも、昭和初年に、商工会議所の議員に推薦される。大阪商人の金銭への執念を捉えた表題作の他、大阪富商の町、船場に憧れと執念をもやした女の一生を描く『船場狂い』など、全5編を収録する。
  • 〆太よ
    小説・文芸
    4.0
    1巻1,584円 (税込)
    まともなつもりで正気を失った20世紀末の日本で人間のクズを自認するおれと純粋無垢な盲目の青年〆太は本物の友情で結ばれる。究極の遊び人にしておれの麻薬(ドラッグ)の師匠や性交(セックス)を作品と心得るおれの中学時代の女神(マドンナ)との交歓の果て〆太とおれはある邪悪な陰謀に挑むことに……。構想20年。己れが己れであることをめぐる冒険の物語。
  • 湿った空乾いた空
    小説・文芸
    -
    1巻506円 (税込)
    可憐でやさしく、それでいて嫉妬深く自己中心的な女性M・Mと、ゼンソクの持病がある作家の「私」が、外国旅行をする。ラスベガスでの大喧嘩からはじまって、パリの空港で別れるまでの、一組の男女の繊細な感情の揺れ動きを吐露した表題作。他に、別居した妻と入籍を迫るM・Mとの間で、自己の“青春の復活”を凝視する「私」の緊張感を表白した『赤い歳月』を併録する。
  • 釈迦
    小説・文芸
    4.3
    1巻605円 (税込)
    八十歳を迎えたブッダ(釈迦)は、侍者ひとりを連れて最後の旅に出る。遺された日々、病み衰えたブッダの胸に、人々の面影や様々な思いが去来する。自分を産んですぐ亡くなった母、養母、シャカ族の王だった父。亡霊となって現れる妻。出家してなお煩悩に苦しむ弟子たち、尼僧を受け入れた日のこと。涅槃に至るブッダの言葉の数々が、心地よい音楽のように綴られる。入魂の仏教小説。
  • 灼熱(新潮文庫)
    小説・文芸
    4.7
    1巻1,265円 (税込)
    日本からはるばる海を渡ってきた比嘉勇と現地で育った移民二世の南雲トキオ。ブラジルの入植地で彼らは出会い、親友となった。そして迎えた終戦。祖国大勝利を信じる「勝ち組」と敗北を知る「負け組」の間で巻き起こった抗争が、二人を引き裂いた。分断、憎悪。遠き異国で日本人が同胞に向ける銃口。ふたりの青年の運命が交わったとき。絶賛を浴び、渡辺淳一文学賞に輝いた、圧巻の群像劇。(解説・杉江松恋)
  • 射程
    小説・文芸
    -
    1巻715円 (税込)
    美しい多津子は、掠奪者の手に引かれていったのだ。――心の底に隠されたままの、深い傷に発する情念、それこそが、若い諏訪高男の運命を、根源においてゆさぶらずにはおかぬものだった。医師である父に反抗して家出し、やがて、たくましいヤミ商人となった高男。そして、ついには億万もの毛織物を先物買いするほどの富を築きながら、一挙に失敗して転落、彼は自殺を遂げる……。
  • しゃべれども しゃべれども
    小説・文芸
    4.2
    1巻825円 (税込)
    国分太一主演の映画原作。しゃべれどもしゃべれども想いは伝わらない――。若い落語家・今昔亭三つ葉は、前座より少し上の二ツ目。そんな三つ葉が話し方教室を開くことに。無愛想で失恋ばかりしている美人、関西弁でクラスでいじめにあう小学生、野球解説がド下手な元プロ野球選手……人に教えている場合ではない先生のもとに、自分を表現できない不器用な生徒が集まり……。さりげない展開の中に絶妙のテンポ感があり、読み始めたら止まらない! 癒されたい人、必読。
  • 愁月記
    小説・文芸
    5.0
    1巻440円 (税込)
    一家の暗い宿命を負って生きた母が、九十一歳で長かった辛い人生を終えようとしている。その死の前後を静謐な文章で淡々と綴った母への絶唱「愁月記」ほか、久しぶりに肉親たちや著者自身に関わる作品ばかりで編む待望の短篇集。収録作七篇は、それぞれ『忍ぶ川』『白夜を旅する人々』など、著者自らの運命の系譜を辿る諸作に連なるもので、短篇の名手が遺憾なく真骨頂を発揮する。
  • 守教(上)(新潮文庫)
    小説・文芸
    4.7
    1~2巻825~880円 (税込)
    九州の筑後領高橋村。この小さな村の大庄屋と百姓たちは、キリスト教の信仰を守るため命を捧げた。戦国期から明治まで三百年。実りの秋も雪の日も、祈り信じ教えに涙する日々。「貧しい者に奉仕するのは、神に奉仕するのと同じ」イエズスの言葉は村人の胸に沁み通り、恩寵となり、生きる力となった。宣教師たちは諸国を歩き、信仰は広がると思われたが、信長の横死を機に逆風が吹き始める。
  • 祝宴
    小説・文芸
    3.9
    1巻1,650円 (税込)
    「私は、彼女のことを、秘密にしたくないの」。長女が同性の恋人の存在を告白したのは、次女の結婚式の夜だった。戸惑う父は、娘にふつうでいて欲しいと願ってしまう――。日本で外国人として育った娘、外省人の祖父、日本・台湾・中国で生きる父。いくつもの境界を抱えた家族を、小籠包からたちのぼる湯気で柔らかく包み込む感動長編。
  • 出発は遂に訪れず
    小説・文芸
    -
    1巻737円 (税込)
    敵艦に体当りする瞬間に向けて生命のすべてを凝縮させながら、終戦の報によって突如その歩みを止められた特攻隊将校の特異な体験を緊迫した言葉で語る表題作。超現実的な夢の世界に人間の本質を探った画期的作品「夢の中での日常」ほか、「島の果て」「単独旅行者」「兆」「帰巣者の憂鬱」「廃址」「帰魂譚」「マヤと一緒に」など、現実と幻想の間を自在に行き交う文体で、痛切な私的体験を普遍へと昇華させた島尾文学の代表作、全9編。
  • 出版禁止 死刑囚の歌(新潮文庫)
    小説・文芸
    4.2
    1巻825円 (税込)
    千葉県柏市で6歳と4歳の姉弟が誘拐され、無惨な姿で発見された。犯人は死刑判決を受け、やがて刑は執行されたが、最後まで動機は不明だった。事件から22年後。東京都向島で凄惨な一家三人殺傷事件が発生する。殺害されたのはなんと柏の事件の……。共通する手口、戦慄の短歌、消えたM子。本当の鬼畜は誰なのか。虚実が複雑に絡みあい、逆転また逆転そして絶句。あなたは今度も騙される!(解説・前川裕)

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