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Posted by ブクログ
初の田中慎弥。
クセの強い人なんだろうと思っていたら、やっぱりすごかった。
第二次世界大戦後に、アメリカが新たな日本を生み出し、自分たちがそこに居住したとしたら。
それまでの日本を旧日本と呼び、旧日本人に対して居住区を設け、行動に制限をかけたとしたら。
解説で触れられているように、「強国」はその意味で善なる統治を施行することに、疑問を抱かないものである。
恐ろしい小説と思っていながら、身近な所で『宰相A』の世界は存在するように思う。
小さな世界の我々が決めたことこそが、ルールであり、正義であるのだと。
その「普遍」に逆らうものを屈服させる悦びを、純粋に引き継ぎの少女は知る。
母の墓はどこにあるのか。
あって欲しいのか。あるはずがないのか。
自分はどこに還ってゆけるのか。
そして、ここはどこなのか。
つまり、自分は誰であったのだろう。
自身に流れるルーツなど、ある日唐突に何の証でもなくなるんだなと知った。
ディストピア小説って終わりは救いがなくて、いつも滅入る。
Posted by ブクログ
主人公は、母の墓参りに帰郷したが、到着したのは故郷ではなく、全く見覚えのない景色。周りは軍服のような服装をしており、瞳も髪も日本人離れしている風貌な人ばかりだった・・。
ここは日本であるが、今現在の日本とは違う世界にスリップしてしまった主人公。右も左も分からず、拘束され”旧日本人”と差別され、隔離される。
日本の政治とは何か? 現在の政治から窺える日本の未来はどうなのか?・・考えられるであろう道筋が作中に落とし込まれている。
ただし、あくまでフィクションである。どのように感じ、考えるかは各々の捉え方だろう。今の政治に不満があるのか、無いのかで捉え方も変化するだろう。
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