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Posted by ブクログ 2014年07月01日
大好きな小説集。何度も折り入って読み返しているんだけれど、なかなかレビューを書けなかった。書いてみます。
この小説集には『不意の償い』『蛹』『切れた鎖』の3篇が収録されている。三島賞と川端賞をダブル受賞したそうな。賞の裏付けもある通り、初期の傑作と言えるだろう。中でも衝撃的なのは社会化されていく自己...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年07月21日
田中さんの作品としては、これが読んだの二つ目でした。
短編の作品が三つ入っていて、各々、不意の償い、蛹、切れた鎖です。
共食いと同様、文章が力強くて、短編なのに物凄く疲れるものでした。
疲れるとはいっても、不快感はなく、本文といい意味で対峙している感覚になれます。
三つとも印象には残...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月23日
写文したくなる名作
やっぱり「血縁」なんやなテーマは。しかし、共喰いより断然面白い。
家族はバトンを繋いでいくけどその中身は思いや、時代で形を変えて受け継がれる。そしてそれはいかなる力でも切れないと思わせる。いくら時代がグローバリズムを称揚しても、関係なかったことにはできない。関係ないことにしよう...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年01月15日
田中慎弥の作品に出てくる人物の本当にどうしようもなさ。これこそが人間なのではないかと強く思う。本当に本当にどうしようもない。ろくでもないし、怒りもわいてくる。しかし、ひとつひとつの言動を取り上げるのではなく、総体として、人間はこういう弱さとか残忍さを抱えた存在なのではないかという疑念を払拭しきれない...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年11月26日
「不意の償い」くどいまでの自己の描写は三島由紀夫みたいです。火事は金閣寺のオマージュなのかも。
「蛹」は作者自身の私小説ですね。人間も昆虫のように、しかし違ったかたちの変態をする。人間を原初生命体として見た、成長の表現だと思います。母親と作者との半生とこれからの思いを感じました。
「切れた鎖」...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年03月28日
読んでいて、気が滅入った。
悪夢や幻覚みたいな、行間のつまった描写は文学的なのかもしれないけど、
巻き込まれてもいい、と思える好きな世界ではなかった。
表題作とか、とても暗くて救いようがない感じ…
不意の償い は、そんな中でもなんか、主人公が現実で置かれている環境、周囲からきちんと愛されている様子が...続きを読む
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