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Posted by ブクログ
サラリーマンの悲哀さがこれでもかと詰まった短編集。20年近く前の小説なので、やや時代遅れのような気がする内容だが、還暦を過ぎた自分や周りの人を想像して『こんなことあったなあ』と懐かしんだりもした。
仕事に行き詰まったところにヘッドハンティングの話がきたが、実は人事部の仕掛けた会社への忠誠心を試す昇進試験だった話。
定年後に役員待遇で迎えられたベンチャー企業の社員が遊んでいるようにしか思えず、環境を変えようとするが空回りする話。
取引先が反社だということがわかり、関係を切ろうとする話など。
先日のニュースで、今は『パープル(紫)企業』という言葉があると聞いた。パワハラの蔓延するブラック企業と、やりがいがあり勤労環境に優れているホワイト企業の中間。ゆるい制度の会社というのは中途半端すぎて敬遠されるというのは、何だか皮肉だ。
ひと昔前は江上剛さんが有名だったけど、いまやサラリーマン小説は池井戸潤さんが主流なのかな。池井戸潤さんには前向きな未来が描かれ、半沢直樹や花咲舞のような勧善懲悪なものも多いが、江上剛さんの小説には救いようのない現実が多くリアルすぎる…。
だから企業の歯車としてあくせく働くのが虚しいということが理解できる今は、逆に懐かしく思えるのだろう。
やっぱりサラリーマン小説は面白い。
Posted by ブクログ
どのストーリーもなんだか切なくて、泣きたくなった。
すごい。
今まで耳にしてきた話がよりリアルにイメージできた。
上下関係の秩序を壊さないために自分を押し殺す。
上司の顔色を伺う。権力者にこびる様。
説明会では、風通しがいい風土とか、上司と仲がいいとか、自分の意見が言える文化とか、どの企業もそんなことばっか言ってるケド、
きっとこんなもんなんだろうなーって思う。
しかも、ダメ押しとばかりにぐっとくるのが江上さんのあとがき。
「お客のために、家族のために、そして自分のために働け。
決して会社のために働くな」
そのとおりだと思う。
お金をもらうためだけに会社にいて、終業時間まで耐える
なんて生活、絶対悲しい。
なんのために自分は働いているのか。
いつも意識しながら仕事をしたい。
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